息子はずっと猫だった──小4から始めるMHXXニャンター親子プレイ
ベルナ村の"その後"──コメント欄から始まったニャンター物語
以前、「モンハンダブルクロス990円!──父と子、ベルナ村行き前夜の物語」という記事を書いた。Switch版のMHXXがセールで990円になっていて、親子でベルナ村に旅立つ準備をしていた、という話だ。
あの記事を公開したあと、コメント欄にいくつかアドバイスをいただいた。
「MHXXはぜひニャンターで!」
「親子プレイなら、お父さんはニャンター縛りとかどうです?」
ニャンター。オトモアイルー。あの猫を、プレイヤーキャラとして操作できるモードがあるらしい。
「へえ、オトモアイルーって操作できるんだ。生き物好きな息子には刺さりそうだな〜」
正直、そのくらいの認識だった。かわいいオマケモード、くらいに思っていた。仕様もよく分からないし、「子どもが喜びそう」という漠然としたイメージしかなかった。
「まあ、とりあえず触ってみて、おもしろかったら使えばいいか」
そう思いながら、私と息子はベルナ村へと旅立った。
そして、ちょうど1ヶ月が経った。
リビングの画面に映っているのは、人間のハンターではなく、オトモアイルーだった。今日も、昨日も、その前も。息子はずっと、猫だった。

息子はすぐに"人間ハンター"をやめた──1ヶ月ほぼニャンター専任の話
ゲームを始めた初日、息子はふつうに人間のハンターを操作していた。大剣を振り回したり、モンスターに追いかけられて悲鳴をあげたりしていた。
2日目あたりだったと思う。
「そういえば、アイルーでも遊べるんだよ」
軽く勧めてみたら、息子の目が輝いた。
「猫で? 猫になれるの?」
「なれるよ。オトモアイルーを操作できるんだって」
「やりたい! 猫がいい!」
オトモアイルーを選択して、クエストに出発してみた。画面に映るのは、ちょこちょこ走る猫。武器を振り回し、ドングリを食べ、地面を掘る。
「かわいい! これでやる!」
それからというもの、息子は人間ハンターに戻らなくなった。

朝起きてMHXXを起動すると、猫。学校から帰ってきてリビングでプレイすると、猫。私が仕事の合間にリビングを覗くと、やっぱり猫。
「今日も猫?」
「今日も猫だよ」
「昨日も猫だったけど…」
「だって猫が楽しいんだもん」
筆者自身は、シリーズ経験者として、いろんな武器やスタイルを試したかった。狩猟笛で仲間を強化したり、音色を奏でながら戦ったりする、あの感覚を楽しみたかった。だから、筆者は人間ハンターのまま。
一方で、息子は完全にニャンター専任になっていった。
うちのモンハンダブルクロスは、人間の物語じゃなくて、オトモアイルーの物語になっていた。
息子は、新しいモンスターを倒すたびに、加工屋に行く。新しい素材で作れる装備を眺めて、「この耳かわいい!」「このしっぽもふもふだ!」と言いながら、着せ替えショーのように楽しんでいる。
「パパ、見て! このフルフルの装備作れるようになった!」
「おお、白くて光ってるやつか」
「うん! めっちゃかわいいから、これ作る!」
スキルをいろいろ変えて試してみたり、見た目を優先して選んだり。息子は、自分の装備している猫の技や見た目を説明してくれる。何がどう強いのか、筆者にはまだよく分からないけれど、息子は楽しそうだ。
そして、気づいた。
息子にとって、モンハンは"人間が大きな武器でモンスターを倒すゲーム"ではなく、"猫が冒険するゲーム"になっていた。
ニャンターってどんな遊び方?──子ども目線で見た"やさしいモンハン"
息子がニャンターにハマって1週間くらい経ったとき、ふと疑問に思った。
「ニャンターって、何がそんなに良いんだろう」
調べてみると、ニャンターには、通常のハンター(人間)とはまったく違うルールがあることが分かった。
一言で言えば、面倒な管理を極限まで減らし、アクションに集中できるモードだった。
暑さ・寒さが関係ない
通常のハンターは、暑いエリアでは「クーラードリンク」、寒いエリアでは「ホットドリンク」を飲まないと、体力がじわじわ減っていく。ニャンターは、暑さ・寒さのダメージを受けない。「あれ、持ってきたっけ?」というパニックがない。
スタミナゲージがない
通常のハンターには、スタミナゲージがある。走ったり、回避したりすると減る。ニャンターには、スタミナゲージがない。ずっと走り続けられる。「走りたいのに走れない」ストレスがない。
ドングリで復活する
ニャンター最大の特徴は、これだと思う。通常のハンターは、体力がゼロになると、その場で倒れてキャンプに戻される。3回力尽きるとクエスト失敗だ。
ニャンターは、体力がゼロになっても、持っている「ドングリ」を食べて、その場で復活する。初期状態でドングリを2つ持っている。
1回目に体力ゼロ → ドングリ食べて復活
2回目に体力ゼロ → ドングリ食べて復活
3回目に体力ゼロ → ここではじめて「力尽きた」扱いになる
キャンプに戻って寝れば、ドングリも補充される。つまり、ハンターなら3回ミスしたらクエスト失敗だけど、ニャンターは、実質的にはもっと多くの失敗が許される。
「やられちゃった…」と落ち込むことなく、ムクッと起き上がって、また戦いに戻っていく。ゲームが中断されないから、子どもの集中も途切れにくい。
採取・採掘に道具がいらない
通常のハンターは、鉱石を掘るには「ピッケル」、虫を捕まえるには「虫あみ」が必要で、壊れることもある。ニャンターは、手ぶらで何でも掘れる。「道具を忘れて掘れない!」が起きない。
装備がシンプル
通常のハンターは、武器1つ、防具5部位(頭・胴・腕・腰・足)を装備する。ニャンターは、武器1つ、防具2部位(頭・胴)だけ。装備作りが簡単で、必要な素材の種類も少ない。
アイテムを使わない
通常のハンターは、回復薬や罠など、いろんなものをポーチに詰めて持っていく。ニャンターは、アイテムを使えない。その代わり、専用の「技」で回復したり、サポートしたりする。ポーチの整理やショートカットを覚える必要がない。
アイテム管理が消えて、スタミナ管理が消えて、「一度ミスしたら終わり」の緊張感が大幅に和らいでいる。覚えるべきことが、半分くらいに減っている。息子が「楽しい」と言い続ける理由が、ようやく分かった。
うちだけじゃなかった──小4生き物好きキッズと"モンハン入口問題"
先日、知り合いと話していたときに、モンハンの話になった。
その家庭にも小4のお子さんがいて、生き物が大好きらしい。
「モンハン、気になってはいたんですけど、うちの子にはまだ難しそうで、なかなか手が出なかったんですよね」
あ、うちも同じだ、と思った。
筆者も、息子が小学校低学年のころは、「モンハンはまだ早いかな」と思っていた。ライズを触ってみたこともあるけど、本格的に遊べるようになったのは、小4になってからだった。
調べてみると、MHXXは「お祭りゲー」と呼ばれるくらい、情報量が多いタイトルらしい。
武器とスタイルと狩技の組み合わせが膨大で、大人でも「どれが最適解か」を悩むほど。装備の組み合わせで効果が出る仕組みがあって、装備しただけでは強くならない。計算が必要だ。
3DS時代の画面設計を引き継いでいるから、文字が小さくて、情報が密集している。
小学生がつまずきやすいのは、装備したのに強くならない(計算が足りない)、モンスターを見つけられない(ペイントボールが必要)、回復中に攻撃されてやられる、といった点だ。
こういうのを全部、子どもが一人で理解してプレイするのは、小学高学年でも難しい。だからこそ、うちはライズを触りつつも、本格的に遊べるようになったのは小4になってからだった。
そして、そんな中で、ニャンターは明らかに入口が広い。
父はなぜ人間ハンターを続けるのか──役割分担としての"ニャンターと人間"
親子でプレイしていると、自然と役割分担ができてきた。
父:人間ハンター
息子:ニャンター

筆者が人間ハンターを続ける理由は、シンプルだ。
シリーズ経験者として、やっぱり武器やスタイルをいろいろ試したい。モンスターの動きやフィールドのギミックを把握して、クエスト全体をコントロールしやすい。
「ひとりはちゃんと準備して、もうひとりは自由に暴れていいよ」という役割分担の方が、親子プレイとしてしっくりきた。
一方で、たまに自分もニャンターになるときがある。
親子で2匹の猫が並んでいる光景は、シュールだ。
「今日は猫パーティで行くか」
そういうノリの気楽さが、心地いい。
調べてみると、親子ゲーマーの間では、こういう役割分担が自然に生まれやすいらしい。
親が「火力・司令塔」を担当して、子どもが「サポート・マスコット」を担当する。
どのゲームでも、親子で役割を分けながら遊ぶと、意外とケンカになりにくい。
「なんでそっち行くの!」「違う、こっちだよ!」みたいな衝突が減る。
うちの場合、筆者はハンターとして火力を出し、息子はニャンターとして自由に動き回る。それで、なんとなくバランスが取れている。
息子が「パパ、回復して!」と言ってくるときもあれば、筆者が「今どこにいる?」と敵の位置を聞くときもある。ニャンターはペイントボールを使わなくても敵の位置が分かるので、息子が「今、エリア7だよ」と教えてくれる。
それが、自然な協力プレイになっている。
あえて今、ダブルクロスで始める意味──「8年前のタイトル」で花開く子どもたち
モンハンダブルクロス(MHXX)は、Switch版が出てから時間が経っているが、最近また注目されている。
2024年から2025年にかけて、定期的なセールで新規プレイヤーが流入している。実況配信や「今から始めるMHXX」という記事が増えて、Xでは「久しぶりに起動した」「親子で始めた」という声をよく見かける。
ボリュームが多く、スタイルや狩技、ニャンターなど、いろいろ遊べるタイトルとして、改めて評価されている。「ワイルズまでの繋ぎに」「親子でのんびり遊ぶ」といった、いまの時期だからこその遊び方だ。
一方で、最新作の「モンスターハンターライズ:サンブレイク」はどうか。
ライズは、チュートリアルが親切で、里クエストが遊びやすく、移動も快適。シリーズの中では、一番優しいタイトルだと言われている。
ボタン操作は複雑だけれど、人間ハンター同士で比較すれば、ライズの方がずっと楽だ。
翔蟲(かけりむし)や技の同時押しなど、小学生には指が忙しい場面はある。ただ、スピード感が上がった分、カメラを自分でグリグリ動かして敵を追う技術も求められるし、後半になると、「吹っ飛ばされた後に受身を取らないと、追撃されて即死する」というコンボ攻撃をしてくる敵も増える。
一方で、MHXXのニャンターは、システムは古いけれど、人間ハンターとは別次元の「ボタン連打でもなんとかなる」「死ににくい」という性質を持っている。
人間ハンター同士で比較すれば、ライズの方が優しくて遊びやすい。
でも、ニャンターという選択肢を含めたとき、「最新作が入口として一番広い」とは限らない、という逆転現象を、息子のプレイを通じて感じた。
うちの息子は、8年前のタイトルであるMHXXのニャンターで、ようやくモンハンが"自分のゲーム"になった。
これから親子でモンハンを始めるなら──ニャンターを"ひとつの選択肢"に
親子でモンハンを始めてみたい読者に向けて、最後にメッセージを書いておこうと思う。

「親はハンター、子はニャンター」という構図の良さは、親が複雑な部分や難しい部分を引き受けて、子どもは"猫として参加する"ことで、ハードルがぐっと下がることだ。
全部同じレベルでこなさなくていい。役割を分けてもいい。
そういう気楽さがある。
ずっとニャンターのままでもいいし、いつか人間ハンターに移りたくなったら、そのとき変わればいい。
息子は、今のところニャンター専任だ。それでいいと思っている。
自分がニャンターの仕様を調べてみて感じたこと。
これはもう、子ども向けの"モンハン接待モード"と言っていいくらい、よくできている。
うちでは、モンハンダブルクロスは"猫から始まるモンハン"になった。
これから親子で始める人にも、そんな広い入口があるよ、という話でした。
皆さんの家でも、「今日も猫?」「今日も猫だよ」みたいなやりとりが生まれたら、それはそれで楽しいんじゃないかな、と思います。
もしニャンターで親子プレイを始めてみたら、どんな反応だったか、コメントで教えてもらえると嬉しいです。
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