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超能力(仮)と霊感(嘘)があった時代の話【全裸noteプロジェクト】

布団の中で思い出すたび、悶えたくなるような黒歴史が私にはある。それも、ひとつやふたつではない。

幼少のころ、私はとにかく「人知を越える存在」に憧れていた。平成初期、テレビでは超能力特集がしょっちゅう放送されており、その憧れに拍車をかけた。

小学3年生の私を特に魅了したのは、透視能力だった。超能力者は伏せられた紙に描かれた図形を、その紙に触れもせずピタリと当てた。なにこれ、最高にクール。

そのとき、ちょうど叔母が祖父母宅に帰省していたので、私は叔母を透視ごっこに誘った。当然、私が超能力者役である。

裏返した紙に手をかざし、おでこの辺りに集中してみる。

「ん、ん~~~?」

当たり前に何も見えない。私はしかたなしに、なんとなく頭に浮かんだニョロニョロ線を3本描いてみた。すると叔母が焦ったように、私の名前を叫んだ。

叔母が裏返した紙には、ニョロニョロ線が3本。なんか偶然うっかり当ててしまった。完全にマグレだったが、私は震えた。

私には…やばい能力チカラが…あるのでは…?


中二病の芭蕉になるな。能力と書いてチカラと読むな。季語は入れろ。あと透視もう一回挑戦してみてほしい、ぜったい失敗するから。

「見えないはずのものが見える」という能力を何かの間違いで得てしまった私は、次に霊感もあったら格好いいよなと思った。あの時代は「奇跡体験!アンビリバボー」や「世界まる見え!」で心霊特集がしょっちゅう放送されており、その憧れに拍車をかけた。

小学校の図書室で「ほんとうにあったこわいはなし」も履修し、能力を開花する準備は万端だった。

あの日は確か、学芸会の劇練習のために体育館にいた。友だち数名とステージの上に乗り、立ち位置を確認し終わったころだったと思う。暗幕の影が目に飛び込んでくる。この機を逃す訳にはいかない。

私は雰囲気たっぷりにぼそりと呟いた。

「感じる……」


しんどい。Xで「6年間、霊感のあるフリをしていた」と書いたけど、さすがに卒業までの3年間くらいだったかな。ああ、よかった。全然よくないよ。もっと早くめげてよ。
これを同居人に読んで貰ったら「霊感あるほうの人だったんだ~」と聖母のような表情で言われた。もう、ひと思いにやってくれ。

さて、超能力(仮)と霊感(嘘)を携えながら、私はいっちょ前に恋もしていた。
同じクラスの男子が、自己紹介カードの自由記述欄に「血はうまい」と書いていて、最高にクールだと思ってしまった。どういう類いの男の趣味?我ながら心配になってくる。

小学校5年生のころだ。絶賛片想い中の私は、日記を書き始めた。その子の服装を毎日書き留めるための日記だった。

内心では超能力と霊感にもはや飽き始めており、新たに現実的なデータ収集の時代がやってきたのである。

日夜、データを集めていると服装の周期があることが分かってきた。このフリースはこの曜日が多いな、とか。このベストはこの服としか組み合わせないのかな、とか。

そして研究の甲斐あって、

私はついに全身ペアルックで登校することに成功したのである。


成功したのである、じゃない。よくない成功体験。ベージュのチノパンやめてジーパン履いてくれ、ね?そのグレーのベスト、すぐに脱いでから登校してよ、お願いだから。相手の子、いつの間にかランドセルにしまってるから、ベスト。


お気づきだろうか……?

黒歴史の初手が恐ろしく早かったため、この時点で私はまだ11歳である。12歳から推しているGACKTにさえ、まだ出逢えていない。

ということで次回、「GACKTを布教する方法を、ことごとく間違えていた時代の話」をお送りします。


2月某日。

XのTLに流れてきた「全裸noteプロジェクト」の文字。私は何かに導かれるように、そのポストをたどり、とある人のnoteアカウントに飛んだ。

自意識の鎧を脱ぎ捨て己をさらけ出し、黒歴史を健全に笑い合おうという企画だ。気づけば、私は企画者の茨木彩菜さんに声をかけていた。

初対面で暗黒微笑すな。一刀両断されてもおかしくなかったが、彩菜さんは太平洋のような広い心で受け入れてくださった。

記事にまでしてくださいました。懐のサイズ無限大???

そして、企画者である彩菜さんの黒歴史記事はこちら!

なんと12歳のころに書いた日記の実物を公開されている。黒歴史仲間的には「ま、待て、早まるな!」と叫びそうになったけれど、結果早まっていただけてよかった。めちゃくちゃ面白い。現在の彩菜さんの視点での突っ込みが鋭くて、倍面白い。語彙も言葉選びも知性が溢れてるのに、そこから切り込むんですね!?という意外性でめちゃくちゃ笑ってしまう。疲れたときに読むと元気になる。こういう文章が書けるようになりたくてnoteをはじめた人間なので、本当に尊敬。すごい。

またひとつ、noteをはじめてよかったなあと思える出会いがありました。

企画者の彩菜さんに敬意を表して、黒歴史後半戦も右手と左目を疼かせながら書こうと思います。たぶん腱鞘炎とドライアイ。

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