ごはんの魔法【おてつたび・シェアハウス・離島フリアコ】
ごはんは魔法だと思っていた
母から「ごはんやで」と言われたら、出てくる。
外でお金を払えば、出てくる。
21になるまで、
カレーを作ったこともなかった。
そんな私が「今日もごはん作るね〜」と、家族にLINEを送る。
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【おてつたび】「料理ができないって、どういう意味?」
大学4年生
新潟のゲストハウスへ、おてつたびでお世話になったときのごはんは
"みんなで作って分け合う"だった。
「料理できないから、指示してください〜」と甘えると、25歳愛知のお姉さんから
「料理ができないって、どういう意味?」と聞かれた。
逆にどういう意味?と思った。
茹でたほうれん草を「おひたしにして」と。
この緑色に、なにをどのくらいどうすれば、おひたしとやらになるのか?ハテナだった。
なんだか、恥ずかしかった。
できないものはできないし、
やったことがないから分からない。
生きるために必要なこと
生きるための基となること
料理ができないだけで、人間として欠けてるような、そんな気になった。(ちょっと大袈裟)
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【シェアハウス生活】スーパーは遊園地
社会人になり、はじめたシェアハウス暮らし。
母からレシピをいくつか教えてもらい
『和食とおみそ汁』がその年の抱負。笑
休日、はじめて1人でスーパーへ行く。
店内を歩き回る。
メモした野菜とお肉たちをカゴに入れる。
おやつも入れちゃう。
帰って冷蔵庫にしまう。
なんだこれ、楽しい…!!!!
ビル街でショッピングするより何倍も楽しい。
その日は結局、何も作らずに力尽きた。笑
この1年間で、
筒状のレンコンをはじめて見た
さつまいもをはじめて蒸した
スーパーは、秋がいちばん好み
おみそ汁は出汁が決め手
いちばん好きなきのこは舞茸
いちばん好きな葉物は水菜
玉ねぎとじゃがいもと人参は、いつでも家にいてくれたら助かる
塩昆布は優秀
ごはんは鍋で炊くと宝石のように美味い
そういうことが、ぜんぶ新鮮で楽しかった。
そしてシェアハウスの住人たちがテーブルに広げる、癖強オリジナル料理たちもおもしろおかしかった。(ひとくち頂戴とは思えないほどの癖、笑)
料理はクリエイティブ選手権だと知った。
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【フリアコ生活】
手作りは、あったかい魔法
シェアハウスを退去し、
つぎは離島の宿でフリアコ(労働の対価として宿泊費食費0円生活)を3ヶ月。
20代、30代、40代のお姉様たちと共同生活。
毎日のように、ごはんを一緒に作って、一緒に食べて片付けて、おやすみを交わす。
「たまごを茹でる」というだけのことが、
人によって手順や時間が違う。
「カレーを煮込む」だけでも、
バターを入れる人
スパイスを使う人
箱のレシピ通りする人
人参を皮ごと使う人使わない人
みんないい加減で、てきとうで、ああ美味しかった、なんか物足りない、こうしてみよう、ああ失敗だった、まあいっか。みたいな感じ。
そして、「うちはこれ!」「私はこう!」が自由でカラフル。
料理でその人の人生の一部が知れる、人となりが知れるのが、愉快だった。
何より、みんなで「おいしいね」「なに入れたの?」「旬だね〜」と話しながら食べる時間がすごく好きだった。
(あ、これだけで人生幸せだ)と思った。
思い出すだけでぽかぽかする。
ちなみに島では、
パーティーは手作りの一品持ち寄り
外食は贅沢
コンビニはない
ほとんどの店は20時まで
食材をいろんな人からいただける
なので、料理はできて当たり前の世界。
(都会では経験できない)
遊びに連れて行ってもらったら、「じゃあごはん作るよ」と恩返しを形にできるのも嬉しい。
(今まで「じゃあ奢るよ」しか言ったことない)
料理はできなくてもいいし、
今は便利をフル活用で生きていけるし、
下手くそでいいんだけど、
下手くそなんだけど、
今日はなにを食べたいか考える
食材をえらぶ
好きな形に切る
てきとうに味をつける
おいしく食べる
からだも心もあったまる
ゆとりがあるからできる
心身ともに健康であるための営み
自分の身体が欲しているものが分かる
液晶をみて、いつの間にか今日が終わるより、そういう豊かさを日々に贈ってあげようと思う。
手作りは、あったかい魔法だ。
