また フライングしにきました
こんばんは。短い小説持ってきました。
[うたすと2 課題曲] 風雷
作曲&歌&動画作成 大橋ちよ
作詞 八神夜宵
君とわたしの本当の物語
むかし、むかし、あるところに。のんびり屋の王子さまとお転婆なお姫様がいました。王子さまは草むらで寝転がるのが好きでした。お姫様は屋根の上で雲を眺めるのが好きでした。
風が吹くと草がゆれて、雲が流れてゆきました。平和な国には何もかもがそろっているというわけでもなかったのですが、本はとても豊富にありました。本屋さんもあり図書館もありました。
王子さまは思います。草たちは物語を語ってくれる。風に乗せて歌っている。
お姫様は思います。雲たちは物語を運んでくれる。風に乗せて描いている。
そんな時、王子さまとお姫様はひとりごとをつぶやきます。
『自分は物語の中にいるのかもしれない』
でも、そう思ったところで、日々に何かが起こるわけでもありません。それでも、毎朝風に吹かれて、草や雲の物語を聞いて、午後のお昼寝して、星空を眺めて、眠るのは心地が良いのでした。
。。。 。。 。。。 。。 。
ある日、雷が鳴りました。
ピカッ!
雷の光は、平和な世界の時空を一瞬にして引き裂きました。引き裂かれた空へ、雲も草も町も山も海も鶏も犬も牛も、そして人々も吸い込まれていってしまいました。
残ったのは、ただただ広く暗く歪んだ時空間でした。
『どうして……? こうなってしまったの?』
掟を破った者がいたからだ。
……神はそうおっしゃいました。
『そういえば、王子さまは? お姫様は?』
自分達で物語を創りに行ったのだ。ふたりは掟を破ったのだ……! もはや、王子でも姫でもない! 永遠の命さえ捨てて、まったく何処へ行くというのだ! 勝手にするがいい!!
……神はそのようにおっしゃいます。
『神よ……あなたは?』
……。この本の作者だが? いや、かつて本だったと言うべきか……。もう関係ないさ……。
……神よ。
。。。 。。 。。。 。。 。
ここは今。
のんびり屋の君と、お転婆な私がいます。いろいろな事があった人生だったけど、手を取り合って生きてきたね。
君はどうして植物が好きなのかな?
私はどうして大空が好きなのかな?
『不思議ね』
『うん、いい日だね』
ふたりにやさしい風が吹きました。そしてふたりは物語を創ってゆきます。今日も、そしてこれからも。
ふたりにやさしい風が吹きました。
おわり
(850文字くらい)
大橋ちよさま
八神 夜宵さま
小説家/作詞・作曲家 PJさま
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