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お蕎麦のガチ比較。十割と二八それぞれの太さとか味わい方とか。

妻が帰省中の独身モード。
そして、土曜日。

昼まで泥のように眠り、
昼から風呂に入り、
酒を飲み、
猫と戯れる。

ああ、まるで貴族だ。

お腹が減ってきた。
さて、何を食べよう。

そうだ。
家族がいたら食べないようなご飯。
貴族の遊び。

それは、乾麺蕎麦のガチ食べ比べ。

戸棚には二八そばが二種類、十割そばが二種類。
このチャンスを待ち構えていたみたい。

四天王が僕の前に立ちはだかった。

四天王を紹介しよう。

【二八そば】
1.ライフプレミアム 信州戸隠 二八そば
2.二八の極み 戸隠そば
【十割そば】
3. BIO-RAL 国産有機十割そば
4. 滝沢更科 十割そば

これらを茹で、
塩、つゆ、そしてわさびで食べ比べる。

やることは単純だが、
こういうのは真面目にやるほど楽しくなる。

まず、今回の比較でかなりはっきり出た結果。
・二八は喉越しが滑らか
・十割は、塩で食べた時の風味が良い
・麺の太さは十割の食感に影響力大
・わさびは、塩だと支配的、つゆだとまとまる

順に見ていく。

■ 第1ラウンド:二八対決

(ライフプレミアム vs 二八の極み)
まずは二八どうし。
ライフプレミアムの方は、四角くて太い印象。
噛んだ時に食感が強く、単体で食べても印象に残る。麺を食べている感覚が強い。

一方、青袋の二八の極みは、より滑らかで、平たくて薄さのようなものを感じる。
こちらの方がよりなめらかで、つゆを含んだ時にまとまりがよい。
(ちなみにこれ、DEENの池森さんプロデュース)

この比較では、蕎麦は喉越しという言葉は二八寄りの感覚だと実感できた。

明らかに二八の喉越しは良い。

つるっとしていて、抵抗が少なく、
するすると入る。

しかし、蕎麦の風味はどうか?
2つとも香りがすることはする、位。

十割と比べてみよう。

■ 第2ラウンド:十割対決

(BIO-RAL vs 滝沢更科)
次は十割。
まず、塩で食べたときの華やかな香りがやはり十割はすごかった。二八とかなり違う。
つゆよりも塩で食べた方が麺そのものを味わいつつ食感や香りの立ち方の違いを楽しめる。

BIO-RALは、細い。
噛んだ瞬間、束がほどけるように弾けて、香りが同時に放たれる。食感と香りが一斉にやってくるような感じ。
(これだけ島根県産の蕎麦。他は長野。)

対して、滝沢更科は太い。
太さがある分、食感が安定していて、しこしこブツブツと噛みごたえが出る。十割なのに、ちゃんと麺としてコシのようなものを感じる。

ここでかなりはっきり見えたのは、
十割だと太さでかなり性格が決まること。

細い十割は、ポソポソ食感と香りが同時に複数破裂するので、口の中の感覚を支配しやすい。
太い十割は、一本が太いぶん破裂の数は少ないけど一発が強い。香りと噛みごたえを力強く別々に感じられて楽しい。

二八は純粋に香りを楽しむというよりも、つゆと合わせた時の総合力で評価するべきなんだろう。
対して十割は、まずは塩で食べて香りの出方を楽しんで、つゆとの付き合い方を測るのがいい。

■ 第3ラウンド:太い蕎麦対決

ライフプレミアム二八 vs 滝沢更科十割

ここで、十割と二八両者の太めを選び比べる。
塩とつゆに加え、わさびを追加した組み合わせ。

まず、塩。

ライフプレミアムと滝沢更科を塩だけで比べれば、圧倒的に香りは十割の滝沢。ふわっと華やかに鼻から抜ける。ただ、つるっとした食感はやはり二八に譲る。

次に、つゆを比べる。

そばつゆの風味で香りが乗るから、二八はつゆで完成する。つゆの風味と、つるりとした食感だけでも十分に美味い。

それと比較すると十割は太さに応じてつゆの付け方で風味の活かし方も変わってくるので、少し繊細だ。

ここまでは予想通りだが、
わさびを使うとどうなるのか。

結果としては、
塩わさびで両者を食べ比べるも、
わさびで蕎麦の香りが上書きされてしまった。

もっと相乗効果的になるかと思ったけど、乾麺程度だと全然わさびの方が強い。

そうすると、残った食感だけが評価対象になってしまう。その結果、十割のボソボソ感が目立つ。

これは少し驚いた。
塩で食べれば素材の差が分かるものだと思っていたけれど、わさびと合わせる時は塩だとわさびが際立ちすぎて、違いがわかりにくい。

次に、つゆ+わさびにする。
すると、蕎麦の風味がわかる程度に落ち着く。

つゆには旨味と塩気と甘みがあり、わさびをとくと香味が水分で若干抑えられ、アクセントに下がる。その結果、蕎麦の香りとの相乗効果が出やすいみたいだ。

小皿に塩とわさびをちょんと。

整理すると、
・塩わさび = わさびの風味が支配的。
・つゆわさび = チームワークで相乗効果。

というわけで、これは面白かった。
わさびは何にでも足せばいいわけではなく、
複雑に立ち位置でキャラ性が変わるみたいだ。

ここまでで思ったのは、
蕎麦は単一の基準の食べ物ではないみたい。

二八は、喉越しを武器に他要素で完成する麺。
十割は、要素を最小限に絞って風味で殴る麺。

塩だけで食べれば風味を最大限に味わえる。
つゆは、風味と旨みを補って蕎麦を料理にする。
わさびは、さらにつゆの風味を引き立てる。

同じ蕎麦でも、
何と合わせて食べるかで全然違う。

蕎麦は喉越し、蕎麦は香り、と一概に括るのはナンセンスで、二八と十割の食べ方で別の真実を探索できるということなのだ。

独身モードの静かな夜。

蕎麦を並べて、塩をつまみ、つゆをすする。

わさびで鼻をつーんとさせながら、二八と十割のそれぞれの楽しみ方を考案した人々の事を考えていた。

こういう、
誰に頼まれたわけでもない無駄な時間。
鍋とか茹で時間の管理は面倒くさかったけど、
それでもすごく有意義に過ごせた。

ダイパやコスパもいいのだけれど、
こういう時間があるからこそ、
人生は楽しいのだと思う。


今日の一句
塩わさび 通ぶるつもりが 味の迷子に

おまけ
今回使ったつゆのひとつは
ヤマエの「高千穂峡つゆ あごだし」。
宮崎のもので、甘みがあって美味しい。
(もうひとつは創味の麺つゆ)

前回のフンドーキンの醤油といい、
西日本の甘い調味料には独特の引力がある。

……しかし、こんな一人遊びに没頭しているから、いつまで経ってもたまってる記事が書き上がらないんだろう。

でも、
この実験のおかげで、次に手打ち蕎麦屋に行く楽しみが増えた。そう自分を納得させて寝るのだ。

さあ、もう家族が帰ってくる。
またいつものように、ご飯を炊こう。

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