田中康雅さんセミナー参加記:「B型事業所の営業って?」利用者として知れたこと、感じたこと
福祉の裏側を聞いて、ちょっと行動してみた記録。
6月27日に下高井戸で行われたパパゲーノの代表、田中康雅さんの「就労Bの生産活動 企業向け営業の実践事例」に参加してきました。
「B型事業所の営業って、どうやって仕事をとってくるんだろう?」
これは、利用者としてずっと抱えていた疑問でした。
支援者の方々がどんな工夫をして、どんな戦略を立てて、現場を支えてくれているのか──
その一端を、今回のセミナーで初めて垣間見ることができ、とても新鮮な気持ちでした。
田中康雅さんのお話は、率直でリアルで、でもとても希望に満ちていました。
特に心に残ったのは「とにかく人と会う」「まずは相手にGIVEする」「小さな約束を絶対に破らない」といった、信頼を積み重ねる営業の基本姿勢。
B型事業所の枠を超えて、個人としても大切にしていきたい在り方だと感じました。
私は今、別のB型事業所でデザインのお仕事をさせていただいています。
チラシづくりなどにとどまらず、ヒアリングに同行させてもらったり、事業所内でのデザインミーティングにも参加させていただいていて、「チームの一員である」という感覚はすでに少しずつ持ち始めていました。
それでも今回、あらためて「当事者の関わりが、もっと可能性を持って広がっていけるかもしれない」と感じることができました。
こちらのセミナーはB型事業所の支援員さんや事業所運営者の方向けで、私のような利用者が参加するのは完全に場違いだとわかっていました。
申し込んでよいのかとても悩みました。
でも、受け入れていただけたことに感謝しています(申込フォームの参加する方の属性に『障害当事者』があって非常に安心しました)
そしてこの経験を機に、以前から興味のあった「note」での発信を始めてみることにしました。
小さな一歩ですが、何かを届けること、繋がること、そういう活動を少しずつ形にしていけたらと思います。
セミナー終了後、懇親会にも参加させていただきました。
会場は鳥貴族。じつはこれが人生初めての鳥貴族です。
私は片耳が聞こえず、聴覚過敏もあります。
周囲のざわめきの中で特定の声を聞き分けるのが難しく、居酒屋など賑やかな空間はとてもハードルが高い場所です。
けれど「懇親会があるなら、参加してみよう」と決めていました。
セミナーだけでは聞けない、もっと深いお話ができるかもしれないと思ったからです。
実際、とても貴重な時間になりました。
福祉の現場で働いている方々がどんな課題を感じ、どんな工夫をしているのか、さまざまな立場からのお話を伺うことができました。
ひと口に「福祉」といってもさまざまなので、異なる視点からの語りにふれることで、多くの学びと刺激を得られました。
おひとりおひとりの発言に「この分野をなんとかしたい」という想いがにじんでいて、とても刺激を受けました。
注文はタブレット端末で。そんな些細なことにも「おおっ」となってしまいます。数年ぶりの外食、非日常な時間。
パパゲーノのスタッフさんをはじめ、自然に声をかけ合い、テンポよく注文してくれて、本当にありがたかったです。
なかでも田中康雅さんが釜飯を分けてくださったことには、思わず感激してしまいました。
写真に撮っておかなかったのが痛恨の極みです。
──ただ、楽しかった時間の代償もありました。
音の負荷や興奮、疲労が重なって、帰りの電車では体調が大きく崩れてしまいました。
乗り換えあたりから手足がしびれはじめ、ぐらぐらと頭が揺れる感覚。
ついには電車のドア横にしゃがみこんでしまいました。
覚悟はしていましたが、帰宅までもちませんでした……
ヘルプマークをつけていたからか、誰も声をかけずにそっとしておいてくれたのがありがたかったです。
端の席が空いたとき、誰もすぐに座らず、私が座れるように配慮してくださったように思います(その場にいる人によりけりなのは承知しています!)
座れたことで、少し落ち着くことができました。
帰宅してからも、足の震えや耳鳴りがしばらく続きました。
あれは熱中症の一歩手前だったのかもしれません。
正直、限界を超えると分かっていて「無理をする日」と決めて臨んだ一日でした。
でも、そのぶん得たものも大きかったと思っています。
ふと、帰り道に「鶏貴族の食べ放題2時間って、私の月の工賃の何割だろう」と考えてしまいました。
もちろん、考えないようにしたい。でも、やっぱり頭をよぎります。
だからこそ、「平均工賃をどう高めるか?」という今回のセミナーの問いは、私にとって切実です。
工賃がもっと上がっていってほしい。そして、私もそのために何かできる人になりたい。
まだ模索中ですが、そう思っています。
