『あんたらしさがなんで弱点なの?』ひとりで観た韓国映画の一言が、50代の私に刺さった
■趣味について
日常的にひとりを楽しむ…というより、気付いたらひとりで過ごさざるを得ない時間ができました。私は何に対しても、熱しやすく冷めやすい。
私の目の前を通り過ぎた趣味は多数あり。
その中でもそこまでお金もかからないものじゃないと、続けられない。
ぴったりな趣味が『映画鑑賞』。私は他人がいると気が散るタイプ。
物語に没頭したいので、好きな人と一緒に見るなんて、今は無理だよなと思うのです。(機会もありませんが)
旅と同じく、その時の感想や忘れられない情景を共有できない寂しさは勿論あります。そんな時は、Filmarks(フィルマークス)というアプリを使って、鑑賞記録を残しています。
そんなこんなして、映画やドラマを一人で楽しんでいます。
■韓国と私
第一次韓流ブームを起こしたヨン様にBIGBANG。
誰の顔もわからない。K-POPにも韓国ドラマにも興味なしだった過去の私。
が、実は韓国語を勉強していた時期があります。
理由は息子の高校受験。受験勉強をしたくない息子に言われた『お母さんは遊んでばかりでずるい』という一言。10年ぐらい前かな?
息子対策で始めた韓国語学習。大して興味もないし、韓国のこと全然知らないし、知っているのは日本でもおなじみになった韓国料理ぐらい。
とりあえず韓国語教室に毎週通って、目標もないのに勉強してました。
韓国語は日本語の文法に似ていることもあり、私でもなじみやすい語学でした。
段々、韓国語に理解が深まると同時に、韓国ドラマや映画に興味が出てきました。韓国ドラマの息子は大体、お母さんに優しい。このあたりから、加速度が増し、遅れてやって来た『マイ韓流ブーム』。
廃人になるんじゃないかというぐらい、観てました。とにかく昔の韓国ドラマ、特に歴史ものは話数が長かった!
結局、韓国語学習は目標がないながらも3年ぐらい続きました。が、その後仕事で英語ができた方がよくなり、英語学習にシフト。韓国語学習まで手が回らなくなり、やめてしまったけど、続けてたらよかったかもなと今更後悔中。←今ここ
■『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』
というわけで、公開されたばかりの韓国映画を観てきました。
原題:대도시의 사랑법
こちら原作があります。
こちら世界三大文学賞の「国際ブッカー賞」や「ダブリン文芸賞」にノミネートされたパク・サンヨンさんのベストセラー小説です。
翻訳は在日コリアン三世のオ・ヨンアさん。
■あらすじ
自由奔放で自分の気持ちに正直に生きるジェヒ(キム・ゴウン)と、ゲイであることを隠して孤独に生きるフンス(ノ・サンヒョン)。正反対な2人は、ある出来事をきっかけに同居生活を始め、お互いにかけがえのない存在になっていく。だが、大学を卒業して社会に出た2人に大きな転機が訪れ、大切な友情に危機が訪れる……。
■キャスト
主演は、『トッケビ』でお馴染みキム・ゴウン。ちょっとした感情表現が可愛いとても魅力的な女優さん。とあるバラエティで歌っているのを観たことがあるのだけど、歌もとっても上手。
彼女が演じた役は自由奔放なフランス帰りの大学生ジェヒ。
毎日クラブ通いして、男遊びもそれなりに。
でも奔放であることは、彼女にとっては盾のようなもの。そうすることで自分の内面を守っているから。だけど、そんな振る舞いはあらぬ噂や中傷にも受けやすい。本当は繊細で傷つきやすいから、傷つかないわけじゃないのに。自分でどうしたらいいのか、分からなくてもがいている女の子。
それがジェヒ。
ジェヒは最終的には素敵な方と結婚したんだけど、そこに至るまでの元カレたちが何とも酷い。とにかく彼女は男性を見る目がない。
これは自分にも当てはまる気がして、こういったところでも胸が痛くなる私。
こんな彼女の良き理解者だったのが、もう一人の主演のノ・サンヒョン。
体格も良く、クールな感じの俳優さん。ゲイのフンスという役でした。
二人は仏文科の20歳の大学生として出会い、そこから33歳になるまでの彼らの友情が描かれています。
当初フンスは親にも、誰にもゲイであることをカミングアウトしていなかった。ひょんなことから、ジェヒにゲイであることを知られてしまう。大学で同級生に公表されそうな時にジェヒにかばってもらう。そこから二人の関係性が深まっていきます。
最終的にジェヒは彼女の良さを発揮して、会社での存在価値を見出したし、そこをかっこいい女性として見てくれる同僚に見初められる。
フンスは本当はそこにいて欲しかった元カレとは上手くいかなかったけど、作家になるという夢に向かって繋がっていく。
二人が二人らしく、それぞれの道に進むところで映画は終わる。
でも、冒頭に結婚式直前の二人が描かれていて、もしかしてこの二人…とラブコメのような始まりなのだ。

ラストが本当にいいシーンだった。
■『あんたらしさがなんで弱点なの?』
ジェヒがフンスにはなったこの一言が、この映画の肝でしょう。
ジェヒは社会人になった後、自分を見失っていく。
誰かの型に当てはまろうとしていく。フンスはそれに気が付いて、自分らしくいた方がいいと言ってくれてた。
こういうことを言ってくれる人、本当に大事だ。
だって、私らしさなんて私が一番わかってないから。
これは50代になってから、やっと気づいたこと。
■私って誰?
どんな人といたら自分が幸せなのか、自分らしくいられたのか、私はわからなかった。
見せかけだけの楽しさに憧れた。
そこにいることが幸せだと思っていた。
いやいや違うんだ。
私が好きなもの。嫌いなもの。
何が得意で、何が苦手か。
どういう行動をしがちなのか。
ダメなところもひっくるめて、私を理解してくれて、あるいは理解できなくても、そういう人なんだと理解する気がある人。
エンドレスで世間話ができる人と過ごしたかったんだ。
子育て時代は自分のやりたいことなんかよりも、子どもの命を守ることに夢中で何がしたいかなんて考えたこともなかった。
考えてたのは子どもがしたいことをしたいようにするにはどうしたらいいのかだけ。
自分が空っぽの人間だったことに愕然とした。
もう50代と捉えるか、まだ50代なのか。
今から友だちを作ることは難しいし、何より面倒くさい。
戸籍上の夫はいるけれど、一緒には住んでいない。
彼ともどうしたらいいもんか。
自分らしさと向き合う50代。
という余韻を残した映画でした。
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