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余命1年のじぃじと過ごす|最期までみんなで笑って楽しい毎日!⑬じぃじ、エネジードリンク禁止令!

重度の心臓病を抱えるじぃじ。 だからこそ――残された1年は、家族みんなが近くに住み、笑顔あふれる毎日を過ごしてほしい。 そんな願いから、私たちは思い切って引っ越しを決めました。

本当なら、じぃじとばぁば、そして私たち三姉妹とその家族たち。 みんなでワイワイと過ごす未来を思い描いていたのに、じぃじの病状は想像以上のスピードで進み、気づけば施設への入居が決まっていました。

2025年12月半ば。ご縁をいただいた施設に入居したじぃじは、当初は「ここはどこだ?」「なぜここにいるんだ?」と、状況をまったく理解できていませんでした。
それが半年以上経った今では、じぃじなりの生活が少しずつ形になり、施設内や敷地内を車椅子でぶらぶらと散歩する姿も見られるようになりました。

食堂と建物の入り口には自動販売機があり、どうやらじぃじにとっての“毎日のスーパーマーケット”になっているようです。

さらに月に数回やってくる移動販売のパン屋さん。パン好きのじぃじは毎回お金を握りしめ、数種類のパンを買い込んで、部屋で嬉しそうに食べているとのこと。

そんなある日。

「私はいつもこれを買って飲んでいるんですよー」

と、じぃじが私を誘導していきます。ついて行くと、建物の外の自動販売機へ。 そして得意げに指さしたのは――まさかの・・・エネジードリンク!

「これ、飲んでもいいの?」

思わず声が出た私に、じぃじはしれっとした顔で、

「これはエネジードリンクと言って、飲むと元気になるんだよ。」

と説明し、さらに

「今日は2本でいいかな。」

と独り言のように呟きながら、ポケットからコインを取り出して購入し始めました。

「まあ、本人が元気になる気がするなら、それはそれでいいか…」

その日は深追いせず帰ったのですが――数週間後。

ケアマネさんに呼び止められました。

「すいません、ちょっとお話が……」

聞けば、じぃじがエネジードリンクを“ものすごい量”買い込み、部屋の冷蔵庫にぎっしり詰め込んでいるとのこと。

慌てて冷蔵庫を確認すると、缶やペットボトルが所狭しと並び、まるで小さなドリンクショップ。

「いつでも飲みたいときに飲めるように、ちゃんとしまってあるんだよ。勝手に持っていくなよ、大事なエネジードリンクなんだから。」

じぃじは真剣そのもの。

ケアマネさんは言いにくそうに、

「栄養管理士がしっかり食事を考えて提供していますし、多量のエネジードリンクは、重度の心臓病を持つお父様にはあまりよろしくないかと…」

と伝えてくださいました。

もちろん、私たち家族もそれは分かっています。 でも以前、

「こんなに飲むの、やめておいたほうがいいんじゃない?」

と伝えたら、

「うるせぇ。俺が飲みたいんだからいくつ買ってもいいじゃないか。俺のやることに口出すな!!」

と激怒されてしまい、それ以来何も言えなくなっていたのです。

そこで、じぃじ・ケアマネさん・ばぁば・看護師の妹・私でエンジンを組み、話し合いをしました。 じぃじの心臓の状況から見て、エネジードリンクは控えたほうがいいことを丁寧に説明すると、

「ほぉ、ほぉ。」

と何度もうなずくじぃじ。 理解しているかどうかは怪しいものの、「エネジードリンクはお預けになった」という事実だけは受け止めたようでした。

その代わりに、じぃじから「代わりの飲み物が欲しい」との要望が。 そこで苦肉の策として、ポカリスエットやダカラなどのスポーツドリンクを、家族が面会のたびに2本だけ持っていくことにしました。

とはいえ、施設内の自動販売機にはいつでもドリンクが並んでいます。 欲しいと思ったら、また大量買いしてしまうかもしれません。

じぃじの部屋は今、缶やペットボトルがずらりと並び、まるで小さなドリンク屋さん。 本当に困ったものです。

いろいろな方に相談すると、認知症が進むと「とにかく何でも買って、全部冷蔵庫にしまう」傾向があるとのこと。 そういえば埼玉で暮らしていたころも、薬・コーヒー・砂糖・塩・紅茶……なんでも冷蔵庫にしまっていたことを思い出しました。

帰り際、みんなで「そうだったね」と納得。 施設のスタッフさんが時々冷蔵庫をチェックしてくださるとのことで、少し安心して帰路につきました。

最近、ちょっとだけ、じぃじとの会話につかれてきた私です。






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