【無料】「まず作ってから言え」〜評論家だけの世の中に、ひとこと言わせてください〜
一般社団法人公民連携事業機構という法人を、私は清水義次さん、木下斉さんと3人で立ち上げました。設立にあたっては、私がかつて建設省時代に大変お世話になった元上司・佐々木晶二さんに多くのご尽力をいただきました。
法人立ち上げ後、佐々木さんが在籍していたある政府系金融機関の勉強会に、私たち3人が招かれたことがあります。国土交通省の幹部職員や、金融機関の経営陣も同席する、いわば“オフィシャルな場”でした。
その勉強会で、ある国交省の幹部が私にこう尋ねてきました。
「オガールのようなプロジェクトが別の場所に似たようにできたら、客が奪われて収益が減るのでは?そういうリスクにはどう対応しているのか?」
私が答える前に、横にいた木下が机を叩きながら、怒りをにじませながら言いました。
「国土交通省が、今まで一度でも“オガール”のような自立した都市再生プロジェクトを作ったことがあるのか? まず自分たちで作ってから、そういう質問をしろ。」
一瞬、場が凍りつきました。空気が変わったのがわかりました。でも私は、あの時の木下の言葉に心から感謝しました。
なぜなら、私自身、この事業に命をかけているからです。人生のハイライトだと思って、日々格闘しています。
その覚悟を、仲間が代弁してくれたので、この時だけは感謝しました笑。
さて、あれから数年。今では「オガールは成功事例だ」とよく言われるようになりました。
けれども、私は自分の口で「成功した」などと一度たりとも言ったことはありません。周囲が勝手にそう言っているだけです。
もっとも腹立たしいのは、その“評判”を耳にして、まるでブランド戦略が上手かったからだとか、プロモーションが巧妙だったからだとか、まるでラベルの貼り方だけでここまで来たかのように語る人がいることです。
そんな人に、私は言いたい。
「まず自分で作ってから言え」
手を動かしていない者が、現場の土や汗や失敗を知らない者が、人の仕事に批評を加えるな、と。
どれだけの人が「血のしょんべんが出るほど悩みながら」、ここ事業を経営しているのか知っているのかと。図書館の司書、役場職員の日々の活動、一度でもオレの話聞いた事あるのか?
私は今でも毎日不安と戦っています。
そこに「オガールってうまくいってるよね」なんて軽々しく言われても、正直なところ、私はうなずけません。
私も未熟です。だから、いちいちそういう言葉に心を波立ててしまう。でも、未熟であるからこそ、私はまだ前を見ているし、変わらなきゃいけないとも思っています。
どれだけ立派なことを言っても、やっていない者が、現場を持たない者が、「正論」を並べたって、それはただの音です。
プロ野球の落合博満さんが中日の監督時代に選手にこう言っていました。
「俺に文句があるなら、俺の成績を超えてから言え」
全くその通りだと思います。評論より、行動。
言葉より、実践。
「やってから言え」という世界の方が、ずっと健全だし、ずっと本質的です。
私たちが目指す地域づくり、公民連携、都市再生。
それはどれも、評論では変わらない。現場が、実践が、すべてです。
だからこれからも、私はつくり続けます。
悔しさも、怒りも、不安も全部ひっくるめて。
それが、私にとっての「自立した街づくり」だからです。
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