AI時代のクリエイター:平田マリカ論。
私のブログの"固定記事"に昨年末から"CGみたいなビジュアルの存在"がいる

平田茉莉花という、AIアートバトル「AIBATO」の主宰だった人です。
以前は、AI仏壇を作るとか言って炎上していたのだけど、最近は髪も黒くなって、ひたすらAIで動画を作っている。以前のAIインフルエンサーとかタレントみたいな要素は抑えめに、ひたすらAIでショートフィルムを作っている。しかも結構ガチな環境です。
AIで短編アニメを制作しました。
— 平田 マリカ (@marika_was_here) May 29, 2025
タイトル:『ハイエナ目』
視線、欲望、匿名性、SNS。
かわいい“ふり”をした共食いの記録。
脚本|平田 マリカ
映像演出|Wan2.1 @ViduAI_official @Kling_ai
作画|Flux+SDXL
編集|After Effects
声|自主収録 × AI変換
主題歌|Lia「ハイエナ」 @SunoMusic… pic.twitter.com/FvaKBZ3tt9
年末に#アイバト#で会った時に、Stablity MatrixとSD黄色本を教えてあげたのが懐かしい。
作品「tefutefu」
https://x.com/marika_was_here/status/1912085217625719121
新作「RÔMA」を昨日発表した。
2025/07/12 #RÔMA #AI映像作品 #短編映画
記録がすべてを支配する都市。 名を持たぬ女は、奪われた娘のために、 美と策略で国家を静かに壊してゆく。 倫理は、熱で溶ける。 正義なんて、最初から足元がぐらついてた。 ──── 脚本・監督|Marika Hirata ビジュアル構築|Flux + SDXL 映像演出|Wan2.1 / Vidu / Kling / MidJourney / Seedance / Hailuo 編集|After Effects / DaVinci Resolve 声|自主収録 × AI変換 主題歌|「Black Swan Waltz」 #RÔMA #AI映像作品 #短編映画 #aifilm #aiart #shortmovie
平田マリカの作品は、復讐心に満ちている。
平田マリカの作品は、タイトルや制作者を見なくても、わかる。それぐらい作品としての個性がきっちり完成している。
AIクリエイターとしての作品、作品としての個性。
作風なんてものはAI時代にはゴロゴロ変わっていくと思うのだけど、根っこにあるものとか、作家としての芯みたいなものは、どんな道具を使おうが、どんなテーマにしようが染み出してしまうものだ。
カットに入れてしまう"間"とか、演出とか、レイアウトとか、色使いとか、そういったところに滲みでてくる。
本人は色々考えて作っている、と思う。
クライアントに合わせるのか、誰に共感させるのか、そういったことを考えながらも、美的感覚については妥協がない。
本人は現在の生成AI技術に全然納得していないかもしれない。
妥協がない、というと齟齬があるかもしれない。
化粧が完璧な女性クリエイターは、生成AIには向いている。
そういう意味で、妥協がない。
外に出る時には、完璧ラインを超えていないと出られない。
平田マリカの作品には「畏れ」がある。
たぶん、人間が怖い。
人間の欲望を達観してきた人間ならではの「畏れ」がある。
人間の欲望の怖さを知らない人間が作った作品と、そうでない人間が作った作品には大きな違いがある。描きたいものが全然違う。
『てふてふ (tefutefu)』は、現代における人間関係や社会による「消費される」という体験を、江戸時代の花魁(おいらん)たちの歴史と重ねて描いた作品です。
— 平田 マリカ (@marika_was_here) April 15, 2025
自由恋愛もできず、遊郭を出るには誰かに娶(めと)られるしかなかった彼女たちの魂は蝶となって時代を越え、現代へと舞い戻ります。…
「ハイエナ目」で描かれているように、映えのある女子高生たちは、精神的にはとても醜い。多くの"紳士向け"生成AIが描いているような女子は現実には存在しない。美と、性格の良さは同居なんかしない。
考えてみて。生まれた時から整った顔立ち、整ったプロポーション、異性からチヤホヤされるハードウェアを持って生まれてくるってことは、持っていない人間からすれば羨ましいことかもしれないけれど、実際には「自分で考えて生きる」ということを阻害されることがとても多い人生だってこと。
だからといって自分の信念としての美は捨てられない。
自分がその人のことを愛せるか、信用できるか、といった軸とは別に、美的な感覚を極めれば極めるほど、数多くの邪魔が入る。自分の価値観は蹂躙される。だからこそ化粧を学び、筋トレをし、美しさで「よけいなもの」が近づくのを避ける。
こういう生き方は、蹂躙されてきた人間にしかわからない。
AI時代には、思ったもの、想像したものは全て映像化できる。そういう書き方をすると、まるで「全知全能の神にでもなったかのような気持ち」になれるが、実際にはそうではない。全知全能なのにもかかわらず、それはとても貧弱であることを突きつけられる。クリエイティブAIの時代において、作り手の人間の想像力の貧弱さは見事に作品に投射される。
技術的にビルドが通るのと、推論ができることと、その中で何かを表現して、人の心を動かしていくことは、また異なる次元の執念が必要だ。
全知全能の表現能力を手に入れたとして、自由に空を飛ぶ動画を作る人もいれば、真っ黒な画面で、復讐劇を描く女性もいる。
外連味としての技術的な演出とは別に、「AIで何でも映像化できる」からこそ、人間のドス黒い内面を描きたくなる、という人がいる。
物質的な欲望の実現ではなく、内面を描くことにAIを使う。
平田マリカは、その復讐劇を、できるだけ甘美な世界で描こうとしている。
映像作品として、AI抜きで、かつ個人的な作家としての背景を知らずに平田マリカ作品を見たら、どうだろう。
正直なところ、映像学科の大学生の卒業制作ぐらいのところにいるんじゃないか。いい意味でも、よくない意味でも。
美大芸大にもよるけど、自分が1年かけて、4年かけて、作りたいものを作り切れるか…という戦いを美大生・芸大生は、卒業制作でとりくむ。専門学校生だって取り組むところは取り組む。実際に美大や芸大、専門学校等で映像を学ぶということは、スキル的には有限な時間で、今ある技術をできるだけ効率よく学んでいくしかない。そのLearnで手に入れたスキルの残りの時間で「自分が作りたいもの」を作る。これは油画だろうがゲーム学科だろうが漫画学科だろうが同じではあるんだけど、クリエイティブAI時代に、平田マリカは学校に行かずに、動画生成AIでここに辿り着いている。それが面白い、興味深い。
今の美大芸大でAI動画を使って作品を作ることが認められる学校は、そこまで多くはないかもしれないけれど、自分は評価したいと思う。
世の中には、大学にも専門学校にも行けずに、水商売とか、夜職とか、日の当たる場所では全然ないところで、じたばたしている存在がいる。
(自分も親のDVがあって、大学には自分のお金で行ったけど)実際のところ、自分がやりたいことをやるには経済的にはとても厳しくて。タバコとか酒とか、反社会的な存在とか、そういう欲望に満ちたおじさんたちに精神と肉体を蹂躙されながら生き抜くしかなかった。それが当たり前だった。
僕なんかは大したことなくて、令和の現代でも、生まれ持った親が反社会的な存在とか、それと寄り添っていく時代と、「自分で選ぶことができなかった人生」と決別する時代と、ジタバタして生き延びて、他人を踏み台にしたり、蹴落としたりする世界もしっかりと見て、それでも自分は生きていかなきゃならないことに気づく時代がある。
「自分はなんのために生まれたんだろう」「生きていかなきゃならない?」なんてことを考えるのも辛くて。鋭利な刃物みたいな生き方を自分から望んでいて、あまり深く考えたら魂がフッと終わってしまうかもしれない。そういう尊い存在が、AIで動画を作ってGPUをぶん回して、めちゃ高いクレジットをどんどん溶かして、作品を作っている。
なんというか、復讐心に満ちている。
自己愛と、自己愛と、欺瞞と復讐心に満ちている。
幸せに何も考えずに生きている、そんな存在に何かぶつけてやりたくて仕方ない魂が何をかを作っている。
言葉でどれだけ書いたとしても、その世界が表現できないとして、それは映像作品としてきちんと意味を持った作品になっているといえまいか。
少なくとも、生成AIは平田マリカのようなモンスターに、仏壇ビジネスではなく、きちんと表現者としてのステージを提供している。
GPUを燃やして溶かして、私怨を燻らせる。美しいじゃないか。
ここから先の作品は、ビギナーズラックで作るような作品ではない、そして復讐心の一本槍だけで作り続けられるものはない。バズを目的にしたSNS動画とも違う。生きた証と、生きぬいてきた証を塗り込めて、そのあとに何をしようとしているか、そういう境界線を見ている作家の仕事になってきている。
AI時代のクリエイター・平田マリカは着実に"卒業"をしようとしている。
そういう作品は、人生で何回だって作り直していいと思う。根っこだから。
あいかわらずCGみたいな存在。
実はこの前、偶然短い時間で会う時間ができたので様子を見てきた。
あいかわらずCGみたいな存在。でも"嬢"ではないオーラを背負っていた。
美大を卒業した美大生、みたいな感じだろうか。
自分もめっちゃ徹夜してヘロヘロになってたところだったので夢だったのかも…。

元気そうで何よりです。
卒業制作の完成、おめでとうございます。
これからもいい作品をどんどん作ってください。
AIアートバトル「アイバト」初代優勝者として。
ところでAIアートバトル「AIBATO」については、AICUで引き継いで競技文化を育てていきたいと思います。
準優勝だった殻尾さんとのコラボも、ここから生まれている。
良い作品は、良い出会い、良い作品を生みます。
夏の日本大会を8月22-24に開催したいのですが、興味ある人いませんか?
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チップとデール!チップがデール!ありがとうございましたー!!