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プラジャンチャイが王座防衛、ノンオーは判定負け~ONE Fight Night 28 (2025年2月8日)

ONE CHAMPIONSHIPは、2月8日にルンピニースタジアムで格闘技のイベント、ONE Fight Night 28を開催した。メインイベントではプラジャンチャイ・PKセンチャイが、自身の所持するONEストロー級(56.7キロ)ムエタイ世界王座の防衛戦(3分5ラウンド)を行い、エリス・バルボーサ(イギリス)に4ラウンドTKO勝ちを収めて王座防衛を果たした。

セミファイナルでは元ONEバンタム級ムエタイ世界王者で、元ルンピニー、ラジャダムヌン王者であるレジェンドのノンオー・ハマが登場し、こちらも元ラジャダムヌン王者のゴントラニー・ソーソンマイとノンタイトル3回戦(3分3ラウンド)を戦った。

ONE CHAMPIONSHIPは、タイでは毎週金曜夜に開催のムエタイを中心としたフライデーファイト、月に1回土曜の朝開催のMMA、ムエタイなどを取り交ぜたファイトナイト、それぞれをルンピニースタジアムで行っている。1万2000人収容のインパクトアリ―ナでの特別興行も企画されることがある。

今回のONE Fight Night 28も土曜の朝の開催で、アメリカの夜の中継に合わせた開始時間としている。朝8時の第1試合スタート、10試合目のメインイベントは大体、午前11時頃となる。


当日のプログラム。ムエタイ、MMA、グラップリングの試合が10試合行われた。

プラジャンチャイ・PKセンチャイ対エリス・バルボーサ

プラジャンチャイはこれまで343勝52敗3分という驚異的なレコードを持つ30歳、2010年に16歳でラジャダムヌンスタジアム認定ミニフライ級王座を獲得すると、同フライ級王座、ルンピニースタジアム認定バンタム級、スーパーバンタム級王座をコレクションした。2021年にONEに参戦して、初戦でサムエー・ガイヤーンハーダオに判定勝ちし、ONEストロー級ムエタイ王座を獲得する。初防衛戦でジョセフ・ラシリ(イタリア)にKO負けで王座を失うが、2023年に再びサムエーに勝って暫定王座を獲得すると、ラシリとの再戦&王座統一戦に挑み、初回KO勝ち。2024年6月にはジョナサン・ディベラ(カナダ)に勝利し、ONEストロー級キックボクシング王座も手に入れた。

2021年プラジャンチャイ(右)に王座を奪われたサムエー(左)、
3月の日本大会では、ディベラとONEキックボクシングストロー級暫定王座を争う。

プラジャンチャイはONE参戦前には、国際式ボクシングにも挑戦、デビュー戦で10回戦に勝利し、WBAアジア南部フェザー級王座(57.1キロ)を手に入れた。2戦目にはバンタム級(53.5キロ)に階級を下げて、元WBA、WBC世界ライトフライ級王者のコンパヤック・ポープラムックに10回判定勝ちした。プロボクシングは3戦3勝に終わったが、タイでのボクシング人気は低下しており、ONEへの転向も仕方がない。そのままプロボクシングで戦っていれば、元ラジャ3階級王者だったウィラポンのように、プロボクシングの名世界王者となっていたかもしれない。

プラジャンチャイの戦績は驚異の343勝52敗!ONEでは6勝1敗

挑戦者のバルボーサはバーミンガム出身の24歳、6歳の頃から、母親と妹とのホームレス生活を余儀なくされた幼少期を過ごした。12歳でムエタイを始め、15歳でプロデビュー、その後はWBCヨーロッパムエタイ王座にも就いた。ONEでは、この試合まで1勝1無効試合の戦績となっている。ちなみにこの無効試合は、2023年12月のもので、プラジャンチャイと同僚のトンプーン・PKセンチャイにボディーブローでKO勝利するも、バルボーサに禁止薬物の陽性反応があり裁定が変更されたもの。

挑戦者バルボーサは17勝5敗、ONEは1勝1無効試合

試合は初回、バルボーサが左ジャブからの前蹴りやハイキック、ミドルキックを散らして積極的な攻撃を見せる。プラジャンチャイはわざと打たしているのか、慎重な立ち上がりだが、ラウンド終盤には攻撃の圧を強めて、仕掛けていく。ややバルボーザのラウンド。

2回、激しい打ち合い、打ち合いからの揉みあいでもバルボーザはプラジャンチャイに決して負けてはいない、という印象を得た。しかし、いつの間にかバルボーザは左眉から出血、終盤は「来い来い!」と、プラジャンチャイがバルボーサに挑発し、さらにパンチやヒザを打ち込んでいく。プラジャンチャイのラウンド。

バルポーザを攻め立てるプラジャンチャイ

3回も打ち合いが続く、よくパンチを出すバルボーザだが、精度はプラジャンチャイのほうが高いようだ。縦ヒジにヒザ攻撃も混ぜながら、左ジャブからフック、アッパー、時には右、左フックとプラジャンチャイは元ボクシングアジア王者らしく、パンチも多彩だ。

4回は、序盤プラジャンチャイの前蹴りがバルボーザの金的に当たり、中断するも再開後はプラジャンチャイの独壇場。パンチのコンビネーションも冴えて、縦ヒジも含めてバルボーザは被弾が続く。2分過ぎに縦ヒジで切られた額からおびただしい出血が見られると、プラジャンチャイからレフェリーにチェックを呼びかける。レフェリーはタイムを取ってドクターに確認させるも、出血は激しく、ここで試合終了。プラジャンチャイが4回TKO勝ちでムエタイ王座の2度目の防衛を果たした。

ONE側から、プラジャンチャイに10万ドルの勝利者ボーナスが贈られた。なお、プラジャンチャイが保持するキックボクシング世界王座については、防衛戦の予定が立たない為か、3月23日の日本大会で暫定王者決定戦が組まれる。出場するのは、共にプラジャンチャイが下しているサムエーとジョナサン・ディベラで、勝者がプラジャンチャイの正規王座に挑む流れとなるだろう。

プラジャンチャイは終始、余裕があった
プラジャンチャイはコーナーポストに駆け上がり、勝利をPR

ノンオー・ハマ対ゴントラニー・ソーソンマイ

ノンオーは300試合を超えるキャリア(266勝57敗)を持つ、元ONEバンタム級ムエタイ世界王者でもある。38歳のレジェンド。前戦は昨年9月に無敗のキアムラン・ナバティ(ロシア、カムラン・ナバティとも表記)に判定負け。今回はフライ級に下げての再起戦となる。ONEでの戦績は11勝3敗。

ゴントラニーは、かつてはラジャダムヌンスタジアム認定のスーパーバンタム級、ライト級の2階級でチャンピオンとなった実績もある28歳。2023年にONEに参戦し、2戦目のペットスクンビット戦に判定負けしたが、その後は7連勝を飾る。ONEと1試合10万ドル契約を勝ち取って、ビッグネーム、スーパーレック・キアトモー9との一戦を実現させるも、これは判定負け。その後は2連勝中で、ONEでの戦績は9勝2敗で、通算戦績は71勝16敗。

試合は初回、サウスポーのゴントラニーが前蹴りやミドルキックでラウンド序盤から積極的に攻めていく。一方のノンオーは遠い距離から右ミドル、右ハイキックを飛び込むように放つ。ゴントラニーは距離を詰めて縦ヒジなども見せて余裕が感じられる。ゴントラニーのラウンド。

2回は互いにミドルの激しい打ち合い。時折、ゴントラニーはオーソドックスに構えが代わる。ノンオーの躍動感溢れる右ミドルには華を感じる。フライ級のほうが合っているようにも思われる。このラウンドは互角か。

3回はゴントラニーか。ノンオーの右ミドルも強烈だが、ゴントラニーが手数、キックも多く、攻撃も多彩に見える、ノンオーはやや疲れたか。10歳差の年齢も感じる。判定は2‐1に分かれたが、ゴントラニーが勝利を収めた。

現在、ONEフライ級ムエタイのランキングでは4位のゴントラニー、王座は空位で、1位はロッタン、2位がスーパーレック、3位がエリアス・マムーディとなっている。スーパーレックはバンタム級のムエタイ王者であり、このランキングから外れるはず。そうなると、ゴントラニーにも王座獲得のチャンスが巡ってくるだろう。

レジェンド、ノンオーに勝利し雄たけびをあげるゴントラニー
敗戦後にも関わらず、ファンの写真撮影、サインに応じるノンオー

手塚裕之対ジャン・リーポン、山北渓人対リト・アディワン

手塚裕之山北渓人の日本人2選手が出場、手塚は5連勝の後、昨年9月に判定負け、今回は81キロ契約のMMA5分3回戦で、中国のジャン・リーポンと対戦したが、初回にリーポンの左フックで倒され、そのまま鉄槌連打、レフェリーがストップし、連敗となった。

山北はストロー級MMA5分3回戦で、リト・アディワン(フィリピン)に判定勝ち。ONEで3連勝(ONE4勝1敗)を飾った。山北はONEストロー級MMAランキングでは4位となっている。

TKO負けの手塚、リング中央に大の字に
判定勝ちの山北、グラウンドヒザが有効でアディワンを攻めた

※ルンピニースタジアムで現地観戦、写真は著者撮影のものと一部、試合映像(Channel 7のYoutube)から。

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