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100円玉とミニ四駆。小学生の私が教えてくれた「安心基地」のはなし

子どもの頃の自分に、一言かけてあげるとしたら。

あなたは、どんな場面を思い出しますか?

運動会でしょうか。
卒業式でしょうか。

私の頭に浮かんだのは、もっと何気ない放課後の景色でした。

ポケットの中には100円玉が一枚。

その100円玉を握りしめて、近所の駄菓子屋へ向かう小学生の私。

今日はその記憶から見えてきた、子育てにもつながる「安心基地」の話をしてみたいと思います。

100円玉を握りしめて

小学生の頃、私は駄菓子屋によく通っていました。

友達と行くこともあれば、一人で行くこともありました。

手の中には100円玉が一枚。

今の感覚だと100円なんてあっという間ですが、当時の私にとっては大金です。

どのお菓子を買うか。

ガムにするか。
チョコにするか。
うまい棒を何本買うか。

何度も計算して、棚の前を行ったり来たりしていました。

そしてもうひとつのお目当てが、ミニ四駆でした。

少しずつお小遣いを貯めてパーツを買う。

どのタイヤにするか。
どのモーターにするか。

友達と話しながら考える時間が、本当に楽しかったんです。

今振り返ると、あの時間は私にとって最初の「自己決定」の練習だったのかもしれません。

誰かに決めてもらうのではなく、自分で選ぶ。

小さな経験ですが、その積み重ねが今の自分につながっている気がします。

お菓子交換の小さな社会

駄菓子屋のお菓子には、いくつか入っているものもありました。

友達と、

「これと交換しない?」

「私はこっちが好きなんだよね」

そんなやり取りをしながら、お菓子を交換していました。

損か得かなんて考えていません。

ただ自分の「好き」を伝えていただけ。

でも今思えば、それも立派なコミュニケーションでした。

自分の気持ちを伝える。

相手の気持ちを聞く。

子どもたちは遊びの中で、人との関わり方を学んでいたのだと思います。

駄菓子屋のおばあちゃんという安心基地

私は駄菓子屋のおばあちゃんと仲が良かったんです。

だから一人でも安心してお店へ行けました。

家族でもない。

先生でもない。

だけど顔を見ると、

「お、来たね」

と笑って迎えてくれる大人がいる。

その存在は、子どもにとって想像以上に大きかったのだと思います。

心理学者のボウルビィは「安全基地(Secure Base)」という考え方を提唱しました。

子どもは安心できる存在がいるからこそ、外の世界へ挑戦できる。

失敗しても戻れる場所があるから、前へ進める。

今思うと、私にとって駄菓子屋のおばあちゃんも、そんな安全基地のひとつだったのかもしれません。

一人で行けたのは、信頼されていたから

一人で駄菓子屋へ行けたのは、私が特別しっかりしていたからではありません。

親が送り出してくれていたからです。

100円玉を渡してくれたこと。

「行ってらっしゃい」と言ってくれたこと。

それ自体が、

「あなたなら大丈夫」

というメッセージだったのだと思います。

アドラー心理学では「勇気づけ」という言葉があります。

それは褒めることではなく、信頼すること。

子どもが自分の力を信じられるように関わることです。

私はあの頃、たくさんの勇気づけを受け取っていたのかもしれません。

今日からできること

子育てをしていると、

「これでいいのかな」

と不安になることがあります。

でも、難しく考えなくてもいいのかもしれません。

・子どもに小さな選択を任せてみる

・子どもの好きなものを否定せず聞いてみる

・家庭以外にも安心できる人や場所を見つけてあげる

そんな小さな積み重ねが、子どもの心の土台になっていくのだと思います。

まとめ

子どもの頃の自分に声をかけるなら、私はこう言いたいです。

「自分で選んで、自分で決めて、ちゃんと一人で歩いていたね」

100円玉とミニ四駆。

そして駄菓子屋のおばあちゃん。

特別な出来事ではありません。

でも、その何気ない時間が、今の私を支えている大切な記憶になっています。

もしかすると、あなたにもそんな記憶があるかもしれません。

子どもの頃、安心して通えた場所。

顔を見るとホッとした大人。

帰りたくなる居場所。

ぜひ一度、思い出してみてください。

その記憶の中に、今の子育てにつながるヒントが隠れているかもしれません。

今日もお疲れさまでした。

あなたが積み重ねている何気ない毎日は、きっと子どもにとっての「安全基地」になっています。


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