押入れの写真の地に、もう一度#AIと旅行(前編)
この写真どこで撮ったっけ?
思い出せない「あるある」。
よくあるこの悩みを解決しながら、家にいるだけでも旅行気分は味わえちゃう。そんな時代がもう来てるのか!
そう感じた夏の1日を今回記してみた。
実家に帰省したこの夏、
家の押入れから古い外付けハードディスクが出てきた。
押入れの片隅で、静かに眠っていたハードディスク。確か、2009年から2012年まで住んでいたトルコのイスタンブールの頃の写真が入ってたはず。
PCに挿して見てみると、幼すぎて忘れていた僕、タコ八の旅の記憶が詰まっていた。家族で初めての海外住まい。なにもかもが新鮮で、無我夢中でシャッターが切られた無数のトルコの写真たち。
ボスポラス海峡のきらめき、街に交差する焼き立てシミット(ごま付きパン)やポアチャ屋台の呼び声。路地裏で出会った人懐っこい猫。絨毯とモスクの匂い。一枚一枚が、トルコの喧騒と匂いを蘇らせる。

「もう一度、この場所を巡りたい。」
そんな想いがふと脳裏によぎる。しかし、写真に残っているため行ったことは間違いないものの、どこか特定できない写真もいくつか...
そんな時にひらめいた。今、この部屋からできることがあるじゃないか。
旅行そのものでなくても、「旅の準備」は今ココでも始められる。
近いうちにもう一度トルコへ行きたい。
その日のための、思い出とリンクした完璧な「旅のしおり」を作ろう。
そう思った僕は、数枚の写真をGeminiにアップロードしてみた。そして、こう打ち込む。
「これらの写真の場所を特定して全部巡る、
最高の旅行プランを考えてくれない?」
軽い気持ちだった。せいぜい場所のリストアップでもしてくれれば、と思っていた。しかし、数秒後、画面に現れたのは僕の想像を遥かに超える思い出ツアーだったのだ。
壮大な記憶の旅のしおりづくり
『ようこそイスタンブールへ!ベテランツアーガイドのGemirhanです。』
今回は最初のプロンプトで、ベテランツアーガイドをGeminiから着想を得たトルコ風のあんちゃん、Gemirhan(ジェミルハン)に案内してもらうことにした。
まるで長年連れ添った旅の相棒のような、
フレンドリーな口調が返ってくる。
『素敵な写真、ありがとう!家族との楽しい思い出や、イスタンブールの美しい風景が詰まっているんだね。これらの思い出の場所をすべて巡る、最高の2Daysツアーを案内するよ。』
PC画面にはただのプランではない、心躍る「旅のしおり」が表示されていた。それは、写真という記憶の断片を、確かな旅程へと紡ぎ直してくれた完璧な旅ガイドだった。
こうして、僕とGemirhanの、時空を超えるバーチャル思い出ツアーが幕を開けた。
イスタンブール思い出巡り1日目
まず、写真あるある:どこかわからん写真。
データに残っている綺麗な写真だけれど、
思い出せない特定の場所をいくつか送ってみる。


両親に聞いても合っていると言う。流石!
聞き方のポイント(プロンプト例)はコレ❗️
写真📷を添付
+聞きたいこと+現時点でわかっている情報(季節、背景、人物)
そうして、適当に選んだ思い出の写真を10枚ほど送っただけなのにも関わらず、写真の場所がどこなのかをあっという間に特定し、効率的に写真の場所を巡ることができるルートをGoogle Map付きで提案してくれた。
移動手段: このルートは広範囲にわたるため、タクシーや配車サービスを1日チャーターすることをお勧めします。

いざ、思い出の地イスタンブールへ
1. エミルガン公園の朝と、シミットの香り
予定としてまずは、イスタンブール国際空港の喧騒を抜け、Gemirhanおすすめのチャーターカーに乗り込む。窓の外を流れる景色は、記憶の中のそれと変わっているのだろうか。
Gemirhan:『最初の目的地、エミルガン公園に到着です。あのシミットの屋台、見つかるといいですね』

可憐なチューリップいっぱいの公園から旅は幕開けだ。
海と草花の匂いが潮風に乗って、頬を撫でた思い出が蘇る。
ストリートビューでもこんなにも綺麗。
今も昔も同じようにたくさんの人たちが自然と触れ合える、
花畑のような公園がそこに広がっているんだろう。
そういえば公園を歩いていると、ケバブやシミットの屋台がたくさんあったっけ。

こんなにも大きいケバブが食べられてどんどん細くなっていく様子は見ていて気持ちがいい。

イスタンブルの街中では「シミーット!!」という呼び声がどこからか聞こえてくる。
買ったばかりの温かいシミットが一番美味しかった。香ばしいゴマの風味と、ほんのり甘いパン生地。あの味をまた、家族と食べられるといいな。
そうして花々が作り出す絶景を堪能したら次なる目的地へ。
オルタキョイだ。
2. オルタキョイ、海に浮かぶ宝石
ボスポラス海峡沿いの道を南下するドライブは、それ自体がアトラクションだった気がする。きらめく海面と、対岸のアジア大陸を眺めながら、Googleストリートビューを進め、二つ目の目的地「オルタキョイ」に着いた。
繊細なレース細工のような「オルタキョイ・モスク」が、有名な街だ。
ストリートビューでオルタキョイ・モスクの前に“急降下”。
すると、その美しさに改めて息を呑む。
「ここで撮ったこの写真、すごく気に入ってるんだ」

現代的な橋と、伝統のモスクを一枚に収めた当時のピクチャ
Gemirhan:
でしたら、しおりにこう書き加えておきましょう。『撮影ベストタイム:午後3時〜4時。太陽が少し傾き、モスクに柔らかな光が当たる頃』。これで完璧な一枚がまた撮れますよ
そういえばここにMADOもあったよな。
気持ち良い潮風と日の下で食べる、冷たいトルコアイスが美味しいお店。
ここも計画に足しといて。
『了解しました。』
計画の足し引きも一瞬だ。
Gemirhanは僕の曖昧な記憶や願望を、いつかの旅で実行できる「マイルストーン」へと変換し、しおりを僕だけのオリジナルガイドブックにしてくれる。
Gemirhanは、もはや単なるガイドではない。
最高の思い出を未来に繋げる、優秀且つフレキシブルなツアーコンダクターだ。
3. イスティクラル通り、猫と音楽の記憶
新市街の中心、タクシム広場から延びるイスティクラル通りは、今も変わらぬ活気に満ちているのだろうか。赤いレトロなトラムが走り、通りの両脇には様々なお店が並ぶ。
僕:「この辺りで、弟が猫とずっと遊んでたんだ。写真の背景に楽器屋が写ってたんだけど…」


それをじーっと見つめるにゃんこ。
Gemirhan:『写真に写り込んでいたのは『eminpercussion』という店名ですね。現在も同じ場所で営業中です。Googleマップのレビューによると、この店の角を曲がった路地は、地域の猫の集会所として知られていますよ』
Gemirhanの言う通り路地を覗くと、いた。
無茶苦茶カメラ目線の猫ちゃんだ。

今日もまたあの地には、たくさんの猫がいるみたい。🐈🐾🐾
まるで、幼いあの日の微笑ましい猫と弟の姿が目に浮かぶようだった。
4. ガラタ橋と、最高のサバサンド
そうして、トラム線に沿って南へ下る。
20分ほど歩いていると、金角湾に差し掛かる。
湾に渡るガラタ橋の上は、釣り糸を垂らす人々と、カモメの鳴き声でいつも賑わっていた。橋のたもとからは、サバを焼く香ばしい匂いが漂ってるんだよな。

たくさん釣れている人と今日は不調な人がわかりやすくて面白かった笑

波に揺られながらも頑張って魚を焼いている人たち。
無論、にゃんこたちもたくさん。
文字通り、「お魚咥えたドラ猫」だって簡単に見つかるだろう。
そんな鯖サンドの思い出に耽っていると、途端にサバサンドの口になった。
その日の昼は日本でも食材が揃いやすいトルコ料理、サバサンドを早速作った。

ボリューミーでシンプルだけど旨みたっぷりで美味しい!!
これだよこれ。旨みたっぷりの鯖と、甘酸っぱい玉ねぎ、塩こしょうとレモンだけの素朴な味付けだけでこんなにも美味いんだ。
ガラタ橋での思い出が蘇った逸品。
この簡単なレシピもGemirhanにまとめてもらったので載せておく。みんなも作ってみてね!

準備をしてから30分以内には食べられる手軽だけれどガッツリランチに最適!
5. カーリエ博物館、静寂の中の祈り
お腹も心も満たされていると、またまたどこかわからない写真がでてきた。

圧巻のモザイク画は各地で見られる。
そこで、Gemirhanに「これはどこだろう?」と聞いてみた。

どうやらGemirhanは、アヤソフィア宮殿にもあるそっくりのDeesisとの違いも、瞬時に見分けがつくようだ。(記憶力のいい父ですら間違いそうだったのに)

本当にそっくりだ。
画像:Wikimedia Commonsより、Myrabella撮影、
『Deesis mosaic Hagia Sophia』、CC BY-SA3.0
"https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ファイル:Deesis_mosaic_Hagia_Sophia.jpg"
そうして、ツアーの最終目的地「カーリエ博物館」へ。

この後ろが旧カーリエ博物館
僕はこの頃からアメコミが好きなようだ笑
ビザンツ美術の最高傑作と謳われるモザイク画やフレスコ画が、息を呑むほどの美しさで僕を迎えてくれた。
イスラームとキリストの文化が共生していた当時のトルコ社会をふんだんにみることができるこのモスク。様々な分断が起こっている現代だからこそ今一度見たい、共生が実現していた時代のアートがここにある。2025年の今、現地で見ると何を考えさせられるだろう。
そんなことを考えさせられた。
僕:「ところでここ、去年モスクになったって本当?
見られるか心配だったんだ」
Gemirhan:『はい、現在はカーリエ・モスクとして利用されていますが、礼拝の時間外は内部の見学が可能です。この『Deesis/デイシス』のキリストの表情は、何度見ても心を揺さぶられますね』
静寂に包まれた堂内で、巨大絨毯に寝転がって黄金に輝くモザイク画を見上げた幼少期の思い出。その荘厳な美しさは、長い年月を経ても色褪せることなく、まだあそこにあるんだろう。そう思うとなんだか嬉しくなった。
そして、旅は次の街へ
今日はただ写真を見返して懐かしがる何気ない1日になるはずだった。
でも、違った。Gemirhanという最高のツアーオーガナイザーがいたから、ただの思い出写真フォルダが、将来トルコに行く際の道しるべに変化した。
AIは僕の記憶を拡張し、写真に新たな文脈を加える。新しい発見と、期待、家族で思い出を振り返る対話の機会を与えてくれた。
テクノロジーの力で、過去の写真の解像度と記憶が鮮やかに蘇る。
外は依然として猛暑だが、日本の自宅にいながら僕の心は充実感と、未来へのワクワクで満たされた。
そして、その思い出ツアーはまだまだ終わらない。
写真フォルダには、イスタンブールから少し南に行った、オスマン帝国発祥の地、「ブルサ」の写真も見つかった。そう、僕の家族とGemirhanの思い出巡りの旅は、まだ始まったばかり。
この記事を通じて、読者の皆さんもストリートビューや写真で、トルコの美しさを体感していただけるととても嬉しい。ぜひ、AIに懐かしの旅写真を見せて、記憶を辿り、また再訪する際の道しるべとして活用してみてほしい。
AIが介入しなければ、ただの「懐かしい写真」でしかなかったものが、具体的な未来の旅の計画へと変わった今回。
あなたの家の押入れにも、次の旅への扉が眠っているかもしれない…?
(🐈🐾🐾🐾次回、ブルサ編へつづく…)
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