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第115回 看護師国家試験 午前問題【問1~30】徹底解説

こんにちは、なんでなんだナーシングです!
看護師国家試験の過去問を一緒に解いていきましょう!

このシリーズでは、過去問を解きながら正答の根拠と関連知識を確認できます。


正解した問題も解説まで確認し、曖昧な知識や苦手な分野を見つけながら学習を進めていきましょう!

■ おすすめの使い方
①まずは問題に挑戦する → ②正答と30秒ポイントを確認する → ③詳細解説で各選択肢の根拠を理解する → ④DL特典で苦手な問題を拾い直す

■ DL特典(PDF)
問1~30の「正答+30秒ポイント」をまとめた復習シートです。
「覚えた・あいまい・苦手」のチェック欄を使い、復習が必要な問題の整理に活用してください。
記事の一番下にある「ダウンロード」から受け取れます。
 
 

問1~10

【問1】 令和5年(2023年)推計による日本の将来推計人口で、令和42年(2060年)の将来推計人口に最も近いのはどれか。

  1. 6,600万人

  2. 9,600万人

  3. 1億600万人

  4. 1億2,600万人
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
令和5年推計(国立社会保障・人口問題研究所)によると、2060年の日本の総人口は約9,615万人とされています。したがって最も近い選択肢は「9,600万人」です。少子高齢化の進行により、2060年には人口が1億人を下回ることが予測されています。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 6,600万人:不正解です。6,600万人は2060年の推計値(約9,615万人)と大きく乖離しています。

  2. 9,600万人:正解です。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、2060年の日本の総人口は約9,615万人と推計されており、最も近い選択肢です。

  3. 1億600万人:不正解です。1億600万人は2060年の推計値(約9,615万人)より多い数値です。

  4. 1億2,600万人:不正解です。1億2,600万人は、推計の出発点である令和2年(2020年)時点の日本の人口に近い値であり、2060年の将来推計値としては過大です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 2060年の年齢構成:高齢化率(65歳以上の割合)は約38%に達すると推計されています。

  2. 2070年の推計人口:約8,700万人とさらに減少し、高齢化率は約39%に達するとされています。

  3. 合計特殊出生率:令和5年推計では、長期的に1.2〜1.3程度で推移することを前提としています。
     
     

【問2】 警察庁の「令和4年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

  1. 家庭問題

  2. 勤務問題

  3. 健康問題

  4. 経済・生活問題
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
警察庁のデータによると、自殺の原因・動機で最も多いのは「健康問題」です。次いで「家庭問題」「経済・生活問題」「勤務問題」の順となっています。「健康問題」が第1位であることは頻出事項です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 家庭問題:不正解です。家庭問題(家族との不和、家族の将来などを含む)は、令和4年の自殺の原因・動機では健康問題に次いで第2位です。

  2. 勤務問題:不正解です。勤務問題(職場の人間関係、仕事疲れなど)は第4位程度であり、健康問題よりも件数が少なくなっています。

  3. 健康問題:正解です。うつ病などの精神的な疾患、身体的な疾患などが原因で自殺に至るケースが最も多く、長年にわたって原因・動機の第1位となっています。

  4. 経済・生活問題:不正解です。経済・生活問題(生活苦、多重債務など)は第3位であり、第1位ではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 自殺者総数:令和4年(2022年)の自殺者数は21,881人で、前年より増加しました。

  2. 性別と原因の違い:男性は「経済・生活問題」「勤務問題」の割合が比較的高く、女性は「健康問題」「家庭問題」の割合が高い傾向にあります。

  3. 年齢別の特徴:19歳以下では「学校問題」が最も多く、20歳代以上では各年齢階級で「健康問題」が最も多くなっています。20〜50歳代では「勤務問題」や「経済・生活問題」も比較的多くみられます。
     
     

【問3】 レム睡眠の特徴はどれか。

  1. 骨格筋が緊張する。

  2. 急速な眼球運動を伴う。

  3. 体熱の放散が増加する。

  4. 大脳皮質の活動が低下する。
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
レム睡眠(REM: Rapid Eye Movement)の最大の特徴は「急速な眼球運動を伴う」ことです。また、夢を見やすく、大脳皮質は活発に活動しています。一方で骨格筋は弛緩(脱力)しており、「脳は起きていて、体は眠っている」状態とも表現されます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 骨格筋が緊張する:不正解です。レム睡眠中は骨格筋の緊張が著しく低下(弛緩)し、随意運動ができない状態になります。これは夢の内容を実際に行動してしまわないための保護機能と考えられています。

  2. 急速な眼球運動を伴う:正解です。REM(Rapid Eye Movement)とは「急速眼球運動」のことであり、レム睡眠の名称の由来そのものです。閉じた瞼の下で眼球が素早く動くのが特徴です。

  3. 体熱の放散が増加する:不正解です。レム睡眠中は体温調節機能が低下し、環境温度の影響を受けやすくなりますが、体熱の放散が特に増加するわけではありません。

  4. 大脳皮質の活動が低下する:不正解です。レム睡眠中の大脳皮質の活動は覚醒時に近いほど活発であり、夢を見るのもこの状態です。むしろ活動が低下するのはノンレム睡眠(深睡眠)のときです。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ノンレム睡眠との違い:ノンレム睡眠は脳の休息(大脳皮質の活動低下、徐波)が主であるのに対し、レム睡眠は身体の休息(筋弛緩)と脳の活性化が同時に起こります。

  2. 睡眠サイクル:睡眠は90〜120分を1周期として、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返します。夜が深まるにつれてレム睡眠の割合が増えていきます。

  3. レビー小体型認知症との関連:レム睡眠行動障害(RBD)はレビー小体型認知症の早期症状として知られており、夢に合わせて大声を出したり手を振ったりする行動が起こります。
     
     

【問4】 土壌中に分布し感染を引き起こすのはどれか。

  1. 結核菌

  2. コレラ菌

  3. 破傷風菌

  4. カンピロバクター
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
土壌中に広く分布し、傷口から侵入して感染を引き起こすのは「破傷風菌(Clostridium tetani)」です。芽胞を形成する嫌気性菌で、テタノスパスミンという神経毒素を産生します。各菌の主な感染経路をしっかり覚えておきましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 結核菌:不正解です。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は患者の咳・くしゃみによって空気中に飛散した飛沫核(5μm以下の粒子)を介した空気感染(飛沫核感染)によって広がります。土壌中には分布しません。

  2. コレラ菌:不正解です。コレラ菌(Vibrio cholerae)は患者の糞便や嘔吐物で汚染された水・食物を介した経口感染が主な感染経路です。衛生状態の悪い地域での水系感染症として知られています。

  3. 破傷風菌:正解です。破傷風菌(Clostridium tetani)は芽胞の形態で土壌中に広く分布しています。釘や刺し傷などの傷口から芽胞が侵入し、嫌気的な環境(壊死組織など)で増殖してテタノスパスミンを産生し、強直性けいれんを引き起こします。

  4. カンピロバクター:不正解です。カンピロバクター(Campylobacter jejuni)は鶏・牛などの腸管に常在する菌で、加熱不十分な鶏肉などの食肉摂取を介した経口感染が主な原因です。食中毒の原因菌として最も多い菌の一つです。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 破傷風の予防:5種混合ワクチンなど、破傷風成分を含むワクチンによる定期接種が有効です。

  2. 破傷風の症状:口が開かなくなる「開口障害(牙関緊急)」や「後弓反張(全身の強直性けいれん)」が特徴的です。

  3. 嫌気性菌の特徴:破傷風菌・ガス壊疽菌(Clostridium perfringens)など嫌気性菌は酸素のない環境で増殖します。創傷のデブリドメント(壊死組織除去)が予防・治療に重要です。
     
     

【問5】 居宅サービス計画〈ケアプラン〉の作成を業務とするのはどれか。

  1. 看護師

  2. 介護福祉士

  3. 介護支援専門員

  4. 精神保健福祉士
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
居宅サービス計画(ケアプラン)の作成は「介護支援専門員(ケアマネジャー)」の主要な業務です。介護保険法に基づいて、要介護者の心身の状況や本人・家族の希望を踏まえてケアプランを作成します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 看護師:不正解です。看護師の業務は保健師助産師看護師法に規定されており、療養上の世話や医師の指示に基づく診療の補助が主な業務です。看護師の資格だけでは、居宅サービス計画を作成する職種には該当しません。

  2. 介護福祉士:不正解です。介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、入浴・排泄・食事などの身体介護や生活援助を業務としています。介護福祉士の資格だけでは、居宅サービス計画を作成する職種には該当しません。

  3. 介護支援専門員:正解です。介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護保険法に基づき、要介護者等が適切な介護サービスを利用できるように、心身の状況・環境・本人や家族の希望を踏まえて居宅サービス計画(ケアプラン)を作成することが主な業務です。

  4. 精神保健福祉士:不正解です。精神保健福祉士は精神保健福祉士法に基づき、精神障害者の保健・福祉に関する相談援助を業務としています。精神保健福祉士の資格だけでは、居宅サービス計画を作成する職種には該当しません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ケアマネジャーになるまでの流れ:看護師・医師・社会福祉士などが、一定の業務経験(通算5年以上かつ900日以上)を満たして介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を修了した後、登録を受けます。業務に従事するには介護支援専門員証の交付も必要です。

  2. 施設サービス計画:特別養護老人ホーム(特養)などの施設では「施設サービス計画」が作成されます。これは当該施設のケアマネジャーが作成します。

  3. セルフケアプラン:要介護者・家族が自らケアプランを作成することも制度上可能です(「セルフケアプラン」)。
     
     

【問6】 マズロー, A. H. の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。

  1. 安全の欲求

  2. 承認の欲求

  3. 自己実現の欲求

  4. 所属と愛の欲求
     
     
     
     
     
    【正解】 4

【30秒でわかる!ポイント解説】
マズローの欲求階層(5段階欲求説)において、「集団の一員でありたい」「他者と関わりたい」「愛し愛されたい」という欲求は第3階層の「所属と愛の欲求(社会的欲求)」です。5段階を順番に覚えておくことが重要です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 安全の欲求:不正解です。安全の欲求(第2階層)は身の安全・安定した生活・秩序などを求める欲求です。「危険から身を守りたい」「経済的に安定したい」などが該当します。

  2. 承認の欲求:不正解です。承認の欲求(第4階層)は他者から尊重・評価されたい、自己尊重したいという欲求です。地位・名誉・達成感などへの欲求が該当します。

  3. 自己実現の欲求:不正解です。自己実現の欲求(第5階層、最上位)は自分の潜在能力を最大限に発揮したい、なりたい自分になりたいという欲求です。

  4. 所属と愛の欲求:正解です。所属と愛の欲求(第3階層)は「どこかのグループや集団に属したい」「友達がほしい」「誰かと愛し合いたい」という欲求です。「集団の一員でありたい」はまさにこの欲求に該当します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 欲求の5段階(下から順に):①生理的欲求 → ②安全の欲求 → ③所属と愛の欲求 → ④承認(尊重)の欲求 → ⑤自己実現の欲求

  2. 欠乏欲求と成長欲求:第1〜4階層は「欠乏欲求(Deficiency needs)」と呼ばれ、充足されないと不満・欠乏感を生じます。第5階層は「成長欲求(Being needs)」と呼ばれます。

  3. 看護への応用:患者のケアニードをアセスメントする際にも、生理的欲求(呼吸・水分・栄養など)→ 安全の欲求(転倒予防など)という順で優先度を考えるうえで活用できます。
     
     

【問7】 Down〈ダウン〉症候群の原因となるのはどれか。

  1. 5番染色体

  2. 13番染色体

  3. 18番染色体

  4. 21番染色体
     
     
     
     
     
    【正解】 4

【30秒でわかる!ポイント解説】
ダウン症候群は「21番染色体のトリソミー(3本)」が主な原因です。染色体異常による疾患の中で最も頻度が高く、国家試験でも頻出です。各染色体番号と疾患の組み合わせを覚えておきましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 5番染色体:不正解です。5番染色体短腕の欠失(5p欠失症候群)は「猫鳴き症候群(Cri-du-chat症候群)」の原因となります。新生児の泣き声が猫の鳴き声に似ていることが特徴です。

  2. 13番染色体:不正解です。13番染色体のトリソミーは「パトウ症候群(Patau syndrome)」の原因となります。重篤な奇形を伴い、予後不良のことが多い疾患です。

  3. 18番染色体:不正解です。18番染色体のトリソミーは「エドワーズ症候群(Edwards syndrome)」の原因となります。重篤な心奇形・成長障害を伴います。

  4. 21番染色体:正解です。21番染色体が3本になる「21トリソミー」がダウン症候群(Down syndrome)の原因で、約95%を占めます。特徴として、知的障害・筋緊張低下・特徴的な顔貌・先天性心疾患などがあります。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ダウン症候群の頻度:出生頻度は地域や母体年齢構成によって異なりますが、約600〜700人に1人程度です。母親の年齢が高くなるほど発症リスクが上昇します。

  2. ダウン症候群の主な合併症:先天性心疾患(約40〜50%)、甲状腺機能低下症、白血病リスクの上昇、アルツハイマー型認知症(早期発症リスク)などがあります。

  3. 21番染色体異常の種類:①標準型トリソミー(約95%)②モザイク型(正常細胞と異常細胞が混在)③転座型(21番染色体の一部が他の染色体に転座)の3種類があります。
     
     

【問8】 乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。

  1. はさみを使う。

  2. 丸(円)を描く。

  3. ガラガラを握る。

  4. 積み木で塔を作る。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
手先の運動は、手のひら全体で握る動きから、指先を使う細かな動きへと発達します。「ガラガラを握る(手掌把握)」は生後3〜4か月で可能になり、最も早い段階で獲得されます。乳幼児の発達マイルストーンは頻出事項です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. はさみを使う:不正解です。はさみを使い始めるのは一般的に3〜4歳頃です。手指の精巧な協調運動が必要であり、発達の比較的遅い段階で獲得されます。

  2. 丸(円)を描く:不正解です。丸(円)を描くことができるのは一般的に3歳頃です。鉛筆やクレヨンを持つ握力と方向転換の協調性が必要です。

  3. ガラガラを握る:正解です。ガラガラを手のひらで握る(手掌把握)は生後3〜4か月頃に可能になります。これは把握反射(原始反射)から随意的な把握へと移行する時期にあたります。4つの選択肢の中で最も早く獲得されます。

  4. 積み木で塔を作る:不正解です。積み木を2〜3個積み重ねて塔を作ることができるのは一般的に1歳〜1歳6か月頃です。ガラガラを握る(3〜4か月)より遅い時期です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 微細運動の発達順序(目安):3〜4か月:ガラガラを握る → 9〜10か月:指でつまむ(ピンチング)→ 1歳〜1歳半:積み木を2個積む → 2歳:鉛筆で線を描く → 3歳:丸を描く → 3〜4歳:はさみを使う

  2. 把握反射(grasp reflex):手のひらに物が触れると自動的に握りしめる原始反射で、生後4〜6か月頃に消失し、随意的な把握へ移行します。

  3. デンバー式発達スクリーニング(DDST):乳幼児の発達を評価するための標準的なスクリーニングツールです。粗大運動・言語・微細運動・個人-社会の4領域で評価します。
     
     

【問9】 乳児期と比べて学童期にみられる身体生理機能の変化はどれか。

  1. 血圧の上昇

  2. 胃容量の減少

  3. 膀胱容量の減少

  4. 腹式呼吸への移行
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
成長に伴い、血圧は上昇します。乳児期(収縮期血圧80〜90mmHg程度)から学童期(100mmHg前後)へと血圧は上昇していきます。胃容量・膀胱容量は成長とともに「増加」し、呼吸型は乳児期の腹式呼吸から学童期には胸式呼吸(胸腹式)へ移行します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 血圧の上昇:正解です。血圧は成長とともに上昇します。乳児期の収縮期血圧は80〜90mmHg程度ですが、学童期(6〜12歳)には100〜110mmHg程度となります。心臓の成長・血管抵抗の変化によるものです。

  2. 胃容量の減少:不正解です。胃容量は成長とともに増加します。新生児期の胃容量は30〜60mL程度、乳幼児期には200〜300mL、学童期にはさらに増大します。減少ではなく増加です。

  3. 膀胱容量の減少:不正解です。膀胱容量も成長とともに増加します。学童期の膀胱容量は年齢によって異なり、小児の予測式の一つとして、4〜12歳では「(年齢+1)×30mL」が用いられます。成長に伴って排尿間隔も長くなります。

  4. 腹式呼吸への移行:不正解です。乳幼児期は横隔膜を中心に使う腹式呼吸が主体ですが、成長とともに肋骨の発達・呼吸筋の成熟により、胸式呼吸(胸腹式呼吸)へと移行します。選択肢は逆で誤りです。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 年齢別の正常血圧の目安(収縮期):新生児:60〜90mmHg、乳児:80〜90mmHg、幼児:90〜100mmHg、学童:100〜110mmHg、成人:120mmHg未満

  2. 呼吸数の変化:呼吸数は乳幼児期に多く、成長に伴い減少します。目安として、1歳未満では30〜60回/分、10歳頃では18〜30回/分、成人では12〜20回/分です。

  3. 心拍数の変化:心拍数も乳幼児期に多く(乳児:100〜160回/分)、成長に伴い低下し、学童期では70〜100回/分、成人では60〜100回/分となります。
     
     

【問10】 令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。

  1. 40 %

  2. 50 %

  3. 60 %

  4. 70 %
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
令和4年(2022年)の国民生活基礎調査によると、核家族世帯の割合は57.1%であり、最も近い選択肢は「60%」です。核家族世帯の定義(夫婦のみ・夫婦+未婚の子・ひとり親+未婚の子)も合わせて確認しておきましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 40%:不正解です。40%は核家族世帯の実際の割合(57.1%)より低い数値です。単独世帯の割合は32.9%です。

  2. 50%:不正解です。50%は実際の割合(57.1%)より低く、最も近い選択肢ではありません。

  3. 60%:正解です。令和4年の国民生活基礎調査において、核家族世帯の割合は57.1%であり、選択肢の中では「60%」が最も近い値となります。

  4. 70%:不正解です。70%は実際の割合(57.1%)より高く、最も近い選択肢ではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 核家族世帯の定義:①夫婦のみの世帯、②夫婦と未婚の子のみの世帯、③ひとり親と未婚の子のみの世帯、の3種類を核家族世帯といいます。

  2. 単独世帯(一人暮らし)の増加:令和4年の調査では単独世帯が全世帯の32.9%を占め、増加傾向にあります。高齢者の単独世帯(独居老人)の増加が課題となっています。

  3. 三世代世帯の減少:かつて一般的だった祖父母・親・子の三世代が同居する「三世代世帯」は年々減少し、全体の3.8%となっています。
     
     

問11~20

【問11】 止血機構を有するのはどれか。

  1. 血漿

  2. 細胞内液

  3. 脳脊髄液

  4. リンパ液
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
止血機構を担うのは「血漿」です。血漿にはフィブリノゲン(第Ⅰ因子)やプロトロンビン(第Ⅱ因子)などの凝固因子が含まれています。細胞内液・脳脊髄液・リンパ液は、血漿のように全身の止血機構を担う体液ではありません。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 血漿:正解です。血漿(全血液の約55%を占める液体成分)は水・タンパク質・電解質・栄養素などから構成されており、フィブリノゲン(第Ⅰ因子)やプロトロンビン(第Ⅱ因子)をはじめとする多数の凝固因子が含まれています。これらが止血機構(血液凝固カスケード)を担います。

  2. 細胞内液:不正解です。細胞内液は細胞の内部に存在する液体で、カリウムイオンなどの電解質を多く含みます。止血に関与する凝固因子は含まれていません。

  3. 脳脊髄液:不正解です。脳脊髄液は脳室や脊髄腔に存在する透明な液体で、脳・脊髄の保護や栄養供給に関わりますが、凝固因子は含まれていません。

  4. リンパ液:不正解です。リンパ液はリンパ管内を流れる液体で、組織液が毛細リンパ管に入ったものです。白血球、特にリンパ球を含み、血漿より低濃度ながら凝固因子も存在しますが、血漿のように全身の止血機構を担う体液ではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 一次止血と二次止血:一次止血は血小板が傷口に集積して血小板血栓を形成する過程で、二次止血(血液凝固)は血漿中の凝固因子が活性化されてフィブリン(線維素)を形成し血栓を強固にする過程です。

  2. 血漿と血清の違い:血漿はフィブリノゲンを含む(凝固していない)血液の液体成分です。血清は血液が凝固した後の上清で、フィブリノゲンが消費されて含まれていません。

  3. DIC(播種性血管内凝固症候群):全身で凝固系が過剰に活性化して微小血栓が形成され、その結果、血小板や凝固因子が消費されて出血傾向を生じる重篤な病態です。
     
     

【問12】 胃潰瘍による少量の吐血の特徴はどれか。

  1. 泡沫状

  2. アセトン臭

  3. アンモニア臭

  4. コーヒー残渣様
     
     
     
     
     
    【正解】 4

【30秒でわかる!ポイント解説】
胃潰瘍による出血は胃酸によって血液が酸化・変性するため、「コーヒーの出がらし(コーヒー残渣)」のような黒褐色の見た目になります。泡沫状は気道からの出血(喀血)の特徴です。吐血と喀血の違いをしっかり区別しましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 泡沫状:不正解です。泡沫状(泡立った状態)は気道(肺・気管支)からの出血である「喀血」の特徴です。喀血は肺出血に伴う気泡(空気)が混入するため泡立ちます。

  2. アセトン臭:不正解です。アセトン臭は糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の際に呼気から感じられる甘酸っぱい(ケトン体の)臭いです。吐血とは関係ありません。

  3. アンモニア臭:不正解です。アンモニア臭は尿毒症(腎不全末期)の患者の口腔・体から感じられることがあります。吐血の性状とは関係ありません。

  4. コーヒー残渣様:正解です。胃内での出血では、血液が胃酸と反応してヘモグロビンが塩酸ヘマチンへと変性します。その結果、吐物は黒褐色のコーヒーの出がらしのような見た目(コーヒー残渣様)になります。少量の出血では特にこの特徴が顕著です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 吐血と喀血の比較:吐血(消化管由来)は黒褐色・コーヒー残渣様・酸性・食物残渣混在などが特徴です。喀血(気道由来)は鮮紅色・泡沫状・アルカリ性などが特徴です。

  2. タール便(黒色便・メレナ):上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血が少量の場合、便として排泄されるとタール状の黒色便(タール便・メレナ)となります。胃潰瘍の重要なサインです。

  3. 大量吐血の場合:大量の上部消化管出血(例:静脈瘤破裂)では、鮮紅色の吐血となることもあります。
     
     

【問13】 腹部の図を示す。胆囊炎でみられる腹痛の典型的な部位はどれか。

出典:厚生労働省 第115回看護師国家試験 午前問題 問13

 
 
 
 
 
【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
胆囊は肝臓の下面(右上腹部)に位置するため、胆囊炎では「右上腹部痛」が典型的な症状です。また、右肩から右背部への放散痛も特徴です。腹部の解剖学的位置と各疾患の痛みの部位を合わせて覚えましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. ①右上腹部:正解です。胆囊は右季肋部(肋骨の下、右上腹部)に位置します。胆囊炎は胆石による胆囊管の閉塞などを契機として胆囊に炎症が生じた状態で、右上腹部の持続的な痛みが典型的です。マーフィー徴候(右季肋下部を圧迫しながら深呼吸させると痛みで呼吸が止まる)も陽性となります。

  2. ②左上腹部:不正解です。左上腹部痛は胃・膵臓・脾臓の疾患で認められます。胆囊はこの部位には位置しません。

  3. ③左下腹部:不正解です。左下腹部痛はS状結腸憩室炎・過敏性腸症候群などで認められることがあります。

  4. ④右下腹部:不正解です。右下腹部痛の代表的な疾患は虫垂炎(マックバーニー点の圧痛)です。胆囊炎は右上腹部痛が典型的です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 急性胆管炎のCharcot三徴:発熱・黄疸・右上腹部痛は、急性胆管炎にみられる代表的な三徴です。

  2. マーフィー徴候(Murphy's sign):右季肋下部を押圧しながら深呼吸させると、疼痛により息が止まる所見です。急性胆囊炎に特徴的な身体所見です。

  3. 腹痛の部位と疾患の対応(代表例):右上腹部→胆囊炎・肝炎、左上腹部→胃炎・膵炎、右下腹部→虫垂炎・卵巣囊腫、左下腹部→大腸炎・憩室炎、臍周囲→腸閉塞・初期虫垂炎
     
     

【問14】 深部静脈血栓症〈DVT〉の危険因子はどれか。

  1. 若年

  2. 水分過多

  3. 長期臥床

  4. るいそう
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
深部静脈血栓症(DVT)の危険因子として最も重要なのは「長期臥床」です。Virchow(ウィルヒョウ)の3徴(静脈血流の停滞・血液の過凝固・血管内皮障害)を覚えておくと、危険因子を理解しやすくなります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 若年:不正解です。DVTのリスクは若年よりも高齢者で高くなります。加齢に伴って血管壁の変化・血液凝固能の変化・運動量の低下が起こり、血栓リスクが増加します。

  2. 水分過多:不正解です。水分過多はDVTの代表的な危険因子ではありません。脱水は血液濃縮などを通じて血栓形成のリスクを高めることがあります。

  3. 長期臥床:正解です。長期臥床は下肢筋肉のポンプ作用が失われることで静脈血流が停滞(Virchowの3徴の一つ)し、DVTのリスクが大幅に上昇します。手術後・外傷後の安静期間も同様のリスクがあります。

  4. るいそう(痩せ・低栄養):不正解です。るいそう自体がDVTの直接的な危険因子とはなりません。むしろ肥満・妊娠・悪性腫瘍・エストロゲン製剤の使用などがDVTの危険因子です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. Virchowの3徴:①静脈血流の停滞(長期臥床・肥満など)②血液の過凝固状態(悪性腫瘍・妊娠・経口避妊薬など)③血管内皮障害(手術・外傷など)が血栓形成の3つの要因です。

  2. DVTの主な症状:患肢の腫脹・疼痛・発赤・熱感などがみられます。無症状の場合もあり、症状だけでは確定診断できません。

  3. 肺血栓塞栓症(PTE)との関連:DVTで形成された血栓が剝離して肺動脈に詰まることで、肺血栓塞栓症を発症することがあります。長時間同じ姿勢を続けた後にDVTや肺血栓塞栓症を発症する病態は、エコノミークラス症候群とも呼ばれます。突然の呼吸困難・胸痛・SpO₂低下が主症状です。
     
     

【問15】 肝性脳症の原因物質はどれか。

  1. プリン体

  2. アンモニア

  3. グルコース

  4. トリグリセライド
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
肝性脳症の主な原因物質は「アンモニア」です。通常は腸内細菌による蛋白分解によって生成されたアンモニアを肝臓が尿素サイクルで無毒化しますが、肝機能が低下するとアンモニアが蓄積し脳に悪影響を与えます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. プリン体:不正解です。プリン体は核酸の構成成分であり、その代謝産物は尿酸です。尿酸が蓄積すると痛風・高尿酸血症を引き起こしますが、肝性脳症とは関係ありません。

  2. アンモニア:正解です。腸管内での蛋白質分解・細菌の代謝によって生成されたアンモニアは、正常では門脈を経て肝臓に運ばれ尿素サイクルで尿素へと変換されます。肝不全では尿素サイクルが機能せずアンモニアが蓄積し、中枢神経に作用して意識障害・認知機能低下(肝性脳症)を引き起こします。

  3. グルコース:不正解です。グルコース(ブドウ糖)は主要なエネルギー源であり、過剰では高血糖(糖尿病)、不足では低血糖を引き起こしますが、肝性脳症の直接原因ではありません。

  4. トリグリセライド:不正解です。トリグリセライド(中性脂肪)が蓄積すると脂肪肝・高トリグリセリド血症を引き起こしますが、肝性脳症の原因物質ではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 肝性脳症の誘因:消化管出血(腸管内への多量の血液→蛋白分解→アンモニア産生増加)・便秘・高蛋白食・感染・脱水・薬剤(利尿薬)などが肝性脳症を誘発・悪化させます。

  2. 肝性脳症の症状と分類:Grade Ⅰ:睡眠障害・軽度の集中力低下、Grade Ⅱ:傾眠・見当識障害・羽ばたき振戦(flapping tremor)、Grade Ⅲ:半昏睡、Grade Ⅳ:昏睡

  3. 治療:非吸収性合成二糖類であるラクツロースを投与し、腸管内を酸性化してアンモニアを吸収されにくい形に変え、便中への排泄を促します。必要に応じて腸管内のアンモニア産生を抑える抗菌薬も使用します。肝性脳症患者に一律の蛋白制限は行わず、必要なエネルギーと蛋白質を確保します。
     
     

【問16】 腰椎穿刺の体位を図に示す。腰椎穿刺の体位はどれか。

出典:厚生労働省 第115回看護師国家試験 午前問題 問16

 
 
 
 
 
【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
腰椎穿刺(脊髄くも膜下穿刺)では、腰椎間の隙間を最大限に広げるために「側臥位で膝を胸に引き寄せ、背中を丸める体位(エビ体位・胎児様体位)」が標準的な体位です。坐位(前屈み)で行う場合もあります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 仰臥位:不正解です。腰椎が十分に屈曲せず、棘突起間を広げにくい体位です。

  2. 側臥位で膝を胸に引き寄せ、背中を丸めた体位:正解です。腰椎を最大限に屈曲させることで棘突起間が広がり、穿刺針を進めやすくなります。

  3. 腹臥位:不正解です。腰椎を屈曲させにくく、一般的な腰椎穿刺の体位ではありません。

  4. 半腹臥位(シムス位):不正解です。浣腸などで用いられる体位で、腰椎穿刺に必要な腰椎の十分な屈曲が得にくい体位です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 腰椎穿刺の適応:髄膜炎の診断・くも膜下出血の確認(CTで判断困難な場合)・脊髄くも膜下麻酔(腰椎麻酔)・薬剤の髄腔内投与などに用いられます。

  2. 穿刺後の合併症:穿刺後頭痛は、穿刺部からの髄液漏出などによって生じる代表的な合併症です。予防目的で一律に水平位安静を続けることは推奨されておらず、症状や患者の状態に応じて対応します。

  3. 穿刺禁忌:頭蓋内圧亢進(脳ヘルニアのリスク)・穿刺部位の感染・出血傾向(抗凝固療法中など)では禁忌または慎重に行います。
     
     

【問17】 免疫抑制作用があるのはどれか。

  1. 抗ヒスタミン薬

  2. インターフェロン

  3. ヒト免疫グロブリン

  4. 副腎皮質ステロイド
     
     
     
     
     
    【正解】 4

【30秒でわかる!ポイント解説】
免疫抑制作用(免疫反応を抑制する作用)を有するのは「副腎皮質ステロイド」です。炎症反応・アレルギー反応・自己免疫反応を強力に抑制する薬剤です。他の選択肢の作用も合わせて整理しましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 抗ヒスタミン薬:不正解です。抗ヒスタミン薬はアレルギー症状の原因となるヒスタミンの作用をH1受容体でブロックする薬剤です。免疫抑制作用はなく、花粉症・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎などの症状緩和に用います。

  2. インターフェロン:不正解です。インターフェロン(IFN)は免疫を「活性化」するサイトカインです。抗ウイルス作用・抗腫瘍作用・免疫調節作用があり、慢性肝炎(C型・B型)・悪性黒色腫などの治療に用います。免疫抑制ではなく免疫増強の働きがあります。

  3. ヒト免疫グロブリン:不正解です。ヒト免疫グロブリン製剤は、免疫不全症では抗体を補充する目的で使用され、川崎病やギラン・バレー症候群などでは免疫反応を調整する目的で使用されます。一般的な免疫抑制薬として分類される薬剤ではありません。

  4. 副腎皮質ステロイド:正解です。副腎皮質ステロイド(コルチコステロイド)はリンパ球・マクロファージの機能抑制・サイトカイン産生抑制・炎症メディエーターの抑制などを通じて強力な免疫抑制・抗炎症作用を発揮します。自己免疫疾患・アレルギー疾患・炎症性疾患の治療に広く用いられます。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ステロイドの副作用:易感染性(免疫抑制による)・骨粗鬆症・糖尿病・消化性潰瘍・満月様顔貌(ムーンフェイス)・副腎皮質機能抑制(急に中止すると離脱症状)などがあります。

  2. 免疫抑制薬の種類:ステロイド以外の免疫抑制薬としてシクロスポリン・タクロリムス・メトトレキサート・アザチオプリンなどがあり、臓器移植後の拒絶反応予防や自己免疫疾患の治療に用います。

  3. ステロイドの漸減(テーパリング):ステロイドを長期間使用した場合は、副腎皮質機能が抑制されることがあるため、投与期間や用量に応じて段階的に減量します。
     
     

【問18】 誤嚥のリスクがある患者の食事援助で適切なのはどれか。

  1. きざみ食を選ぶ。

  2. 粘り気の強い食品を選ぶ。

  3. 食事中は頸部前屈位をとる。

  4. 食後は速やかに仰臥位をとる。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
誤嚥リスクのある患者では「頸部前屈位(あごを引いた姿勢)」が誤嚥予防に有効です。頸部前屈位により気道が狭くなり、食物が気管に入りにくくなります。きざみ食は誤嚥リスクを高める可能性があり注意が必要です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. きざみ食を選ぶ:不正解です。きざみ食は一見やわらかそうに思えますが、細かく刻んだ食片がバラバラになって口腔内でまとまらず、誤嚥のリスクが高まることがあります。患者の嚥下機能に合わせて、まとまりやすく適切な粘度の食形態を選びます。

  2. 粘り気の強い食品を選ぶ:不正解です。餅など付着性の高い食品は、口腔内や咽頭に付着しやすく、窒息や誤嚥のリスクを高めます。

  3. 食事中は頸部前屈位をとる:正解です。頸部前屈位(chin down posture:あご引き嚥下)は気道入口部を狭くし、舌根部が後壁に近づくことで嚥下の安全性が高まり、誤嚥予防に有効な体位です。

  4. 食後は速やかに仰臥位をとる:不正解です。食後に仰臥位(水平に横になる)をとると胃内容物が逆流しやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。食後は30分〜1時間程度は座位か30〜45度程度の頭部挙上位を保つことが推奨されます。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 誤嚥性肺炎の予防:口腔ケアの徹底・適切な食事形態の選択・食事姿勢の調整・嚥下機能訓練が主な予防策です。

  2. 嚥下に適した食品の条件:①付着性が低く、凝集性が高いこと、②柔らかいこと、③患者の嚥下機能に適した粘度であること、④口腔内で操作しやすいこと

  3. 嚥下内視鏡検査(VE)・嚥下造影検査(VF):嚥下機能を客観的に評価するための検査です。誤嚥の有無・食形態の適切さの評価などに用います。
     
     

【問19】 医療者間のコミュニケーションのエラーを防ぐために適切なのはどれか。

  1. 薬剤の単位は省略する。

  2. 与薬の指示は口頭で行う。

  3. 伝えられた情報の内容を復唱し確認し合う。

  4. 伝えられた情報の不明点に関する質問は控える。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
医療現場でのコミュニケーションエラー防止の基本は「復唱(リードバック)」です。口頭で指示を受けた際に内容を復唱して正確に確認し合うことで、聞き間違い・伝達ミスを防ぐことができます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 薬剤の単位は省略する:不正解です。薬剤の単位(mg・μg・mEq・mL・Uなど)を省略することは重大な投与量の誤りにつながります。特に「U(単位)」を「0(ゼロ)」と読み間違えるなどのリスクがあるため、単位は明確に記載・伝達することが重要です。

  2. 与薬の指示は口頭で行う:不正解です。口頭指示は聞き間違いや記憶違いによるエラーのリスクが高く、医療安全の観点から原則として書面(電子カルテを含む)での指示が推奨されます。緊急時のみ口頭指示を用い、その後速やかに書面化します。

  3. 伝えられた情報の内容を復唱し確認し合う:正解です。相手から伝えられた情報(薬剤名・量・投与方法など)を復唱(リードバック)することで、受け手が正確に理解したかを双方で確認できます。このフィードバックループがコミュニケーションエラー防止の基本です。

  4. 伝えられた情報の不明点に関する質問は控える:不正解です。不明点を質問しないことはエラーの温床となります。階層的な職場文化(医師に質問しにくい雰囲気)がエラーの原因となることが知られており、不明点は積極的に確認することが医療安全の原則です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. SBAR(エスバー):医療現場で効果的な情報伝達のためのフレームワークで、Situation(状況)・Background(背景)・Assessment(評価)・Recommendation(提案)の頭文字をとったものです。

  2. ダブルチェック:特に高リスクの薬剤(抗がん剤・インスリン・ヘパリンなど)の投与時には、2名以上の医療者が独立して確認するダブルチェックが推奨されます。

  3. タイムアウト(Time-Out):手術室などで手術開始前に行う確認作業で、患者識別・手術部位・術式などをチームで声に出して確認する安全チェックです。
     
     

【問20】 接触感染予防策として使用するのはどれか。

  1. 陰圧室

  2. ガウン

  3. ゴーグル

  4. N95マスク
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
感染経路別予防策において、接触感染予防策で使用するのは「手袋とガウン(エプロン)」です。陰圧室とN95マスクは空気感染予防策で用います。ゴーグルは、血液・体液・分泌物などが眼に飛散するおそれがある場合に、標準予防策に基づいて使用します。感染経路と予防策の対応を整理しましょう。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 陰圧室:不正解です。陰圧室(陰圧個室)は空気感染予防策の一つです。結核・麻疹・水痘などの空気感染する病原体を病室外に拡散させないために使用します。室内の気圧を廊下より低く(陰圧に)することで空気が病室から廊下に流れ出るのを防ぎます。

  2. ガウン:正解です。接触感染予防策では手袋とガウン(または長袖エプロン)を使用します。患者の皮膚・体液・排泄物・汚染された環境表面などへの直接接触・間接接触を防ぐために装着します。MRSA・VRE・ノロウイルスなどの接触感染疾患に対して適用します。

  3. ゴーグル:不正解です。ゴーグルや眼部を保護するフェイスシールドは、血液・体液・分泌物などが眼に飛散するリスクがある場合に、標準予防策に基づいて使用します。接触感染予防策で基本となる装具ではありません。

  4. N95マスク:不正解です。N95微粒子用マスクは空気感染予防策として使用します。結核(特に活動性肺結核)・麻疹・水痘・新型コロナウイルス(エアロゾル発生処置時)などの空気感染疾患に対して適用します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 感染経路別予防策の3分類:①空気感染予防策(陰圧室・N95マスク)②飛沫感染予防策(サージカルマスク・個室または1m以上の距離確保)③接触感染予防策(手袋・ガウン)

  2. 標準予防策(スタンダードプリコーション):感染症の有無に関わらずすべての患者に適用する基本的な感染予防策です。血液・体液・粘膜・傷のある皮膚への接触時に手袋・マスク・ゴーグルなどを使用します。

  3. 接触感染の代表的な病原体:MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)・VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)・ノロウイルス・クロストリジオイデス・ディフィシル(CD)・疥癬などが接触感染します。
     
     

問21~30

【問21】 静脈血採血で針を刺入した直後に、患者にしびれがないかを確認する目的はどれか。

  1. 感染症の予防

  2. 神経損傷の予防

  3. 皮下血腫の予防

  4. 血管迷走神経反応の予防
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
採血針を刺入した直後に「しびれ」の有無を確認する目的は「神経損傷の予防(早期発見)」です。採血時に神経に触れると電気が走るような鋭いしびれ・疼痛が生じます。この時点で直ちに針を抜かないと永続的な神経損傷につながる可能性があります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 感染症の予防:不正解です。感染症予防は無菌操作・使い捨て針の使用・皮膚消毒などで行うものであり、刺入後のしびれ確認とは関係ありません。

  2. 神経損傷の予防:正解です。肘窩では、採血に用いる表在静脈の近くを皮神経や動脈が走行しています。解剖には個人差があるため、静脈の走行を確認し、深く刺しすぎないことが重要です。

  3. 皮下血腫の予防:不正解です。皮下血腫は採血後の止血が不十分な場合に生じます。しびれ確認とは直接関係しません。刺入直後のしびれより、抜針後の圧迫止血(3〜5分)が血腫予防につながります。

  4. 血管迷走神経反応の予防:不正解です。血管迷走神経反応(迷走神経反射)は採血の恐怖・痛みにより副交感神経が亢進して血圧低下・徐脈・失神が起きる反応です。しびれの確認とは関係しません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 採血の禁忌部位:点滴挿入側の上肢・乳房切除側(リンパ浮腫リスク)・透析に使用しているシャント側・皮下出血・浮腫のある部位は採血を避けます。

  2. 肘正中皮静脈は一般的な採血部位で、比較的太く固定されやすいため選択されます。

  3. 採血時の体位:上肢を安定させ、肘窩から採血する場合は肘を伸ばして穿刺部位を確認しやすくします。過伸展や無理な体位は避けます。
     
     

【問22】 最も高濃度の酸素を吸入できる器具はどれか。

出典:厚生労働省 第115回看護師国家試験 午前問題 問22

 
 
 
 
 
【正解】 4

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