「週末に書いた、たった一つの脚本から人生が変わった」 OASIZ脚本家 白川知己
マイナビショードラマアワード、大賞受賞。
その裏には、一冊のノートに書いた「一年後の目標」と、泥臭い試行錯誤の積み重ねがあった。
OASIZ唯一の脚本家、白川知己。
縦型動画・ショートドラマの最前線で活躍する白川さん。
決して最初からこの道を歩んでいたわけではない。
学生時代は営業インターンで過呼吸になるほど追い詰められた経験や、
当時運営していたYouTubeチャンネルでの挫折、
入社後、PMとして7アカウントを掛け持ちする日々。
そのすべての経験を経て、ようやく「天職」を掴んだ。
今回は、そんな白川知己さんのリアルなキャリアストーリーをインタビューしました。
自身のキャリアの方向性、何が自分に向いている職業なのか、
試行錯誤の末にOASIZで天職を掴んだこれまでのバックグラウンドに迫ります。
▼ポッドキャスト全編
https://youtu.be/yLxtHimYFmM
「来年は大賞を取る」脚本ノートの1冊目に書いた誓い
マイナビショードラアワード2026年での大賞を受賞、おめでとうございます。授賞式で初めて聞いたのですが、あの作品は最初から"大賞を狙う"という明確な目標で作られていたと聞きました。

ありがとうございます。実は脚本ノートの1冊目の途中に「来年はマイナビショートドラマ大賞を取るぞ」って書いてたんですよ。
それをずっと目標にして、「どういう作品が世間にも受け入れられるし、賞でも評価されるのか」を試行錯誤し続けた結果、
やっと取れた感じで。本当に嬉しかったですね。
脚本ノートが今8冊目になるとも聞きました。
そうなんですよ。脚本を書き始めてちょうど1年半ぐらいで8冊ですね。
あ、でも意図的に薄くて小さいノートを選んでるんです。冊数が増えると「こんなに頑張ったんだ」ってモチベーションになるので(笑)。
ノートにこだわるのには理由があって、パソコン上だと自由な発想が出てこないんですよ。
なので手書きで、たまに絵を描きながら、お気に入りの文房具をいくつかか常備して書いてます。
受賞作『聖なるチャット』で伝えたかったメッセージ
大賞を受賞した『聖なるチャット』は、AIへの依存社会を風刺した作品でした。あのテーマはどう思いついたんですか?

周りを見ていると、チャッピー(作中に登場するAI)に何でも聞いてる人がいるなと思って。
「この感情の行き場はどうしたらいいの?」とかを、AIに聞くよりも自分自身と向き合った方がよくない?みたいな感覚があったんです。
これが行き過ぎた社会、10年後に本当にAIだけに頼る世界が来る可能性もなくはないな、と思って。
それを誇張表現で書いたら、意外と現実に近いいい塩梅になったんじゃないかと思ってます。
冒頭の"エビを納豆とシロップで和える"不快レシピも強烈でした。あれも狙いだったんですか?
そうです!一番気持ち悪いものを最初に持ってきて、「チャッピーが考えたレシピです」って言ったら興味を持ってもらえるかなと。
視聴者に「え、何これ」って思わせて最後まで見てもらうための設計ですね。
ショートドラマって冒頭の数秒で離脱するかどうかが決まるので、とにかく「離したくない」という強い意志でフックを作りました。
授賞式の2日前にタイムリーなニュースも出ていましたね。
たまたまなんですけどね(笑)。ちょっと追い風が吹いてるなとは思いました。
ただ、テーマ選びには常に「一過性のものか、普遍的なものか」を意識しています。
今回のAI依存というテーマは、普遍的だと判断していたので、
なので、脚本を書く際にはそういった視点もかなり重視してましたね。

「しんどくても、絶対に途中で諦めたくない。」転身のきっかけは、週末に書いた1つの脚本
白川さんがOASIZに入ったのは、どんな経緯だったんですか?
大学の時にちゃんと営業インターンをやってたんですよ。
でもそれがめちゃくちゃしんどくて、ノルマもあるし、過呼吸になってしまって。
体が硬直して、親に電話したら救急車を呼んでくれたこともありましたね。
その経験があったので、就職のレールに乗ることが怖かったんです。
で、卒業後は逃げるようにYouTubeを始めました。
YouTubeもしっかりグループでやってたんですね。
そうなんですよね。
スポンサーさんもついて、事務所にも入って。
実は、今OASIZに所属しているウンパルンパさんと同じ事務所だったんですよ。
当日はコラボもしたし、一緒にサッカーもしました。
でも1年半、毎日撮影して投稿して、スポンサーの方にサポートしていただいたにもかかわらず、
6万人弱までしか登録者が伸びなくて、当たり前ですけど、途中でスポンサーさんが降りることになって。
環境に恵まれていたのに、ポテンシャル不足で伸ばせなかったのは、今でも正直悔しいところです。
その後、元々事務所でお世話になっていた方の紹介でOASIZを知って。
僕自身もまだSNSでチャレンジしたい気持ちもあって、当時から結構大手企業のアカウントを運営してて
ここで学べることも多そうだなと、そこで入社を決めたのがきっかけです。
入社してすぐ脚本家に?
いや、最初はPM業務からやり始めました。
キャスティング、スタジオ選定、当時はヘアメイクもスタイリストもいなかったので、
監督と相談しながら服を買いに行ったりもしました。
同時に7アカウントのPMを掛け持ちしていて、かなりしんどかったですね。
でも、「このまま続けたら過去と同じことになる」という感覚があって。
学生時代も、YouTubeをやっていた時代も、途中でやめてしまったので
ここで諦めたくはなかった。だから違う方向を模索していたんです。
そこで脚本に出会ったんですか。
PMをやりながら感じていたのが、自分は何がやりたいんだろうって。
そこで、「脚本ならやりがいを持ってできるんじゃないか」と感じて。
通常の業務もやりながら、かなりしんどかったんですけど、土日で時間を作って1本書いてみたんですよ。
それを社長にDMで送ったら、いつもお付き合いのある脚本会社の方に見てもらって、「めっちゃ面白い」って言ってもらえて。
その作品がバズって、「脚本を書いていいよ」という流れになりました。
ターニングポイントがその1本だったわけですね。
そうなんです。大好きな作品ですね。今の自分があるのは、あの1本のおかげだと思ってます。
▼100万回以上再生されたデビュー作品
@seikaiwakaranai 皆さんはいくつ気が付きましたか? #ショートドラマ #短編ドラマ 50-50 #アサイー #グランメゾン東京 #賛否両論#マイナビショードラアワード2025 ==友情キャンセル界隈 第1話== [出演] 福島愛(@ai_fukushima_official) 宮本廉也(@renya_1118) 葵くみ(@___gumisuki) [監督] 岩元貴輝(@suko_record) [脚本] 白川知己(@tomoki_98) [メイク・衣装] 大野夏奈子 [制作] OASIZ ※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません
♬ オトノケ - Creepy Nuts
OASIZでの脚本家としての仕事
今はどんな仕事をメインにしていますか?
企業向けのショートドラマ脚本がメインですね。
それとOASIZの自社IP『セイカイガワカラナイ』では、外部脚本家の方のフィードバックをする立場でも関わっています。
入ってから今年で3年目になるんですが、最初は一人でなんでもやってた環境から、今は役割が整理されてきた感じです。(笑)
企業案件と自社アカウントで、書く内容は変わりますか?
正直、全然違います。
僕は基本的に攻めたものを書くんですけど、企業案件では、自社IP文脈で育った「過激さ」がたまに漏れ出てしまうこともあって(笑)。
その分、プロデューサーやPMの方々が、「これはクライアントにこう説明すればバズる」って交渉してくれる。
いいブレーキ役兼交渉役がいるから、安心して攻めたものを書ける環境なんですよ。
自社アカウントは完全に実験場で、「こういうの書きたいのに」というものを詰め込んで書けるので、楽しいですね。
ネタ選びに独自のルールはありますか?
「1週間ルール」を設けています。面白そうなニュースや社会現象が出た時、すぐには書かない。
1週間様子を見て、まだ話題が続いているようなら普遍性があると判断して書き始める。
以前、流行りのミームをドラマに取り入れたら、撮影して投稿するまでの間にみんな忘れてしまって、
ただ滑っている状態になったことがあって(笑)。それ以来、一過性のトレンドには慎重になりました。
AIへの危機感と、「白川知己が書くから見る」という指名を目指して
最後に、これからの目標を聞かせてください。

チームとしては、企業案件でも数字とメッセージ性の両方を実現し、クライアントさんとの信頼をさらに深めていきたいです。
個人的な話をすると……AIがやばくないですか?
AIが脚本を書き始めたら、僕の立場がなくなる。
今はまだ負けない自信はあるんですけど、10年後どうなってるかは正直怖い。
だからこそ、「白川知己が書くから見たい」と思ってもらえるような作家ブランドを作ることが急務だと思っています。
メディア露出も積極的にやっていきたいです!
令和のクリストファー・ノーランですね!
まさに!クリストファー・ノーランや有名な方のように、
白川知己だから、この動画が見たい!って言ってくださる方ができるようになりたいですね。
広報の一言
白川君は、いつも元気で明るいイメージでしたが、
インタビューを通して過呼吸になるほど自分を追い詰めた経験があり、何度も「伸びなかった」挫折があったことを知りました。
「大賞受賞後に振り返ってみると、無駄なことは一つもなかったと思えるんですよ」と言っていたのが印象的でした。
苦しい経験をしてきたからこそ、人を責めることをしたくない。物語に起伏を持たせたい。視聴者の感情を揺さぶりた。
脚本への向き合い方は、そのままOASIZという会社の文化にもつながっているなと感じました。
自由に書いていい。失敗しても次がある。攻めた企画をプロであるチームが守ってくれる。
そんな環境だからこそ、のびのび自分らしい脚本が欠けてるんだなと。
辛い中でも自分を変えるために、社長に脚本を送りつけて、実力で自分の揺るがないポジションを確率していたのが印象的でした!
▼ポッドキャスト全編
https://youtu.be/yLxtHimYFmM
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