人生を豊かにする「リフラクティブ白内障手術」
初めてnoteに記事を執筆いたします。
愛媛県松山市【岡本眼科クリニック】院長の岡本茂樹です。
私はこれまで、主に角膜・屈折矯正手術を専門とし、白内障手術については、その専門を活かし、患者さん一人ひとりのライフスタイルに寄り添う「リフラクティブ白内障手術」に力を入れてまいりました。
このnoteでは、眼科医としての日々の気づきや診療への想いを、少しずつお伝えできればと思います。
■noteを通じて伝えたいこと
私はもともと角膜疾患治療、角膜移植を手がけ、角膜の屈折矯正手術(リフラクティブサージェリー)を経て、白内障手術へと進んできました。
その中で強く感じていたのは、白内障手術において、「白内障手術のあと、どんな見え方がその人にとって一番快適なのか」という点が、十分に重視されていないのではないか、ということでした。
現代では白内障手術が安全に行われるのは当たり前の時代になっています。
だからこそ、単に手術を成功させることではなく、「手術後にどんな暮らしを望んでいるか」を患者さん自身が理解し、選択できることが大切だと考えています。
このnoteでの情報発信は、そのための取り組みです。
「どんな手術が可能なのか」
「何ができて、何ができないのか」
を知っていただくことで、医師に任せきりではなく、自分の意思を持って準備ができる。
そのお手伝いをすることが、私の発信の目的です。
白内障手術には、単に目の前の濁りをとるだけでなく、よりよい視機能を目指す多焦点眼内レンズや屈折矯正手術といった「自分の見え方をコントロールする治療法」があることも、ぜひ選択肢の一つとして意識していただきたいと考えています。

■「ただ見える」ではなく「どう見えるか」
白内障手術は、水晶体の濁りを取り除き人工レンズを入れることで、視力を回復させる治療です。
一方、私が取り組んでいる「リフラクティブ白内障手術」は、そこからもう一歩踏み込みます。
近視・遠視・乱視、さらに老眼といった屈折異常も同時に改善し、患者さんの生活に合った“見え方”を実現することを目指します。
大切なのは「術後視力1.5」という数値ではありません。
「新聞が読める」
「運転が安心できる」
「趣味を思い切り楽しめる」
そんな日常の快適さこそが、手術の本当の目的です。
■患者さんと一緒に“見え方”を描く
診察のときに私が大切にしているのは、「この方はどんな暮らしをしているのか」をできるだけ丁寧に知ることです。
本が好きで長時間読書をするのか、スマートフォンをよく使うのか、毎日車を運転するのか、どんなスポーツをするのか——。
さらに「眼鏡はできるだけ使いたくない」「老眼鏡なら抵抗はない」など、その人の価値観にも耳を傾けます。
同じ白内障でも、手術後に求められる“見え方”はまったく違います。
たとえば「新聞を読むのが日課だから、手元をしっかり見たい」という方と、「運転を第一に考えたい」という方では、選ぶレンズや度数の方針も変わってきます。
こうした一人ひとりの希望をもとに「どんなふうに暮らしていきたいのか」を患者さんと一緒に描いていく。
そのプロセスを重ねることで、手術の満足度は大きく変わりますし、「納得して選んだ」という安心感にもつながるのです。

■不安な気持ちに寄り添うために
「目の手術」と聞くと、多くの方が緊張や不安を抱かれます。
途中で動いてしまったらどうなるのか、痛みはないのか——。
診察室でも、こうした声をしばしば耳にします。
だからこそ、手術の技術だけでなく「安心できる雰囲気づくり」が欠かせないと考えています。
手術中には「今ここまで終わりましたよ」と声をかけたり、必要に応じて気持ちを落ち着ける麻酔方法を取り入れたり。待合室の空気やスタッフの対応も含め、患者さんが少しでも肩の力を抜けるよう心がけています。
特別なことではありませんが、一つひとつの小さな配慮が積み重なることで「任せてよかった」と思っていただけると信じています。
■ご家族と一緒に考える白内障手術
白内障は、ご本人の問題であると同時に、ご家族にとっても大切なテーマです。
日常生活の中で「どんな場面で目をよく使っているか、不便を感じているか」を一番近くで見ているのは、ご家族だからです。
「最近テレビの音量が大きくなった」
「車の運転で信号を見間違えそうになっていた」
「読書や編み物の時間が短くなってきた」
こうした小さな変化は、ご本人よりも周りの家族のほうが気づきやすいものです。
そして、これらの気づきが“その方にとって本当に必要な見え方”を決める重要なヒントになります。
診察では、患者さんご本人の希望だけでなく、ご家族の気づきや意見にも耳を傾けます。
また、ご自宅に戻ってから話し合いやすいように、診療内容をメモにしてお渡ししたり、パンフレットを使ったりします。
「どんな見え方が、その人らしい暮らしにつながるのか」
一緒に考えることこそ、納得できる治療を選ぶための大切な一歩だと思います。

■「よく見える」の先にあるもの
私が大切にしているのは、手術で“視力を取り戻すこと”そのものではなく、
「その人らしい暮らしを取り戻すこと」です。
孫の顔をしっかり見たい。
趣味の読書をもう一度楽しみたい。
遠出をして、新しい思い出をつくりたい。
そうした願いを叶えるために「リフラクティブ白内障手術」は存在します。
「よく見えるようになった」の先に、「よく生きる」がある。
これからも、患者さんとご家族に寄り添いながら、そんな医療を実践してまいります。
岡本眼科クリニック
院長 岡本 茂樹
