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第114回 看護師国家試験 午後問題【問31~60】徹底解説

こんにちは、なんでなんだナーシングです!
看護師国家試験の過去問を一緒に解いていきましょう!

このシリーズでは、過去問を解きながら正答の根拠と関連知識を確認できます。


正解した問題も解説まで確認し、曖昧な知識や苦手な分野を見つけながら学習を進めていきましょう!

■ おすすめの使い方
①まずは問題に挑戦する → ②正答と30秒ポイントを確認する → ③詳細解説で各選択肢の根拠を理解する → ④DL特典で苦手な問題を拾い直す

■ DL特典(PDF)
問31~60の「正答+30秒ポイント」をまとめた復習シートです。
「覚えた・あいまい・苦手」のチェック欄を使い、復習が必要な問題の整理に活用してください。
記事の一番下にある「ダウンロード」から受け取れます。
 
 

問31~40

【問31】フィンク, S. L.〈Fink, S. L.〉が提唱した危機モデルの最終段階はどれか。

  1. 受容

  2. 適応

  3. 問題解決

  4. ラポール



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
フィンクの危機モデルは「衝撃」→「防御的退行」→「承認」→「適応」の4段階で構成されます。危機的状況に直面した人が、それを乗り越えて新しい生活を受け入れていくプロセスを示したもので、最終段階は「適応」です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 受容: 不正解。「受容」はキューブラー・ロスによる「死の受容過程」の最終段階で用いられる言葉です。

  2. 適応: 正解。 危機的状況を受け入れ、新しい価値観や役割を見出し、前向きに歩み始める段階です。フィンクのモデルではこの段階がゴールとされます。

  3. 問題解決: 不正解。問題解決は、危機的状況に対処するための手段やプロセスの一部ですが、モデルの段階名としては用いられません。

  4. ラポール: 不正解。ラポールは、医療者と患者との間の信頼関係を指す言葉であり、危機モデルの段階ではありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  • フィンクの4段階:

    1. 衝撃: 危機に直面しパニック状態になる。

    2. 防御的退行: 現実逃避し、自分を守ろうとする。

    3. 承認: 現実を認めざるを得なくなり、抑うつ的になる。

    4. 適応: 新しい状況を受け入れ、再出発する。


【問32】入院して間もない片麻痺がある患者から「着替えがうまくできない。ひとりでできるようになりたい」と訴えがあった。
最初に行う看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  1. 「繰り返し練習しましょう」

  2. 「できないところは手伝います」

  3. 「着替えるところを見せてください」

  4. 「着替えのパンフレットを参考にしましょう」



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
患者が抱えている問題を解決するためには、まず「現状の把握(アセスメント)」が不可欠です。「できない」と言っても、具体的にどこで躓いているのか、どの程度の動作なら可能なのかを実際に観察することで、初めて適切な援助方法が見えてきます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「繰り返し練習しましょう」: 不正解。何が問題かわからないまま練習を促しても、効果的でないばかりか、失敗体験を重ねて自信を喪失させる可能性があります。

  2. 「できないところは手伝います」: 不正解。安易な介助は、患者の残存機能(できる力)を奪い、自立の機会を損なう可能性があります。まずは観察が必要です。

  3. 「着替えるところを見せてください」: 正解。 実際の動作を観察することで、麻痺の程度、身体の動かし方、環境の問題点などを具体的に把握できます。これが個別性のある援助計画の第一歩です。

  4. 「着替えのパンフレットを参考にしましょう」: 不正解。一般的な方法がその患者に合うとは限りません。まずは患者自身の状態を見ることが先決です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • ADL評価: 自立度を評価する際は、FIM(機能的自立度評価法)やBarthel Indexなどの指標を用いると、客観的かつ具体的に把握できます。


【問33】うっ血乳頭が出現するのはどれか。

  1. 舌癌

  2. 貧血

  3. 門脈圧亢進

  4. 頭蓋内圧亢進



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
うっ血乳頭は、眼底検査で見られる所見で、視神経乳頭がむくんで腫れている状態です。これは「頭蓋内圧亢進」の最も重要な徴候の一つです。脳腫瘍や脳出血などで頭の中の圧力が高まると、視神経が圧迫されて起こります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 舌癌: 不正解。舌の悪性腫瘍であり、眼底所見とは直接関係ありません。

  2. 貧血: 不正解。貧血では眼底出血(網膜出血)が見られることがありますが、うっ血乳頭は典型的ではありません。

  3. 門脈圧亢進: 不正解。肝硬変などで起こり、食道静脈瘤や腹水などの原因となりますが、眼底には直接影響しません。

  4. 頭蓋内圧亢進: 正解。 頭蓋内圧が高まると、視神経鞘内の圧も上昇し、視神経乳頭が浮腫状に隆起します。これをうっ血乳頭といい、頭蓋内圧亢進の三徴候(頭痛、嘔吐、うっ血乳頭)の一つです。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 頭蓋内圧亢進の三徴候: ①頭痛(早朝に強い)、②噴射性嘔吐、③うっ血乳頭。これに加えて、血圧上昇と徐脈(クッシング現象)が見られることもあります。


【問34】シリンジポンプを使用する際に生じるサイフォニング現象の原因はどれか。

  1. 内蔵バッテリーの残量が少ない。

  2. 輸液ラインに血液の逆流がある。

  3. 輸液ラインに大量の空気がある。

  4. 刺入部とシリンジに高低差がある。



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
サイフォニング現象とは、ポンプの機械的な押し出しではなく、重力によって薬液が勝手に流れてしまう現象です。シリンジポンプが患者の体(刺入部)よりも高い位置にあると、落差によって薬液が急速に投与されてしまい、過量投与事故の原因となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 内蔵バッテリーの残量が少ない。: 不正解。バッテリー切れは動作停止の原因になりますが、サイフォニング現象とは関係ありません。

  2. 輸液ラインに血液の逆流がある。: 不正解。これはラインの閉塞や内圧の上昇などが原因で起こります。

  3. 輸液ラインに大量の空気がある。: 不正解。これは空気塞栓のリスクになりますが、サイフォニング現象とは別の問題です。

  4. 刺入部とシリンジに高低差がある。: 正解。 シリンジ(ポンプ)の位置が刺入部より高いと、サイフォンの原理で薬液が引力により自然落下し、急速投与される危険があります。シリンジの設置位置には十分注意が必要です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 予防策: シリンジポンプは患者と同じ高さに設置するのが基本です。また、サイフォニング防止機能(アンチサイフォンバルブなど)が付いた専用の延長チューブを使用することも有効です。


【問35】嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。

  1. 嚥下後10秒間で評価する。

  2. 嚥下後の呼吸状態を評価する。

  3. 嚥下動作の準備期を評価する。

  4. 80mLの水で嚥下状態を評価する。



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
改訂水飲みテスト(MWST)は、冷水3mLを口腔底に注ぎ、嚥下を促す簡易的なスクリーニング検査です。評価のポイントは「嚥下ができるか」「むせ(咳嗽)や湿性嗄声がないか」「嚥下後の呼吸が整っているか」の3点です。
【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 嚥下後10秒間で評価する。: 不正解。反復唾液嚥下テスト(RSST)では30秒間の嚥下回数を数えますが、MWSTに特定の秒数制限はありません。

  2. 嚥下後の呼吸状態を評価する。: 正解。 嚥下後に呼吸が切迫していたり、むせ込んだりしていないかを確認することは、誤嚥の有無を判断する上で非常に重要です。5点満点で評価します。

  3. 嚥下動作の準備期を評価する。: 不正解。準備期(咀嚼して食塊を作る時期)ではなく、主に口腔期から咽頭期への移行と、誤嚥の有無を評価します。

  4. 80mLの水で嚥下状態を評価する。: 不正解。MWSTで用いるのは「3mL」の冷水です。30mLの水飲みテストもありますが、80mLという規定はありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 評価基準: 4点以上で「正常範囲」、3点以下で「嚥下障害の疑いあり」と判定します。安全性が高く、ベッドサイドですぐに行える有用な検査です。


【問36】人工肛門周囲の皮膚を清潔にする方法で適切なのはどれか。

  1. 装具を外して洗浄する。

  2. 石けんは使用しない。

  3. 洗浄後に消毒をする。

  4. 洗浄後はドライヤーで乾燥させる。



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
ストーマ(人工肛門)周囲のスキンケアの基本は、「愛護的な洗浄」です。装具を交換する際は、古い装具を外してから、泡立てた石けんと微温湯でやさしく洗い、汚れを落とすことが皮膚トラブル予防の第一歩です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 装具を外して洗浄する。: 正解。 皮膚保護剤の溶解や排泄物による汚れをきれいに取り除くため、装具を完全に外して皮膚を直接洗います。

  2. 石けんは使用しない。: 不正解。よく泡立てた石けんを使用し、指の腹で優しく洗うのが基本です。ただし、石けん成分が残らないよう十分にすすぐことが重要です。

  3. 洗浄後に消毒をする。: 不正解。消毒薬は正常な皮膚の常在菌も殺してしまい、かえって皮膚トラブルの原因になることがあるため、通常は不要です。水道水での洗浄で十分です。

  4. 洗浄後はドライヤーで乾燥させる。: 不正解。ドライヤーの温風は皮膚を乾燥させすぎたり、熱傷の原因になったりする危険があるため使用しません。タオルやガーゼで優しく水分を拭き取ります。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 入浴: ストーマ装具をつけたままでも、外した状態でも入浴は可能です。外して入浴する場合は、排便のタイミングを考慮し、湯船が汚れないよう工夫します。


【問37】半座位で頸静脈怒張がみられるのはどれか。

  1. 右心不全

  2. 広範囲熱傷

  3. 大動脈瘤破裂

  4. アナフィラキシーショック



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
頸静脈怒張は、心臓に戻ってくる血液の流れが滞り、中心静脈圧が上昇しているサインです。右心不全では、右心室が血液を肺へ送り出す力が弱まるため、全身から戻ってきた血液が右心房の手前(大静脈系)でうっ滞し、頸静脈がパンパンに膨らみます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 右心不全: 正解。 右心系のポンプ機能不全により、静脈系に血液がうっ滞し、中心静脈圧が上昇するため、頸静脈怒張が見られます。

  2. 広範囲熱傷: 不正解。体液が血管外へ漏れ出し、循環血液量が減少するため、静脈は虚脱し、怒張は見られません。

  3. 大動脈瘤破裂: 不正解。大量出血により循環血液量が急激に減少(出血性ショック)するため、静脈は虚脱します。

  4. アナフィラキシーショック: 不正解。血管透過性の亢進と末梢血管の拡張により、相対的に循環血液量が不足するため、静脈圧は低下します。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 右心不全の症状: 頸静脈怒張のほか、肝腫大、下肢浮腫、腹水などが特徴的です。これらはすべて静脈系のうっ滞によるものです。


【問38】経口薬と飲料の関係で正しいのはどれか。

  1. テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳によって作用が減弱される。

  2. 非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料によって吸収速度が速まる。

  3. テオフィリンは、カフェインを含む飲料によって作用が減弱される。

  4. カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースによって作用が減弱される。



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
薬の飲み合わせ(相互作用)に関する頻出問題です。テトラサイクリン系抗菌薬は、カルシウムなどの金属イオンと結合しやすく、吸収が悪くなる性質があります。牛乳にはカルシウムが豊富に含まれているため、一緒に飲むと効果が弱まってしまいます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. テトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳によって作用が減弱される。: 正解。 薬剤がカルシウムとキレート(難溶性の複合体)を形成し、腸管からの吸収が阻害されるため、効果が減弱します。

  2. 非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料によって吸収速度が速まる。: 不正解。炭酸飲料との特異的な相互作用で吸収が速まるという一般的な事実はありません。胃粘膜刺激の増強などが懸念されます。

  3. テオフィリンは、カフェインを含む飲料によって作用が減弱される。: 不正解。カフェインはテオフィリンと同様の作用を持つため、併用すると作用が「増強」され、副作用(不整脈や痙攣など)のリスクが高まります。

  4. カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースによって作用が減弱される。: 不正解。グレープフルーツジュースに含まれる成分が、薬を分解する酵素(CYP3A4)を阻害するため、薬の血中濃度が上がり、作用が過度に「増強」されます(血圧が下がりすぎる)。

【さらに深掘り!関連知識】

  • ワルファリンと納豆: 抗凝固薬のワルファリンは、ビタミンKによって作用が減弱します。納豆はビタミンKを多く含み、かつ腸内で産生もするため、ワルファリン服用中は摂取禁止です。


【問39】Holter〈ホルター〉心電図検査の説明で正しいのはどれか。

  1. 就寝時は電極を外す。

  2. 電極は四肢に装着する。

  3. 検査中は電気カーペットを使用しない。

  4. 検査中は普段の生活よりも活動量を減らす。



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
ホルター心電図は、小型の記録器を装着して24時間の心電図を記録する検査です。日常生活中の不整脈や虚血性変化を見つけることが目的なので、普段通りの生活を送ってもらいます。ただし、電気毛布や電気カーペットなどの電気製品は、ノイズが入って正確な記録ができなくなる可能性があるため使用を控えます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 就寝時は電極を外す。: 不正解。24時間連続して記録するため、就寝中も電極は装着したままにします。就寝中の不整脈なども重要な診断材料です。

  2. 電極は四肢に装着する。: 不正解。活動の妨げにならないよう、電極はすべて「胸部」に装着します。

  3. 検査中は電気カーペットを使用しない。: 正解。 交流電流を使用する電気器具(電気毛布、電気カーペットなど)は、交流障害(ハム)と呼ばれるノイズの原因となり、波形の判読を困難にするため使用を避けます。

  4. 検査中は普段の生活よりも活動量を減らす。: 不正解。安静時だけでなく、労作時やストレス時の心電図変化を捉えることが目的の一つなので、可能な限り「普段通り」の生活を送るよう指導します。行動記録カードの記載も重要です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 入浴: 以前は入浴不可の機種が主流でしたが、近年は防水機能付きの記録器や防水テープを使用することで、シャワー浴などが可能な場合も増えています。機種ごとの確認が必要です。


【問40】訪問看護事業所について正しいのはどれか。

  1. 24時間対応が義務付けられている。

  2. 自宅以外への訪問看護は認められない。

  3. 特定非営利活動法人〈NPO〉は事業所を開設できる。

  4. 従事する看護師は臨床経験5年以上と定められている。



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
訪問看護ステーションの開設主体(誰がオープンできるか)は、法人格があれば認められます。医療法人だけでなく、社会福祉法人、NPO法人、株式会社など、多様な主体が開設可能です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 24時間対応が義務付けられている。: 不正解。24時間対応体制加算などの制度はありますが、すべての事業所に24時間対応が「義務」付けられているわけではありません。

  2. 自宅以外への訪問看護は認められない。: 不正解。自宅だけでなく、グループホームや有料老人ホームなどの施設(居宅扱いとなる場所)への訪問も可能です。

  3. 特定非営利活動法人〈NPO〉は事業所を開設できる。: 正解。 介護保険法や健康保険法において、指定訪問看護事業者の要件として「法人であること」が求められていますが、その種類は問われません。NPO法人や株式会社も開設できます。

  4. 従事する看護師は臨床経験5年以上と定められている。: 不正解。管理者は原則として保健師または看護師でなければなりませんが、従事する看護師の臨床経験年数に関する法的な規定はありません。ただし、質の高いケアのためには一定の経験が望ましいとされます。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 人員基準: 訪問看護ステーションには、看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)が常勤換算で「2.5人以上」配置されている必要があります。理学療法士などが配置されている場合もあります。


問41~50

【問41】糖尿病〈diabetes mellitus〉の在宅療養者に行うフットケアの説明で適切なのはどれか。

  1. 「素足で過ごしましょう」

  2. 「足の皮膚を保湿してください」

  3. 「足浴には42℃のお湯を使ってください」

  4. 「爪は指の先端よりも短く切ってください」



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
糖尿病患者さんは、神経障害で足の感覚が鈍くなっていることが多く、小さな傷から壊疽(えそ)などの重篤な状態になりやすいです。そのため、乾燥によるひび割れを防ぐ「保湿」や、靴下を履いて傷を防ぐことが重要です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「素足で過ごしましょう」: 不正解。感覚が鈍くなっているため、素足だと気づかないうちに怪我をするリスクがあります。室内でも白い靴下などを履くことが推奨されます。

  2. 「足の皮膚を保湿してください」: 正解。 高血糖状態は皮膚の乾燥を招き、ひび割れから感染しやすくなります。保湿クリームなどで皮膚のバリア機能を保つことが大切です。

  3. 「足浴には42℃のお湯を使ってください」: 不正解。42℃は熱すぎます。感覚障害がある場合、熱さを感じにくく低温火傷を起こす危険があるため、38〜40℃程度のぬるま湯が適しています。

  4. 「爪は指の先端よりも短く切ってください」: 不正解。深爪は細菌感染の原因になります。爪は指の先端と同じ長さにし、一直線に切る「スクエアカット」が基本です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 糖尿病性神経障害: 足のしびれや痛み、感覚鈍麻などが症状です。これに血流障害(PAD)や感染が加わると「糖尿病性足病変」となり、最悪の場合は切断に至ることもあります。毎日の足の観察が極めて重要です。


【問42】胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいのはどれか。

  1. 流動(ミキサー)食は注入できる。

  2. 注入前に胃瘻の瘻孔部を消毒する。

  3. 胃瘻カテーテルは週に1回交換する。

  4. 注入中は体位を15度のFowler〈ファウラー〉位にする。



【正解】1

【30秒でわかる!ポイント解説】
胃瘻(PEG)は、通常の経管栄養剤だけでなく、家庭で作った流動食(ミキサー食)や半固形栄養剤も注入できるのが大きなメリットです。これにより、家族と同じ食事のメニューを取り入れたり、下痢を予防したりすることができます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 流動(ミキサー)食は注入できる。: 正解。 胃瘻チューブは比較的太いため、十分に細かくしたミキサー食であれば注入可能です。栄養状態の改善や「食の楽しみ」の共有につながります。

  2. 注入前に胃瘻の瘻孔部を消毒する。: 不正解。瘻孔周囲の皮膚は、毎日石けんと微温湯で洗浄して清潔を保てば十分で、消毒は皮膚トラブルの原因になるため通常行いません。

  3. 胃瘻カテーテルは週に1回交換する。: 不正解。カテーテルの種類によりますが、バンパー型なら4〜6か月、バルーン型でも1〜2か月に1回程度の交換が一般的です。週1回は頻回すぎます。

  4. 注入中は体位を15度のFowler〈ファウラー〉位にする。: 不正解。胃食道逆流や誤嚥を防ぐため、上半身は30〜45度以上挙上するのが原則です。15度では低すぎます。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 半固形栄養剤: 液体の栄養剤を寒天などでプリン状に固めたものです。胃内での滞留時間が長くなり、下痢や胃食道逆流の予防に効果的です。注入時間も短縮できます。


【問43】Aちゃん(1歳7か月、女児)は先天性水頭症〈congenital hydrocephalus〉のため脳室-腹腔〈V-P〉シャント造設術を受けて退院した。Aちゃんは歩行障害があり、母親が1人で育てている。
退院後、訪問看護師が訪問すると、Aちゃんの母親は「子どもが泣くとイライラします。この先Aを育てていく自信がなく、経済的にも生活していけるか不安です」と話した。
このとき、訪問看護師が母親に勧める相談先で最も適切なのはどれか。

  1. 居住地の社会福祉協議会

  2. 居住地の保健センター

  3. 障害児の子育てグループ

  4. 入院していた病院の医療相談室



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
母親は「育児不安(イライラ、自信がない)」と「経済的不安」を抱えており、虐待のリスクもある状態です。このような地域の母子保健、育児支援、虐待予防の第一線機関として、包括的に相談・支援できるのは「保健センター(市町村保健師)」です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 居住地の社会福祉協議会: 不正解。地域福祉の推進やボランティア活動などが中心で、個別の育児相談や虐待予防の窓口としては保健センターの方が優先されます。

  2. 居住地の保健センター: 正解。 母子保健法に基づき、乳幼児健診や育児相談を行っています。保健師が育児不安の相談に乗り、必要に応じて児童相談所や経済的支援窓口につなぐなど、包括的な支援のコーディネート役となります。

  3. 障害児の子育てグループ: 不正解。同じ悩みを持つ親同士の交流(ピアサポート)は有効ですが、母親の切迫した不安や経済的問題への直接的な解決策にはなりにくいです。まずは専門職による支援が必要です。

  4. 入院していた病院の医療相談室: 不正解。退院後の地域生活における育児や生活全般の悩みについては、地域に根ざした保健センターの方が継続的かつ広範な支援が可能です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 養育支援訪問事業: 育児ストレスや孤立などにより養育支援が必要な家庭に対し、保健師などが居宅を訪問して指導・助言を行う事業です。これも市町村(保健センター等)が実施主体です。


【問44】地域包括ケアシステムの構成要素はどれか。

  1. 交通

  2. 雇用

  3. 情報

  4. 住まい



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせるようにするための仕組みです。その構成要素は、土台となる「住まい」と「住まい方」、そしてそれを支える「医療・看護」「介護・リハビリ」「保健・予防」「生活支援・福祉」の5つです(植木鉢の図でよく表されます)。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 交通: 不正解。移動手段は重要ですが、システムの主要な5つの構成要素(植木鉢の葉や土)としては挙げられていません。

  2. 雇用: 不正解。高齢者の生きがい就労などは関連しますが、構成要素そのものではありません。

  3. 情報: 不正解。多職種連携における情報共有は不可欠ですが、構成要素の名称ではありません。

  4. 住まい: 正解。 プライバシーと尊厳が守られた「住まい」が確保されていることが、地域生活の最も基本的な土台(植木鉢)となります。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 自助・互助・共助・公助: 地域包括ケアシステムを支える4つの助け合いです。「住まい」の確保には、公助(公営住宅や家賃補助)だけでなく、自助(持ち家や自分での賃貸)も含まれます。


【問45】成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。
正しいのはどれか。

(出典:厚生労働省 第114回看護師国家試験午後問題 問45)



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
胸骨圧迫の正しい位置は「胸骨の下半分」です。図の④がその位置を示しています。③は剣状突起(みぞおち)にあたり、ここを圧迫すると肝損傷などの腹部臓器損傷の危険があるため避ける必要があります。

【なぜ?がわかる詳細解説】
※図を参照して解説します。

  1. ①: 不正解。胸骨の上部(胸骨柄付近)であり、十分に心臓を圧迫しにくいため適切ではありません。

  2. ②: 不正解。心臓の位置から左に外れています。胸骨ではなく肋骨側を圧迫しやすく、十分な胸骨圧迫になりにくいうえ、肋骨骨折などのリスクが高まります。

  3. ③: 不正解。ここは「剣状突起」付近です。ここを圧迫すると、剣状突起の損傷や肝損傷などを引き起こす危険性があるため、避けるべき部位です。

  4. ④: 正解。 ここが「胸骨の下半分」に該当します。左右の乳頭を結ぶ線(乳頭間線)上が目安となります。ここを垂直に圧迫することで、最も効率的かつ安全に心臓を圧迫できます。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 質の高い胸骨圧迫: 位置だけでなく、「深さ(約5cm)」「速さ(100〜120回/分)」「絶え間なく」「リコイル(圧迫解除時に胸を完全に戻す)」ことが重要です。


【問46】高次脳機能障害のある患者が買い物に行った際に示す行動で失行はどれか。

  1. 何を買いに来たのか忘れる。

  2. 買い物かごの使い方が分からない。

  3. 献立に合わせた買い物ができない。

  4. スーパーと自宅の往復で道に迷う。



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
「失行」とは、麻痺などの運動障害がないにもかかわらず、目的に合った動作や道具の使用ができなくなる状態です。「買い物かご」という道具を認識していても、それをどう使えばいいのか(動作の手順)がわからなくなるのが特徴です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 何を買いに来たのか忘れる。: 不正解。これは新しいことを覚えられない「記憶障害」です。

  2. 買い物かごの使い方が分からない。: 正解。 道具の使い方がわからなくなるのは「観念失行」と呼ばれる失行の一種です。歯ブラシで髪をとかそうとするなどの行動も見られます。

  3. 献立に合わせた買い物ができない。: 不正解。計画を立てて実行する能力の障害であり、「遂行機能障害」にあたります。

  4. スーパーと自宅の往復で道に迷う。: 不正解。場所や位置関係がわからなくなる「地誌的障害」です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 失行の種類:

    • 観念運動失行: 「さよなら(バイバイ)をして」と言われてもできないが、自然な場面ではできる。

    • 着衣失行: 服の前後裏表がわからず着られない。
      これらの違いも押さえておきましょう。


【問47】乳房温存療法で放射線治療を受ける乳癌患者〈breast cancer〉への説明で適切なのはどれか。

  1. 「頭髪の脱毛が生じます」

  2. 「嚥下障害が予測されます」

  3. 「皮膚にマーキングを行います」

  4. 「同居家族への被曝に注意してください」



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
放射線治療は「局所療法」です。副作用は照射した部位にのみ現れます。乳房への照射では、皮膚炎などが主な副作用となります。治療の正確性を保つために、照射位置の目印(マーキング)を皮膚に描きます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「頭髪の脱毛が生じます」: 不正解。頭部に照射する場合や抗がん剤治療(全身療法)では脱毛が起こりますが、乳房への局所照射で頭髪が抜けることはありません。

  2. 「嚥下障害が予測されます」: 不正解。食道や咽頭に照射する場合の副作用です。乳房照射では通常起こりません。

  3. 「皮膚にマーキングを行います」: 正解。 毎回同じ位置に正確に照射するため、皮膚にインクで印をつけます。「消さないようにしてください」という指導も重要です。

  4. 「同居家族への被曝に注意してください」: 不正解。外部照射(体の外から当てる治療)では、治療終了後に患者さんの体から放射線が出ることはありません。家族と接触しても被曝の心配は一切ありません。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 放射線皮膚炎のケア: 照射部位は日焼けのような状態になります。こすらない、熱いお湯を避ける、直射日光を避ける、刺激の少ない衣類を選ぶなどのスキンケア指導が必要です。


【問48】臨死期にある患者に出現する呼吸の変化で正しいのはどれか。

  1. 過呼吸

  2. 奇異呼吸

  3. Kussmaul〈クスマウル〉呼吸

  4. Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
死が近づくと、呼吸中枢の機能が低下し、呼吸のパターンが変化します。「チェーン・ストークス呼吸」は、小さい呼吸から徐々に大きな呼吸になり、また小さくなって一時的に呼吸が止まる(無呼吸)、というサイクルを繰り返すのが特徴で、臨死期によく見られます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 過呼吸: 不正解。精神的な不安や興奮などで呼吸が速く深くなる状態です。臨死期には、むしろ呼吸が浅く弱くなる傾向があります。

  2. 奇異呼吸: 不正解。胸部外傷(多発肋骨骨折など)で見られる、吸気時に胸壁がへこみ、呼気時に膨らむという異常な呼吸運動です(シーソー呼吸)。

  3. Kussmaul〈クスマウル〉呼吸: 不正解。糖尿病ケトアシドーシスなどの代謝性アシドーシスで見られる、深く速い大呼吸です。

  4. Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸: 正解。 呼吸中枢の感受性低下により、低酸素状態にならないと呼吸ができなくなるために起こります。臨死期のほか、脳血管障害や重症心不全でも見られます。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 下顎呼吸: 死の直前に見られる、下顎を動かしてあえぐような呼吸(死戦期呼吸の一種)です。これが始まると死が間近であることを示唆します。


【問49】超音波ガイド下で肝生検を受ける成人への説明で正しいのはどれか。

  1. 「検査前の絶食は不要です」

  2. 「検査はうつぶせで実施します」

  3. 「検査中は指示に合わせて息を止めてください」

  4. 「検査後すぐに歩行できます」



【正解】3

【30秒でわかる!ポイント解説】
肝生検は、肝臓に針を刺して組織を採取する検査です。肝臓は呼吸に伴って横隔膜と一緒に上下に動くため、針を刺す瞬間に動いてしまうと、他の臓器を傷つけたり肝臓が裂けたりする危険があります。そのため、息止めの協力が不可欠です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「検査前の絶食は不要です」: 不正解。万が一の出血や嘔吐に備え、検査前は絶食が必要です。また、胆嚢が収縮していない状態の方が超音波で見やすくなります。

  2. 「検査はうつぶせで実施します」: 不正解。通常は「仰臥位(あおむけ)」または「左側臥位」で行います。肋骨の間から針を刺すためです。

  3. 「検査中は指示に合わせて息を止めてください」: 正解。 穿刺の瞬間に肝臓を固定するため、呼気または吸気で息を止めてもらいます。事前の練習も重要です。

  4. 「検査後すぐに歩行できます」: 不正解。肝臓は血流が豊富な臓器であり、検査後の出血(後出血)のリスクがあります。穿刺部を圧迫し、数時間(通常2〜4時間程度)の絶対安静(右側臥位などでの圧迫安静)が必要です。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 検査後の観察: 頻脈、血圧低下、腹痛、顔色不良などは、腹腔内出血の重要な徴候です。バイタルサインの測定と刺入部の観察を頻回に行います。


【問50】Aさん(42歳、男性)は、同僚との飲酒中に上腹部から背部の激しい痛みと嘔吐があり、救急搬送された。搬送時の心電図には異常を認めない。
Aさんの状態をアセスメントするための血液検査項目で優先度が高いのはどれか。

  1. アルブミン

  2. トロポニン

  3. 中性脂肪

  4. リパーゼ



【正解】4

【30秒でわかる!ポイント解説】
「大量飲酒」「上腹部から背部の激しい痛み」「嘔吐」というキーワードから、最も疑われるのは「急性膵炎」です。膵臓の酵素である「アミラーゼ」や、より特異性の高い「リパーゼ」の血中濃度上昇が診断の決め手になります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. アルブミン: 不正解。肝機能や栄養状態の指標ですが、急性期の診断における優先度は低いです。

  2. トロポニン: 不正解。心筋梗塞のマーカーです。心電図に異常がなく、症状からも心疾患より膵炎が疑われます。

  3. 中性脂肪: 不正解。高トリグリセリド血症は急性膵炎の原因にはなり得ますが、診断のためのマーカーではありません。

  4. リパーゼ: 正解。 膵臓に含まれる脂肪分解酵素です。急性膵炎では血中に逸脱し、アミラーゼよりも感度・特異度が高く、長期間高値を持続するため、診断に最も有用な指標の一つです。

【さらに深掘り!関連知識】

  • 急性膵炎の重症度判定: 予後因子(年齢、脱水、呼吸不全など)や造影CT所見に基づいて重症度を判定します。重症例では多臓器不全に至るため、厳重な全身管理が必要です。


問51~60

【問51】伝音性難聴について正しいのはどれか。

  1. 加齢で増悪する。

  2. 鼓膜穿孔は原因となる。

  3. 内耳から中枢側の障害で発生する。

  4. アミノグリコシド系抗菌薬が原因である。



【正解】2

【30秒でわかる!ポイント解説】
難聴は、外耳や中耳の障害による「伝音性難聴」と、内耳や神経の障害による「感音性難聴」に分けられます。鼓膜に穴が開く(穿孔)と、音が振動として伝わりにくくなるため、伝音性難聴の原因となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 加齢で増悪する。: 不正解。加齢に伴う老人性難聴は、主に内耳の有毛細胞の機能低下による「感音性難聴」です。

  2. 鼓膜穿孔は原因となる。: 正解。 鼓膜は音を振動に変えて中耳に伝える重要な役割を持っています。穿孔によりその機能が損なわれると、音が伝わりにくくなり伝音性難聴となります。

  3. 内耳から中枢側の障害で発生する。: 不正解。これは「感音性難聴」の定義です。伝音性難聴は外耳から中耳までの障害で起こります。

  4. アミノグリコシド系抗菌薬が原因である。: 不正解。ストレプトマイシンなどのアミノグリコシド系抗菌薬は、内耳(有毛細胞)に毒性があり、副作用として「感音性難聴」を引き起こすことがあります(薬剤性難聴)。

【さらに深掘り!関連知識】

  • オージオグラムの特徴: 伝音性難聴では気導聴力が低下し、骨導聴力は保たれるため、両者に差(Air-Bone Gap)が生じます。感音性難聴では両方とも低下します。


【問52】散瞳薬を用いた眼底検査を受ける成人への説明で適切なのはどれか。

  1. 「角膜を観察します」

  2. 「検査後に抗菌薬を点眼します」

  3. 「眼を閉じた状態で検査室に誘導します」

  4. 「点眼後30分で散瞳薬の効果が現れます」



【正解】4

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