21歳になっても、親の出番は終わらない。発達障害の息子を「どこまで支えるか」悩む今
息子は21歳になりました。
高校を卒業して就職し、最初の職場を1年4か月で退職。今は2社目で働いています。
成人して、学校も卒業して、仕事もしている。
それだけを見ると、もう親が手を出す年齢ではないと思われるかもしれません。
でも実際には、21歳になったからといって、突然すべてを一人で決められるようになるわけではありませんでした。
息子は今、私と一緒に実家で暮らしています。
仕事のことや、何かを決めなければならない時には、今でも私に相談してきます。
ただ、幼い頃と今とでは、私の関わり方は少しずつ変わってきました。
以前は、親である私が決めることも多かった。
今は、じっくり話を聞き、一緒に考える。
そして最後は、できるだけ息子自身に決めてもらうようにしています。
大きなことも、小さなことも、決めるのが苦手
息子は、物事を自分で決めることが苦手です。
それは、大きな決断だけではありません。
最近では、資格取得についてどうするか、仕事の休みを取るかどうかといったことでも迷います。
周りから見れば、「自分で決めればいいのに」と思うことかもしれません。
息子がなぜ迷うのかを、私がすべて説明できるわけではありません。
ただ、大小にかかわらず、何かを決める場面で迷うことが多くあります。
そんな時、息子は私に相談してきます。
私はまず、じっくり話を聞きます。
すぐに答えを出したり、「こうしなさい」と決めたりするのではなく、息子が何に迷っているのか、どう感じているのかを聞くようにしています。
「一般的にはどうか」と「息子にはどうか」を分けて考える
相談された時、私が一緒に考えるのは二つのことです。
一つは、世間一般ではどう考えるのか。
もう一つは、息子の特徴を考えた時に、どんな対応が合っているのか。
どちらか一方だけで答えを出すのではなく、世間一般の考え方を伝えたうえで、息子の特徴に照らすとどうかを一緒に考えます。
たとえば仕事を休むか迷っているなら、休むことだけ、休まないことだけを私が決めるのではなく、何に迷っているのかを聞きながら一緒に整理します。
資格取得についても同じです。
取った方がいいかどうかを私が決めるのではなく、息子が迷っていることを言葉にしながら、一緒に選択肢を考えます。
相談には乗る。でも、最後に決めるのは息子
今の私が意識しているのは、相談に乗ることと、代わりに決めることは違うということです。
私は意見を伝えます。
必要なら、一般的な見方と、息子の特徴に合わせた考え方の両方を話します。
でも最終的な判断は、息子に任せることが多くなりました。
最初の職場を辞めた時も、退職を決めたのは息子本人です。
人間関係に悩み、職場にも相談しましたが、お互いが納得できる結果にはなりませんでした。
私はその間、相談に乗りました。
それでも、実際に働いていたのも、辞めると決めたのも息子です。
親が決めれば早いこともあります。
けれど、これから先も私がすべてを決め続けることはできません。
だから今は、考えるところまでは一緒に、最後の判断は本人に。
少しずつですが、そんな関わり方に変わってきました。
今、一番心配していること
今の私が一番心配しているのは、息子が長く勤めていける職場環境をつくっていけるかということです。
息子は、仕事そのものには真面目で、責任感があります。
一方で、人間関係には今も難しさがあります。
最初の職場を辞めた理由も、仕事の内容より人間関係の問題が大きいものでした。
今の職場には、相談できる担当者がいます。
有給休暇なども使いながら働いています。
ただ、今の職場ならずっと大丈夫だと、現時点で言い切ることはできません。
相談できる担当者がいることや、有給休暇を使うことなど、今ある方法を利用しながら、長く働ける環境をどうつくっていくか。
それが今の心配であり、これから考えていかなければならないことです。
親の出番が終わるのではなく、形が変わっていく
私がこれから息子にできるようになってほしいと思うのは、自分で判断することです。
そして将来、自立して生活できるようになることです。
今は一緒に実家で暮らしています。
今も息子から相談があれば、私はじっくり話を聞きます。
ただ、相談した後の答えまで、いつも私が決めるわけにはいきません。
幼い頃は、息子に代わって親が決めなければならないことがたくさんありました。
21歳になった今は、親が決めるのではなく、本人が決めるために一緒に考える。
昔より会話ができるようになったからこそ、できるようになった関わり方です。
親の出番は、21歳になったから終わるわけではありませんでした。
でも、その形は確実に変わってきています。
「決めてあげる親」から、「一緒に考える相手」へ。
すぐにすべてを任せるのでも、これまでと同じように全部を決めるのでもなく、息子の様子を見ながら少しずつ。
息子が自分で考え、自分で選び、自分の生活をつくっていけるように。
私も、どこまで支え、どこから任せるのかを考えながら、今の息子と向き合っています。
※本人や勤務先を特定できる情報は伏せています。ここに書いているのは、私と息子の場合の体験です。
