夏とぬか漬けと私。
ぬか漬けが大好きな私。
好きすぎて週に2回スーパーでぬか漬けを買っていました。
「なんか、自分で漬けたほうが経済的じゃね?」
と次第に考えるようになり、大きなスーパーでぬか床がジッパー付きのバッグに入っている「ぬかバッグ」を買ってきて自分でぬか漬けを作るようになりました。
…美味しい!漬ける時間で味を調整できるし、自分で漬けるマイぬか漬けというのはなんとも贅沢で格別なものでした。
しかし、ぬかバッグには弱点がありました。
袋がジッパーになっているのですが、ジッパー部分にぬかが挟まったり、何度も開け閉めしているうちにジッパーがバカになってきてきちんと閉まらなくなったり。ジッパーの隙間から空気が入ってぬかの表面にカビがはえたり。
さらに、漬けた野菜から出る水分でぬかがだんだん柔らかくなり、底に水が溜まってきてズブズブのぐちゃぐちゃになってくるのでした。結局最後は廃棄せざるを得なくなりました。
ああ、さようならマイぬか漬け。
さようなら、愛とぬか漬けの日々。
そんな失意の日々を送っていたある日、病院の待合室で雑誌「クロワッサン」を読んでいました。暮らしの道具の特集でした。そしてそこに紹介されていたのが、ぬか床ボックスでした。

なにやらぬか床の底にスリットがたくさん入ってザルのようになっていて、ぬかの余計な水分が自然に下に落ち、いちばん下の透明な容器に溜まっていくというすぐれもの。
「これや!私が求めてたのは!これがあればまたマイぬか漬けライフが楽しめる!」
私の目は輝き、胸は激しく高鳴りました。
しかし、値段を見るとまさかの4,000円超え。
…高っ!!
高すぎて驚愕しました。貧困独身女にとても買える代物ではありません。泣く泣く雑誌を閉じて書棚に戻し、病院を後にしました。
その日から、寝ても覚めても考えるのはぬか床ボックスのことばかり。同じようなものはないかと血眼になって調べましたが、ありませんでした。水とり器という小さな容器が付属している安価なものはありましたが、底から水を切るタイプのものはありませんでした。あんなシンプルな構造のものが、なぜこんなにもないのか。
「1,500円ぐらいでありそうなもんやろ」
と思いましたが、ありませんでした。
そもそもなぜこんなにも高いのか。
このメーカーの特許商品なのか。独占販売なのか。
途方に暮れ、打ちひしがれ、たかだか4,000円でここまで悩み苦しむ貧しい身の上を呪いました。
そうこうしているうちに冬が来て、春が来て、初夏になりました。汗をかき、お漬物が美味しく味わえる季節がまた巡ってきました。
心はまたぬか漬けに引き寄せられていきました。
結局、ずいぶん長い間逡巡し葛藤し苦悩しましたが、私は清水の舞台から飛び降りるような覚悟で、Amazonで例のぬか床ボックスを「えいっ」とポチりました(笑)。
そして今また自家製のぬか漬けを堪能する日々を満喫しているところです。
おかえり、マイぬか漬け。
実家ではお隣からたくさん梅をいただき、毎年恒例の梅干し作りをしているところ。先日チェックしてきましたが、いい具合に水(果肉の水分)が上がってきていました。うまく漬かるといいな。
だんだんと暑くなってきて水分・塩分の補給が必須の季節になってきました。どうやらこの夏も美味しい漬物で暑さを乗り切ることができそうです。
