なぜブレネー・ブラウンの言葉は届くのか?ーー伝説のTEDスピーカーに学ぶ「人を巻き込む話し方」をBody Speechで解剖
Netflix『勇気を出して』で語られるブレネー・ブラウンのTEDスピーチを、Body Speech創始者・おがたまゆみが徹底分析。なぜ彼女の言葉は人を巻き込み、心を動かすのか?笑い、間、視線、身体の使い方から「伝わる話し方」の秘密を解き明かします。
今日で11回目
観るたびに、最後のエピソードで泣いてしまう講演があります。
それはNetflixで配信されている、ブレネー・ブラウンのドキュメンタリー『勇気を出して』。
これを観ると彼女のTEDトーク本編が、そのままノーカットで収録されていて、なんとも贅沢な1本。
そして、観たあとは勇気が湧いてくる。
何度も観ているのに、飽きるどころか、観るたびに発見があるんです。
今日は、この講演を「スピーチ」という視点から解剖してみたいと思います。
「恥」と「勇気」を20年研究した、超・内向的な女性
ブレネー・ブラウンは、20年間、恥(シェイム)と思いやり、勇気と弱さについて研究してきた研究者です。
著書5冊はニューヨーク・タイムズのベストセラー入り。
彼女のTEDトークは、世界で最も再生されているスピーチの一つとして紹介されています。
TEDtalkはこちらです↓
私が最初に驚いたのは、実はものすごく内向的な性格だということでした。
大舞台に立ち、世界中に語りかけるストーリーテラー。
なのに、本人はスポットライトが得意ではない。
この意外性に、まず心をつかまれました。
そして、ブレネーの研究テーマである「勇気」と「弱さ」。
一見、正反対に見えるこの二つが、実は一つの真実でつながっていることをこの講演は教えてくれます。
「傷つく覚悟がないと、本当の勇気ではない。」
この言葉、何度聴いても刺さる。
でも、傷つく覚悟かぁ…ちょっと怖い、と思ってしまいますよね?
わかります。
でも、ブレネーの話を聴くと勇気が出ます。
ほんのちょっとの勇気を出したくなるんです。
あの伝説のTEDトーク、その後の話
このドキュメンタリーの魅力は、なんと言ってもあの“伝説”と言われるTEDトークの「裏側」を彼女自身の口から聴けることです。
彼女は講演の中で、
自分は無防備になるのが怖いし、嫌い。
でも、その弱さこそが、幸せな人生と愛の秘訣だと知った。
と言っています。
そう気づいた理由として、実際に無防備な自分をさらけ出したTEDの本番後、彼女は強烈な羞恥心に襲われたそうです。
「会場にいた500人だけに弱さを見せたのだから、それで済んでよかった〜。」
そう思ったのも束の間。
スピーチ動画がYouTubeに上がり、本部の公式チャンネルでも公開されるという、予想もしていなかった展開になりました。
どれだけ長年、羞恥心を研究していても、あのスピーチ動画に書き込まれたネガティブなコメントには、かなり傷ついたそうです。
正直、ひどかった…。
私だったら耐えられないだろうなと思うようなコメントの内容に、観ていて胸が痛みました。
それでも彼女は、そこから回復していくプロセスを面白おかしく語ります。
具体的にどう乗り越えたか、その方法も面白くて「それ、私もやったことあるー!」と妙に納得しながら笑い、共感の連続でした。
弱さを研究してきた人でさえ、傷つく。
それでも、そこから立ち直る方法を知っている。
その姿こそが、彼女の言葉に説得力を持たせているのだと思います。
なぜ、この講演は「人を巻き込む」のか?
ここからは、グローバル・スピーチコーチとしての視点で、彼女の話し方を分解していきます。
1時間ちょっとの講演の中で、ブレネーは旦那さんとのエピソード、息子さん、娘さんとのエピソードを語ります。
聴いている私たちにとって、とても身近で、想像しやすい話題です。
「羞恥心」や「弱さ」という、本来なら認めることが難しく、受け入れがたいテーマをブレネーは笑いに変えて届けていきます。
オープニングは、聴衆がすでに知っている自分のベストセラー本の紹介から入ります。
ここで、聴衆との間に「共通認識」という土台を築いています。
知っている話から入ることで、聞く姿勢を自然に作っているのです。
11回観てきて、あることに気づきました。
彼女は約15分に一度くらい、会場を巻き込む仕掛けを入れているのです。
会場の誰かを指名する。
質問をして、手を挙げてもらう。
「女性あるある」「男性あるある」を出して、一部の共感を得る。
小さな共感を積み重ねてから、少しずつ会場全体を巻き込んでいく。
またこの順番が、実によく設計されています。
「笑い」のあとに大切なメッセージを置く理由
彼女の話し方には、もうひとつ、大事な法則があります。
笑いを起こしたあと、大切なメッセージを伝える。
この流れを講演の中で、何度も繰り返しているのです。
笑いが起きると、場の緊張がゆるみ、身体が少しひらきます。
ふっと肩の力が抜け、肺の奥まで空気が入るような解放感。
それまで縮こまっていた体が、ゆるやかにひらいていく。
その変化によって、聴衆は話し手の次の言葉を受け取りやすい状態になります。
言葉が入ってくるかどうかは、実は「聞く姿勢」の前に、この体の状態で決まっているのです。
これは、私がBody Speechのメソッドとして日頃お伝えしていることとも、深く重なります。
言葉の内容がどんなに素晴らしくても、聞き手の体が「受け取る準備」になっていなければ、その言葉は届きません。
スピーチとは、言葉だけの技術ではなく、聴衆の「受け取る状態」をどう設計するか、という技術でもあるのです。
ブレネーは、それを本能的に、あるいは長年の経験から、身体で理解しているのだと思います。
実は、この「笑いのあとにメッセージを伝える」瞬間、彼女は決まって、ある特定の体の使い方をしています。
声のトーンでも、言葉選びでもありません。 その一瞬だけ、間、視線、そして立ち姿が、明らかに切り替わるのです。
これが、聴衆の心にメッセージをすっと届かせる、隠れたスイッチになっています。
この視点は、長年、私が身体を仕事道具として使ってきた俳優だからこそ、無意識に持っている技術だと思います。
詳しくは、また別の機会にお伝えしますね。
「すごい人」ではなく、「身近な人」から始める
そしてもう一つ、ブレネーの巻き込み力の秘密がここにあります。
講演の冒頭、彼女は自分が「超・内向的」であることを、すぐに自己開示します。
ブレねーは「すごい研究者」として登場するのではなく、まず「身近な、自分たちと同じ人間」として現れる、この親近感が、会場の空気をやわらげます。
スピーチやプレゼンで笑いを起こすことを難しいと感じる方は多いです。
でも、こうして先に親近感を創っておくと、笑いを起こすハードルは、かなり下がります。
彼女は切り口を変えながら、「弱さ」「無防備さ」というコアメッセージを
1時間かけて何度も伝え続けます。
そして最後、このドキュメンタリーのタイトル通り、「勇気を出して(さらけ出そう)」と思わせる着地で締めくくられます。
私が11回観ても泣いてしまう理由
最後のエピソードは、ブレネーの娘さんとの話です。
これを聴きながら、私はいつも自分の娘のことを重ねてしまいます。
彼女がこのドキュメンタリーで話しているのは、特別な誰かの物語ではありません。 家族との、ごくありふれた日常の物語です。
だからこそ、国も文化も違う私の心にまで、まっすぐ届くのだと思います。
人前で話すことが多い方。
伝える力を磨きたい方。
巻き込み力、影響力を身につけたい方。
このドキュメンタリー、本当におすすめです。
ここまでご覧になり、興味を持ってくださった方は、ブレネーのTEDトークを解説したnoteもぜひご覧ください↓
「話し方」の技術は、身体からも設計できる
ブレネーの講演を分解していくと、そこには「言葉の技術」だけでなく、間の取り方、身体の使い方、聴衆の神経状態を読む力など、身体全体で伝える技術が詰まっていることに気づきます。
Body Speech(ボディスピーチ)とは、言葉だけではなく、身体・声・間・視線・呼吸などを含めて「伝わる状態」を設計するスピーチメソッドです。
これは、私が俳優・パフォーマーとしての40年の経験と、脳科学・心理学の知見を重ねて体系化した、Body Speechというメソッドの核でもあります。
言葉をどう選ぶかより先に、身体と間をどう設計するか。
そこから、聴き手の心を動かすスピーチが生まれます。
このnoteでお伝えしたのは、その入り口のほんの一部です。
なぜ、その間が聴衆を引き込むのか?
なぜ、その姿勢が信頼を生むのか?
そうした問いに、体系立てて答えているのが、Udemyのオンライン講座です。
言葉が分からなくても、彼女のBody Speechを見ているだけで、エネルギーが伝わってくるはずです。
それこそが、非言語コミュニケーションの力。 そのエッセンスを体系化したのが、こちらの講座です。
▼ Udemy講座はこちら ▼
こちらは英語コンテンツですので、日本語字幕で学ぶ教材です。
Before you speak, let your body speak.
話す前に、あなたの身体に語らせよう。
弱さを見せることは、負けることではありません。
それは、あなたが本気で伝えようとしている証です。
今日、あなたもその一歩を、勇気を出してみませんか?
この記事をマガジンでご紹介くださり、ありがとうございました✨
マガジンで取り上げてくださったお蔭で、私一人の力では出会えなかった方々とのご縁がつながりました。
お気持ちが本当に嬉しいです🥰
しあわせに💐✨願いを込めて👰🧑👼🦜🌈✨様
素敵な出逢い🌹✨👼🌸🎶✨ありがとう💗✨様
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