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鳥との暮らし10年をSNSで振り返る

今年の夏、鳥をお迎えして10年になることに気づきました。特別なお祝いはしませんでしたが、ささやかな贈りものとして、鳥の好きなバナナを献上しました。

頬が赤く、頭にツノのような羽を持つ我が家の鳥は、一般的に「オカメインコ」と呼ばれています。現在10歳。人間でいえば私と同じくらいの中年期で、そろそろ落ち着いてもよい年齢ですが、今日も朝から奇声を上げ、大好きな紙を追い回していました。

10年を通して、変わらない面もあれば、少しずつ変わっていった面もあります。その中で、飼い主として胸が締めつけられる思いをしたのが、二度の入院でした。

7歳(2022年)と9歳(2024年)のとき、どちらも「ごはんが食べられない」症状が見られ、病院で入院を提案されました。「もしものとき」が書かれた入院案内に同意のサインをしたとき、最悪のことを考えないよう努めても、心は押しつぶされそうでした。

幸い大事には至らず、今の鳥は必要以上にごはんをねだったり、羽繕いをしてほしいときにはしっかりアピールし、私の歯みがきに合わせて音真似をするなど、元気に楽しく毎日を過ごしています。

この記事は、SNSの投稿をもとに、鳥との10年の歩みを振り返ったものです。まとまりのない内容ではありますが、鳥のかわいい写真や、感情豊かで我の強い、ユニークなエピソードを楽しんでもらえたら嬉しいです。

最後に、二度の入院を通して学んだ「鳥の健康管理」についてまとめました。



鳥との暮らし 10年の記録

お迎えから現在まで、10年間の歩みをざっくりまとめるとこんな感じです。

お迎え・健康診断クリッカートレーニング(2015)
音真似・いたずら・水浴び(2016-2019)
リモートワークと同僚(2020-2021)
入院(2022)
カレンダーに夢中(2023)
再び入院・環境の見直し(2024)
箱のある日常(2025)

それでは当時の様子を年ごとに振り返っていきます。


2015年

8月1日、インコ・オウム専門店「こんぱまる池袋店」で、鳥と初めて対面しました。差し出した指に乗ってきたり、肩に飛んできたりと、最初から人懐っこさを見せてくれました。写真を見返すと、止まり木にはまだ不慣れな様子がうかがえます。

初めての対面から3週間後の8月22日。ひとり餌になってから1〜2週間ほど経ち、自力で生きていけるようになった頃、我が家にお迎えしました。

環境が変わっても食欲は落ちず、私の膝の上で眠ったり、ほくろをついばもうとしたりと、警戒心よりも好奇心が勝っている様子でした。

「おとなしくて、全然鳴かない」と店員さんから聞いていた鳥が、大きく羽を広げてカッコつけたり、鳴いてさみしさを伝えたりと、豊かに意思表示をするようになったのは、嬉しい驚きでした。

お迎えから2週間後の9月4日には、プラケースから鳥かごへ引っ越し。止まり木に止まらせてみると、「これ、いいかも」と言いたげな表情を見せてくれました。

続いて経験したのは、健康診断。かかりつけ医による定期的な健診は、今も鳥の健康管理に大いに役立っています。

クリッカートレーニング教室にも参加しました。この頃からすでにクリッカーを使ったコミュニケーションを行い、「いいね」を共有できていたことに、今回の振り返りで気づきました。

また、0歳にして早くも発情行動が見られ、鳥は人間よりも早く大人になるのだと実感しました。お迎え当初は不明だった性別が、オスであることも判明しました。


2016年

2016年は、鳥の音真似のレパートリーが一気に広がった年でした。舌打ちのように聞こえた音が、実はクリッカーの音真似だったと気づいたのが始まりです。

悔しそうな声に聞こえたのはファスナーの音、警戒音に思えたのはキッチンタイマーの音。さらに、歯みがきやうがいの音、カメラのピント音、食器を置く音なども真似し、鳥がどんな生活音を再現しているのかを考えるのが、私の楽しみのひとつになりました。

クリッカーを通じて、鳥との遊びもぐんと広がりました。私が腕を広げると一緒に羽を広げて「バンザイ」をしたり、人差し指を差し出すと足で「ハイタッチ」をしたり。腕に飛んでくる「鷹匠ごっこ」もできるようになりました。筒を三つ並べて合図したものを潜る遊びでは、待ちきれずに好きな筒へ潜ってしまうこともあり、その自由さがかわいらしかったです。

今はクリッカーを使っていませんが、こちらの意図を汲んで行動できたときには、ご褒美のシードで「いいね」の気持ちを伝えることを続けています。

中でも助かっているのが体重測定です。キッチンスケールを人差し指で軽く叩くと自ら乗り、手のひらをかざすと「待て」ができ、体重が測れるまでじっとしてくれます。落ち着きのない性格で、最初は「待て」が難しかっただけに、今の姿はとても頼もしく感じます。

この年は、初めてペットホテルを利用しました。4泊5日のシンガポール旅行の間、鳥をお迎えしたインコ・オウム専門店「こんぱまる池袋店」に預けました。

戻ってきたとき、どこかよそよそしい態度に少し悲しくなりましたが、歯みがきのときに私と同じ音を楽しそうに真似し、うがいの音まで再現してくれたので安心しました。

SNSでは、水浴びに目覚めた鳥が、全然水浴びできていない動画が少し話題になりました。


2017年

2017年は、鳥の音真似がさらに進化しました。私の行動を観察し、次に起こる生活音を先回りして再現する、いわば「未来予測の音真似」をするようになりました。

キッチンにいる私の姿が見えなくても、お湯が沸く音から「次は茶筒を開ける」と予測し、私が手を伸ばす前にその音を真似したり。サコッシュやポーチのファスナーも、開ける直前に先取りして鳴くようになりました。音の流れを順序立てて記憶し、タイミングを測って再現するその知性には、感心させられました。

また、笑い声や咳、くしゃみ、歯みがきの音など、私の口から出る音もよく真似してくれました。ただし言葉には興味を示さず、あくまで音そのものを楽しんでいる様子です。人間がわざわざ真似しないような音に注目し、それを再現するところに、鳥ならではのユニークな感性を感じました。

私にとっても成長の年となりました。これまで苦手意識のあった「鳥の爪切り」が、自分でできるようになったのです。

鳥の首を人差し指と中指で挟み、保定しながら爪を切るとき、呼吸はできているとわかっていても、嫌な思いをさせてしまうことに抵抗がありました。嫌がることをすると鳥に嫌われるとも聞いていたため、なかなか踏み切れずにいました。

実際に切ってみると、全身全霊で嫌がられ、ヒヤヒヤしましたが、切り終えても鳥の態度は変わらず、よそよそしくなる様子もありませんでした。その穏やかな反応に、ほっとしました。

この年は、6泊7日のサンフランシスコ出張があり、鳥を再びペットホテルに預けました。移動のタクシーでは、運転手さんに「かわいいと思ったけど、よく見るとかっこいいね」と声をかけられ、誇らしい気持ちになったのを覚えています。

半年ごとの健康診断では、鳥がときどき気にしていた足輪を外してもらいました。身軽になったのがうれしかったのか、受付のお姉さんが笑い出すほどハイテンションで戻ってきました。

水浴びのスキルは、恐る恐る水に浸かりながら、少し上がったようでした。


2018年

2018年は、壁を齧るという問題行動が目立ち始めました。レシートで遊ぶふりをして壁に近づき、こっそり齧ったり、私がプランクチャレンジで動けないときを狙って齧りだしたりと、まさに知能犯でした。

さらに「壁」だけでなく、「紙」にも強い執着を見せました。封筒やはがきは餌食となり、齧られたまま郵便局に出してしまったこともあります。

私が用意した鳥のおもちゃには見向きもせず、紙ばかりを夢中で追いかけます。大声をあげながら駆け回る姿に「静かにしてほしい」と思うこともありましたが、「大声で騒ぐことの楽しさ」を教えられた気がしました。

この年は、4泊5日の香港旅行があり、再びペットホテルにお世話になりました。ホテル生活に慣れたのか、鳥は少し太り、ほかの鳥の影響で鳴き声もほんのりハスキーになって帰ってきました。

水浴びには大きな変化がありました。これまでに見たこともない勢いで水浴びをするようになり、撥水加工のきいた羽も、しっかり濡れるようになりました。


2019年

2019年は、鳥がさまざまなものに興味を示す姿が、写真に多く残っていました。机の上に何かを置いては、鳥がやってくるのを楽しみに待っていた記憶があります。

一方で、いたずらの度合いも増していきました。壁を齧るだけでなく、机の上の物を落としたり、鳥かごの水をひっくり返して床を水浸しにしたり。服を齧って穴を開けたこともありましたが、問いただすと目を細めて嬉しそうにするので、つい許してしまいました。

この年は、ASMRが流行しました。生活音に注目する人が増えたのですが、鳥もそういった音が大好きで、歯みがきの音や米を研ぐ音など、シャカシャカとした音に合わせて縦ノリする姿がよく見られました。

水浴びについては、相変わらず少しビビりながらも、羽を広げていました。


2020年

2020年は、新型コロナウイルスが世界的に流行した年でした。

緊急事態宣言を受けてリモートワークへ移行し、オンライン会議の最中に鳥が鳴いて参加してくることもしばしば。いつのまにか、勤務中もそばにいるのが当たり前になっていきました。

この頃から、鳥のことを「同僚」と呼ぶようになりました。

お昼ごはんも自炊に切り替わり、その様子を鳥が興味深そうにのぞきにくるのが、いつもの光景となりました。

社内でも「同僚」を紹介する機会がありました。小さな輪をくわえて棒に通す「輪投げ」や、3本並べた筒のうち叩いたものをくぐる「輪くぐり」など、クリッカートレーニングの成果を動画で共有すると、思った以上に関心を持ってもらえました。

水浴びも上達し、羽をしっかり濡らせるようになるなど、着実な成長が感じられた年でした。


2021年

2021年も、変わらずリモートワークの日々でした。鳥もそんな毎日にすっかり溶け込み、「同僚」としてのポジションを着実に確立していました。

そんな同僚のお気に入りの場所は、なぜかキッチンの冷蔵庫の上。行きたくなるとドアの方を向いて鳴いたり、近くのインターホンに無理やり止まってアピールしたりと、自己主張の方法もますます巧みになっていきました。どうやら冷蔵庫の上でくつろぎたいというより、「人間を動かす」こと自体を楽しんでいるようでした。

仕事中もその存在感は健在で、私の膝の上でくつろいだり、書類を細かくしてシュレッダー業務に励んだり。カロリーメイトの箱を立てて遊ぶ姿など、一日中一緒にいたからこそ撮れた写真や動画が残っていました。

一方で、身だしなみを整えるための水浴びでは、羽があまり濡れていない写真が多くなっていました。気温や気分の加減で、控えめに済ませる日も増えていたのかもしれません。


2022年

2022年は、健康優良児だった鳥が体調を崩した年でした。

9月1日の夕方、寒暖差でぐったりしていた私が目を覚ますと、鳥がこちらに気づき、上体を倒して羽を少し広げ、「ジョー」と可愛らしい仕草を見せてくれました。けれど、本当に調子が悪かったのは鳥の方でした。

ごはんをあげる前に体重を量ると、通常95gの体重が90gを下回っていました。シードを口にしても頭を振って吐き出し、やがて食べなくなりました。診療時間外だったため、症状をインターネットで調べながら、不安な気持ちで見守るしかありません。体力を奪わないよう鳥かごに戻し、おやすみカバーをかけて休ませました。朝には回復していることを願いながら、眠りにつきました。

翌朝、かかりつけの鳥の病院に連絡し、すぐに受診。レントゲンでは異物の誤飲は見られなかったものの、排泄がうまくいっていない可能性があるとのこと。体力を維持するため、点滴と流動食による治療が始まり、そのまま入院することになりました。入院が必要なほどの状態なのに、診察室を後にするときの鳥は、プラケースの中でいつもと変わらない様子でした。

その日の夕方、電話で様子を確認すると「フンが出ました」との報告。回復の兆しを聞いた瞬間、ほっとして泣き出してしまいました。

実は、鳥をお迎えした理由は、明るいものではありませんでした。今回の入院をきっかけに、かつての取り返しのつかない出来事を思い出し、自責の念に押しつぶされそうになりました。泣きじゃくる私に優しく対応してくださった病院の方には、この場を借りてお詫びと感謝を申し上げます。

それからは毎日、指定された時間に電話で容体を確認しました。少しずつ体重が戻り、吐き戻しもおさまり、顔のツヤも回復。5日目には自分でシードをついばみ、7日目には「ごはんもよく食べて、歌っています」との報告がありました。

8日目には、給餌も点滴もなく、自分の力で食べられるようになり、体重も安定。医師からは「明日、問題がなければ退院できます」と伝えられました。

入院9日目の朝、体重は86g。医師の指示で、退院後はオーツ麦だけを与え、プラケースの中で静かに過ごしてもらいました。床に散らばったオーツ麦をついばむいつもの姿を見て、心の底から安堵しました。

入院期間は8日半。点滴と流動食で体力を支えてもらいながら、少しずつ自分でごはんを食べたり、水を飲んだりする力を取り戻していきました。

入院中は、一日一回、決まった時間にその日の処置内容や体調を電話で確認できる仕組みがあり、活用しました。直接会えない不安はありましたが、回復の様子を日々知ることができ、安心につながりました。

退院時には、胃腸を整え排泄を促す粉薬を10日分処方されました。飲み水に混ぜて与えるタイプで、無理なく服薬。ただ、いたずら好きな性格のため、水入れをくちばしで持ち上げて遊び、プラケースの中が水浸しになることも。敷いていた紙を何度も取り替える一幕もありました。

退院から1週間後、経過観察のため再び受診。薬の量を減らしてさらに様子を見ることに。少しずつ元の生活に戻しながら、薬の量が減っても体調が安定していることを確認し、プラケースから鳥かごへと生活の場を移しました。

さらに2週間後、再度経過観察で受診。体調に問題がないことを最終確認し、ようやく鳥も私も、通常の生活に戻ることができました。

入院から完治まで、およそ1か月半。治療費は合計で約5万円でした。

今回のことで改めて感じたのは、オカメインコには「体調の悪さを隠す」習性があるということです。生き抜くための知恵として、捕食される立場の彼らは弱っている姿を見せません。

だからこそ、日々の行動や体重の変化に気づくことが、早期発見につながります。今はまた、元気に羽繕いをする姿が見られる日常に戻れたことに、ただただ感謝しています。


2023年

2023年も、鳥がさまざまなものに興味を示す様子を収めた写真が多く残っていました。

特にカレンダーを壁に飾ったところ、鳥がすっかり気に入り、そばを離れようとしない姿が印象的でした。紙が好きな鳥にとって、複数の紙が重なり合ったカレンダーは、とても魅力的な存在だったようです。

一方で、水浴びはしなくなってしまいました。昨年の引っ越しによる環境の変化が影響したようです。

新しい洗面台で何度か試みたものの、すぐにリビングへ飛んで戻ってしまい、どうにも落ち着かない様子でした。病院の先生から「水浴びは必須ではない」と聞いていたため、また気が向いたときにできればいいかなと思っています。

羽繕いは毎日欠かさず行っており、相変わらずふわふわと美しい羽を保っています。自分の力だけでこれほどの美しさを維持していることに、改めて感心させられます。


2024年

2024年は、再び鳥が体調を崩した年でした。

5月25日。いつも通り起床し、シードをあげると、鳥が頭を上下に振って吐いていることに気づきました。消化の良いオーツ麦や、好物のバナナを与えると少し口にしたものの、その後は食べなくなりました。

思い返せば、おやすみカバーを外した瞬間、シードがパラパラと床に落ちました。起床前にも「ポロポロ」という音が聞こえていました。昨夜から体調が悪かったかもしれないと思うと、気持ちが曇りました。

かかりつけの病院に電話をして症状を伝えると、すぐに受け付けてくれました。病院に着くまでの間に2回吐き、不安が募りました。

レントゲンを確認すると、2年前より砂肝の砂が増えていました。嘔吐の原因は、砂肝に砂(グリット)が過剰にたまる「グリットインパクション」の可能性が高いとのことでした。

2年前にも「砂肝の砂がやや多め」と指摘を受けていたため、それ以来、ボレー粉は与えていませんでした。ボレー粉は、カキや貝殻を細かく砕いて作られた「消化を助ける砂」のようなもの。本来は必要な栄養補助材ですが、摂りすぎると砂肝に砂がたまり、体調を崩すことがあります。

慌てて与えていたシードミックスの原材料を確認すると、「ボレー粉」との記載がありました。大した量ではないと思い、そのまま与えてしまったことを悔やみながら、入院の書類にサインして帰宅しました。

入院後は、点滴と流動食による治療を開始。吐き気は少し落ち着いたものの、シードは食べず、黒いフンが出ており、胃出血の可能性があると伝えられました。

5日目には吐き気が治まり、6日目にはシードを少しつまみ始め、ようやく回復の兆しが見えてきました。

入院8日目。面会に行くと、プラケースの中をうろうろ歩き、よく鳴いていました。流動食で顔や尾羽が汚れており、見ていて胸が痛みましたが、それでも元気そうな様子に安心しました。

その後も少しずつ快方に向かい、10日目には流動食を卒業。点滴のみで体調を維持できるようになり、翌日には点滴も不要に。入院12日目、10日分の薬を受け取り、無事に退院しました。

退院後はプラケースの中で静かに過ごしながら、体重と体調の確認を続けました。通院を重ねて薬の量を少しずつ減らし、徐々に元の生活へ。完治まで、約1か月半。治療費は合計で約5.7万円でした。

今回の入院で印象に残っているのは、面会時の待合室でのことです。複数の鳥の鳴き声が飛び交う中、「あの声はうちの鳥だ」とすぐにわかりました。ペンギンが何千羽もの群れの中から我が子の声を聞き分けるという話を聞いたときは「すごいな」と思っていましたが、実際に経験してみると、確かにわかるものだと実感しました。

2年前と同じように、今回もまた「体調の悪さを隠す」鳥の習性を思い知らされました。弱っている姿を見せない彼らだからこそ、日々の小さな変化を見逃さないようにしなければと感じました。

退院後も、ごはん前の体重測定はこれまで通り継続。また、体調を崩したときに見られた「羽繕いをしない」「一か所でじっとしている」といった兆候を意識的に観察するようにしました。

体調の変化に早く気づくだけでなく、不調の原因そのものを取り除き、安心して過ごせる環境を整えることにも取り組みました。今回の一因と考えられるボレー粉の摂取を防ぐため、ボレー粉を含まないシードミックスに切り替えました。

栄養面では、本来は総合栄養食であるペレットが理想的ですが、味が気に入らないようで、何度試しても食べてくれませんでした。そのため、シード中心の食事を続けつつ、不足しがちなビタミンやミネラルはサプリメントで補っています。

また、時折、鳥かごの柵を咥えてじっとしている様子が見られたため、念のためホワイト塗装の鳥かごから、安全性の高いステンレス製に変更しました。最初は警戒してなかなか入ろうとしませんでしたが、数日で慣れ、自力で出入りできるようになりました。


2025年

2025年は、「箱のある日常」がすっかり定着しました。

鳥に箱を与えることには、メリットとデメリットがあります。メリットは、鳥が段ボールに夢中になることで、「もっと食べたい」といったアピールや、壁を齧るなどの問題行動が減ること。デメリットは、箱の素材を齧ったり、巣箱とみなして親心が芽生え、少し攻撃的になることです。

育児中に、子どもにスマートフォンを与えるのは良くないとわかっていても、親としては助かる。その関係に少し似ているかもしれません。箱があることで、お互いの距離がほどよく保たれているように思います。

そのお気に入りの箱を、鳥は時々床に落とします。人間の感覚では「大切なものは丁寧に扱う」ものですが、鳥にとっては落とすこと自体が楽しい遊びのようです。床に落ちた箱を戻すと、満足そうな顔をするので、つい許してしまいます。

ときどき、安部公房の小説『箱男』を思い出します。箱にこもり、覗き窓からこちらをうかがう鳥の姿は、小さな箱男のようでした。

毎日のルーティンである羽繕いや音真似も健在です。私が食べているものに興味を示し、肩に飛んできては、食べている間じゅう鳴き続けることもあります。

印象的だったのは、不知火を食べているときのこと。「おまえ、いいもの食べているな。いいもの食べているな。でもおれはいい。おれはいい。おまえが全部食べろ。食べろ。食べろ」そんなふうに話しかけられているようでした。

肩に飛んできては実況のように鳴き声を添えるのに、いざ実を差し出すと、なぜか警戒して食べません。その予測できないところが、いかにも鳥らしいなと感じています。

半年に一度の健康診断も継続しています。

病院では、人一倍不平不満の鳴き声をあげるので、自然と声をかけられます。待合室で「かわいいかわいい」と言われ、立ち寄ったテイクアウト店でも「かわいいかわいい」と言われて、本人に伝わっているかはわかりませんが、ずいぶんチヤホヤされて帰ってきたこともあります。

2025年10月末現在。急に冷え込み、社内でも体調を崩す人が増えてきましたが、鳥も私も元気に過ごしています。このまま、健康に気をつけながら、穏やかで楽しい日々を重ねていけたらと思います。


鳥の健康管理

ここで紹介するのは、10年間の暮らしと、二度の入院を通して学んだ「鳥の健康管理」です。鳥の医療に関して専門的な知識はありませんが、一般の飼い主として、日々の生活の中でできることをまとめました。

大切なのは、「病気を防ぐ」「変化に気づく」「すぐに動く」この3つを意識しておくことだと思っています。

1. 病気を防ぐ(予防)

人間の健康管理の基本が「食事・運動・睡眠」だとすれば、鳥も同じです。健康を維持するためには、飼い主がこの3点を意識して整えてあげることが大切だと思っています。

1-1. 食事
鳥も人間と同じく、タンパク質・脂質・炭水化物に加えて、ビタミンやミネラルをバランスよく摂ることが欠かせません。本来は総合栄養食であるペレットを食べてくれるのが理想なのですが、うちの鳥はどうしてもシード派。そこで、不足しがちな栄養素はサプリメントで補っています。

また、体調を崩した原因のひとつと考えられる「ボレー粉(貝殻の粉)」の摂りすぎを防ぐため、現在はボレー粉が含まれていないシードミックスを使用しています。そのミックスにはオーツ麦が入っていないため、別でオーツ麦も購入して混ぜています。

市販のシードには、脂質の多いひまわりの種など、健康上あまり望ましくない原料が含まれていることもあります。以前、病院の先生から「オカメインコには脂質が多すぎる」と教わって以来、ひまわりの種は与えないようにしています。

また、果物や野菜も時折あげています。最近は小松菜よりも、バナナや柿などの甘いものを好むようになり、味の好みがはっきりしてきました。にんじんやブロッコリーの茎もお気に入りです。

一方で、アボカドやチョコレートなど、鳥にとって有害な食べものは誤って口にしないよう注意しています。

詳しく知りたい方は、獣医師監修の専門書YouTubeチャンネルなどを参考にされるとよいと思います。

1-2. 運動
運動については、日々の暮らしの中で自然にできているようです。ごはんをあげる前に体重を測ることを習慣にしており、鳥かごと測定場所のあいだを飛んで行き来するため、ちょっとした運動になっています。

普段からよく飛び回り、元気いっぱいです。自然の中で暮らす鳥たちほどではないにしても、日々の暮らしの中で無理なく体を動かせている印象があります。

1-3. 睡眠
睡眠についても、日が暮れると自然に静かになり、夜はおやすみカバーをかけて眠っています。このカバーはあまり好きではないようで、かけると怒ることもありますが、寒い季節は防寒も兼ねて使っています。

眠っている姿は見えませんが、朝になるとカバーの中から元気に鳴いてアピールしてくるので、しっかり眠れているようです。

2. 変化に気づく(観察)

1回目は体重の減少から、2回目は実際に鳥が頭を上下に振って吐いている様子を見て、異変に気づきました。どちらのときも、見た目にはそれほど体調が悪そうには見えませんでした。

鳥は羽毛で覆われているため、顔色の変化や皮膚の状態など、人間なら見てわかるような体調のサインに気づきにくい生きものです。

さらに、捕食される立場にある彼らには「体調の悪さを隠す」習性があります。具合が悪くても、いつも通りに振る舞うことが多く、見た目だけではなかなか気づけません。

加えて、体が小さく代謝が早いため、わずかな不調が急に悪化することもあります。

だからこそ、「定量的」「定性的」両方の観察を通して、わずかな変化も見逃さないように努めています。

定量的な観察は、体重測定です。ごはんをあげる前に、毎回キッチンスケールで体重を量ることを習慣にしています。スケールを軽く叩くと鳥がやってきて、測定が終わるとシードをご褒美にもらう。そのやりとりは、日々の大切なコミュニケーションにもなっています。

定性的な観察では、体調を崩したときに見られた「羽繕いをしない」「鳴かない(大人しい)」「一か所でじっとしている」といった行動を意識的にチェックすることです。加えて、フンの状態も日々確認しています。

また、日々撮った写真やSNSの投稿を見返すと、当時好んで食べていたものや、日中の過ごし方、羽のツヤなど、思わぬ「健康の記録」になっていることがあります。

毎日の観察は、早期発見のいちばんの近道であり、その積み重ねこそが飼い主が示せる確かな愛情なのだと思います。

3. すぐに動く(治療)

どれだけ「食事・運動・睡眠」の環境を整えていても、体調を崩すことや、思いがけない事故が起こることがあります。だからこそ、もしものときに慌てず行動できるよう、あらかじめ備えておくことが大切です。

まずは、信頼できる動物病院を見つけておくこと。日頃から通って関係を築いておけば、急な体調不良の際にも落ち着いて相談できます。

私は半年に一度、健康診断に通うようにしており、体調を崩したときも同じ病院で診てもらいました。おかげで10年分のカルテが積み重なり、日々の変化を継続的に見てもらえています。

定期的な通院の習慣は、自然と「いざというとき」の準備にもつながります。病院までの移動に必要なキャリーケースやバッグを整えておくことで、迷いなく動けます。たったそれだけでも、もしものときの安心感がまるで違います。

「何か起きてから考える」のではなく、「いつでも動ける状態にしておく」。
その心構えこそが、鳥にとっても、飼い主にとっても、いちばんの支えになるのだと思います。


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