【乳がん闘病コミックエッセイ】ep19: 治療しながら働くということ①
第19話












日日伴走記

CHOCO'S column
がん治療中にそれでも働くという選択
「今の仕事はできるだけ辞めないでください」
こう言われたのは、私が抗がん剤治療を受けると決めた日でした。
まだその時点では、抗がん剤がどれほど身体に影響を及ぼすのかまったく検討がつかず、私の中でのイメージといえば、「吐いて食事も取れない、思うように動けない」というものでした。だから、そんなこと言われても無理なのでは? という気持ちが強かったです。
実際には、漫画にも描いた通り、投与してからしばらくは身体はしんどいものの、副作用は徐々に落ち着いてきます。もちろんイレギュラーなこともあるけれど、私の場合は概ね予測できる範囲のものでした。
認定看護師さんのお話では、治療中に仕事を続ける人もいるそうで。時短勤務にしたり、休職したりと体調に合わせて働き方はさまざま。中には、午前中に抗がん剤を打って午後から出勤する方もいらっしゃるそうで、「そんな無理してまで仕事しなくても…」と思わずにはいられませんでした。
”仕事を辞めない”
これは実際、とても難しいことだと私は思います。
治療にはお金がかかります。ならば、稼がないと治療ができない。
でも、治療前のように身体が動くとは限らない…。
時短やフレックス、リモートなどに柔軟に対応してくれる会社ばかりではないし、立ち仕事や体力仕事に就いている人、非正規のパートタイムで働く人も多い。
特に乳がんの場合、女性は会社に病気のことを言いたくないと思う人もたくさんいるでしょう。
副作用の出方も人それぞれ。安定している人もいれば、強く出る人もいます。
仕事を続けたくても、周りの環境が許しても身体が動かない人もいる。
そんな中で「仕事を続ける」というのは、本当に勇気と覚悟がいることだと実感しました。
私はというと、当時はスタジオを一人で運営していたので、続けることはどうしても難しかった。
体力仕事でもあるし、代わりを探すのが難しいフリーランス。
治療費に加えてスタジオの維持費のことも考え、最終的にはスタジオを手放して、誰かに託すのが一番良いと判断し、譲渡を決意しました。
EC療法の4クール目で体調がかなり不安定になったことを思えば、お客さんのためにも、それが正解だったと思っています。
とはいえ……スタジオを閉めたら「無職」です。
抗がん剤治療はまだ後半戦(パクリタキセル)が残っていて、副作用もどんなものが来るか、ある程度予備知識はあれど実際は未知数。
ジーラスタを使わないといけなくなるかもしれない!
しかも最後のボス!手術も控えてる
金が!!金がいる!!!!!!
でも、無職の状態で、通院治療中にバイトの面接を受けるなんて……ほぼ絶望的でした。
そんな中、スタジオを始める前に勤めていた職場の人と再会。
「今月で退職する人がいる」との話を聞いた私は、間髪入れずにそのポジションをゴリ押しで希望しました。
丁度自分が希望していた週末勤務の募集、仕事内容も覚えているし、上司もスタッフも変わっていないなら、チャンスがあるのでは!?と、わずかな希望にすがったのです。
面接では、店長と「お久しぶりです」の挨拶もそこそこに、
今の自分の状態
・出勤できる日、できない日(副作用で寝込む日を想定して)
・体調によっては急に休むかもしれないこと
・仕事内容は覚えているので新人教育は不要なこと
……この辺りを、ものすごくアピールしました。
漫画の中でも「損をさせる働きはしません」と豪語しているシーンがありますが、あれ、漫画用のセリフでは無く、実際に言いました。
この時、私の頭の中はドクターXの大門未知子の名台詞「私失敗しないので」が音量MAXで響いてたと思う。
もし採用してもらえるなら「がん治療中の人を雇ったのは失敗だった」と思われたくない気持ちが強く出た言葉でした。
ちなみにこの面接について、後日店長が言った言葉がこちら。
「僕が聞きたい事は全部言ってくれたけど、あれは逆圧迫面接だった(笑)」
……申し訳ない。そう言いながらも笑って採用してくれた店長に感謝しています。
【CHOCO/ちょこ】
Instagram:https://www.instagram.com/choco_phototime/
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