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第113回 看護師国家試験 午後問題【問31~60】徹底解説

こんにちは、なんでなんだナーシングです!
看護師国家試験の過去問を一緒に解いていきましょう!

このシリーズでは、過去問を解きながら正答の根拠と関連知識を確認できます。


正解した問題も解説まで確認し、曖昧な知識や苦手な分野を見つけながら学習を進めていきましょう!

■ おすすめの使い方
①まずは問題に挑戦する → ②正答と30秒ポイントを確認する → ③詳細解説で各選択肢の根拠を理解する → ④DL特典で苦手な問題を拾い直す

■ DL特典(PDF)
問31~60の「正答+30秒ポイント」をまとめた復習シートです。
「覚えた・あいまい・苦手」のチェック欄を使い、復習が必要な問題の整理に活用してください。
記事の一番下にある「ダウンロード」から受け取れます。
 
 

問31~40

【問31】 がん対策基本法で定められているのはどれか。

  1. 肝炎ウイルス検査の実施を推進する。

  2. 受動喫煙のない職場環境を整備する。

  3. 学校等でのがんに関する教育を推進する。

  4. がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置する。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
がん対策基本法は、がん対策を総合的かつ計画的に推進するための法律です。2016年の改正により、「がん教育」の推進(学校等での教育)が明記されました。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 肝炎ウイルス検査の実施を推進する: 不正解です。肝炎対策基本法に基づいています。

  2. 受動喫煙のない職場環境を整備する: 不正解です。健康増進法(または労働安全衛生法)の範疇です。

  3. 学校等でのがんに関する教育を推進する: 正解です。 子供学童期からの教育を通じて、がんへの理解を深めることが定められています。

  4. がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置する: 不正解です。これは法律に基づく「指針」や「要件」として規定されていますが、基本法の条文そのものとしては教育の推進が直接的な選択肢です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 基本理念: がん患者が尊厳を持って安心して暮らせる社会の実現を目指します。

  2. 緩和ケアの早期提供: 診断時からの緩和ケア提供が推進されています。

  3. がん患者の就労支援: 改正により、事業主のがん患者に対する雇用継続への配慮も盛り込まれました。
     
     

【問32】 国際生活機能分類(ICF)で「生活機能」の構成要素に含まれるのはどれか。

  1. 活動

  2. 疾病

  3. 能力障害

  4. 社会的不利
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
ICFは、健康状態を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの要素(これらをまとめて生活機能と呼ぶ)から包括的に捉えるモデルです。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 活動: 正解です。 個人による課題や行為の遂行を指し、生活機能の主要な構成要素の一つです。

  2. 疾病: 不正解です。ICFでは「健康状態」に位置づけられますが、生活機能そのものの構成要素ではありません。

  3. 能力障害: 不正解です。旧モデル(ICIDH)の用語であり、ICFでは「活動制限」というポジティブな視点へ変更されました。

  4. 社会的不利: 不正解です。旧モデル(ICIDH)の用語であり、ICFでは「参加制約」に対応します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 相互作用モデル: 環境因子や個人因子が生活機能に影響を与えると考えます。

  2. 身体構造・身体機能: 身体の解剖学的部分や生理・心理的機能を指します。

  3. 参加: 社会的な場面への関わりのことです。
     
     

【問33】 Broca(ブローカ)失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

  1. 閉じた質問(closed question)を活用する。

  2. 大きな声で質問する。

  3. 単語で話しかける。

  4. 文字盤を用いる。
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
ブローカ失語(運動性失語)は、言葉を理解できても「話すこと」が困難な状態です。はい・いいえで答えられる「閉じた質問」を用いることで、患者の発話負担を減らし意思疎通を促します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 閉じた質問を活用する: 正解です。 「はい」「いいえ」や頷きで反応できるため、表出が困難な患者に適しています。

  2. 大きな声で質問する: 不正解です。ブローカ失語は聴覚の障害(難聴)ではないため、大声は不要です。

  3. 単語で話しかける: 不正解です。理解力は比較的保たれているため、過度に簡略化せず自然な文章で話し、相手のペースを待つことが大切です。

  4. 文字盤を用いる: 不正解です。文字盤は指さしで意思表示できるため有用な場面もありますが、本問では、発話負担を確実に減らして意思疎通しやすい「閉じた質問」の活用が最も適切と判断します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. ウェルニッケ失語(感覚性失語): 言葉は流暢に出ますが、理解が困難で、意味不明な言葉(錯語)が多くなるのが特徴です。

  2. 全失語: 理解も表出も著しく障害されている状態です。

  3. 非言語的コミュニケーション: 表情、ジェスチャー、絵カードなどを組み合わせることが重要です。
     
     

【問34】 指鼻試験で評価するのはどれか。

  1. 視野

  2. 小脳機能

  3. 表在反射

  4. 複合知覚
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
指鼻試験(指を自分の鼻に持っていく検査)は、協調運動を評価するための検査です。動きがスムーズでない、または的が外れる場合は「小脳機能」の障害(小脳性失調)が疑われます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 視野: 不正解です。対座法などの視覚検査で評価します。

  2. 小脳機能: 正解です。 筋肉の動きを調整し、正確な動作を行う中心となる小脳の機能を評価します。

  3. 表在反射: 不正解です。腹壁反射や足底反射のように、皮膚を刺激して起こる反射のことです。

  4. 複合知覚: 不正解です。2点識別覚や立体認知など、高度な知覚機能のことです。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 踵膝試験: 仰臥位で片方の踵を反対側の膝にのせ、脛を滑らせる検査で、これも小脳機能を評価します。

  2. ロンベルグ試験: 閉眼して直立保持が可能かを見る検査で、深部感覚や前庭機能を評価します。

  3. 小脳性失調の症状: 企図振戦(動作時に震える)、構音障害(酔っぱらいのような話し方)などがあります。
     
     

【問35】 マイコプラズマ肺炎の感染経路はどれか。

  1. 空気感染

  2. 血液感染

  3. 飛沫感染

  4. 媒介物感染
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
マイコプラズマ肺炎は、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原体を吸い込むことで感染する「飛沫感染」が主な経路です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 空気感染: 不正解です。結核、麻疹、水痘などが該当し、より広範囲に拡散します。

  2. 血液感染: 不正解です。B型・C型肝炎、HIVなどが該当します。

  3. 飛沫感染: 正解です。 患者の咳や会話時に飛ぶ「飛沫(5μm以上の粒子)」が直接粘膜に触れることで感染します。

  4. 媒介物感染: 不正解です。食品や水(経口感染)、またはドアノブなどを介した間接的な接触感染のことです。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 特徴的な症状: 乾いた激しい咳が長く続くのが特徴です。

  2. 学校保健安全法: マイコプラズマ肺炎は学校における感染症として「その他の感染症」に位置づけられます。出席停止の扱いは「医師により感染のおそれがないと認められるまで」が基本で、機械的な日数は定められていません。

  3. 治療薬: 細胞壁を持たない菌のため、ペニシリン系やセフェム系は無効で、マクロライド系抗菌薬などが使われます。
     
     

【問36】 痛風の患者が摂取量を減らすことが望ましい食品はどれか。

  1. 鶏卵

  2. チーズ

  3. 鶏レバー

  4. じゃがいも
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで起こります。尿酸の元となる「プリン体」を多く含む食品(内臓類、干物、肉類など)の摂取を制限することが推奨されます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 鶏卵: 不正解です。プリン体は極めて少ないため、制限の必要はありません。

  2. チーズ: 不正解です。乳製品はプリン体が少なく、タンパク源として適しています。

  3. 鶏レバー: 正解です。 動物の内臓類はプリン体が非常に多く含まれているため、高尿酸血症管理において摂取を控えるべき食品です。

  4. じゃがいも: 不正解です。野菜や芋類はプリン体が少なく、制限の対象にはなりません。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 高尿酸血症の基準: 血清尿酸値が7.0 mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。

  2. アルコールの制限: ビールはプリン体を含みますが、アルコール自体も尿酸の生成を促し、排出を抑制するため控えめにします。

  3. 水分摂取: 尿酸の排出を促すため、十分な水分摂取(2L/日程度)が推奨されます。
     
     

【問37】 患者、看護師、ベッド、車椅子の位置を図に示す。

ベッド上にいる右片麻痺がある患者の端座位から車椅子への移乗を援助する看護師の足と車椅子の位置で適切なのはどれか。

出典:厚生労働省 第113回看護師国家試験 午後問題 問37


 
 
 
 
 
【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
片麻痺患者の移乗援助では、車椅子を患者の「健側(動く側)」に配置するのが原則です。右片麻痺の場合は左側が健側となるため、ベッドに対して「左側」に、角度を20〜30度つけて配置します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 左側に車椅子を配置: 正解です。 健側である左手・左足を使って体を支え、回転しやすくなるため、安全かつ自立を促す配置です。

  2. 右側に車椅子を配置: 不正解です。患側(麻痺側)からの移乗は力が入らず危険です。

  3. ベッドに対して垂直に配置: 不正解です。移乗時に大きな回転が必要となり、転倒のリスクが高まります。

  4. 患者の背後に配置: 不正解です。構造上不可能です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 角度の目安: ベッドに対して20〜30度が、移動距離が短く最も安定します。

  2. ブレーキの確認: 移乗前には必ず車椅子のブレーキがロックされていることを確認します。

  3. 看護師の立ち位置: 通常、患者の患側(麻痺側)の前方に位置し、膝折れやバランスを崩した際に支えられるようにします。
     
     

【問38】 健康な成人の皮膚で正しいのはどれか。

  1. 垢として剝がれ落ちるのは基底層である。

  2. 外陰部にはアポクリン汗腺が存在する。

  3. 皮膚表面は弱アルカリ性である。

  4. ケラチンは紫外線を吸収する。
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
皮膚には「アポクリン汗腺」と「エクリン汗腺」の2種類があります。アポクリン汗腺は腋窩、外陰部、乳輪などの特定の部位に存在し、特有の臭いの元となる汗を出します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 垢として剝がれ落ちるのは基底層である: 不正解です。垢として剥がれ落ちるのは最も外側の「角質層」です。基底層は新しい細胞が作られる最下層です。

  2. 外陰部にはアポクリン汗腺が存在する: 正解です。 腋窩(わきの下)、外陰部、乳輪、外耳道などが主な存在部位です。

  3. 皮膚表面は弱アルカリ性である: 不正解です。健康な皮膚表面は細菌の増殖を抑えるために「弱酸性(pH 4.5〜5.5程度)」に保たれています。

  4. ケラチンは紫外線を吸収する: 不正解です。紫外線を吸収し保護するのは「メラニン(色素)」です。ケラチンは皮膚や毛髪、爪の主成分となるタンパク質です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. エクリン汗腺: 全身に分布し、主に体温調節のためのサラサラとした汗を出します。

  2. 表皮の構造: 外側から、角質層、透明層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層の5層で構成されます。

  3. 皮脂膜: 汗と皮脂が混ざり合ったもので、バリア機能と弱酸性の維持に貢献しています。
     
     

【問39】 創傷処置について適切なのはどれか。

  1. ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。

  2. 肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。

  3. 感染徴候のない創傷の消毒は不要である。

  4. テープは皮膚から垂直方向に剝がす。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
現在の傷の治療(湿潤療法)では、正常な細胞を傷つけないことが重視されます。感染がない場合、消毒薬は治癒を遅らせるため不要であり、洗浄のみで清潔を保ちます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する: 不正解です。滲出液の漏れを防ぐため、創縁から2〜3cm程度余裕を持たせた大きさのものを貼付します。

  2. 肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する: 不正解です。新しくできた繊細な肉芽組織を損傷しないよう、微温湯を流す程度の弱い水圧で優しく洗浄します。

  3. 感染徴候のない創傷の消毒は不要である: 正解です。 消毒薬は細菌だけでなく正常な細胞に対しても毒性があるため、感染がない場合は生理食塩水や水道水での洗浄のみが適切です。

  4. テープは皮膚から垂直方向に剝がす: 不正解です。角質を剥がさないよう、皮膚と平行に近い角度(180度近く)で、毛の流れに沿ってゆっくり剥がします。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 湿潤環境の維持: 傷を乾燥させず、適度な湿り気を保つことで細胞の増殖と治癒を促進します。

  2. 感染の徴候: 発赤、腫脹、疼痛、熱感のほか、膿のような排液が見られる場合は、医師の診断が必要です。

  3. 創傷処置は、根拠に基づく創傷ケアのガイドラインや各施設の手順書に沿って実施します。
     
     

【問40】 午前8時から24時間蓄尿を開始することになった。蓄尿の方法で正しいのはどれか。

  1. 滅菌容器に蓄尿する。

  2. 開始日の午前8時の尿は蓄尿する。

  3. 終了日の午前8時の尿は蓄尿する。

  4. 排尿のたびに中間尿を採取して蓄尿する。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
24時間蓄尿は、文字通り「まる1日分」の尿をすべて集める検査です。開始時刻の尿は「空にする(捨てる)」、終了時刻の尿は「最後の一滴まで集める」のが鉄則です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 滅菌容器に蓄尿する: 不正解です。尿中の成分量を測る検査であり、清潔な容器であれば滅菌である必要はありません。

  2. 開始日の午前8時の尿は蓄尿する: 不正解です。午前8時より前に膀胱にたまっていた尿(古い尿)が含まれるため、開始時刻の尿は排尿して破棄し、そこからカウントを始めます。

  3. 終了日の午前8時の尿は蓄尿する: 正解です。 前日の8時から当日8時までの24時間分を揃えるため、最後の尿は必ず採取します。

  4. 排尿のたびに中間尿を採取して蓄尿する: 不正解です。成分の総量を測るため、中間尿だけでなく「全量」を蓄尿します。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. クレアチニン・クリアランス: 蓄尿の結果から腎機能を評価する代表的な検査です。

  2. 冷暗所保存: 尿の変質を防ぐため、通常は冷暗所で保管したり、保存剤を使用したりします。

  3. 生活環境への配慮: 患者が外出する場合なども含め、漏れなく採取できるよう十分な説明が必要です。
     
     

問41~50

【問41】 介護老人保健施設について適切なのはどれか。

  1. 常勤医師の配置は義務ではない。

  2. 老人福祉法に基づき設置される。

  3. 要介護者に対して自宅での生活に向けた支援を行う。

  4. 従事者の配置基準は看護職員と介護職員が同数である。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
介護老人保健施設(老健)は、リハビリテーションを中心に行い、在宅復帰を目指すための中間施設です。介護保険法に基づき、要介護1以上の高齢者を対象としています。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 常勤医師の配置は義務ではない: 不正解です。介護老人保健施設では常勤医師の配置が求められており、医学的管理のもとでリハビリテーションが行われます。

  2. 老人福祉法に基づき設置される: 不正解です。介護保険法に基づきます。老人福祉法に基づくのは養護老人ホームや特別養護老人ホームなどです。

  3. 要介護者に対して自宅での生活に向けた支援を行う: 正解です。 在宅復帰を目的としたリハビリテーションや日常生活の支援を行うことが、老健の主要な役割です。

  4. 従事者の配置基準は看護職員と介護職員が同数である: 不正解です。配置基準は定められていますが、同数である必要はありません(一般的に介護職の方が多いです)。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 介護保険施設(いわゆる介護3施設): 介護老人保健施設、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護医療院。

  2. 対象者: 入所の対象は要介護1〜5の認定を受けた人です。通所リハビリテーションや短期入所療養介護は、要支援が利用対象になる場合があります。

  3. サービス内容: 入所サービスのほか、通所リハビリテーション(デイケア)やショートステイも提供します。
     
     

【問42】 術後の創傷治癒が遅延する因子となる検査値はどれか。

  1. アルブミン 2.2 g/dL

  2. 推算糸球体濾過量(eGFR) 62 mL/分/1.73 m2

  3. 動脈血酸素分圧(PaO2) 88 Torr(room air)

  4. ヘモグロビン A1c(HbA1c) 5.5 %
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
創傷治癒には、新しい組織(肉芽や表皮)を作るための材料となる「タンパク質」が欠かせません。低アルブミン血症(栄養不良)は、傷の治りを著しく遅らせる要因となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. アルブミン 2.2 g/dL: 正解です。 基準値(3.8〜5.3 g/dL)を大きく下回る低タンパク状態であり、組織修復能が低下し創傷治癒が遅延します。

  2. eGFR 62: 不正解です。軽度の低下ですが、この程度の数値であれば術後の傷の治りに直接的な悪影響を及ぼすほどではありません。

  3. PaO2 88 Torr: 不正解です。基準範囲内であり、組織への酸素供給は概ね保たれています。

  4. HbA1c 5.5 %: 不正解です。基準範囲内(NGSP値)であり、糖尿病による血流障害や感染リスクは低い状態です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. アルブミンの役割: 血漿浸透圧の維持や、物質の運搬のほか、組織の修復に寄与します。

  2. 他の遅延因子: 高血糖(糖尿病)、ステロイドの服用、局所の血流不全、感染、喫煙、加齢などがあります。

  3. 栄養管理: 術前後の十分なエネルギーとタンパク質の摂取は、合併症予防に極めて重要です。
     
     

【問43】 うっ血性心不全が疑われる患者が救急外来を受診した。

その際、12 誘導心電図検査、胸部エックス線検査に加えて行われる優先度が高い検査はどれか。

  1. 冠動脈 CT 検査

  2. 心臓超音波検査

  3. 心筋シンチグラム

  4. 心臓カテーテル検査
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
心不全の診断において、心臓の「ポンプ機能(動き)」を視覚的に、かつ非侵襲的に素早く評価できる「心臓超音波検査(心エコー)」は極めて優先度が高い検査です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 冠動脈 CT 検査: 不正解です。冠動脈の狭窄を見るには有用ですが、緊急時の心機能評価としては心エコーの方が迅速です。

  2. 心臓超音波検査: 正解です。 心室の壁の動き、弁の逆流、駆出率(EF)などをベッドサイドですぐに確認できるため、救急外来での第一選択となります。

  3. 心筋シンチグラム: 不正解です。心筋の虚血などを調べる精密検査であり、初期対応で行う検査ではありません。

  4. 心臓カテーテル検査: 不正解です。侵襲的であり、エコーなどで方針が決まった後の精密検査や治療として行われます。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 心不全の三徴: 呼吸困難、浮腫、倦怠感。

  2. BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド): 血液検査で心不全の重症度を測る重要な指標です。

  3. 胸部X線所見: 心拡大や、肺うっ血(肺の血管が太く見える、うっすら白くなる)などが確認されます。
     
     

【問44】 慢性腎臓病においてリンの代謝障害によって生じる症状はどれか。

  1. 骨痛

  2. 貧血

  3. 浮腫

  4. 不整脈
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
腎機能が低下するとリンが体内に蓄積します(高リン血症)。すると、体がバランスをとろうとして骨からカルシウムを溶かし出し、骨が脆くなる「骨病変(腎性骨症)」を引き起こし、骨痛が生じます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 骨痛: 正解です。 高リン血症→二次性副甲状腺機能亢進症→骨吸収の亢進という機序で、骨が脆くなり痛みが生じます。

  2. 貧血: 不正解です。腎臓からのエリスロポエチン分泌低下による「腎性貧血」は起こりますが、リンの代謝障害が直接の原因ではありません。

  3. 浮腫: 不正解です。塩分や水分、タンパク尿(低アルブミン)が主な原因です。

  4. 不整脈: 不正解です。リンではなく「カリウム」の代謝障害(高カリウム血症)によって起こりやすい重大な症状です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. リン吸着剤: 食事中のリンを便中に排出させるために、食直前に服用する薬です。

  2. 食事療法: タンパク質制限と共に行われる「リンの制限」が重要です。

  3. 活性型ビタミンD3: 腎臓で活性化できなくなるため、補填が行われます。
     
     

【問45】 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に汚染された注射針による針刺し事故の感染率で正しいのはどれか。

  1. 40 %

  2. 10 %

  3. 2 %

  4. 0.3 %
     
     
     
     
     
    【正解】 4

【30秒でわかる!ポイント解説】
医療従事者の職業感染リスクにおいて、HIVの針刺しによる感染率は「約0.3%」とされています。B型肝炎(HBV)は約30%、C型肝炎(HCV)は約3%であり、比較して覚えるのがポイントです。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 40 %: 不正解です。非常に高すぎます。

  2. 10 %: 不正解です。

  3. 2 %: 不正解です。C型肝炎(約3%)に近い数値です。

  4. 0.3 %: 正解です。 HIVはウイルス量が比較的少なく生存力も弱いため、針刺し時の感染率は他の血液媒介ウイルスより低くなっています。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 針刺し時の初期対応: 速やかに流水と石鹸で十分に洗浄し、強く絞り出したり揉んだりはせず、その後は速やかに報告し受診します。

  2. 予防内服: HIVの可能性がある場合は、事故発生から数時間以内に抗ウイルス薬の内服を開始することが推奨されます。

  3. 標準予防策(スタンダード・プリコーション): 「すべての患者の血液・体液は感染源として扱う」という原則に基づき、手袋の着用やリキャップの禁止を徹底します。
     
     

【問46】 急性髄膜炎患者への対応で正しいのはどれか。

  1. 鎮痛薬は禁忌である。

  2. 頭部に温罨法を行う。

  3. 部屋の照明を暗くする。

  4. 腰椎穿刺直後は頭部を高くする。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
髄膜炎では、激しい頭痛や嘔吐のほか、光が眩しく感じる「光過敏」が見られます。患者の苦痛を緩和するために、部屋を静かにし照明を落とすといった環境整備が適切です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 鎮痛薬は禁忌である: 不正解です。激しい頭痛に対して適切に使用されます。

  2. 頭部に温罨法を行う: 不正解です。炎症による疼痛がある場合は、冷罨法(冷やすこと)で緩和を試みます。

  3. 部屋の照明を暗くする: 正解です。 髄膜刺激症状の一つとして光刺激で症状が悪化するため、遮光が有効な看護ケアとなります。

  4. 腰椎穿刺直後は頭部を高くする: 不正解です。髄液漏出による低髄液圧性頭痛を防ぐため、穿刺後数時間は枕を使わず平らな状態(平臥位)で安静にします。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 髄膜刺激症状の三徴: 項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候。

  2. 髄液検査の結果: 細菌性髄膜炎では糖が低下し、細胞数が増加します。

  3. 飛沫予防策: 病原体(髄膜炎菌など)によっては、標準予防策に加えて飛沫予防策が必要です。
     
     

【問47】 膀胱鏡による組織検査を受ける成人男性への説明で正しいのはどれか。

  1. 「検査前は膀胱に尿をためてください」

  2. 「尿道から内視鏡を挿入します」

  3. 「膀胱に二酸化炭素を注入します」

  4. 「検査後 24 時間はベッドで安静にします」
     
     
     
     
     
    【正解】 2

【30秒でわかる!ポイント解説】
膀胱鏡検査は、内視鏡を尿道から挿入して膀胱内を観察・生検する検査です。男性は尿道が長く屈曲しているため、挿入時に痛みや不快感を伴いやすいことを考慮して説明します。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 「検査前は膀胱に尿をためてください」: 不正解です。通常、検査直前に排尿し、膀胱を空の状態で始めます(検査中に洗浄液を注入するため)。

  2. 「尿道から内視鏡を挿入します」: 正解です。 通り道を説明するのは基本的かつ正確な説明です。

  3. 「膀胱に二酸化炭素を注入します」: 不正解です。膀胱を膨らませて観察を容易にするためには「生理食塩水」などの液体を用います(二酸化炭素は胃カメラや大腸カメラで使用)。

  4. 「検査後 24 時間はベッドで安静にします」: 不正解です。組織検査(生検)を行っても、出血等の異常がなければ数時間の安静で歩行可能です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 検査後の観察: 血尿、排尿痛、発熱などの有無を確認します。

  2. 水分摂取: 尿道に残った血液や組織片を洗い流し、感染を予防するために多めの水分摂取を促します。

  3. 麻酔: 痛みを和らげるために、尿道への局所麻酔薬(ゼリー状)の注入が行われます。
     
     

【問48】 家族周期における発達段階で、高齢者が配偶者を失った後の段階はどれか。

  1. 完結期

  2. 教育期

  3. 充実期

  4. 分離期
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
家族周期(デュバールの家族発達段階など)において、最後の子どもが家を出た後の「老人家族期(退職期)」が進み、配偶者が亡くなって一人の世帯になる段階を「家族完結期(完結期)」と呼びます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 完結期: 正解です。 夫婦のいずれか一方が亡くなり、家族としての機能や形態が最終段階にある時期を指します。

  2. 教育期: 不正解です。子どもが就学・教育を受けている時期です。

  3. 充実期: 不正解です。末子が誕生してから成人するまでの期間などを指す場合があります(呼称は提唱者により異なります)。

  4. 分離期: 不正解です。子どもが独立し、親の元から去っていく時期です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 家族周期の意義: 家族が直面する課題を予測し、適切な支援や介入を行うための枠組みです。

  2. 老人家族期(第8段階): 退職から配偶者の一方が亡くなるまで。

  3. グリーフケア: 完結期にある高齢者は喪失感を抱えやすいため、心のケアが重要になります。
     
     

【問49】 老人性難聴の特徴はどれか。

  1. 両側性に生じる。

  2. 混合性難聴である。

  3. 低音域が障害される。

  4. 外耳の障害によって起こる。
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
老人性難聴は、加齢に伴う内耳の老化が原因で、左右の耳に同時期に起こる「両側性」の難聴です。特に高い音が聞こえにくくなるのが特徴です。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 両側性に生じる: 正解です。 一側の老化だけが進むことは稀で、通常は両側の聴力が徐々に低下します。

  2. 混合性難聴である: 不正解です。主に「感音難聴(内耳や聴神経の障害)」です。

  3. 低音域が障害される: 不正解です。高い周波数(高音域)から聞こえにくくなるのが典型的です。

  4. 外耳の障害によって起こる: 不正解です。内耳の蝸牛にある毛細胞の減少や、聴神経の変性などが原因です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 感音難聴の特徴: 単に音が小さくなるだけでなく、言葉が聞き取りにくい(明瞭度の低下)ことも特徴です。

  2. コミュニケーションの工夫: 正面から、ゆっくり、はっきりと、やや低めの声で話しかけることが有効です(大声すぎると歪んで聞こえます)。

  3. 伝音難聴: 中耳炎や耳垢栓塞など、音を伝える部分(外耳・中耳)の障害によるものです。
     
     

【問50】 高齢という理由で高齢者を画一的に捉え、差別することを意味するのはどれか。

  1. エイジズム

  2. アディクション

  3. パターナリズム

  4. アンチエイジング
     
     
     
     
     
    【正解】 1

【30秒でわかる!ポイント解説】
特定の年齢層(特に高齢者)に対して、偏見に基づいた否定的な見方をしたり差別したりすることを「エイジズム(年齢差別)」と呼びます。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. エイジズム: 正解です。 老年学者のロバート・バトラーが提唱した概念で、「年寄りは〜だ」と決めつけることも含まれます。

  2. アディクション: 不正解です。依存症(嗜癖)を意味する言葉です。

  3. パターナリズム: 不正解です。強い立場の者が弱い者の利益を考え、本人の意思に関わらず介入する「父権的干渉」のことです。

  4. アンチエイジング: 不正解です。抗加齢、抗老化を意味する美容や医療の用語です。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 心理的エイジズム: 「高齢者は頑固だ」「物覚えが悪い」といった偏見。

  2. 制度的エイジズム: 年齢のみを理由とした定年制やサービス制限など。

  3. リスペクトフル・ケア: 個々の人生や価値観を尊重した看護を行うことで、エイジズムを排除することが求められます。
     
     

問51~60

【問51】 高齢者の不眠の要因はどれか。

  1. 午前中に日光浴をする。

  2. 昼食後に 30 分程度の午睡をする。

  3. 就寝直前に 42 ℃以上の風呂に入る。

  4. 就寝前に 100 mL 程度のホットミルクを飲む。
     
     
     
     
     
    【正解】 3

【30秒でわかる!ポイント解説】
良質な睡眠のためには、就寝前に副交感神経を優位にすることが大切です。42℃以上の熱いお湯に浸かると交感神経が刺激され、深部体温も下がりにくくなるため、かえって寝つきを悪くする要因となります。

【なぜ?がわかる詳細解説】

  1. 午前中に日光浴をする: 不正解です。日光を浴びることでメラトニンの分泌リズムが整い、夜間の睡眠を促す良い習慣です。

  2. 昼食後に 30 分程度の午睡をする: 不正解です。短時間の昼寝は認知症予防や午後の活力に有効ですが、夕方以降の長時間の昼寝は不眠の原因になります。

  3. 就寝直前に 42 ℃以上の風呂に入る: 正解です。 高温の入浴は覚醒レベルを上げてしまい、スムーズな入眠を妨げます(就寝1.5〜2時間前のぬるめの入浴が推奨されます)。

  4. 就寝前に 100 mL 程度のホットミルクを飲む: 不正解です。空腹感を和らげ、身体を温めることで入眠を助ける効果があります。

【さらに深掘り!関連知識】

  1. 高齢者の睡眠の特徴: 深い睡眠が減り、中途覚醒や早朝覚醒が増える傾向があります。

  2. 深部体温と睡眠: 深部体温が急激に下がる時に眠気が訪れます。入浴で一時的に上げた体温が下がるタイミングを利用するのがコツです。

  3. 刺激物の制限: 就寝前のカフェイン(茶、コーヒー)やアルコールは睡眠の質を低下させます。
     
     

【問52】 高齢者のサルコペニアの予防に関する指導内容で適切なのはどれか。

  1. 読書をする。

  2. 飲酒をやめる。

  3. 塩分を制限する。

  4. 筋肉に負荷をかける運動をする。
     
     
     
     
     
    【正解】 4

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