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【近視抑制治療】最新情報と選択肢@岡本眼科クリニック

明けましておめでとうございます。
愛媛県松山市【岡本眼科クリニック】院長の岡本茂樹です。

スマートフォンやタブレット、パソコンが当たり前になった現在「近視」はとても身近なものになりました。実際、日本では中学生の約6割、高校生では7割前後が近視と言われています。

そのため、「近視は仕方がないもの」「メガネやコンタクトを使えばいい」と思われがちですが、近視は白内障や緑内障など、その他の疾患につながるリスクがあります。

今回は「近視抑制」について、ぜひ知っていただけたらと思います。


◼︎「近視抑制」が注目されている理由

近視抑制が注目されている理由は、「近視になる人が増えている」からだけではありません。

近視の度数が強くなるほど、将来的に目の病気が起こりやすくなることが、医学的にも明確になってきたからです。
具体的には、近視の度数が強くなると、
・白内障
・緑内障
・網膜剥離
・黄斑円孔
・近視性黄斑症
といった病気のリスクが高くなることが分かっています。
そしてこれらには失明に至るリスクもあります。

つまり、近視抑制とは「今の視力を守る」だけでなく「将来の目のトラブルを減らすための予防」という意味を持っています。

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◼︎近視のメカニズム

近視が進む原因は、大きく分けて2つがあります。

① 遺伝的な要因

ご両親が近視の場合、お子さんも近視になりやすい傾向があります。
これは体質的に、眼球が成長する過程で伸びやすい性質を持っているためです。

ただし、遺伝があるからといって必ず強い近視になるわけではありません。
近視の進み方には、生活環境が大きく関わってきます。

② 環境的な要因

近視の本質的な変化は、眼球が前後方向に伸びてしまうことにあります。
この前後の長さを「眼軸長(がんじくちょう)」と呼びます。

本来、目は「網膜の上にピントが合う長さ」で成長が止まるのが理想です。

ところが、スマートフォンやタブレット、ゲーム、パソコンなど、近い距離を長時間見続ける環境が続くと、目がその環境に適応しようとして、眼軸長が少しずつ伸びていきます。

この状態になると、ピントが網膜より手前で合うようになり、近視が進行します。
重要なのは「眼軸長が一度伸びてしまうと、自然に元に戻ることはほとんどない」ということです。

③ 屋外活動が近視を抑える理由

一方で、「屋外で過ごす時間が長い子どもほど、近視になりにくい」という研究結果が数多く報告されています。

太陽光の下では、
・遠くを見る機会が増える
・網膜に入る光量が多くなる
といった要素が重なり、眼軸長が過剰に伸びるのを抑える方向に働くと考えられています。

このため「外で遊ぶ時間を確保すること」や「近くを見る作業を続けすぎないこと」は、近視抑制の基本として重要です。

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◼︎近視抑制の治療選択肢

近視抑制の治療にはいくつかの選択肢があり、目の状態や年齢、生活環境によって使い分けることが大切です。

現在、近視の進行を抑える目的で用いられている治療には、次のようなものがあります。

  • 低濃度アトロピン点眼

  • オルソケラトロジー

  • 多焦点コンタクトレンズ

  • レッドライト治療(国内未認可)

それぞれにメリットと注意点があり、「どれが一番良い」というものではありません。

大切なのは、近視の進行度、進行のスピード、年齢、生活スタイルなどを踏まえて、現実的に続けられる方法を選ぶことです。

◼︎低濃度アトロピン点眼による近視抑制

近年、近視抑制の治療として広く知られるようになったのが、低濃度アトロピン点眼です。

アトロピンは、もともと瞳孔を広げる作用のある薬剤ですが、その濃度を極めて低く調整することで、近視の進行を抑える効果があることが分かりました。

日本では、参天製薬から『リジュセア(マイオピン)』という低濃度アトロピン点眼薬が発売され、使用できるようになっています。

【低濃度アトロピン点眼のメリット】

この治療の一番の利点は、治療方法が非常にシンプルであることです。
毎晩寝る前に点眼するだけで、近視の進行を抑える効果が期待できます。

また、アトロピン自体は古くから使われてきた薬剤であり、この低濃度では全身への影響も少なく、比較的安全性の高い治療とされています。

【低濃度アトロピン点眼の注意点と課題】

① 継続が前提の治療であること
この点眼は、続けてはじめて効果が期待できる治療です。近視の進行が落ち着くとされる18〜20歳頃まで、原則として毎晩の点眼を継続する必要があります。

② 視力が良くなる治療ではない
低濃度アトロピン点眼は、近視の進行を抑えるための治療であって、裸眼視力を回復させる治療ではありません。
点眼を行っても、メガネやコンタクトレンズが不要になるわけではなく、視力矯正は引き続き必要になります。

③ 中止すると効果が戻る可能性がある
点眼を途中でやめた場合、近視の進行が元のペースに戻る(リバウンド)可能性があることも指摘されています。

そのため「いつまで続けるのか」「家庭で無理なく継続できるか」をあらかじめ考えたうえで始めることが大切です。

◼︎オルソケラトロジーによる近視抑制

オルソケラトロジーは、夜に専用のハードコンタクトレンズを装用し、寝ている間に角膜の形を一時的に整えることで、日中は裸眼で過ごせる治療です。

この治療の特徴は「見えるようになる」だけでなく、近視の進行を抑える効果が期待できる点にあります。

近年の研究では、オルソケラトロジーを継続することで、眼軸長の伸びが抑えられ、近視の進行が緩やかになることが示されています。

実際に当院でも、小学生や中学生の頃からオルソケラトロジーを始め、成長期を通して近視の度数が大きく進まずに経過しているケースを多く経験しています。

オルソケラトロジーは、
・近視の進行抑制
・日中は裸眼で生活できる
・治療を中止すれば元に戻る可逆的な治療

という特徴を併せ持っています。

一方で、コンタクトレンズ治療であるため、正しい装用方法や洗浄管理、定期的な眼科受診が欠かせません。

◼︎多焦点コンタクトレンズによる近視抑制

近視抑制の方法のひとつとして、多焦点コンタクトレンズがあります。

遠くを見る度数に加えて、周辺部に異なる度数を持たせたソフトコンタクトレンズで「網膜周辺部に入る像のピントを調整することで、眼軸長の伸びを抑える方向に働く」と考えられています。

日中に装用するレンズであるため、
・ソフトコンタクトに慣れている方
・夜間のハードコンタクトレンズ装用が難しい方

にとっては取り入れやすい方法です。

一方で、近視抑制効果の安定性という点では、オルソケラトロジーのほうが実感しやすいケースもあります。

そのため当院では、多焦点コンタクトレンズは状況に応じて検討する選択肢のひとつとして位置づけています。

◼︎レッドライト治療という新しい選択肢

近視抑制の治療として、近年注目されているものの一つに「レッドライト治療(赤色光治療)」があります。

これは、特定の波長の赤色光を目に照射することで、近視の進行を抑える効果があると報告されている治療法です。

海外を中心に研究や臨床報告は増えていますが、日本では現時点で正式な医療機器としての認可は受けていません。
そのため、保険適用はなく、自由診療での対応となります。

当院でも、この治療法について情報収集や検討は続けていますが、現時点では導入する段階には至っていません。

新しい治療であるからこそ「効果だけでなく、安全性や継続性」を慎重に見極める必要があると考えています。

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◼︎ご家庭でできる近視対策

近視抑制は、日常生活での対策も有効です。

まず大切なのは、「スマホやゲームをやめさせる」ことではなく、使い方や時間をどう管理するかです。
特に意識してほしいポイントは、次のような点です。

・スマートフォンやタブレット、ゲームは時間を決めて使う
・部屋をできるだけ明るくして、画面から30〜40cm離す
・近くを見る作業が20分続いたら、20秒間、6m(20フィート)以上先を見る[20-20-20ルール]
・できるだけ屋外で過ごす時間を増やす

暗い場所では、どうしても画面に近づいて見てしまいます。
また、同じ距離を長時間見続けることが、近視を進める要因になります。

◼︎家族で話してほしい、近視抑制のこと

近視は、ある日突然起こるものではありません。
多くの場合、気づかないうちに少しずつ進み、後から振り返って「進んでいた」と分かるものです。

だからこそ、視力が大きく落ちてから対応するのではなく、日常の中で早めに気づき、向き合うことがとても大切になります。
ご家庭では、ぜひ次のような点を振り返ってみてください。

・最近、物を見る距離が近くなっていないか
・スマートフォンやタブレットを長時間続けて見ていないか
・外で過ごす時間が以前より減っていないか

こうした変化は、本人よりも一緒に生活している家族のほうが気づきやすいことも少なくありません。

近視抑制は、なぜ近視が進むのか、どうすれば目に負担がかかりにくいのかを知ったうえで、生活の中でできる工夫を実践することが大切になります

今回の記事は以上です。
少しでも気になることがあれば、眼科に相談してみてください。

これからも当院では、患者さんの生活や将来も見据えながら、無理のない、現実的な近視抑制を一緒に考えていきたいと思います。

岡本眼科クリニック
院長 岡本 茂樹

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