「臆病」が導き出した結論 ―― なぜ私は高知県を選んだのか/高知県の災害リスクは日本一低い
「臆病」が導き出した結論 ―― なぜ私は高知県を選んだのか
半世紀近く前、私は関東の工業地帯に住んでいた。勤め先は化学工場。そこは埋立地だった。 ほぼ毎週のように、体に感じる「振動」があった。日本のどこか遠くで起きた地震か、あるいは産業道路を走る大型車両の振動か。プリンのように脆い埋立地の地盤が、あらゆる微動を共鳴・増幅させていたのだろう。
私は、ゴルゴ13並みに臆病だ。 だからこそ、いつか来る「関東大震災」級の災厄が、この足元を飲み込む恐怖を常にリアルに感じていた。
かつては、街のあちこちに井戸があった。しかし今や、その多くは埋められ、塞がれ、場所さえ分からなくなっている。人が生き延びるために最も必要なのは、水だ。それがないということは、生存確率が限りなくゼロに近づくことを意味する。
そこで私は、日本中で最も「災害リスク」が低い場所はどこかを考え抜いた。
地震、雷、火事、親父。
人が制御できない最たるものは地震だが、リスクはそれだけではない。火山噴火、旱魃(かんばつ)、豪雪、雪崩、洪水……。
これらを総合的に、かつ物理的に除外していった結果、残ったのが「高知県」だった。
四国には火山がない。したがって、火山性の地震や噴火に怯える必要がない。 また、高知県は日本でも有数の年間降水量を誇る。旱魃が起きても、水に困ることはない。
高知県は台風銀座と呼ばれる。
その台風はどうか?
台風は数日前に来る可能性がわかる。
わざわざ、その台風襲来日に外でうろうろせず、
台風対策した家の中で家族や仲間と談笑し、
サワチ料理を囲み、美味い酒でも飲んでいればいいのだ。
戦略は決まった。
高知県の中山間地で、かつ土砂崩れのリスクを避けた「山の斜面から離れた平坦な場所」に拠点を構えること。
この「臆病さ」こそが、最悪の事態においても、私と私の「群=家族、子孫」を生かし続けるための羅針盤なのだ。
【メモ:データの裏付けとリスク分析】
火山リスクの不在: 四国は、フィリピン海プレートが沈み込む位置関係により、マグマが発生する「火山フロント(火山前線)」から外れている。そのため、四国島内には活火山が一つも存在せず、噴火や火山性地震のリスクが極めて低い。
水資源の豊富さ: 高知県の年間降水量(平地)は約2,500mm、山間部では4,000mmを超える地点もあり、全国平均(約1,700mm)を大きく上回る。渇水リスクに対し、地形と降水量による天然の備蓄能力が高い。
地盤の共鳴(埋立地リスク): 地震工学において、都市の特徴の埋立地や軟弱地盤は地震波の周期と共振しやすく、揺れが数倍から十数倍に増幅されることが証明されている。対して、中山間地の岩盤質の地盤は、揺れそのものを増幅させにくい特性がある。
地震リスクの選別: 南海トラフ地震の懸念はあるものの、津波リスクのない「山間部の平地」を選ぶことで、最大のリスク(津波・液状化・大規模火災)を構造的に回避している。
ゴルゴ13「おれがうさぎのように臆病だからだ・・・だが・・・臆病のせいでこうして生きている・・・虎のような男は、その勇猛さのおかげで、早死することになりかねない・・・強すぎるのは、弱すぎるのと同様に自分の命をちぢめるものだ・・・」
