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インフレ時代の“低コスト秘密基地構築論”

〜自宅カフェという小さな安らぎの空間〜

珈琲豆は、この20年で静かに、
しかし確実に高騰した。
生豆価格は体感で2倍、
ものによっては5,6倍近い。

アラビカ種だけではない。
ロブスター種も上がっている。

原因はいくつもある。
干ばつなどの異常気象による収穫量低下。
世界的な珈琲需要の増加。
物流費高騰。
円安。

昔は気軽に買えたモカやコロンビアも、
今や「ちょっと贅沢な豆」になりつつある。

そして街のカフェも高くなった。
今や一杯600円は最低ライン。

珈琲専門店や洒落たカフェの珈琲一杯は、
1000円の壁を越え始めている。

もちろん、それだけの価値がある店も多い。
だが毎回通うには、財布もなかなか厳しい。

しかも最近のカフェや有名な喫茶店は妙に混んでいる。
一人で入りづらい店も増えた。
長居もしにくい。

ならば、と思うのである。
自分の部屋の片隅に、小さな喫茶店を作ればいい。

もっとも、立派な空間はいらない。
むしろ凝りすぎると疲れる。

古道具屋かリサイクル・ショップで、小さな椅子を探す。
傷があってもかまうものか、ムードが出る。
少しくたびれたテーブルでも構わない。
塗装したければ好きな色合いに塗り替えればいい。

ちょっとした知恵とアイデア次第でカフェコーナー

マグカップも高級品である必要はない。
珈琲豆はこだわろう、折角の自宅カフェだ。

本当は「自家焙煎」と行きたいが、
いろいろな事情があるからしばし我慢だ。

有名店の珈琲豆でもスーパーやコンビニでの
購入は、なるべく避けたい。

理由は単純だ。
劣化している場合がある。
明らかに味は落ちているのだ。

せっかく自宅カフェで淹れるなら、
香りと味の入口だけは妥協しないほうがいい。

おすすめは、自家焙煎をしている珈琲豆専門店へ行くことだ。
別にゲイシャだの高級コンテスト豆だのを追わなくていい。

ブームに踊らされるな。
トラデッショナルで行こうではないか。

レギュラーなエチオピア・モカ。
スマトラ・マンデリン。
タンザニアの、いわゆるキリマンジャロ。

そういう定番で十分。
大切なのは “焙煎したて” であること。

袋を開けた瞬間の香りが違う。
部屋に広がる空気が変わる。

それだけでも自宅カフェのムードは一段階格上げされる。
 
道具で一つだけこだわるなら、私は手動ミルを勧めたい。

ゴリゴリ、ゴリゴリと豆を挽く。
あの時間がいい。

電動ミルの合理性は確かに強い。
でも豆の煎り具合で、実は
ミル部での挽き具合も変わるのだ。

手回しはミルの粒度調整ネジで
微妙に豆の破砕の大きさを変えられる。
これも味の抽出に大事な要素だ。

さらに手回しには “これから珈琲を淹れるぞ”
という儀式感がある。
忙しい日常の速度を、一度落としてくれる。
 
ここでよくある失敗がある。

最初から全部道具を揃えようとすることだ。
高級ドリッパー
あるいはサイフォン。
高級ケトル、か、高級サーバー。
デジタル温度計。
デジタルスケール。

材質やブランドにこだわり抜いて、金かけて
それなら高級珈琲専門店で飲みなさい、馬鹿者!

気づけば、スポーツ用品店で一式揃えたまま
一冬、一シーズンで終わった過去を思い出す人もいるだろう。

だから少しずつでいい。

調べる。
カフェや喫茶店で観察し、質問する
比較する。
使いこなしてみる。
自分の生活に合う道具を、一つずつ増やす。
その過程そのものが、実は趣味形成の重要部分なのである。
珈琲とは、単に飲み物ではない。
小さな空間を作り、
香りを整え、
時間の流れを少し変える遊びだ。
物価高の時代。
外へ出れば何でも高い。
だからこそ、休日に部屋を思い切り片付けて
その片隅に小さな避難所を作る。

窓辺も工夫してカウンターに変身させれば、最高のカフェ気分!

六畳一間でも構わない。
今夜もそこで、静かに店を開けばいいのである。

カフェごっこでも最高!
 
それで慣れたら、ミニ魔法瓶を買って
淹れ立て珈琲を淹れ、書を持って外に出よう。

緑と光が溢れたアウトドアで
その珈琲と書と、静かな時間と空間を味わおう。

春と秋、アウトドア・カフェでランチ&珈琲

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