【エッセイ】『堪忍の袋と地雷と、キッチンと』第20章:巻き返し~やってしまったけど、まだ終わっちゃいない!~
かくして、やらかしました。
僕は、やらかしましたとも。
もう、“しくじり”の見本市みたいな行動を取りました。
約束されし未来(=弁護士さんとの作戦会議)をすっ飛ばし、
感情だけを詰め込んだリュック一つで、四女の通う保育園に突撃。
もちろん撃退。大撃退。
世が世なら、討ち死に状態。
弁護士事務所へ
やらかした後、弁護士さんの事務所に行く道中。
「弁護士さんになんて言おう、さっきの事隠そうか…」
弁護士事務所の前を車で行ったり来たり。
でも、隠してもマイナスだろうな、と。
意を決してドアをノック、
担当弁護士さんは、目を細めてこう言いました。
弁:「やっちゃいましたか?」
僕:「はい、やってしまいました!!」
弁:「ですよね~。うん、そうなっちゃいますよね~」
僕:「すみません」
弁:「では、座りましょうか」
弁護士さんはこう教えてくれた。
・強硬手段は裁判所には印象最悪。
・裁判所は、まず何より“子どもの幸せ”を最優先に考えている。
・本当に四女を取り返したいなら、これからは必ず弁護士に確認してほしい。ささいなことでも。
・父親が親権を取るのは、かなりハードルが高い。
・だからこそ慎重に、綿密に計画して裁判に臨まなければ、負ける。
・勝率は一割と考えよ。
僕は、ズシーンと胸にその言葉を受け止めた。
それでも不思議と、心が少し軽くなった。
だって、「ゼロじゃない」ってことだから。
けれど、ありがたいことに、
怒られず、責められず。
むしろ、「ここからが勝負ですから」と、肩をぽんと叩いてくれた。
それから、改めて作戦会議をしました。
大事なのは、感情でなく「事実」と「未来」を伝えること。
弁護士さんと話し合ったのは、主にこんな内容でした。
・これまでの経緯を、ちゃんと伝えること
・自分はどうしたいのか、きちんと表現すること
・「四女にとっての幸せ」って、どういう形かを冷静に語ること
・相手(※裁判上は“相手方”)の主張も、ただ否定するんじゃなく、その主張の背景を想像すること。
この章を読んでくれている“かつての僕”みたいな人たちへ。
もし今、同じような状況にいるなら、こう伝えたい。
・裁判所に出す資料、できれば“自分の手”で書くこと。
→ 手書きでも、箇条書きでもいい。“自分の言葉”じゃないと届かないから。
・陳述書も、代筆じゃなく自分で書いて。
→ 格好つけなくていい。カッコ悪くても、自分の言葉なら、それでいい。
・嘘は、絶対書かない。
→ 相手を悪く見せようとか、少し盛ってやろうとか、やめとこう。
バレるから。てか、書いてる途中で、自分がいちばん苦しくなるから。
裁判って、「勝ち負け」じゃないんです。
(いや、実際は勝敗もつくけど……)
でも、もっと大事なのは、
“自分自身を裏切らずに、通すべきことを通す”ってこと。
僕はその日、弁護士さんの事務所を出たあと、空を見上げました。
どんより低い12月の新潟冬の空でした。
「よし。まだ終わってない」
そう言い聞かせながら、僕はコンビニで唐揚げ弁当(大盛り)を買いました。
人は、食べれば立ち直るんです。マジで。
章あとがき:やっぱり食べることが大事
人生には、「あ〜やっちまったなあ」って瞬間が、何度か訪れます。
そのたびに、地面にめり込みたくなるけど、でも、生きてる限りは“巻き返し”のチャンスがある。
やっちゃった自分を責めるより、
やっちゃった後、どう立ち直るか、
そこにこそ、自分の自分らしさが試されるんじゃないかって、今は思えます。
あと、やっぱり人は、ちゃんと食べること。
それ、大事。ほんと、大事。
そして、僕の背を押してくれた戦国武将の一言。
「大事を通すには、小事は"スルー&スマイル"でござる」
「荒立てずに成し遂げる」徳川家康(たぶん、いや、きっと)
全部に噛みついてたら、歯がボロボロになるし、心もすり減る。
目指すのは本丸、そこへ辿り着くには、
道中の石ころくらい、笑ってよけてなんぼです。
誰かの言葉にカチンときても、グッと飲み込んで笑ってる人。
実はその人、いちばん強いのかもしれません。
戦も人生も、静かに勝つのが真の武将。
社内の地雷原も、表情一つ変えずにスルーして、
「ほら、大丈夫でしたよ」って涼しい顔。
そんな将になりたいけど、今日もまた、
誰かのひと言にブチっときてる自分がいます。
拙者、まだまだ修行中でござる。
でも、メシ食って、笑えたら、それでよし。
明日もまた、いざ、出陣。
巻末レシピ:立ち直りたい日の、レンチン術
【から揚げ親子丼(実は冷食丼)】
材料:
・冷凍から揚げ
・玉ねぎ 1/4個(薄切り)
・卵 1個
・めんつゆ(ストレート)50cc
・ごはん一膳
つくり方:
1.フライパンで玉ねぎをめんつゆで煮る。
2.から揚げを加えて、軽く煮たら溶き卵を流す。
3.フタをして好みの固さまで火を通す→ごはんにのせて完成!
→ “もうひと頑張りしたい午後の、やり直しメシ”。
台所・心の一句:「やらかして それでも頬張り 勝ちを読み」
