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要領の良さはスキルである:仕事が速い人が持つ「ワーキングメモリ」を鍛える3つの方法

結論:要領の良し悪しは、生まれつきの才能ではなく、脳の「ワーキングメモリ」という機能を効率的に使えるかどうかの技術的な差です。

理由:要領の良い人は、この脳の短期記憶・情報処理能力を、無意識のうちに節約し、重要なタスクに集中させていることが、脳科学の研究で示唆されているからです。

今回は、この「要領の良さ」の正体を科学的に解き明かし、誰でも実践できる脳のトレーニング方法を3つ紹介します。


こんにちは、文翔です。同じ仕事をしているはずなのに、定時で颯爽と帰っていく同僚。

一方、複数のタスクを抱えると、頭が真っ白になって、何から手をつけていいか分からなくなる…。

私もどちらかといえば、後者です。
かつては、そんな自分を「要領が悪いダメなやつだ」と、何度責めたことか分かりません。

しかし、この「要領の良さ」は、決して謎の才能やセンスではありません。その正体は、脳の特定の機能の使い方にある、と指摘する専門家がいます。

提唱者について

アラン・バッデリー(Alan Baddeley)
出典:University of Cambridge

アラン・バッデリー氏は、イギリスの著名な心理学者であり、特に「ワーキングメモリ(作動記憶)」という概念のモデルを提唱したことで世界的に知られています。

彼は、ケンブリッジ大学のMRC認知・脳科学ユニットなどで長年研究を続け、現代の認知心理学に絶大な影響を与えました。

バッDEリー氏が提唱したワーキングメモリとは、私たちが会話をしたり、計算をしたり、文章を読んだりする際に、情報を一時的に保持し、同時に処理するための、脳の作業台(ワークスペース)のようなものです。

重要なのは、この作業台の広さには限りがある、ということです。要領が悪い人は、この限られた作業台の上に、関係のない情報や、過剰なタスク、不安や心配事などを、無秩序に載せてしまっている状態です。

その結果、作業台はパンクし、脳はフリーズしてしまいます。

一方で、要領の良い人は、このワーキングメモリの使い方が非常に上手です。彼らは、今やるべきでないことを意識的に脇に置き、一つのタスクに関連する情報だけを作業台に載せることで、脳のリソースを最大限に活用しているのです。

つまり、要領の良さとは、脳の作業台を整理整頓する「技術」に他ならないのです。

 なぜ、私たちの脳は「いっぱいいっぱい」になるのか


結論として、私たちは脳のワーキングメモリという有限なリソースを、無計画に使いすぎているからです。

現代社会は、私たちのワーキングメモリを消耗させる要因で溢れています。鳴り止まない通知、次から次へと舞い込む依頼、複数のチャットツールでの同時進行の会話…。

これらはすべて、私たちの脳の作業台を、無数の小さなタスクで埋め尽くしていきます。

これは、ドラクエで言えば、アイテム所持数がいっぱいの状態で、新しい宝箱を次々と開けているようなもの。

貴重な「やくそう」も「せかいじゅのは」も、手に入れることができず、ただただ目の前を通り過ぎていくだけ。

そして、いざボス戦という重要なタスクに直面した時、使えるアイテムは何もない…という絶望的な状況に陥るのです。

要領が悪いと感じる時、私たちの脳内では、まさにこの「アイテム欄パンク状態」が起きているのです。

情報過多とマルチタスクで、ワーキングメモリが飽和状態になっている様子はアイテムのパンクと似てます。


 「脳の作業台」を整理し、要領の良い人になる3つのステップ


では、どうすればこの有限な脳の作業台を、効率的に使えるようになるのか。バッデリー氏の理論に基づいた、3つの具体的なアクションを紹介します。


 頭の中をすべて書き出す

まず、やるべきこと、気になっていること、不安なことなど、頭の中にあるすべてを、紙やデジタルツールに書き出します。

これは、心理学者のデビッド・アレンが提唱した「GTD(Getting Things Done)」の根幹をなすテクニックです。

頭の中だけでタスクを管理しようとすると、ワーキングメモリは常に「あれを忘れていないか?」という監視活動にリソースを割かれてしまいます。

すべてを外部の信頼できるシステム(=第二の脳)に預けることで、ワーキングメモリは解放され、目の前のタスク処理だけに集中できるようになります。

脳の作業台を、一度空っぽにリセットするのです。

 「シングルタスク」を徹底する

次に、どんな時でも「今、この瞬間にやることは一つだけ」と決め、他のタスクのことは完全に忘れます。

マルチタスクは、脳の作業台の上で、複数のプロジェクトを同時に広げるようなもので、ワーキングメモリを著しく非効率にします。

要領の良い人は、一つのタスクを終わらせてから、次のタスクに取り掛かる「シングルタスク」を徹底しています。

PCのウィンドウを一つだけ開く、スマホの通知をオフにするなど、物理的に集中できる環境を作ることも重要です。

整然としたデスクでシングルタスクを実践、
一つの作業に集中が大事

 「要領が悪い」は悪ではない、と知る


最後に、「要領が悪い」という自己評価は、必ずしもネガティブなものではない、という視点を持ちます。

一見、要領が悪く見える人は、実は一つのことを深く、慎重に、そして丁寧に考えることができる「熟考型」の特性を持っている場合があります。

短期的なスピードでは要領の良い人に負けるかもしれませんが、長期的に見れば、その思慮深さが、大きなミスを防いだり、より質の高い成果を生み出したりすることもあるのです。

組織論の研究では、スピード重視の「要領の良い人」と、慎重で丁寧な「熟考型の人」が、チームとして協力することで、最高のパフォーマンスが生まれるとされています。

要領が悪いことは、欠点ではなく、あなたの「慎重さ」や「丁寧さ」という、かけがえのない個性なのです。

その特性を理解し、活かせる環境を見つけることが、何よりも重要です。

 まとめ

要領の良し悪しは、脳のワーキングメモリという作業台の使い方の差であり、

①頭の中を書き出し、
②シングルタスクを徹底し、
③自分の特性を肯定的に捉える、

という3つのステップで、誰でもそのスキルを向上させることができます。

私自身、「要領が悪い」というレッテルを自分に貼り続け、苦しんできました。しかし、それは単なる「脳の使い方のクセ」であり、むしろ「丁寧さ」の裏返しでもあると知った時、心が救われる思いがしました。

スピードだけが正義ではない。自分の脳の特性を理解し、それを活かす戦略を立てること。

それこそが、本当の意味で「賢く働く」ということなのかもしれません。

 今日やること

1. 今、頭の中にある「やることリスト」を、思いつくだけスマホのメモ帳に書き出してみる(5分)

2. 明日、一番集中したいタスクを一つだけ決め、その時間はスマホを裏返しておくと誓う(1分)

3. 自分の「要領が悪いな」と思う点を、「〇〇な性格だから」とポジティブに言い換えてみる(2分)

いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

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 参照元・出典


   (参照元)Harvard Business Review, "How to Manage Your Working Memory" (https://hbr.org/2017/03/how-to-manage-your-working-memory)

   (参照元)Psychology Today, "What Is Working Memory?" (https://www.psychologytoday.com/us/basics/working-memory)

   (出典)Wikipedia, "Alan Baddeley" (https://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Baddeley)

   (出典)Simply Psychology, "Baddeley's Model of Working Memory" (https://www.simplypsychology.org/working-memory.html)

   (出典)Getting Things Done Official Website (https://gettingthingsdone.com/)


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