「担任の先生」しか知らないの、もったいない。あなたの子どもにも関わっている、学校の"もうひとつのチーム"
4月。新しい学年が始まり、学校から「学校便り」が届く頃ですね。
お子様の入学・進級、おめでとうございます。
教職員一覧に目を通して、「あ、担任は〇〇先生か」——そこで終わってしまっていませんか?
わかります。私OHANAもそうでした。
でも、その下に並ぶ聞き慣れない肩書き。「特別支援教育支援員」「スクールカウンセラー(都)(区)」「特別支援教室専門員」「エデュケーション・アシスタント」……
これ全員、あなたの子どもに関わっている可能性がある人たちです。
「うちの子は普通のクラスだし、支援とか関係ないし」と思ったあなたこそ、読んでほしい。
今日は学校便りを片手に読んでいただきたい記事です。
担任以外に、こんなに大人がいる
まず一言。
学校には「教員免許を持つ先生」だけでなく、様々なスタッフが公的な制度として配置されています。 東京都の場合、都が雇用して派遣するものと、区市町村が独自に雇用するものが混在していて、その組み合わせで学校は成り立っています。
自治体によって職種の名称や配置状況は異なりますが、「こんな役割の人がいるんだ」と知っておくだけで、学校の見え方がガラッと変わります。
では紹介していきます!
💬 「話せる人」がいる ── 心の相談窓口チーム
① スクールカウンセラー(都)
こんな子・こんな場面で登場! → 不登校ぎみ、いじめ、友人関係、発達が気になる、親が悩んでいる……全部OK
公認心理師・臨床心理士などの資格を持つ心の専門家。東京都が採用して学校に派遣します。週1日程度の勤務ですが、子どもも保護者も相談できます。
東京都では小学5年生・中学1年生は全員面接あり。つまり「何もなくても、一度は顔を合わせる機会がある」仕組みになっています。
「大きな悩みじゃないんだけど……」という段階でも大丈夫。むしろそのくらいで話しに行くのがベストタイミングです。
② スクールカウンセラー(区)
こんな子・こんな場面で登場! → 都のSCと役割はほぼ同じ。地域に密着した相談窓口
都のSCとは別に、区市町村が独自に配置するカウンセラーです。区によっては勤務日数が多かったり、就学前施設にも対応していたりと、きめ細かい対応が可能なことも。
「都と区、どっちに相談すればいいの?」と迷ったら、とりあえず担任か養護教諭に聞いてみてください。
🧡 「そばにいる人」がいる ── 直接サポートチーム
ここからが、多くの親が「知らなかった!」となるゾーンです。
しかも同じ「特別支援」という言葉がついていても、活動場所も対象もまったく違う職種が混在しています。順番に整理しますね。
③ 特別支援教育支援員
こんな子・こんな場面で登場! → 発達特性・身体・情緒など、ちょっとした困り感のある子の「毎日の生活全般」をサポート
📍活動場所:普通の教室の中!担任と一緒にいる
私OHANAもこの職種として学校で働いています。
授業中に子どものそばにいて補助したり、給食・移動・着替えなどの生活面をサポートしたり。特定の一人につく場合もあれば、クラス全体を見ながら必要な子に関わる場合もあります。
ポイントは「教室の中にいる」こと。担任の先生のそばで動いているので、お子さんのクラスに入っていれば、全員の子どもと自然に関わっています。
「あの先生、なんか担任じゃないけどよくいるよね?」とわが子が言ったら、それかもしれません。
⚠️「支援員がついている=重い障害がある」ではありません。ちょっとした困り感がある子がより安心して過ごせるようにするための配置です。
④ 特別支援教室専門員 / ⑤ 巡回指導教員
こんな子・こんな場面で登場! → ASD・ADHD・LDなどの発達特性があり、週に数時間「特別支援教室」に通っている子
📍活動場所:特別支援教室の中のみ。普通の教室には来ない
ここが③との大きな違いです。
④特別支援教室専門員は、特別支援教室の運営を支えるスタッフ。子どもの行動観察・記録、教材づくり、教員との連絡調整などが主な仕事です。「授業を教える先生」ではなく、教室全体が機能するよう裏側を支えています。
⑤巡回指導教員は、複数の学校を「巡回」しながら、特別支援教室で実際に子どもへの指導を行う教員免許持ちの専門家。感情コントロール、友達との関わり方、学習上の困り感への対処法など「自立活動」と呼ばれる指導を行います。
この2つは、特別支援教室を使っていない子どもとは基本的に接点がありません。でも、「支援教室を使っている子のクラスメイト」であるわが子の環境には、間接的に影響しています。
⑥ エデュケーション・アシスタント(EA)
こんな子・こんな場面で登場! → 小学1〜3年生、全員。クラス全体の授業補助・生活サポート
📍活動場所:低学年の教室の中!
「副担任」に近いイメージです。授業中の学習補助、登下校の見守り、子どもの相談対応など、担任と一緒に教室にいます。
特に1年生1学期はまだ支援の対象になるか相談や申請をする段階のため、支援員が配置できないのでこのEA職種が対応します。
これ、低学年のお子さんがいれば全員関係ある職種です。 「先生じゃない大人がいつも教室にいる」のがEAです。担任が気づかない子どもの様子を見てくれていることも多く、地味に頼りになる存在。
⑦ 校内別室指導支援員
こんな子・こんな場面で登場! → 「教室には行けないけど、学校には来られる」不登校傾向の子
📍活動場所:別室(支援室・相談室など)。教室には基本来ない
私OHANAもこの職種として働いています。
③の特別支援教育支援員と「支援員」という名前はよく似ていますが、対象がまったく違います。 ③が発達特性系の子の教室でのサポートなのに対して、⑦は「別室なら来られる」不登校傾向の子の居場所づくりが仕事です。
慣れてきたらオープンスペース等で過ごし教室に少しずつ近づいていくことも。
学習を一緒に進めたり、ただそばにいたり、担任とのつなぎ役になったりします。
💡 ちょっとここで整理!
混乱しがちな「支援」系3職種をざっくりまとめるとこうなります。

また、発達特性と不登校は「重なっている子」も多くいます。特性があるから学校がしんどくなって別室に……というケースは珍しくありません。③と⑦の両方が関わる子もいる、それが現実の学校です。
🏫 「学校を回す人」がいる ── 運営サポートチーム
⑧ スクール・サポート・スタッフ(SSS)
こんな場面で活躍! → 先生が子どもと向き合う時間を増やすための、縁の下の力持ち
プリントの印刷・準備、掲示物作成、資料整理……先生の事務仕事を代わりに担います。子どもと直接関わることはほとんどなく、バックヤードで動いています。
「学校便りに名前があるのに、子どもが会ったことない」という方はこの職種の可能性大。でも間接的に、先生が子どもに向き合える時間を作り出してくれています。
⑨ 副校長補佐
こんな場面で活躍! → 学校の電話対応、来客対応、事務処理など、副校長の右腕
副校長の事務全般をサポートする役割。元校長・副校長経験者や、民間企業での事務スキルがある方が多いです。
学校に電話したとき、最初に対応してくれる方が副校長補佐だった……ということもあります。
全体像を整理するとこうなる
学校のスタッフチームをざっくり整理すると——
🗣️ 心のサポートチーム(SC都・SC区) → 全員が相談できる。予約して話しに行ける。
🧡 直接サポートチーム(③支援員・④⑤専門員+巡回・⑥EA・⑦別室支援員) → 子どもと直接関わる。でも活動場所と対象が全員違う。
🏫 運営サポートチーム(⑧SSS・⑨副校長補佐) → 子どもとの接点は少ないが、学校全体を支えている。
これだけの大人が、一つの学校で動いています。担任一人がすべてを抱えているわけじゃない。だからこそ、何か気になることがあったとき「担任に言うしかない」と思わなくていいのです。
「うちの子には関係ない」は、実はない
支援員が担当しているのはたしかに特定の子ですが、その子と同じ教室にいるわが子と自然に関係ができていることは、日常的にあります。
「支援の先生、〇〇くんにいつも優しくしてくれてる」とわが子が言う。別室にいる子と廊下ですれ違うたびに支援員が声をかけてくれていた。カウンセラーに相談した子の話がきっかけで、クラス全体へのアドバイスが担任に届く。
学校は、知らないところでつながっています。
だから、学校便りの一覧を「うちには関係ない名前」として流さないでほしいのです。
学校便り、もう一度開いてみてください
今年度の職員一覧に、見慣れない肩書きが並んでいませんか?
「スクールカウンセラー(都)〇〇先生」→ 心の相談窓口 「特別支援教育支援員 □□さん」→ 教室の中でそばにいる人 「エデュケーション・アシスタント △△さん」→ 低学年クラスの副担任的な人
名前と役割がつながるだけで、学校がぐっと身近になります。
最後に、私のことを少し
私はこの記事で紹介した職種のうち、特別支援教育支援員と校内別室指導支援員として、東京都内の小学校で日々働いています。
発達特性のある子の教室サポートも、別室でそっと話を聞くことも、両方やっています。だからこそ「現場ではこんなことが起きている」という話を、これからもnoteで発信していきたいと思っています。
個別のご相談も受け付けています。
「うちの子、なんか気になる……」「学校への伝え方がわからない」「支援員ってどうやったら頼めるの?」——そんな話を、気軽にできる場所があります。
🎀 ココナラで電話相談をしています。
ココナラ電話相談:母の「はたらく」に関する悩みに何でもお答えします
匿名OK、話すだけでも気持ちが整理されます。
子育て関連のお悩みもお気軽にどうぞ。
この記事は東京都の公立小学校を主な対象として執筆しています。職種の名称・設置状況は自治体・学校によって異なります。詳細はお住まいの区市町村教育委員会や学校にご確認ください。
