The Coca-Cola Company(KO)2026年 第2四半期 決算分析(2026/7/28)

1. エグゼクティブ・サマリー
コカ・コーラの2026年第2四半期は、「市場予想を上回り、通期ガイダンスも上げた。しかもその上方修正は為替頼みではない。ただし決算の見出し数字は、会社自身が開示する実力値より一貫して高く出ている」という四半期でした。
まず、実績を確認します。 純収益は133.80億ドルで前年同期比+7%(+8.45億ドル)、営業利益は46.72億ドルで+9%(+3.92億ドル)、親会社株主に帰属する純利益は44.25億ドルで+16%(+6.15億ドル)、希薄化EPSは $1.03 で+16%です。 非GAAPの比較可能EPSは $0.97 で+11%、オーガニック増収率(非GAAP)は+6%、数量(unit case volume)は+5%でした。
★次に、市場予想との対比です。 提供された「アナリスト予想.txt」は「調整後EPS 93セント」「売上高 131.6億ドル」の2行のみで、四半期ラベルの記載がありません。発表対象が当四半期であること、次四半期分の記載がないこと、「調整後EPS」が会社の比較可能EPS(当四半期実績 $0.97)に対応する指標であることから、当四半期のコンセンサスと判断しました。 これに対し、比較可能EPS $0.97 は予想 $0.93 を+4.3%(+$0.04)、純収益 133.80億ドルは予想 131.60億ドルを+1.7%(+2.20億ドル)上回っています。 ここで重要なのは、比較対象が報告EPS $1.03 ではなく比較可能EPS $0.97 だという点です。 報告EPSと比べると+10.8%の大幅ビートに見えますが、それは指標の取り違えになります。
★三つめ。この決算の核心は「報告値と実力値の差」です。しかもその差は、会社自身が開示しています。 正本23頁で、コカ・コーラはEPSの成長率を4段階に分解しています。報告+16% → 為替中立+12% → 比較可能+11% → 比較可能為替中立+9%。 つまり見出しの+16%と実力の+9%の差は7ポイントで、その内訳は為替2ptと比較可能性5ptです。 上半期でも報告+17%に対し実力は+12%です。決算を「+16%の増益」と読むと、実力を7pt高く評価することになります。
★四つめ。報告EPS $1.03 が比較可能EPS $0.97 を上回るという、米国企業では珍しい逆パターンです。 通常は特別損失を除外する非GAAPの方が大きくなりますが、当四半期は逆でした。純利益ベースの差2.49億ドルの中心は、持分証券・トレーディング債券の未実現評価益 2.47億ドル(非現金)の控除です。 これにアフリカのボトリング事業に関する減損の戻入れ 0.66億ドル、経済的ヘッジのMTM調整 0.56億ドル、特定の税務項目 0.40億ドル、持分法投資先の重要項目 0.10億ドルが続きます。いずれも会社が「比較可能性に影響する項目」と定義するもので、非現金または一過性の性格を持ちます。
★五つめ。利益率も同じ構図です。 比較可能営業利益率は34.72%から35.58%へ+86bps改善しました。しかし正本28頁の段階別開示によれば、そのうち為替が+42bps、M&Aが+20bpsで、実力(基礎的営業利益率)の改善は+24bpsにとどまります。 改善の72%は実力以外の要因です。 粗利率も当四半期は実力で約+40bps拡大しましたが、上半期の累計では投入コストの上昇により基礎的粗利率は約▲20bpsと縮小しています(MARGIN ANALYSIS 3頁)。
★六つめ。セグメントは、報告値と実力値で順位が逆転します。 報告営業利益では中南米+23%が最も強く見えますが、為替+11pt・比較可能性+8ptを除いた実力は+4%です。逆に北米は報告+4%に対し実力+12%で、実力ベースでは唯一の二桁増益となっています。 EMEAは報告▲1%に対し実力▲5%で、実力ベースで減益となった唯一のセグメントです。 会社はEMEAについて「マーケティング投資の増加と営業費用の増加」を理由に挙げています。
★七つめ。増収率の減速には、日数という技術的な要因があります。 報告ベースの増収率は第1四半期+12.1%(正本の上半期から当四半期を差し引いた逆算値)から当四半期+6.7%へ減速しています。しかし正本8頁は「2026年第1四半期は2025年第1四半期に比べて6日多く、2026年第4四半期は2025年第4四半期に比べて6日少ない」と注記しています。 日数の影響を受けない数量ベース(日次平均売上で計算)で見ると、第1四半期の約+3%(算出値)から当四半期+5%へ、むしろ加速しています。 そして第4四半期は6日少ないため、報告ベースでは減速して見えることが構造的に決まっています。
★八つめ。通期ガイダンスの上方修正は、為替頼みではありません。ここが今回の最も好材料と言える点です。 比較可能EPSは8〜9%増から9〜10%増へ、オーガニック増収率は4〜5%増から約5%増へ引き上げられました。 ここで注目すべきは、比較可能EPSの為替前提が「約3%の追い風」で従来から変わっていないこと、そして為替もM&Aも除いた実力指標である「比較可能為替中立EPS(M&A除く)」を、6〜7%増から7〜8%増へ同じ1ポイント引き上げていることです。為替想定の変更で見かけ上のレンジを動かしたのではなく、実力の見通しそのものを引き上げています。 フリーキャッシュフローも約122億ドルから約124億ドルへ引き上げられました。
★最後に、株価について事実関係を整理します。 7月27日の終値は $84.07。7月28日のプレ市場では、決算リリースが配信された 06:55 ET の足から気配が急変し、07:40 ET に $88.10(7/27終値比+4.79%)を付けたのち、07:55 ET 時点で $87.10(同+3.60%)となっています。 ただし通常取引は9:30 ET開始であり、当日の終値も翌営業日の動きも本レポート作成時点では未確定です。 また7月17日に単日▲3.96%(出来高3,290万株)の下落がありましたが、その原因を示す記載は提供資料にありません。


2. 実績と市場予想との対比
2-1. 何と何を比べるべきか
この決算を市場予想と比べるうえで、最初に確認すべきは「どのEPSを使うか」です。 コカ・コーラは報告EPS(GAAP)$1.03 と 比較可能EPS(非GAAP)$0.97 の2つを開示しています。提供されたアナリスト予想は「Adjusted earnings per share: expected 93 cents」と記されており、この "Adjusted" に対応するのは会社の比較可能EPS $0.97 です。
その前提で対比すると、比較可能EPS $0.97 は予想 $0.93 を +4.3%(+$0.04)上回りました。純収益 133.80億ドルは予想 131.60億ドル($13.16 billion)を +1.7%(+2.20億ドル)上回りました。 EPSの上振れ幅が売上の上振れ幅より大きく、収益性の面でも予想を上回ったことを示しています。
なお、アナリスト予想ファイルには四半期ラベルの記載がありません。 本レポートでは、①発表対象が2026年第2四半期であること、②ファイルが2行のみで次四半期分の記載がないこと、③$0.93 という水準が当四半期の比較可能EPS実績とほぼ同等であることから、当四半期のコンセンサスと判断しました。第3四半期以降の市場予想は提供されておらず、次四半期のガイダンス対比は行っていません。
2-2. 実績の中身
純収益133.80億ドル(+7%)の内訳は、濃縮液販売+4%、価格ミックス+2%、為替+2%、M&A▲1%です。 為替とM&Aを除いたオーガニック増収率は+6%でした。数量(unit case volume)は+5%で、インド・中国・米国・ブラジルが牽引しています。
ブランド別では、炭酸飲料が+4%、うちトレードマーク・コカ・コーラが+5%、コカ・コーラ ゼロシュガーが+16%、ダイエットコーク/コカ・コーラライトが+7%です。 コカ・コーラ ゼロシュガーは全ての地域セグメントで成長しています。 水・スポーツ・コーヒー・茶は+6%(水+6%、スポーツドリンク+5%、茶+6%、コーヒーは▲2%)、ジュース・付加価値乳製品・植物性飲料は+2%でした。会社は非アルコールRTD飲料全体でバリューシェアを獲得したと述べています。
なお、濃縮液販売+4%は数量+5%を1ポイント下回っています。会社はこれを「濃縮液出荷のタイミングによるもの」と説明しています。 つまりボトラーへの出荷と最終消費のタイミング差であり、需要の弱さを示すものではないという整理です。
会社が挙げた当四半期の取り組みは2点です。 第一にFIFAワールドカップのキャンペーンで、180を超える市場で展開し、トロフィーツアーは約30市場・70超の都市で約70万人を集め、デジタル・SNSでは600億超のインプレッションと90億超の視聴を獲得しました。トレードマーク・コカ・コーラの数量+5%とパワーエイドの数量+8%の一部に寄与したとしています。 第二にイノベーションハブの各オペレーティングユニットへの設置で、Coca-Cola Zero Zero(砂糖・カロリー・カフェインゼロ)の欧州からアジア太平洋・中南米への展開、中国での Sprite+Tea の現地適合などを挙げ、イノベーションが数量+5%に寄与したとしています。


2-3. 営業利益より下で何が起きたか
税引前利益は+6.79億ドル増えていますが、営業利益の増加は+3.92億ドルです。差の+2.87億ドルは営業利益より下の項目から来ています。
内訳は、支払利息の減少+0.76億ドル(4.45億ドル→3.69億ドル、▲17%)、その他の収益の増加+1.58億ドル、持分法投資損益の増加+0.43億ドル、受取利息の増加+0.10億ドルです。
このうち支払利息の減少は、有利子負債の圧縮が効いたものです。 有利子負債は前期末の454.92億ドルから435.43億ドルへ19.49億ドル(▲4.3%)減っています(算出値)。これは実力の改善と評価してよい部分です。
一方、その他の収益の増加+1.58億ドルには、前述の未実現評価益が含まれます。 持分証券・トレーディング債券の未実現評価益は当四半期2.47億ドル、前年同期1.31億ドルで、差の+1.16億ドルがその他の収益の増加+1.58億ドルの73%を占めます。 これは株式・債券の時価変動による非現金の損益であり、事業の稼ぐ力とは別の要因です。
最後に税率です。報告実効税率は20.71%から18.94%へ1.77ポイント低下しました。 仮に税率が前年同期のままだったとすると税負担は約0.97億ドル多かった計算で、この分が純利益を押し上げています(算出値)。 なお、比較可能ベースの実効税率は20.8%から19.9%への低下にとどまり、報告ベースほど大きく下がっていません。 差は「特定の税務項目」(0.40億ドルの純便益)によるものです。
3. ★報告値と実力値 ― この決算の核心
3-1. 会社が自ら開示する4段階のラダー
コカ・コーラの開示の特徴は、「報告値」から「実力値」までの段階を、会社自身が数字で示している点にあります。 正本23頁の Diluted Net Income Per Share の表は、当四半期のEPS成長率を次のように分解しています。
報告(GAAP)+16% → 為替の影響4pt → 為替中立 +12% → 比較可能性に影響する項目5pt → 比較可能 +11% → 比較可能ベースの為替影響2pt → 比較可能為替中立 +9%。
つまり、決算の見出しに出る+16%と、為替も特殊項目も除いた実力の+9%との差は7ポイントです。 上半期でも報告+17%に対し実力は+12%で、5ポイントの差があります。
同じ構造は営業利益率にもあります。 正本28頁の Operating Margin の表によると、報告営業利益率は34.15%→34.92%(+77bps)、比較可能では34.72%→35.58%(+86bps)、比較可能為替中立では34.72%→35.16%(+44bps)、そして基礎的(Underlying)では34.92%→35.16%(+24bps)です。
この段階を金額の寄与に読み替えると、比較可能ベースの改善+86bpsのうち、為替が+42bps、M&Aが+20bps、実力が+24bpsとなります。改善の72%は実力以外の要因です。



3-2. 粗利率 ― 四半期は改善、上半期は縮小
粗利率については、当四半期と上半期で結論が分かれます。 MARGIN ANALYSIS 2頁によれば、当四半期の連結粗利率は、前年GAAP 62.4% → 前年比較可能 62.2% → 基礎的(実力)約+40bps → 為替 約+40bps → M&A 約+30bps → 当期比較可能 63.4% → 当期GAAP 62.9% という経路をたどっています。 会社は「基礎的粗利率はオーガニック増収により約40bps拡大し、投入コストの上昇が一部相殺した」と説明しています。
しかし同3頁の上半期の分析では、基礎的粗利率は約▲20bpsと縮小しています。会社の説明は「投入コストの上昇が主因で、オーガニック増収が一部相殺した」となっており、当四半期と主従が逆転しています。 上半期の比較可能粗利率が62.4%→62.9%と+50bps改善しているのは、為替 約+30bps とM&A 約+30bps によるものです。
★M&Aの追い風について、会社は「主にナイジェリアの完成品事業の売却による」と明記しています。 2025年10月に売却した低採算事業が連結から外れたことで、構成比の効果として粗利率が押し上げられている、という構図です。事業ポートフォリオの入れ替えによる改善であり、既存事業の採算改善とは性格が異なります。

3-3. 報告EPSが比較可能EPSを上回る逆パターン
米国企業の決算では、特別損失を除外した非GAAP利益がGAAP利益を上回るのが通例です。当四半期のコカ・コーラは逆でした。報告EPS $1.03 に対し比較可能EPS は $0.97 で、報告の方が $0.06 大きくなっています。
純利益で見ると、報告44.25億ドルに対し比較可能41.76億ドルで、差は▲2.49億ドルです。内訳は次の4項目です。
第一に、その他項目▲1.33億ドル(EPS▲$0.03)。 中心は持分証券・トレーディング債券の未実現評価益 2.47億ドルの控除です。 会社は「原資産となる証券が売却され損益が実現するまで、時価評価による未実現の損益を非GAAPから除外する」という方針を明示しており、この2.47億ドルは非現金の評価益です。 これに経済的ヘッジのMTM調整 0.56億ドルの控除(ヘッジ対象のエクスポージャーが損益に現れる期まで除外する方針)が加わり、逆方向に補償契約0.09億ドル・北米近代化施策0.06億ドル・税務訴訟費用0.05億ドル・BODYARMOR買収に伴う競業避止契約の償却0.03億ドルの戻しが入ります。
第二に、取引損益▲0.66億ドル(EPS▲$0.02)。 売却目的保有に区分しているアフリカのボトリング事業について、過去に計上していた減損を0.66億ドル戻し入れたものです。 会社は「経営陣の見積り改定に基づく」と説明しています。減損の計上ではなく戻入れであり、利益を押し上げる方向に働いた非現金項目です。
第三に、特定の税務項目▲0.40億ドル(EPS▲$0.01)。 申告調整に伴う純税費用0.13億ドル、株式報酬に係る超過税便益0.11億ドル、不確実な税務ポジション等の変更に伴う純便益0.42億ドルの合計です。
第四に、持分法投資先の重要項目▲0.10億ドル。 持分法投資先が計上した重要な営業・営業外項目の当社持分で、当四半期は0.11億ドルの純益(税引前)でした。
★整理すると、報告EPSが比較可能EPSを上回った $0.06 は、そのほぼ全額が「当四半期に発生した評価益・戻入れ・税便益」です。 のれん減損のような損失項目は当四半期に計上されておらず、無期限の商標権(125.00億ドル)とのれん(154.56億ドル)はいずれも小幅な減少にとどまっています。 この意味では「悪材料を非GAAPで隠している」タイプの決算ではありません。むしろ逆に、報告値が実態より良く見えている構図です。


4. セグメント分析 ― 報告値と実力値で順位が逆転する
4-1. 営業利益の順位逆転
セグメント別の営業利益を報告ベースで並べると、中南米+23%、ボトリング投資+55%、北米+4%、アジア太平洋+1%、EMEA▲1%となります。 しかし比較可能為替中立(実力)ベースでは、北米+12%、ボトリング投資+75%、中南米+4%、アジア太平洋0%、EMEA▲5%と、順位が大きく変わります。
★中南米の報告+23%は、内訳を見ると為替+11pt、比較可能性+8pt、実力+4%です。つまり報告値の8割以上は実力以外の要因によるものです。 会社は実力部分について「オーガニック増収と営業費用の減少が主因、マーケティング投資の増加が一部相殺」と説明しています。中南米ではブラジル・メキシコでバリューシェアを獲得しています。
★北米は逆に、報告+4%に対し実力+12%です。 会社の説明は「オーガニック増収と営業費用の減少が主因、投入コストの上昇とマーケティング投資の増加が一部相殺」です。北米は連結純収益の40.4%、連結営業利益の36.3%を占める最大セグメントであり、実力ベースで唯一の二桁増益となっています。 報告値だけを見ると「中南米が牽引、北米は鈍い」という誤読になりますが、実力ベースでは北米が連結の増益を支えている構図です。
★EMEAは報告▲1%に対し実力▲5%で、実力ベースで減益となった唯一のセグメントです。 会社は「マーケティング投資の増加と営業費用の増加」を理由に挙げています。純収益は+2%(オーガニック+3%)、数量+4%と需要面は堅調で、ドイツ・モロッコでバリューシェアも獲得しています。減益は需要ではなく費用の側にある、という整理になります。
ボトリング投資は報告+55%・実力+75%と最も高い伸びですが、営業利益の絶対額は0.91億ドルと連結の1.9%にすぎず、連結への影響は限定的です。 インドの成長が数量+5%を牽引しました。
コーポレートは営業損失が3.29億ドルから2.56億ドルへ0.73億ドル縮小しています。 前年に取引費用・リストラ費用を計上していた反動です。


4-2. 売上と数量 ― アジア太平洋の価格ミックス▲9%
売上側でも、報告値とオーガニックの差が地域によって大きく異なります。
★最も差が大きいのは中南米で、報告+16%に対しオーガニックは+5%です。差の11ポイントはすべて為替によるものです。 一方、北米は報告+7%・オーガニック+7%で差がなく、為替の影響はゼロです。
★アジア太平洋は特殊な構図です。数量は+8%と全セグメントで最も高いのに、純収益は+1%(オーガニック+2%)にとどまりました。原因は価格ミックス▲9%です。 会社はこれを「不利なミックスと手頃な価格帯への取り組み(affordability initiatives)」によるものと説明しています。数量を確保するために単価の低い製品・パッケージへ構成が移った、という読み方になります。 またアジア太平洋は、日本・中国でのシェア獲得をインドでの喪失が上回り、バリューシェアを失った唯一のセグメントでもあります。
EMEAは濃縮液販売が数量を3ポイント下回りました。 会社は「濃縮液出荷のタイミングによる」としています。また、M&A影響▲3ptは2025年10月のナイジェリアの完成品事業売却によるものです。


5. 上半期の実績と第1四半期の逆算 ― 日数という技術的要因
5-1. 増収率の減速をどう読むか
会社は四半期単独の数値を開示していないため、上半期から当四半期を差し引いて第1四半期を逆算しました。 その結果、第1四半期の純収益は124.72億ドル(前年111.29億ドル、+12.1%)、当四半期は133.80億ドル(+6.7%)となり、報告ベースの増収率は5.3ポイント減速しています。
★しかし、この減速をそのまま需要の鈍化と読むことはできません。正本8頁は次のように注記しています。「2026年第1四半期の財務実績は、2025年第1四半期に比べて6日多い期間の影響を受けており、2026年第4四半期は2025年第4四半期に比べて6日少ない期間の影響を受ける」。
つまり第1四半期の+12.1%には、6日分の売上が上乗せされています。 会社は同じ注記で「数量(unit case volume)は日次平均売上で計算しているため、この日数差の影響を受けない」と明記しています。その数量ベースで見ると、上半期+4%・当四半期+5%であることから第1四半期は約+3%(算出値)となり、むしろ加速しています。
★そして、この日数要因は今後にも効きます。第4四半期は前年より6日少ないため、報告ベースの増収率は構造的に低く出ます。 通期ガイダンスのオーガニック増収率が「約5%増」で、上半期の実績+8%を大きく下回るのも、この点を織り込んだものと整合的です。
5-2. 上半期の全体像
上半期の純収益は258.52億ドル(+9%)、営業利益は90.31億ドル(+14%)、親会社株主帰属純利益は83.49億ドル(+17%)、希薄化EPSは $1.94(+17%)、比較可能EPSは $1.83(+14%)です。
上半期の報告営業利益率は33.55%から34.93%へ+138bps改善していますが、これも段階を追うと、比較可能では+77bps、比較可能為替中立では+67bps、基礎的(実力)では+45bpsとなります。 当四半期ほど極端ではないものの、実力の改善は報告値の3分の1程度という関係は変わりません。
なお、上半期の報告実効税率は16.7%と、比較可能の19.9%を大きく下回っています。 差の主因は「特定の税務項目」3.19億ドル(EPS $0.07 相当)で、そのうち第1四半期分が2.79億ドル(逆算値)を占めます。第1四半期に税務上の一過性便益が集中していたことになります。


6. ガイダンス ― 為替頼みではない上方修正
6-1. 通期の修正内容
会社は通期(2026年12月期)のガイダンスについて、3つの指標を上方修正しました。
第一に、オーガニック増収率を「4〜5%増」から「約5%増」へ。 実質的に下限の引き上げです。
第二に、比較可能EPSを「8〜9%増」から「9〜10%増」へ。
第三に、フリーキャッシュフローを「約122億ドル」から「約124億ドル」へ。 内訳は営業CF 約146億ドル(従来144億ドル)− 設備投資 約22億ドル(据え置き)です。
★ここで最も重要なのは、比較可能EPSの引き上げが為替想定の変更によるものではない、という点です。 比較可能EPSに含まれる為替前提は「約3%の追い風」で従来から変わっていません。M&Aの逆風「約1%」も同じです。 そして為替もM&Aも除いた実力ベースの指標である「比較可能為替中立EPS(M&A除く)」を、6〜7%増から7〜8%増へ、比較可能EPSと同じ1ポイント引き上げています。
★つまり、実力の見通しそのものを引き上げた上方修正です。 為替想定を動かしてドル建てレンジだけを変える種類の修正とは性格が異なります。基礎的実効税率19.9%も据え置かれており、税率前提による嵩上げもありません。
なお、比較可能純収益の前提のうち、為替は「1〜2%の追い風」から「約1%の追い風」へ縮小し、M&Aの逆風は「約4%」から「2〜3%」へ縮小しました。 後者は、売却手続中のアフリカのボトリング事業の完了時期の想定を「2026年下期中」から「第3四半期末ごろまたは第4四半期」へ変更したことによるものです。会社は「完了は規制当局の承認が条件」と付記しています。
6-2. 開示されていないもの
★会社は絶対額のEPSガイダンスを開示していません。 示されているのは成長率のみで、基準となる2025年の比較可能EPSも提供資料に含まれていないため、通期EPSの絶対額を算出することはできません。 本レポートでは推計を行っていません。
★第3四半期については、成長率のガイダンスが示されていません。 正本7頁の「Third Quarter 2026 Considerations」に記載されているのは、比較可能純収益について「為替 約1%の追い風/M&A 約1%の逆風」、比較可能EPSについて「為替 約3%の追い風/M&Aの逆風は軽微」という前提のみです。したがって、第3四半期について「ガイダンスが市場予想を上回った/下回った」という評価は構造的に行えません。 また第3四半期の市場予想も提供されていません。
★基礎的実効税率19.9%には注記があります。「米国内国歳入庁(IRS)との継続中の税務訴訟において、会社が勝訴しなかった場合の影響は含まれていない」。 係争額や想定される追加負担額は提供資料に記載がなく、本レポートでは金額を扱えません。
なお、上半期のフリーキャッシュフロー68.59億ドルは、通期ガイダンス約124億ドルに対して55.3%の進捗です。


7. 財務基盤とキャッシュフロー
7-1. 貸借対照表
総資産は前期末(2025年12月31日)の1,048.16億ドルから1,079.22億ドルへ+31.06億ドル増加しました。
手元流動性を見ると、現金・現金同等物・短期投資の合計は138.72億ドルから135.29億ドルへ▲3.43億ドルとほぼ横ばいです。 ただし内訳では現金が102.70億ドルから129.07億ドルへ増え、短期投資が36.02億ドルから6.22億ドルへ減っており、内部での振替が起きています。 これに市場性のある有価証券が19.34億ドルから28.42億ドルへ+9.08億ドル増加しています。
★負債側で注目すべきは、有利子負債の内訳の変化です。 合計では454.92億ドルから435.43億ドルへ▲19.49億ドル(▲4.3%)減っており、これが支払利息▲17%につながっています(いずれも算出値)。 しかし1年内返済の長期債務が18.22億ドルから64.94億ドルへ+46.72億ドルと3.6倍に増え、その分だけ長期債務が421.19億ドルから370.01億ドルへ減っています。 返済期限が1年以内に入った債務の振替であり、総額の減少とは別に、短期の返済負担が大きく増えている点は押さえておく必要があります。 短期借入金は15.51億ドルから0.48億ドルへほぼ解消されました。
親会社株主資本は321.69億ドルから361.50億ドルへ+39.81億ドル増加しました。 内訳は利益剰余金+37.87億ドル、その他の包括利益累計額+5.05億ドル、資本剰余金+1.60億ドル、自己株式▲4.71億ドルです。1株当たり純資産(BPS)は $7.48 から $8.40 へ増加しています(算出値)。
売上債権は30.38億ドルから37.32億ドルへ+22.8%増えており、上半期の増収率+9%を上回っています。 ただし期末日が7月3日と12月31日で季節性が異なるため、この増加が回収の悪化を示すかどうかは提供資料からは判断できません。会社の説明もありません。 棚卸資産は+5.0%と増収率を下回っています。
なお、売却目的保有資産54.38億ドル(対応する負債24.42億ドル)が計上されています。アフリカのボトリング事業などが含まれます。
7-2. キャッシュフロー
上半期の営業キャッシュフローは75.43億ドルで、前年同期の▲13.91億ドルからプラスに転じました。差は+89.34億ドルです。
★この改善幅の89%(+79.64億ドル)は「営業資産・負債の増減」の差によるものです。 前年同期は▲92.31億ドル、当上半期は▲12.67億ドルでした。しかし、前年同期の▲92.31億ドルの内訳は提供資料に記載がありません。 したがって、この改善が一過性の反動なのか継続的なものなのかを、本レポートでは判定していません。 連結純利益の増加(71.38億ドル→84.04億ドル)による寄与は+12.66億ドルにとどまります。
フリーキャッシュフローは68.59億ドルです(営業CF 75.43億ドル − 設備投資 6.84億ドル)。 前年同期は同じ計算で▲21.42億ドルとなります(算出値)。
投資キャッシュフローは+11.04億ドルとプラスです。 投資の売却収入45.74億ドルが取得27.99億ドルを上回ったことによります。財務キャッシュフローは▲65.35億ドルで、内訳は配当▲45.62億ドル、借入金・社債の返済▲15.59億ドル、自己株式の取得▲6.63億ドル、株式の発行+2.51億ドルなどです。
★上半期の配当支払額45.62億ドルは前年同期の22.83億ドルから倍増しています。 支払時期の違いによる可能性が高いものの、会社の説明がないため本レポートでは断定していません。 自己株式の取得6.63億ドルから株式の発行2.51億ドルを差し引いた純自己株式取得は4.12億ドルで、希薄化後期中平均株式数は43.15億株から43.13億株へ0.02億株減にとどまっています。当四半期の増益はほぼそのままEPSに反映されており、自社株買いによる嵩上げはほとんどありません。


8. 株価とバリュエーション
8-1. 発表当日の値動き(プレ市場まで)
決算は7月28日の米国市場の寄り付き前に発表されました。前営業日(7月27日)の終値は $84.07 です。
7月28日のプレ市場(04:00 ET開始)では、06:50 ET の足まで $84.5 前後で推移していましたが、06:55 ET の足で $85.38 へ急変し、その後 07:40 ET に $88.10(7/27終値比 +4.79%)を付けました。07:55 ET 時点では $87.10(同 +3.60%)です。 決算リリースの配信が 06:55 ET 前後だったことが値動きから読み取れます(正本には配信時刻の記載がありません)。
★ただし、これらはあくまでプレ市場の気配水準です。3つの留保があります。
第一に、米国市場の通常取引は9:30 ET開始であり、本レポート作成時点(07:55 ET)では取引が始まっていません。当日の終値も、翌営業日の動きも未確定です。
第二に、プレ市場の足は 外部データ上で出来高がゼロ表示となっており、実際の約定を伴わない気配の可能性があります。
第三に、決算説明会は同日 8:30 a.m. ET に開催予定で、本レポート作成時点では開催前です。 経営陣のコメントや質疑応答を受けて株価が動く可能性があり、プレ市場の水準が当日の着地を示すとは限りません。
なお、プレ市場高値 $88.10 は52週高値 $85.68 を上回っていますが、52週高値は通常取引ベースの数値であり、直接比較できるものではありません。
★決算発表前の株価についても事実を記しておきます。7月17日に $84.92 から $81.56 へ単日▲3.96%の下落があり、出来高は3,290万株と直近平均の2倍を超えました。この下落の原因を示す記載は提供資料にありません。 その後は $81〜82 台で推移し、7月24日 $82.25、7月27日 $84.07(+2.21%)と決算前に戻しています。7月16日終値から7月27日終値までの変化は▲1.00%で、決算前の2週間はほぼ横ばい圏でした。
8-2. バリュエーション指標
7月27日終値ベースの主な指標は次のとおりです。時価総額は3,617億ドル、実績PERは26.4倍(trailingEPS $3.18)、予想PERは24.1倍(forwardEPS $3.48)、配当利回りは2.52%(年間配当 $2.12)です。 株価は52週高値 $85.68 から▲1.88%、52週安値 $65.35 からは+28.7%の位置にあります。
★予想PERについては、参考になる点があります。yfinanceが示すforwardEPS $3.48 はtrailingEPS $3.18 に対して+9.5%の増益を想定しており、これは会社の通期ガイダンス「比較可能EPS 9〜10%増」とほぼ一致します。 ただし、この予想が今回の決算内容を反映したものかどうかは確認できません。 またtrailingEPSはGAAPベース、会社のガイダンスは比較可能(非GAAP)ベースであり、厳密には基準が異なります。
★PBRについては注記が必要です。外部データが示すPBRは10.76倍ですが、これはbookValue $7.82 を分母としています。当四半期末の親会社株主資本361.50億ドルを流通株式数43.03億株(発行済70.40億株−自己株式27.37億株)で割ると $8.40 となり、これで再計算したPBRは10.01倍です。 本レポートでは後者を参考値として併記しています。
★アナリスト目標株価の平均は $88.30(対象23名)ですが、Yahoo Financeの集計方法・対象アナリストの内訳は公開されておらず、他の有料データと数値が異なる場合があります。また、この数値が今回の決算内容を反映したものかどうかも確認できません。参考値として扱う必要があります。


9. 数値と出典の対応表
本レポートに記載した数値がどこから来ているかを整理しておきます。区分は3つです。開示資料に記載された「会社開示値」、その開示値から本レポートが計算した「算出値」、そして外部データ経由で取得した「第三者データ・参考値」です。
★財務諸表の数値はすべて正本(EX-99.1、全30頁)に由来します。 損益計算書は9頁(当四半期)と10頁(上半期)、貸借対照表は11頁、キャッシュフロー計算書は12頁、セグメント情報は13〜14頁、非GAAP調整は19〜28頁です。「Q2 2026 MARGIN ANALYSIS」(全8頁)は粗利率・営業利益率のウォーターフォールを補完するために参照しました。
★MARGIN ANALYSIS の棒グラフのラベルについては、読み取り方法を明記しておきます。 PDFの本文抽出をそのまま使うと、棒とラベルの対応が本来の並びと一致しません。 本レポートでは各テキストの x 座標を取得して棒の位置と突き合わせ、「基礎的/為替/M&A」の順序を確定しました。 その結果は正本28頁の精緻値(比較可能+86bps=基礎的+24bps/為替+42bps/M&A+20bps)と整合しています。
★第1四半期の単独値は、正本の上半期から当四半期を差し引いた逆算値です。 会社は四半期単独の数値を開示していません。逆算値であることは表7およびグラフの注記に明示しています。
★利益率・増減額・寄与率・営業利益ブリッジ・有利子負債合計・BPS・純有利子負債などは、すべて本レポートの算出値です。 算出過程は307項目の検算を行い、加減算・比率・成長率・ブリッジの整合をすべて確認しています。 なお、会社が丸めた%を開示している項目については、正本自身が「Certain growth rates may not recalculate using the rounded dollar amounts provided」と注記しているため、±0.8ポイントの許容差を置いています。 実例として、希薄化EPSを丸め後の $1.03/$0.88 で計算すると+17.0%となり、開示値の+16%と一致しません。会社は純利益÷株式数の未丸め値($1.0259/$0.8830)で算出しており、本レポートもその基準で検証しています。
★2025年第3・第4四半期の実績と、株価・バリュエーションは外部データ由来の参考値です。 なお、営業利益については外部データと正本で定義に差があり(2026年第1四半期:外部データ43.72億ドル vs 正本からの逆算 43.59億ドル)、正本で確定できる期は正本を優先しています。

10. 未開示・分析上の制約
本レポートで扱えなかった論点を、推測で埋めずに列挙します。
★最も影響が大きいのは、時間的な制約です。 決算説明会は2026年7月28日 8:30 a.m. ET に開催予定ですが、本レポートは同日 07:55 ET 時点のデータで作成しているため、説明会は開催前です。 したがって、経営陣への質疑応答を収録できません。 通常であれば設ける Q&A の整理は、収録すべき原資料が存在しないため省略しています。 準備された発言(prepared remarks)や決算プレゼンテーション本体も提供されていません。
★同じ理由で、株価反応もプレ市場の気配水準までしか記載できません。 通常取引は9:30 ET開始であり、当日の終値も翌営業日の動きも未確定です。
★次に影響が大きいのは、費用の内訳が金額で開示されていないことです。 会社は営業利益率の変動要因として「マーケティング投資の増加」「投入コストの上昇」を繰り返し挙げていますが、いずれも定性的な説明にとどまり金額の開示がありません。 このため、実力ベースの営業利益率+24bpsという結果が、どの費目にどれだけ押し下げられた結果なのかを分離できません。 セグメント別の粗利率・費用構造も開示されていません(開示は営業利益まで)。
★三つめは、通期の絶対額が算出できないことです。 会社は成長率のみを開示しており、基準となる2025年の比較可能EPSも提供資料に含まれていません。 第3四半期については成長率のガイダンス自体が示されておらず、対市場予想の評価が構造的に行えません。
★四つめは、前年上半期の営業キャッシュフローがマイナスとなった理由です。 「営業資産・負債の増減▲92.31億ドル」とのみ記載されており、内訳がありません。 このため、+89.34億ドルという営業CFの改善幅が一過性の反動なのかどうかを判定できません。 同様に、上半期の配当支払額が22.83億ドルから45.62億ドルへ倍増した理由についても説明がなく、支払時期の違いによる可能性が高いものの断定していません。
★五つめは、アフリカのボトリング事業売却です。 売却目的保有資産54.38億ドル・同負債24.42億ドルという規模と、「規制当局の承認が条件」「第3四半期末ごろまたは第4四半期に完了想定」という時期の記載はありますが、売却価額・相手先・想定される損益影響は開示されていません。 当四半期に減損の戻入れ0.66億ドルが計上されていることから、見積りが期ごとに動きうる案件であることは確認できます。
★六つめは、IRSとの税務訴訟です。 基礎的実効税率19.9%には「会社が勝訴しなかった場合の影響を含まない」との注記が付いていますが、係争額や想定される追加負担額は提供資料に記載がありません。
★このほか、7月17日の株価急落(▲3.96%)についても原因を示す記載がなく、事実のみを記載しています。

11. 押さえておくべきポイント
① 市場予想に対しては明確なビートである。 比較可能EPS $0.97 は予想 $0.93 を+4.3%、純収益133.80億ドルは予想131.60億ドルを+1.7%上回った。数量+5%、オーガニック増収+6%と事業の実勢も堅調で、非アルコールRTD飲料全体でバリューシェアも獲得している。
② ただし報告値は実力値より一貫して高く出ている。 会社自身が正本23頁で 報告+16% → 為替中立+12% → 比較可能+11% → 比較可能為替中立(実力)+9% と段階を開示している。差の7ptは為替2ptと比較可能性5ptの合計である。
③ 報告EPS $1.03 が比較可能EPS $0.97 を上回る逆パターン。 純利益ベースの差2.49億ドルの中心は、有価証券の未実現評価益2.47億ドル(非現金)の控除である。アフリカ事業の減損戻入れ0.66億ドル、経済的ヘッジのMTM調整0.56億ドル、特定の税務項目0.40億ドルが続く。悪材料を非GAAPで隠すタイプではなく、逆に報告値が実態より良く見えている。
④ 利益率の改善は72%が実力以外。 比較可能営業利益率+86bpsの内訳は、実力+24bps・為替+42bps・M&A+20bps。粗利率も当四半期は実力+約40bpsだが、上半期の累計では投入コスト上昇により基礎的粗利率は約▲20bpsと縮小している。M&Aの追い風はナイジェリアの完成品事業売却によるポートフォリオ効果である。
⑤ セグメントは報告値と実力値で順位が逆転する。 北米は報告+4%→実力+12%で唯一の二桁増益、中南米は報告+23%→実力+4%、EMEAは実力▲5%で唯一の減益。報告値だけを見ると牽引役を取り違える。 アジア太平洋は数量+8%と最も伸びたが価格ミックス▲9%で純収益は+1%にとどまった。
⑥ 増収率の減速には日数要因がある。 報告ベースでは第1四半期+12.1%(逆算値)から当四半期+6.7%へ減速したが、第1四半期は前年より6日多い。日数の影響を受けない数量ベースでは約+3%→+5%と加速している。第4四半期は逆に6日少ないため、報告ベースでは減速して見えることが構造的に決まっている。
⑦ 通期ガイダンスの上方修正は為替頼みではない。 比較可能EPSを8〜9%増→9〜10%増へ引き上げたが、為替前提(約3%の追い風)は据え置き。同時に為替もM&Aも除いた実力指標を6〜7%増→7〜8%増へ同じ1pt引き上げている。フリーCFも約122→約124億ドルへ引き上げた。基礎的実効税率19.9%も据え置きで、税率による嵩上げもない。
⑧ 財務面では、有利子負債の減少が支払利息▲17%につながっている。 一方で1年内返済の長期債務が18.22億ドルから64.94億ドルへ3.6倍に増えており、短期の返済負担は大きく増えている。上半期の営業CFは前年の▲13.91億ドルから+75.43億ドルへ反転したが、改善幅の89%は「営業資産・負債の増減」の差で、前年のマイナスの内訳は開示されていない。
⑨ 評価できないことが3点ある。 決算説明会(8:30 a.m. ET)は本レポート作成時点で開催前のため質疑応答を扱えない。通常取引が9:30 ET開始のため当日終値・翌日株価も未確定である。第3四半期は成長率のガイダンス自体が示されておらず、対市場予想の評価が構造的に行えない。
免責事項
本レポートは、AIリサーチワークフローによって公開データを用いて自動生成された概念実証(PoC)です。教育および技術検証を目的としており、投資助言を構成するものではありません。記載の見通し・予想・推奨に関する正確性について保証するものではなく、投資判断にあたっては必ず有資格の投資専門家にご相談ください。
本レポートでは、独自の投資判断(レーティング)および目標株価の付与を行っていません。財務数値は The Coca-Cola Company の Form 8-K(2026年7月28日、Accession 0001628280-26-049922)Item 2.02 の Exhibit 99.1「Coca-Cola Reports Second Quarter 2026 Results and Raises Full Year Guidance」(全30頁)の開示値、同社「Q2 2026 MARGIN ANALYSIS」(全8頁)の開示値、および同開示値から機械的に算出した値です。算出値については本文中でその旨を明示しています。金額は原則として「億ドル」で表記しており、正本の表示単位(百万ドル)から換算しています。
市場予想は、提供された「アナリスト予想.txt」に記載された2行(調整後EPS 93セント/売上高131.6億ドル)です。同ファイルには四半期ラベルの記載がないため、発表対象・記載件数・水準から当四半期(2026年第2四半期)のコンセンサスと判断しました。この判断は本文2-1に記載しています。第3四半期以降の市場予想は提供されていません。
株価・時価総額・PER・PBR・配当利回り・アナリスト目標株価および2025年第3・第4四半期の実績は、外部データ経由で2026年7月28日に取得した参考値です。Yahoo Financeの集計方法・対象アナリストの内訳は開示されていないため、参考値として扱う必要があります。 他の有料データと数値が異なる場合があります。また、プレ市場の値動きは同データ上で出来高がゼロ表示となっており、実際の約定を伴わない気配の可能性があります。
本レポートは2026年7月28日 07:55 ET 時点で入手可能なデータをもとに作成しています。同日 8:30 a.m. ET 開催予定の決算説明会は本レポート作成時点では開催前であり、質疑応答は収録していません。また米国市場の通常取引は9:30 ET開始であるため、発表当日の終値および翌営業日の株価も本レポートには含まれていません。

