【官能小説】戦隊ピンク⑧アツい男レッド&ブルー
前の話→
登場人物:
ヒーローorヴィラン/人間/キャスト
ヴィジョン・レッド/真田烈火/橘豪太
エコー・ブルー/青柳蒼真/相沢涼真
テイスト・ピンク/桜庭ねね/ボブちゃん
開幕バトル
轟音とともに、地面が焼け焦げる。
「うおおおお!! バーニングスラスト!!」

ヴィジョン・レッドの身体が炎をまとい、突進する。灼熱の熱風が戦場を包み込み、業火の槍が怪人へ一直線に襲いかかる、、、はずだった。
しかし次の瞬間。
怪人の漆黒のボディに、赤く光る波紋が広がる。
「……」
ズアアッ!!
レッドが放ったのとまったく同じ動き、まったく同じ速度、まったく同じ炎を纏った突進が返ってきた!!

「はぁ!? なっ……ぐはぁ!!!」
レッドが弾き飛ばされ、地面を転がる。火の粉が舞い散り、テイスト・ピンクは息を飲んだ。
「いやいやいやいや! お前の技、そのまんま返されとるやん!!」
レッドが膝をつきながら歯を食いしばる。
「マジかよ……」
「……なるほど」
その横で、エコー・ブルーが冷静に怪人を観察する。
「この怪人、受けた攻撃をそのままコピーし、倍返しする能力を持っているな」
「ってことは、勢いで突っ込んでも全部やり返されるんか!?」
「ならば、冷静に戦うまでだ」
ブルーは静かに剣を構え、慎重に間合いを計る。しかし、、、
怪人も まったく同じ動きで、じっと構えたまま動かない。
ピンクは思わず頭を抱える。
「って、お前も動かんのかい!!」

レッドとブルーのお約束
「お前の戦い方がダメなんだよ!」
「いや、無策で突っ込む方が問題だろう!」
戦闘中だというのに、レッドとブルーが真っ向から言い合いを始める。
どっちも方向性は違えど、アツい男。一度火が付いたら止まらないのだ。
ピンクは盛大にため息をついた。
「はああ……お前ら、敵の前で喧嘩すな!!」

しかし、レッドの力押しは通じず、ブルーの慎重すぎる戦法も膠着状態を生むばかり。
「……どっちの戦い方も、今はアカンってことやな」
ねねは、一歩前に出るとバシッと手を打ち鳴らした。
「ほな、お前ら、一回戦い方入れ替えてみぃや!!」

レッドとブルーが同時に振り向く。
「俺が慎重に!?」
「俺が力押し!?」
「いや、文句言うなアホ!! やるしかないやろ!!」
アクションの交換!怪人の混乱!!
レッドは、これまでとは違い、一歩ずつ慎重に動く。
ブルーは逆に、勢いよく踏み込んで一気に間合いを詰めた。
「ふっ…こういう時は力押しだッ!!」
「俺が冷静に……うおお、こうだなっ!!」
怪人が、一瞬動きを止めた。
パターンを完全に入れ替えたレッドとブルーの攻撃に0.1秒のタイムラグが生まれた。
そのスキは、赤と青の英雄にとっては十分すぎる時間だった。
「お前ら、めっちゃ息合っとるやん!!」
「”YAH~ アクションのコウカン
SAY! カイジンのコンラン!”」

ねねの叫びを背に、2人の必殺技が放たれる!
「バーニングスラスト!!」
「蒼穹連斬!!」

赤と青の光が交差し、怪人を切り裂く!
「はぁぁぁぁぁっっ!!!」
爆発と共に、戦いは終わった。
「ピンク、なんか歌ってたか?すげーかっこよかったんだけど!」
「ああ、俺も聞いた。心が震えるようなフレーズだな!」
「ん~ 無我夢中フレーズだったなぁ!」
彼らの歌、「カイカン」がその後流行りに流行り、上記のフレーズを世界中の老若男女が口ずさむようになるのは、そのもう少し後の話である。
戦いの後はカレー論争
「はー、腹減った!カレー食いたくね?」
「戦闘後の栄養補給は重要だからな。カレーは栄養のバランスもいいぞ!」
(私の出番はなかったなぁ~、ま、それだけこいつらが強いってことだし、まぁいっか)
ねねの心の中など知らず、気づけば烈火と蒼真が言い合いを始めている。
「でもお前、カレーはガツガツ食うのが一番だろ!」
「違うな。しっかり味わいながら食べるのが理論的に正しい」
「はあああ!?まだやっとるんか、お前ら!!」
ねねは完全にキレた。
「ほな、あんたら一回ワタシのカレー食べてみ! それで落ち着け!!」
こうして、ねねの料理が彼らにふるまわれることになったのだ。
味見はチラ見
こう見えて、ねねの料理の腕前はかなりのものである。
キッチンに立つねねの手元で、包丁が軽やかに動く。トントントン、と小気味よいリズムで刻まれていくのは、たっぷりの玉ねぎ。

「まずは、しっかり炒めるで!」
フライパンの上に広げられた薄切りの玉ねぎが、じわりと熱を受けて透き通り、飴色になってゆく。ねねは木べらを休みなく動かし、焦げつかないようにかき混ぜながら火を通してゆく。
ジュワァァァ……
甘く香ばしい香りがふわりと立ち上り、部屋の空気が一気に食欲をそそるものへと変わる。
「ふふん、ここがコツや。じっくり炒めて、玉ねぎの甘みを引き出すんがポイントやで」
次に、角切りにしたトマトを炒め、しんなりしたところで、ゴロッとした大きめのじゃがいもとにんじんを加える。そして、肉!!!
ジュワッ!
フライパンに広がる食材の焼ける音とともに、肉の脂がじんわりと溶け出し、さらに食欲をそそる香りが立ち込める。烈火がふらふらと匂いに引き寄せられてきた。
「おおっ!? なんや、めっちゃええ匂いするやん!」
「せやろ? せやけど、まだまだやで!」
ねねは誇らしげに胸を張ると、ヨーグルト、本格カレーパウダーに加え、クミンシード、ホールスパイス、ターメリック、ガラムマサラ、コリアンダーとスパイスをふんだんに使ったカレーマサラに仕上げていく。
だんだんと水を加えていきながら、大きめの鍋に炒めた具材を移し、だしスープを注ぎ、水分を調整する。コトコト……と優しい音を立てながら、鍋の中で食材が踊るように転がる。
「ここからは、じっくり煮込む時間や!」
コポコポコポ……
弱火でじっくりと、熱を入れていく。鍋の中で煮汁が踊り、野菜の甘みと肉の旨みがスープに溶け出していく。キッチンには、スパイスの効いた濃厚な香りが漂い、蒼真もいつの間にか静かに近づいてきていた。
「濃厚だな!」
「な? ええ匂いやろ?」
ねねは満足げに微笑み、ついに仕上げの工程へと進む。バターチキンマサラを加えてゆき、木べらでゆっくりとかき混ぜる。
ドロッ……
溶け合うマサラがスープと混ざり合い、やがて鍋の中はとろみのある濃厚なカレーへと変わっていった。
「うーん、ええ感じや! これぞ最強のカレーや!!」
ねねは木べらを持ち上げ、スプーンにすくったルーをフーフーと冷ますと、自信満々に言った。
「ほな、味見せえへん?」
……ここから、事件が始まるとは、その時のねねはまだ気づいていなかった。
味見はチラ見
前かがみになって、烈火と蒼真にスプーンを差し出す。

……その瞬間。
前屈みになったねねの首元、ピンクのセーターの胸元に隙間ができる。そこから覗きそうな、ねねの胸元。その隙間の奥には一体何があるのだろうか。
ねねの小ぶりで慎ましやかな双丘が見えたら、白くて、柔らかそうである。
(……っ!!)
烈火と蒼真の動きが止まる。
「なあ……」
「ああ……」
彼らは男にしかわからない目での会話をした。
そして、さらにハプニングが起こる。
「あっ」
調味料の小瓶が落ちてコロコロと。
みんなで拾おうとかがんだ時、烈火と蒼真の動きがまた止まる。

「あっ……これは!」
「むっ……チャンス」
「え、なに!? なんで黙るん!?!?」
男が黙る時。それはえろいことを考えている時である。

(はっ!スカートの中見られてる……!!)
ようやく気づいたねねは、 顔を真っ赤にして叫んだ。
「お前ら、どこ見とんねん!!!!」
「あれは……」
「白……だな」
爆弾ヨーグルト!!
「そういや、カレーにヨーグルト合うんじゃね?」
烈火が取り出したのは、白いパッケージのヨーグルト。
「まあ、アリかもな?」
ねねがフタを開けた――その瞬間。

ババーン!!
「わわっ!」
ヨーグルトがねねの顔に盛大に飛び散る!
ブルーがパッケージを読み上げた。
「なあ、これって『爆弾ヨーグルト』じゃないか?」
「なんでやねん!!」
「わりぃわりぃ、何も考えずにヨーグルト買っちまった!」
そんなわけあるかいっ!
ねねの口元に飛び散ったヨーグルト。
「しかし、この絵は、、、」
「だな、、、。」
((ゴクリ…))
「おまえらっっっ!!!」
烈火と蒼真がそういう性癖をもっているのか、筆者は知らないが、その意味はわかっているようである。
そう。爆弾ヨーグルトとは、一部のサプライズ好きな紳士が「とある目的」をもって用いるヨーグルトである。爆発性がある以外は、味は至って普通。
そして…「ねねで実験?」
「うんめえええっ!」
「うまいっ!これはっ!うまいっ!」
「そやろ〜?」

香り高いバスマティライスにカレーを乗せて、ぱくりと食べると、口の中にスパイスの心地よい香りが広がり、鼻の奥へと抜けていく。肉を食べた時は肉の旨みを含んだ脂が口の中を楽しませる。そして後から辛さがやってくる。体中の細胞が喜んでいるかのように汗がふき出してくる。
「やっぱカレーはガツガツ食うのが一番だ!」
「違うな!やはり味わって食べるべきだ!」
やっぱり言い争う2人。
「ほな、どっちの食い方が正しいか、実験してみるか?」
ブルーが冷静に言い放つ。
「じゃあ、ねねで実験するか!」
「は!? なんでやねん!!」
「お、逃げた!やっぱ勢いが正しい証拠だ!」
「いや、これは戦略的撤退だろう」
「どっちでもええわ!!」
ねねの日常は平和である。
次の話→
インティマシー・コーディネーター
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作者あとがき
戦隊なのに、ようやく、レッドとブルーがちゃんと登場するという笑 でもピンク視点で描くと、意外とこんなもんなのかも知れません!
ねねのおいろけシーンは、生成の神の思し召しにより、違うところがチラリする結末となりました笑
次回はメタい回です。
