見出し画像

第114回 看護師国家試験 午後問題【問91~120】徹底解説

こんにちは、なんでなんだナーシングです!
看護師国家試験の過去問を一緒に解いていきましょう!

このシリーズでは、過去問を解きながら正答の根拠と関連知識を確認できます。


正解した問題も解説まで確認し、曖昧な知識や苦手な分野を見つけながら学習を進めていきましょう!

■ おすすめの使い方
①まずは問題に挑戦する → ②正答と30秒ポイントを確認する → ③詳細解説で各選択肢の根拠を理解する → ④DL特典で苦手な問題を拾い直す

■ DL特典(PDF)
問91~120の「正答+30秒ポイント」をまとめた復習シートです。
「覚えた・あいまい・苦手」のチェック欄を使い、復習が必要な問題の整理に活用してください。
記事の一番下にある「ダウンロード」から受け取れます。
 
 

問91~105

次の文を読み91~93の問いに答えよ。

Aさん(88歳、男性)は妻(82歳)と2人で暮らしている。息子2人は独立して生活している。要介護度は5で、エアマットレスを使用している。食事は妻の介助で1日1回ペースト食を食べているがむせることもあり、食事が全くとれない日もある。排泄はオムツを使用し、毎日訪問介護サービスを利用して、オムツ交換と陰部洗浄を受けている。訪問看護は週3回利用している。Aさんは妻が話しかけると返事はするが自発的な会話はない。着替えをするときに上肢を動かすと苦痛表情がある。


【問91】 Aさんの家族への助言で適切なのはどれか。

  1. 体位変換を2時間ごとに行う。

  2. 関節可動域訓練を1週間に1回行う。

  3. ペースト食を食べる回数を1日3回にする。

  4. 食事を摂取できないときにも口腔ケアを実施する。



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
嚥下機能が低下し、誤嚥のリスクがある患者では、口腔内の細菌を減らすことが誤嚥性肺炎の予防に直結します。食事が摂れない時こそ口腔内が不衛生になりやすいため、継続的なケアが必要です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 不正解です。エアマットレスを使用しており、家族の介護負担も考慮すると一律に2時間ごとの体位変換を強いるのは現実的ではありません。

  2. 不正解です。拘縮を予防するためには1週間に1回では不十分であり、日々のケアの中で短時間でも継続して行うことが望ましいです。

  3. 不正解です。現状でむせがあり食事摂取が不安定な状態では、食事回数を一律に固定して増やすことが適切とは限りません。少量頻回が有効な場合もありますが、まずは嚥下状態に合わせて一口量・姿勢・食形態(とろみ等)を調整し、摂取できない日も含めて口腔ケアを継続することが優先です。したがって「一律に1日3回にする」という助言は適切ではありません。

  4. 正解です。口腔ケアは自浄作用が低下した口腔内を清潔に保ち、肺炎予防や苦痛緩和に寄与するため欠かせません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 誤嚥性肺炎:唾液と共に口腔内細菌が肺に入ることが主な原因であり、口腔ケアによる菌数減少が有効な予防策となります。

  2. 体位変換の基準:高機能なエアマットレスを使用している場合、皮膚の状態を観察しながら3〜4時間程度に延長するなど柔軟な対応が可能です。


【問92】 2か月後、Aさんは食事を口から食べることができなくなり、かかりつけの医師から家族へ、そろそろ看取りの時期であり、看取りの場所を決めるように説明があった。息子たちから「父が長年住んだ家で最期まで過ごさせてあげたいと母とも話していますが、母が1人でみるのは大変だと思い心配しています」と訪問看護師に話があった。 このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

  1. 看取りまでの支援体制を説明する。

  2. 血圧が低下したら入院が必要なことを説明する。

  3. 決定した看取りの場所は変更できないことを伝える。

  4. かかりつけの医師と訪問看護師で治療方法を決定する。



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
在宅での看取りを希望しつつも介護負担に不安を感じている家族に対し、どのようなサポートが受けられるかを具体的に提示することが最優先です。支援体制を明確にすることで、家族が安心して選択できる環境を整えます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 正解です。訪問看護の増回や緊急時の連絡体制、レスパイトケアなどの具体的な支援を説明し不安を軽減します。

  2. 不正解です。自宅での看取りを希望する場合、血圧低下は自然な経過であり、必ずしも入院が必要なわけではありません。

  3. 不正解です。看取りの場所は状況や家族の気持ちの変化に応じて柔軟に変更可能であることを伝えるべきです。

  4. 不正解です。治療方針やケアの方向性は、本人(意思表示困難な場合は家族)の意向を最優先に合意形成を行います。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 在宅ターミナルケア:24時間365日の連絡体制の確保(訪問看護ステーションの緊急時訪問看護加算など)が重要な柱となります。

  2. 家族へのグリーフケア:看取りの前から家族の心理的負担に配慮し、寄り添う姿勢を持つことが看護師に求められます。


【問93 】Aさんは声をかけても返答したり目を開けたりすることもなく、穏やかな表情で眠っていることが多くなった。Aさんの妻は「夫は話しかけても何も答えてくれないので、どうしたらよいか分かりません」と訪問看護師に話した。 このときの妻への声かけで適切なのはどれか。

  1. 「Aさんの体にできるだけ触れるようにしましょう」

  2. 「Aさんは苦痛を感じることはありません」

  3. 「Aさんが休めるよう静かにしましょう」

  4. 「Aさんの世話を頑張りましょう」



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
意識レベルが低下した終末期において、反応が乏しく見えても聴覚や触覚は最後まで維持されると考えられています。手を握るなどのタクティールケア(触れるケア)は、患者の安寧と家族の絆の維持に有効です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 正解です スキンシップは言葉を介さない重要なコミュニケーションであり、家族が「何かしてあげられている」という実感を支えます。

  2. 不正解です。患者が苦痛を感じているかどうかを断定することはできず、安易な保証は不適切です。

  3. 不正解です。無音にするよりも、穏やかな声かけや本人が好んでいた音楽などを流すほうがリラックス効果を期待できる場合があります。

  4. 不正解です。「頑張りましょう」という励ましは、すでに心身ともに疲弊している家族にとって大きな負担やプレッシャーとなるため避けます。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 終末期の聴覚:意識がないように見えても周囲の音は聞こえていることが多いため、本人を尊重した声かけを継続することが推奨されます。

  2. タクティールケア:優しく触れることでオキシトシンの分泌を促し、不安や痛みを和らげる効果があるとされています。


次の文を読み94~96の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性、会社員)。激しい胸痛で救急搬送され、心筋梗塞〈myocardial infarction〉と診断された。冠動脈バイパス術〈CABG〉を受け、ICUに入室した。 手術中の輸液量2,700mL、輸血量400mL、出血量280mL、尿量200mLであった。手術から6時間が経過し、人工呼吸器が装着され、心囊ドレーンと、胸腔ドレーンが留置中である。
身体所見:体温37.1℃、脈拍63/分、血圧126/62mmHg、末梢冷感はなし。肺野全体に湿性ラ音を聴取、漿液性の気道分泌物を認める。
検査所見:吸入酸素濃度40%、動脈血酸素分圧〈PaO₂〉95Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉36Torr、中心静脈圧12cmH₂O、心エコー検査では左室駆出率〈LVEF〉45%、心囊液の貯留なし。胸部エックス線写真では両肺野の広範に透過性の低下を認める。


【問94 】Aさんに起こっている可能性が高い合併症はどれか。

  1. 低心拍出量症候群〈LOS〉

  2. 心タンポナーデ

  3. 肺水腫

  4. 無気肺



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
術中の過剰な輸液バランス(IN-OUTの大きなプラス)に加え、高い中心静脈圧、湿性ラ音、エックス線での透過性低下といった所見から、肺に水分が貯留した肺水腫が強く疑われます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 不正解です。血圧は維持されており、末梢冷感も認められないため、心機能が極端に低下したLOSの可能性は低いです。

  2. 不正解です。心エコーで心囊液の貯留がないことから、心タンポナーデは否定されます。

  3. 正解です。肺野の湿性ラ音やエックス線写真の広範な透過性低下は、うっ血による肺水腫の特徴的な所見です。

  4. 不正解です。無気肺でも透過性は低下しますが、肺野全体への湿性ラ音や漿液性の気道分泌物は肺水腫をより強く示唆します

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 中心静脈圧(CVP):正常値は5〜10cmH2O程度であり、12cmH2Oは体液過剰や右心不全を示唆する高値です。

  2. P/F比:PaO2÷FiO2で算出され、本症例では95÷0.4=237.5です。300以下は肺のガス交換能が低下していることを示します。


【問95】 術後2日、Aさんは人工呼吸管理を離脱し、離床が検討されたが中止となった。 看護師がAさんの離床中止を判断した指標はどれか。2つ選べ。

  1. ドレーンが留置中である。

  2. 安静時の呼吸数が20/分である。

  3. 安静時の心拍数が100/分である。

  4. 新たな不整脈(心房細動)が発生している。

  5. 時間尿量0.5mL/kg/時が3時間持続している。



【正解】4, 5

【30秒でわかる!ポイント解説】
離床の判断にはバイタルサインや全身状態の安定が不可欠です。新たな不整脈の出現や時間尿量が0.5mL/kg/時程度にとどまる状態が持続することは、循環動態や臓器灌流が不安定である可能性を示し、離床を中止する判断材料となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 不正解です。ドレーン留置そのものは離床の絶対的な禁忌ではなく、固定を確実に行えば歩行も可能です。

  2. 不正解です。呼吸数20/分は正常範囲内であり、離床を中止する根拠にはなりません。

  3. 不正解です。心拍数100/分はやや頻脈傾向ですが、重大な不整脈を伴わなければ離床開始の許容範囲内であることが多いです。

  4. 正解です。術後の心房細動は心拍出量の低下や血栓形成のリスクがあり、出現時は安静を保ち医師の診断を優先します。

  5. 正解です。尿量0.5mL/kg/時は尿量の下限の目安であり、これが3時間持続するのは乏尿傾向です 循環血液量不足や心拍出量低下、腎機能低下の可能性があるため離床は控えるべき状態です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 心臓リハビリテーションの離床基準:日本循環器学会のガイドライン等により、自覚症状やバイタルサインの具体的な中止基準が定められています。

  2. 心房細動(AF):心筋梗塞術後は炎症や交感神経の緊張により発生しやすく、心不全悪化の要因となります。


【問96 】術後3日、心臓リハビリテーションが開始された。 Aさんは「傷の痛みはありますが、血管をつないだから安心ですね。落ち着いたら、家族と温泉に行きたいです」と看護師に話した。 Aさんの生活指導で適切なのはどれか。

  1. 「肩までお湯に入りましょう」

  2. 「お湯の温度は43℃以上にしましょう」

  3. 「食後1時間以上経過してから入浴しましょう」

  4. 「心筋梗塞による心不全があるので入浴は控えましょう」



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
入浴は心臓に負担をかけるため、消化管に血液が集中する食直後を避け、心臓への還流量を抑えるための工夫が必要です。ぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 不正解です。肩まで浸かる(全身浴)は水圧により心臓への還流量が増え負荷が大きいため、みぞおち程度の半身浴が推奨されます。

  2. 不正解です。42℃以上の熱いお湯は交感神経を刺激して血圧を急上昇させるため、40〜41℃程度のぬるま湯が適当です。

  3. 正解です。食後すぐは消化のために心拍出量が増加しており、その状態での入浴は心臓への過度な負担となるため、1時間程度休んでから行います。

  4. 不正解です。病状が安定していれば入浴は可能であり、QOL維持の観点からも一律に禁止するものではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ヒートショック予防:脱衣所と浴室の温度差を小さくし、急激な血圧変動を防ぐことが重要です。

  2. 入浴時間:長湯は体温上昇による心拍数増加を招くため、10分程度を目安にします。


次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(57歳、男性)は、芳香族アミンを扱う化学工場に39年勤務している。
現病歴:ここ数か月で次第に尿の色が濃くなった。 いきまないと排尿できなくなり、泌尿器科を受診し、採血および尿検査を受けた。
既往歴:特記すべき点なし。
生活歴:喫煙40本/日を36年間、焼酎120mLの飲酒をほぼ毎日、20年間続けている。
身体所見:顔面、四肢に浮腫なし、黒色便なし、血便なし。
検査所見:赤血球308万/μL、Hb9.9g/dL、血清アルブミン4.2g/dL、血清総ビリルビン0.2mg/dL、血糖102mg/dL、ヘモグロビンA1c(HbA1c)5.4%。


【問97】 Aさんの尿所見で予測されるのはどれか。

  1. 蛋白尿

  2. 尿糖陽性

  3. 肉眼的血尿

  4. ビリルビン尿



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
職業的な芳香族アミンへの曝露や長年の喫煙は、膀胱がんの主要なリスク要因です。尿の色が濃いという主訴は血尿を示唆するため、無痛性の肉眼的血尿が予測されます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 蛋白尿:蛋白尿:不正解です。ネフローゼ症候群を示唆する低アルブミン血症や浮腫などの所見がなく、本問の背景(芳香族アミン曝露・喫煙・尿色変化)からは腎疾患よりも膀胱がんに伴う血尿を優先して考えます。

  2. 尿糖陽性:不正解です。血糖値やHbA1cが基準値内であり、糖尿病を疑う根拠がありません。

  3. 肉眼的血尿:正解です。芳香族アミン曝露や喫煙歴は膀胱がんのリスクであり、腫瘍からの出血による肉眼的血尿が尿の色の変化の原因と考えられます。

  4. ビリルビン尿:不正解です。血清総ビリルビン値が0.2mg/dLと正常であるため、閉塞性黄疸などによるビリルビン尿は否定されます。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 膀胱がんの危険因子:喫煙は最大の危険因子であり、特定の化学物質(芳香族アミン)の職業的曝露も発症に関与します。

  2. 膀胱がんの症状:最も多い初発症状は無痛性の肉眼的血尿で、進行すると頻尿や排尿困難などの刺激症状が現れます。

  3. 芳香族アミンと職業病:ベンジジンやベータナフチルアミンなどは、労働安全衛生法により製造等が禁止・制限されています。


【問98】 Aさんは膀胱全摘出術および回腸導管造設術を受けることになった。 Aさんへの術前の説明で正しいのはどれか。

  1. 「浴槽のお湯に入ることはできません」

  2. 「水分の摂り過ぎに注意が必要です」

  3. 「肛門から尿が出ます」

  4. 「尿意は感じません」



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
回腸導管は、回腸の一部を遊離させて尿の通路とする非自制型尿路変向術です。 膀胱が摘出されるため畜尿機能がなくなり、尿意を感じることはなくなります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「浴槽のお湯に入ることはできません」:不正解です。パウチを装着したまま、あるいは外した状態でも入浴は可能です。

  2. 「水分の摂り過ぎに注意が必要です」:不正解です。尿路感染症や結石を予防するため、術後は積極的な水分摂取が推奨されます。

  3. 「肛門から尿が出ます」:不正解です。肛門から尿が出るのは尿管S状結腸吻合術の説明であり、回腸導管では腹部のストーマから排泄されます。

  4. 「尿意は感じません」:正解です。回腸導管には貯尿機能がないため尿は持続的に排泄され、膀胱もないため尿意は消失します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 回腸導管の管理:ストマから尿が持続的に流出するため、集尿袋(パウチ)の装着が必須となります。

  2. 術後の合併症:ストマ周囲の皮膚トラブル、尿路感染、腎盂腎炎、回腸導管の狭窄などに注意が必要です。

  3. 自制型尿路変向術:尿管S状結腸吻合術や自制型尿リザーバー、代用膀胱などがあり、これらは尿意(または尿意に代わる感覚)を伴う場合があります。


【問99】 Aさんは術後から、これまでにはなかった勃起障害が出現した。 Aさんのテストステロン値は13.5pg/mL(50歳代の基準値:4.6〜19.6pg/mL)であった。 Aさんの勃起不全の原因で考えられるのはどれか。

  1. 性ホルモン分泌の低下

  2. 神経損傷

  3. 糖尿病(diabetes mellitus)

  4. 喫煙


【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
膀胱全摘出術では、前立腺や精嚢を同時に摘出するため、周囲を通る自律神経が損傷しやすくなります。 テストステロン値が正常であるため、器質的な神経損傷が原因と考えられます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 性ホルモン分泌の低下:不正解です。テストステロン値が13.5pg/mLと基準値内であり、ホルモン低下は直接の原因ではありません。

  2. 神経損傷:正解です。広汎な骨盤内手術である膀胱全摘出術では、勃起を司る海綿体神経が損傷し、勃起不全が起こる頻度が高いです。

  3. 糖尿病(diabetes mellitus):不正解です。血糖値やHbA1cが正常であり、糖尿病性神経障害などの影響は考えにくいです。

  4. 喫煙:不正解です。喫煙は勃起不全のリスク因子ですが、術後から急に出現した症状の原因としては、手術による神経損傷が最も適切です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 海綿体神経:前立腺の背外側を走行しており、骨盤内操作によって損傷を受けやすい神経です。

  2. 勃起障害(ED)の分類:器質性(神経や血管の損傷)、心因性、薬剤性などに分類されます。

  3. 看護の視点:術後の生活の質(QOL)に関わる重要な問題であるため、心理的サポートや必要に応じた専門的治療(薬物療法等)への連携が求められます。


次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(80歳、女性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。半年前に軽度のアルツハイマー型認知症(Alzheimer disease)と診断され、抗認知症薬の内服治療を開始した。要支援2の認定を受けている。
Aさんが屋内でぐったりしているのを訪問した近所の人が発見し、救急搬送された。来院時のバイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数20/分、脈拍92/分、血圧130/82 mmHgで、皮膚に軽度の発汗がみられた。頭痛や吐き気はなかった。看護師がAさんに状況を聞くと、最近は食欲がなく、食べたり飲んだりしていなかったし、昨日は排尿回数も普段より少なかったと話した。


【問100 】このときに看護師が追加で収集する情報で優先度が高いのはどれか。

  1. 睡眠状況

  2. 口渇の有無

  3. ADLの状況

  4. 抗認知症薬の内服状況



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
食事や水分の摂取不足と排尿回数の減少から、脱水が強く疑われる状況です。 まずは身体的な危機の程度を客観的に評価するため、口渇や粘膜の乾燥状態を確認することが最優先されます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 睡眠状況:不正解です。現在の「ぐったりしている」という急性症状や脱水の疑いに対して、優先度は低いです。

  2. 口渇の有無:正解です。摂取不足と尿量減少があるため、脱水の指標となる口渇の有無や口腔粘膜の乾燥状態を確認する必要があります。

  3. ADLの状況:不正解です。生活機能の把握は重要ですが、救急搬送直後の身体状態の評価としては優先されません。

  4. 抗認知症薬の内服状況:不正解です。薬剤の副作用による食欲不振の可能性もありますが、まずは現出している脱水症状の評価を優先します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 高齢者の脱水:口渇感を感じにくく自覚症状がないまま進行する隠れ脱水が多いため、注意深い観察が必要です。

  2. 脱水の客観的所見:皮膚の緊張度(ツルゴール)の低下、口腔粘膜の乾燥、血圧低下、頻脈などが挙げられます。

  3. 要支援2:日常生活に支援が必要な状態で、認知機能の低下により適切なセルフケアが困難になる場合があります。


【問101】 Aさんは、経過を観察するため入院となった。入院2日、Aさんの全身状態は改善し、食事が開始された。Aさんは歩行時にふらつきがあるため、看護師が見守ることになった。看護師はベッドから離れるときは、ナースコールを押すようにAさんに説明した。そのときAさんは「忘れずにできるかしら」と呟いた。しばらくすると、Aさんが1人で移動しているところを看護師が発見した。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。

  1. ヒッププロテクターを使用する。

  2. ベッドサイドに車椅子を設置する。

  3. ナースコールが目立つように目印をつける。

  4. 爪先が床につくようにベッドの高さを調整する。



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
認知症によりナースコールの使用を失念してしまうリスクに対し、環境調整による支援を行います。 本人が「忘れずにできるかしら」と不安を口にしていることから、視覚的な手がかりを提供することで適切な行動を促します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. ヒッププロテクターを使用する:不正解です。転倒時の骨折予防には有効ですが、ナースコールによる援助要請の行動を促す対策にはなりません。

  2. ベッドサイドに車椅子を設置する:不正解です。1人での移動を助長し、転倒のリスクをかえって高める可能性があるため不適切です。

  3. ナースコールが目立つように目印をつける:正解です。視覚情報を強調することでナースコールの存在を思い出しやすくし、適切な使用をサポートします。

  4. 爪先が床につくようにベッドの高さを調整する:不正解です。立ち上がりの際の安定性には寄与しますが、ナースコールの失念に対する解決策にはなりません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 認知症患者への環境調整:目印(サイン)の設置や使い慣れた物の配置など、本人の残存機能を活かす工夫が重要です。

  2. 転倒予防:身体拘束を避けつつ安全な環境を整え、動作のタイミングに合わせた頻回な訪室や見守りが必要となります。


【問102】 入院3日。Aさんは明日の退院が決まった。看護師が朝食後に抗認知症薬の配薬に行くと、Aさんが「もう薬の時間ですか」と言った。また、自分の病室を間違えることが数回あった。
 Aさんが退院後の在宅療養を継続するために、看護師が担当の介護支援専門員へ伝える情報で最も適切なのはどれか。

  1. 歩行状態

  2. 食事の摂取量

  3. 入院中の治療内容

  4. 認知機能障害の出現状況



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
入院という環境の変化により、見当識障害や記憶障害などの認知機能障害が顕在化しています。 退院後の安全な生活支援体制を再構築するため、現状の認知機能をケアマネジャーへ伝え、サービス内容の検討に繋げることが不可欠です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 歩行状態:不正解です。ふらつきの把握も重要ですが、今回新たに出現した「病室の間違い」等の認知症状の方が独居生活への影響が大きいです。

  2. 食事の摂取量:不正解です。栄養状態の把握は基本ですが、在宅療養を継続する上でのリスク管理としては優先度が下がります。

  3. 入院中の治療内容:不正解です。医療経過の報告は必要ですが、介護支援専門員がケアプランを立てる上ではADLや認知機能の情報がより重視されます。

  4. 認知機能障害の出現状況:正解です。服薬管理の困難や場所の混乱など、生活に直結する認知機能の変化を共有し、見守り体制の強化を促す必要があります。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 介護支援専門員の役割:要介護者のニーズに合わせてケアプランを作成し、各サービス事業所との連絡調整を行います。

  2. 環境変化とせん妄:高齢者が入院等の環境変化をきっかけに混乱を来すことは多く、認知症の悪化だけでなくせん妄の可能性も考慮します。

  3. 退院調整のポイント:入院前後の機能変化を多職種で共有し、独居生活における安全性を再評価することが求められます。


次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

 A君(12歳、男児)は、肥満を心配した保護者に連れられて来院した。A君と保護者は、医師から「1日の食事内容を毎日記録し、1週後に再診してください」と説明された。
既往歴と家族歴:特記すべきことはない。
生活歴:スナック菓子などの間食を好む。時間があればポータブル型のゲーム機でサッカーゲームばかりして、就寝時刻は毎晩午前0時を過ぎる。A君は、学校生活は楽しく思っているが朝起きられず遅刻して登校することが多い。また、運動することが嫌いなため運動の習慣はない。
身体所見:身長153.0cm(標準 152.4cm)、体重61.7kg(標準 44.1kg)。血圧100/60mmHg。心音と呼吸音に異常はない。腹部は平坦、軟で、肝臓と脾臓を触知しない。


【問103】 A君の肥満度(%)に最も近いのはどれか。

  1. 25

  2. 30

  3. 35

  4. 40

  5. 45



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
子供の肥満度は「(実測体重-標準体重)÷ 標準体重 × 100(%)」で求めます。 本問の数値を当てはめると約39.9%となり、選択肢の中で最も近いのは40%です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 25:不正解です。計算結果の約40%と大きく乖離しています。

  2. 30:不正解です。中等度肥満の基準値ですが、A君の実数値より低いです。

  3. 35:不正解です。計算値は39.9%であり、40%の方が近似値として適切です。

  4. 40:正解です。(61.7-44.1)÷ 44.1 × 100 = 39.909...%となるため、40が正解です。

  5. 45:不正解です。実際の計算結果を上回っているため不適切です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 学童期の肥満判定:20%以上で肥満、30%以上で中等度肥満、50%以上で高度肥満とされます。

  2. 肥満度算出の意義:身長に対する体重の割合を評価し、学童期の成長に応じた肥満の程度を把握するために用いられます。

  3. 学童期の体格指数:BMIも用いられますが、児童生徒の健康診断では肥満度による判定が一般的です。


【問104】 A君の1週間の食事内容の記録によると、野菜が不足し、高カロリーな菓子類や甘い飲み物を好んで摂取していることが判明した。A君と保護者は「食事内容を見直し、体重を減らすことが大切です」と医師から説明され、食事摂取基準のパンフレットを渡された。パンフレットには、学童期の脂質エネルギー比率(%エネルギー)は20〜30%と記載されている。A君が診療を終えて帰宅する際、保護者は看護師に「痩せるために脂質は可能な限り0%にしないとだめですね」と話した。 脂質エネルギー比率(%エネルギー)に関する看護師の助言で適切なのはどれか。

  1. 「標準的な目標量である25%程度が良いですよ」

  2. 「当面は35%くらいだとストレスがないでしょう」

  3. 「その通りです。0%に近づける努力をしましょう」

  4. 「10%程度で成人になるまで続けるのが効果的です」

  5. 「脂質は急に減らさず、野菜の摂取で栄養を補いましょう」



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
学童期は成長のためにバランスの良い栄養摂取が必要であり、脂質も重要なエネルギー源です。 食事摂取基準で示されている20〜30%という目標範囲を守るよう極端な制限を避ける助言を行います。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「標準的な目標量である25%程度が良いですよ」:正解です。目標範囲(20〜30%)の中央値であり、健全な成長を阻害しない適切な目標設定です。

  2. 「当面は35%くらいだとストレスがないでしょう」:不正解です。目標量の上限(30%)を超えており、肥満改善のための食事指導として不適切です。

  3. 「その通りです。0%に近づける努力をしましょう」:不正解です。脂質は細胞膜やホルモンの原料となるため、極端な制限は発育障害を招く恐れがあり危険です。

  4. 「10%程度で成人になるまで続けるのが効果的です」:不正解です。目標範囲(20%以上)を大幅に下回っており、エネルギー不足や脂溶性ビタミンの吸収不全を起こす可能性があります。

  5. 「脂質は急に減らさず、野菜の摂取で栄養を補いましょう」:不正解です。野菜では脂質の必須機能を補うことはできないため、適切な割合で脂質を摂取する必要があります。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 脂質の役割:1gあたり9kcalの効率的なエネルギー源であり、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助けます。

  2. 日本人の食事摂取基準(2020年版):1歳以上のすべての年齢区分で、脂質エネルギー比率の目標量は20%以上30%未満です。

  3. 過剰摂取のリスク:脂質の摂りすぎは、肥満だけでなく将来的な生活習慣病の原因となります。


【問105】 A君の保護者は「この機会に、Aの生活リズムの乱れも改善したいと思います。どんなことから始めるのが良いですか」と看護師に尋ねた。
 看護師の説明で適切なのはどれか。

  1. 「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」

  2. 「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」

  3. 「サッカークラブに所属すると良いでしょう」

  4. 「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
午前0時を過ぎる就寝や朝の遅刻という生活リズムの乱れを改善するには、体内時計のリセットが有効です。 起床時に太陽の光を浴びることでサーカディアンリズムが整い、夜間の適切な睡眠導入に繋がります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「ゲーム機で遊ぶのを禁止しましょう」:不正解です。急な全面禁止は本人の反発を招きやすく、生活改善の意欲を削ぐ可能性があるため、制限やルールの作成から始めます。

  2. 「起床したら朝日を浴びると良いでしょう」:正解です。強い光を浴びることで睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、体内時計が24時間周期に同調しやすくなります。

  3. 「サッカークラブに所属すると良いでしょう」:不正解です。運動嫌いなA君にとってハードルが高く、まずは日常生活の中での活動量を増やすことから提案するのが現実的です。

  4. 「しばらく学校を休ませて自宅で生活リズムを整えましょう」:不正解です。学校は社会的な同調因子として機能しており、休ませることは生活リズムをさらに崩す原因になります。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. メラトニン:光を浴びると分泌が減り、暗くなると分泌が増えて眠気を誘うホルモンです。

  2. サーカディアンリズム(概日リズム):約24時間周期の生物学的リズムで、朝の光や朝食の摂取によって同調されます。

  3. ブルーライトの影響:就寝前のゲームやスマートフォンの使用は、光刺激によりメラトニン分泌を抑制し、入眠を妨げます。


問106~120

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

 A君(5歳6か月、男児)は、二分脊椎(spina bifida)のため、繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を両親が実施している。現在、間欠的自己導尿は、保育所での実施を含めて1日6回行うよう医師が指示しており、自宅では両親が導尿している。A君は下肢の運動機能障害があるが、自分で車椅子からトイレに移動でき、指先の微細な動きもできる。
 外来受診の際に母親から「地元の小学校に入学予定です。小学生になったら自分で導尿できたほうが良いと聞きました。Aも間欠的自己導尿をやってみたい、と言っています。どのように進めたらよいか分からず、焦っています」と看護師に相談があった。


【問106】 母親への説明で、最も適切なのはどれか。

  1. 「手順の中で、A君ができることを段階的に行いましょう」

  2. 「手技の失敗を繰り返すことが、A君の自信につながります」

  3. 「入学までに、A君が自分で最後までできるようにしましょう」

  4. 「最初のステップは、A君がカテーテルの挿入を自分でできることです」



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
幼児期から学童期にかけての自己導尿の自立は、本人の意欲を尊重しながらスモールステップで進めることが重要です。 まずは準備や片付けなど、本人が取り組みやすい工程から段階的に関わらせることで、自信と自立心を育みます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「手順の中で、A君ができることを段階的に行いましょう」:正解です。物品の準備や衣服の着脱など、簡単な手順から本人の達成感を積み重ねることが自立への近道です。

  2. 「手技の失敗を繰り返すことが、A君の自信につながります」:不正解です。失敗の繰り返しは自信喪失や手技への拒否感につながる恐れがあるため、成功体験を重視します。

  3. 「入学までに、A君が自分で最後までできるようにしましょう」:不正解です。入学という期限を設けて完璧を求めることは、本人や保護者に過度なプレッシャーを与えます。

  4. 「最初のステップは、A君がカテーテルの挿入を自分でできることです」:不正解です。挿入は最も難易度が高い工程であるため、最初に行うステップとしては不適切です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 二分脊椎と排尿管理:脊髄の形成不全により神経因性膀胱を伴うことが多く、腎機能を守るために適切な排尿管理が不可欠です。

  2. 間欠的自己導尿(CIC):定期的にカテーテルを挿入して尿を排出する方法で、感染予防のために清潔な操作(クリーンテクニック)が求められます。

  3. 発達段階に応じた指導:5〜6歳頃は自立心が芽生える時期であり、遊びの要素を取り入れたり、本人の「やりたい」という気持ちを活かした指導が効果的です。


【問107】 その後、看護師は、A君が小学校で自立して間欠的自己導尿ができるようケア計画を立てた。
 間欠的自己導尿の実施についてA君に伝えることで適切なのはどれか。

  1. 「おしっこの出口をきれいにするため外側から内側に向かって拭くよ」

  2. 「カテーテルの先はピンセット(鑷子)で持つよ」

  3. 「カテーテルを入れておしっこが出てきたらその位置でカテーテルを止めるよ」

  4. 「おしっこが出なくなったらカテーテルを急いで抜くよ」



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
自己導尿の手順では、尿が出始めたらカテーテルの側孔が膀胱内に確実に入るよう少し奥へ進め、尿が出なくなるまでその位置でカテーテルを保持し、膀胱内を確実に空にすることが基本です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「おしっこの出口をきれいにするため外側から内側に向かって拭くよ」:不正解です。尿道口への細菌侵入を防ぐため、中心(尿道口)から外側に向かって円を描くように拭くのが正しい手順です。

  2. 「カテーテルの先はピンセット(鑷子)で持つよ」:不正解です。不正解です。施設の無菌操作では鑷子を用いる場合もありますが、自己導尿は一般に手洗いを行ったうえで直接カテーテルを保持する清潔操作で実施します。

  3. 「カテーテルを入れておしっこが出てきたらその位置でカテーテルを止めるよ」:正解です。尿が流出する位置で固定し、完全に排出しきることが重要です。

  4. 「おしっこが出なくなったらカテーテルを急いで抜くよ」:不正解です。尿が出なくなった後も少し引き抜いて残尿がないか確認し、ゆっくりと愛護的に抜去します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 清潔操作の基本:導尿前後の手洗いと、尿道口周囲の清拭(前から後ろ、または中心から外側)を徹底します。

  2. 指導のポイント:鏡を使って自分の尿道口を確認させたり、カテーテルの挿入角度を具体的に示したりすることで、手技の定着を図ります。

  3. 合併症の予防:不十分な排出による残尿は尿路感染症の原因となるため、完全に空にすることを強調します。


【問108】 11歳になったA君は間欠的自己導尿を自分で実施している。本日の定期受診時の尿検査で、尿蛋白(-)、赤血球(-)、白血球2+、尿の混濁+の所見がみられた。受診に付き添った父親から「最近、Aは親の言うことを聞かないし、あまり口をきいてくれません。家では自立して間欠的自己導尿を行っていますが、学校でもやっているのか心配です」と発言があった。A君の水分摂取や運動の状況は以前と変わらない。
外来看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  1. 導尿の必要性をA君に説明する。

  2. 学校での導尿の状況についてA君と話す。

  3. 父親に、親が学校に行って導尿を実施するよう伝える。

  4. 導尿の手順が書かれた表を渡し、できたところにA君にシールを貼ってもらう。



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
・尿検査での白血球陽性と混濁は、尿路感染症を疑う所見です。発熱や排尿時痛などの症状の有無、導尿手技や導尿回数(学校で実施できているか)を確認し、必要に応じて尿培養などで評価します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 導尿の必要性をA君に説明する:不正解です。すでに11歳で手技を習得しており、必要性自体は理解していると考えられます。

  2. 学校での導尿の状況についてA君と話す:正解です。身体所見(感染疑い)と父親の話(実施への不安)を踏まえ、本人のプライバシーを尊重しながら現状を確認することが適切です。

  3. 父親に、親が学校に行って導尿を実施するよう伝える:不正解です。11歳という自立期の子供にとって、親の過度な介入は自尊心を傷つけ、さらなる反抗を招く恐れがあります。

  4. 導尿の手順が書かれた表を渡し、できたところにA君にシールを貼ってもらう:不正解です。11歳(小学校高学年)には幼すぎる対応であり、本人の発達段階に合っていません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 思春期の心理的特徴:自立心が強まり親からの干渉を嫌う時期です。疾患管理において、周囲に知られたくないという心理から学校での実施を怠る場合があります。

  2. 尿路感染症の徴候:発熱がない場合でも、尿の濁り、臭いの変化、白血球の増加は注意信号です。

  3. アドヒアランスの向上:一方的な指導ではなく、本人の生活スタイルや困りごとに寄り添い、共に解決策を考える姿勢が求められます。


次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断され、入院後に分娩した。
Aさんの分娩経過を以下に示す。
2時00分 陣痛周期10分
5時30分 入院
15時00分 分娩室入室
15時30分 子宮口全開大
15時40分 自然破水
16時20分 児娩出
16時30分 胎盤娩出
18時30分 帰室


【問109】 Aさんの分娩所要時間はどれか。

  1. 13時間00分

  2. 14時間20分

  3. 14時間30分

  4. 16時間30分



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
分娩所要時間は、「陣痛開始(規則的な陣痛が10分間隔になった時)」から「胎盤娩出完了」までの時間を指します。 Aさんの場合、2時00分から16時30分までの時間を計算します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 13時間00分:不正解です。計算が合いません。

  2. 14時間20分:不正解です。これは陣痛開始から「児娩出(16時20分)」までの時間です。分娩は胎盤が出るまで終わりません。

  3. 14時間30分:正解です。陣痛開始の2時00分から、胎盤娩出の16時30分までの経過時間は14時間30分となります。

  4. 16時間30分:不正解です。帰室時間(18時30分)などと混同しないよう注意が必要です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 初産婦の平均分娩所要時間:約12〜15時間(以前は30時間とも言われていましたが、定義等の変遷もあり現在は短めの目安が一般的です。ただし個人差が大きいです)。

  2. 経産婦の平均分娩所要時間:約5〜8時間と、初産婦の約半分程度になります。

  3. 遷延分娩の定義:分娩開始(陣痛発来)後から、初産婦では30時間、経産婦では15時間を経過しても児娩出に至らない場合を指します。


【問110】 分娩直後の出血量は300mLであった。分娩後1時間の出血量20mL、子宮底は臍下2横指で硬度良好、脈拍75/分、血圧100/74mmHgであった。分娩後2時間の出血は20mL、子宮底は臍下1横指で硬度良好。脈拍75/分、血圧126/56mmHgであった。児への早期授乳後に下腹部の痛みを訴えている。尿意があり少量の排尿があった。
Aさんのアセスメントで適切なのはどれか。

  1. 尿閉である。

  2. 下腹部痛は異常である。

  3. 子宮復古が良好である。

  4. 分娩時異常出血である。



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
子宮底が臍下で硬く触れ(硬度良好)、出血量も減少傾向にあることから、子宮復古は順調です。 授乳後の下腹部痛は、オキシトシン分泌による生理的な「後陣痛」であり、異常ではありません。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 尿閉である:不正解です。少量の排尿があり、尿意も自覚できているため尿閉(膀胱に尿が溜まっているが出せない状態)とは断定できません。ただし、分娩後の膀胱麻痺には注意が必要です。

  2. 下腹部痛は異常である:不正解です。授乳刺激によってオキシトシンが分泌され、子宮収縮が促されることで起きる「後陣痛」と考えられます。子宮復古に伴う正常な反応です。

  3. 子宮復古が良好である:正解です。子宮底の高さが順調に下降し、硬度も良好で、出血量も少量で落ち着いていることから、復古状態は良好と判断できます。

  4. 分娩時異常出血である:不正解です。分娩時の出血量は300mLであり、正常範囲内(500mL未満)です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 正常な子宮底の高さ:分娩直後は臍下2〜3横指、分娩後12時間で臍高、その後は1日に約1横指ずつ下降し、産褥10日頃には恥骨結合の後ろに入り触れなくなります。

  2. 異常出血の基準:経腟分娩では500mL以上、帝王切開では1,000mL以上を言います。

  3. 後陣痛:経産婦や多胎妊娠、羊水過多などで子宮が大きく引き伸ばされていた場合に強くなる傾向があります。授乳時の痛みは収縮が良い証拠でもあります。


【問111】 児は出生2時間後、寝衣を着用しコットに収容された。児のバイタルサインは、体温(腋窩温)36.4℃、呼吸数40/分、心拍数120/分であった。また末梢の冷感はあるが、チアノーゼは認めなかった。排尿、排便はない。児の頰を軽く突くと刺激の方向を向き、口を開ける動作がみられる。また、腋窩と鼠径部に胎脂が付着している。
このときに必要なケアはどれか。

  1. 掛け物を温めたものに交換する。

  2. 口腔内吸引をする。

  3. 肛門刺激をする。

  4. 沐浴をする。



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
出生直後の新生児は体温調節機能が未熟です。 体温が36.4℃とやや低めで末梢冷感があるため、低体温の進行を防ぐための保温ケアが最優先となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 掛け物を温めたものに交換する:正解です。体温が正常範囲(36.5〜37.5℃)の下限を下回っており、末梢冷感もあるため、温めた衣類や掛け物で保温し、体温の回復を図る必要があります。

  2. 口腔内吸引をする:不正解です。呼吸数や心拍数は安定しており、チアノーゼや陥没呼吸などの呼吸障害の所見がないため、吸引の必要はありません。

  3. 肛門刺激をする:不正解です。生後24時間以内に排便(胎便)があれば正常であり、出生2時間の時点で排便がないことは異常ではありません。

  4. 沐浴をする:不正解です。現在の体温が低めであるため、沐浴を行うと気化熱でさらに体温が低下するリスクがあります。状態が安定してから行います。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 新生児の体温調節:体表面積が大きく、皮下脂肪が薄いため熱を放散しやすい特徴があります。環境温度の影響を強く受けます。

  2. ルーティング反射(探索反射):頬に触れると顔を向け口を開く反射で、哺乳に必要な原始反射の一つです。本症例でも正常に確認されています。

  3. 胎脂の役割:皮膚の保護や保温、感染防御の役割があるため、出生直後に無理に拭き取る必要はありません(ドライテクニック)。


次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(21歳、女性、大学生)は、1人で暮らしている。友人関係のトラブルでうつ状態になり、3か月前から精神科クリニックへの通院を開始した。頓用の抗不安薬を処方され不安が高まったときに服用していたが、徐々に酩酊や陶酔感を得るために服用するようになった。最近は指示された抗不安薬の量では酩酊や陶酔感が得られなくなってきたため、数日分の薬を溜めて一度に大量に服用するようになった。抗不安薬を大量に使用した翌日は大学を休むことが続いていた。


【問112】 Aさんの現在の状態はどれか。

  1. 急性中毒の状態である。

  2. 拘禁反応が出現している。

  3. 有害な使用〈乱用〉である。

  4. フラッシュバックが出現している。



【正解】3

ここから先は

8,901字 / 1ファイル

メンバーシップ ¥ 400 /月

■どんなメンバーシップか\ 本メンバーシップは、看護実習に必要な情報収集、アセスメント、関連図、看護…

すべての記事が使い放題!プレミアムプラン

¥400 / 月
1ヶ月無料

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?