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今、知っておくべき緊急事態条項の問題( ・ω・)

割引あり

【※この記事は2023年3月にアメーバブログで連載したシリーズを再編集したものです。】

こんにちは。
アレテーを求めて~
今日もトコトコ( ・ω・)
弁護士の岡本卓大です。

今、知っておくべき緊急事態条項の問題


構成
第1部 国家緊急権とはなにか?
第2部 民主主義から独裁が生まれた例~破壊されたワイマール憲法体制
第3部 自由民主党の緊急事態条項案とその問題点について

第1部 国家緊急権とはなにか?

今回は、国家緊急権とは何か?
がテーマです( ・ω・)

最初に、憲法の「基本書」でどんな風に書かれているかを3つ上げてみましょう。
まずは、我々世代の司法試験合格者のほぼ全員が読んでいる芦部信喜「憲法」から。

戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限を、国家緊急権という。

この国家緊急権は、一方では、国家存亡の際に憲法の保持を図るものであるから、憲法保障の一形態と言えるが、他方では、立憲的な憲法秩序を一時的にせよ停止し、執行権への権力の集中と強化を図って危機を乗り切ろうとするものであるから、立憲主義を破壊する大きな危険性をもっている。

したがって、実定法上の規定がなくても、国家緊急権は国家の自然権として是認される、とする説は、緊急権の発動を事実上国家権力の恣意に委ねることを容認するもので、過去における緊急権の濫用の経験に徴しても、これをとることはできない。

超憲法的に行使される非常措置は、法の問題ではなく、事実ないし政治の問題である。

この点で、自然権思想を推進力として発展してきた人権、その根底にあってそれを支えてきた抵抗権と、性質を異にする。

次に、野中・中村・高橋・高見の有斐閣「憲法Ⅱ」より。

国家緊急権の内容は、立憲主義の一時的停止であり、より具体的には、人権保障の停止(人権の広範な制限)と権力分立の停止(執行権への権力の集中)である。

かかる問題は、多かれ少なかれ立憲主義が採用されているところでしか生じないことに注意しておこう。
もともと人権の保障がなく、権力が集中されているところでは、緊急権の論理に訴える必要はない。だからこそ、国家緊急権は、立憲主義を守るための立憲主義の一時停止というパラドクシカルな表現で主張され、憲法保障の一方法として議論されているのである。
しかし、緊急権を憲法保障の問題として位置づけることには、理論上問題がないわけではなない。
憲法は権力を拘束するものであり、憲法保障は権力がその拘束を守ることを確保することであるのに対し、緊急権は権力が憲法の拘束を免れることを許すことだからである。
にもかかわらず、一般に緊急権を憲法保障の問題として位置づけてきたのは、立憲主義の下において憲法を停止することを正当化しうる根拠としては、憲法を超えるもの(国家の存立)か憲法そのものの保障以外には援用しえないと考えられてきたからであろう。


三つ目は、安全保障法制審議中の公聴会で、自由民主党から呼ばれた参考人でありながら、安全保障法制は立憲主義に反するという意見を述べた私が、司法試験合格した当時の司法試験委員であり東大教授だった長谷部恭男先生の「憲法」より。

と、思ったら、長谷部先生の「憲法」には、そもそも、国家緊急権のこと書いてませんでした(^^;)

代わりに、防衛についての記述を紹介します。

こと、防衛に関する限り、民主制の欠陥はあまりにも深刻であり、失敗のコストが過大であるため、なんらかの形で決定の幅自体を最初から限定しようという立場も成り立つ。
第一に、国民あるいは国会議員でさえも、防衛に関する情報を多くは知らされないことが通常である。防衛に関する情報をすべて公開すれば、国の安全を損なうのは確かである。しかし、情報が限定されるなら、国民あるいは議会が的確な判断を下す能力も限定される。
第二に、防衛に携わる政府機関が、果たして社会全体の利益を念頭にして政策の立案や執行にあたるかという疑いがある。防衛組織は、いったんできあがると、自己の組織の最大化や取引先ないし天下り先の利潤最大化を目指して、公開する情報の種類や国民に提示する選択肢の幅を操作するおそれがあることは否定しがたい。
第三に国の安全に関する決定は、誤りを犯した場合、人命・財産等について膨大な犠牲を国民全体に課する。正確な情報や冷静な計算能力を欠いた国民や国会議員が、一時の民族的感情や根拠のない幻想につき動かされて決定を行う場合にその危険が大きい。そして、膨大なコストを要する軍備の維持は、多くの人々の情緒に即した「わかりやすい」正当化を要求する傾向がある。とくに強力な殺傷力を持つ大量破壊兵器は、それに見合った仮想敵国の存在を求めるし、敵国が強力な殺傷力を加えられるに値するほど「邪悪」であるとの想定を要求しがちである。
戦争を一定の実定的ルールに則して正規軍同士が争う国家間のゲームとしてとらえる「無差別戦争観」が一般的であった近代ヨーロッパ社会と異なり、「正しい戦争」と「違法な戦争」を区別する現代の戦争観(「正戦論」といわれる)は、この手の道徳感情を煽る危険がある。国際政治の世界に道徳感情が過度に入り込むと、理性的な防衛サービスの維持と執行はさらに難しくなる。
以上のような危険を避けるために、その時々の多数派によっては動かしえない政策決定の枠を憲法によって設定しておくことは、合理的な対処の一つである。

そして、それに続けて、長谷部先生は、以下のように記述します( ・ω・)

以上のような議論を前提とすれば、国の保有しうる軍備を限定すること、あるいはさらに推し進めて、「戦力」といいうる組織の保持を禁止する主張が現れることも不思議ではない。
そして、主権者たる国民の決定権を縛ることに憲法9条の意義があると考える以上、主権者意思に基づく憲法の「変遷」や、高度な政治性ゆえの「主権者の決定権」を持ち出すことは、こと9条に関する限りそもそも不適切だということになる。国民を代表する国会やそれに政治責任を負う内閣が、そのことを理由に憲法9条の拘束を免れることも当然できない。

さて、なかなか大変だったかも知れませんが、憲法学者の国家緊急権についての通説的見解(まともな憲法学者なら異論が無いであろう共通項)と執筆当時は、最も政権寄りではないかと思われていた長谷部教授の基本書の記載を紹介させていただきました。

ちなみに、長谷部先生は、安保法制問題の後、東大から私大の早稲田大学に移籍されていますね。
長谷部先生を参考人に呼んだ自民党の国会議員の人たちは、東大教授だった長谷部先生の本は読んでなかったのかなぁ?
今の国会議員って、勉強してないの( ・ω・)?

まとめます。

国家緊急権とは、
①戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害などの非常事態に
②国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限

具体的には、
③人権保障の停止(人権の広範な制限)
④権力分立の停止(執行権への権力の集中)
をする権限を国家権力に与える

ということです( ・ω・)

あれ、これって、使い方によっては、独裁者作れちゃうと思いませんか?

なぜ、日本国憲法には、国家緊急権の条文つまり緊急事態条項が無いのか?

書き忘れではありません。
わざと緊急事態条項を置いていません( ・ω・)

いや、緊急事態条項があったら独裁者ができるなんて、極端な意見だ。
民主主義国家で、立憲主義のしっかりしてる国なら、そんなことなんて起こらない!

と主張したいあなたへ。

次は、まさに民主主義国家で、とても立派な憲法を持った国で、軍事独裁政権が生まれた例を紹介したいと思います。

一人の歴史上の人物を紹介します。

おそらく、社会、歴史が苦手な人であっても名前くらいは知っているはずの人です。
その男が生まれたのは、1889年。
1933年にあるヨーロッパの国の首相となります。
亡くなったのは、1945年4月30日。
その男が独裁者となった国には、ワイマール憲法という世界で初めて社会権(生存権)を憲法で保障した憲法がありました。
そのワイマール憲法には、たった一つ。その男を独裁者にすることにつながる条文がありました。
「大統領緊急令」と呼ばれる規定。
ワイマール憲法48条です。

さて、時代とヨーロッパという地域。
ワイマール憲法という憲法の名前。
わかる人はわかりましたね。

その男の名は・・・

アドルフ・ヒトラー


第2部 民主主義から独裁が生まれた例~破壊されたワイマール憲法体制

さて、今回のテーマは、民主主義から独裁が生まれた例~破壊されたワイマール憲法体制の話は、法解釈の世界というよりも、むしろ、歴史の話です。

法の世界では、人類の歴史というものがいろいろと関係してきます。
刑法で犯罪と決めているような行為をなぜ犯罪とするか、民法で決められている私人間の関係についてのルールをなぜそのように決めているか、そして、人権として保障されているものがなぜ人権として憲法で保障されることになったか。それらの多くは、人が理屈で考えだしたものではなく、人類の経験してきた歴史、人類の経験から生まれてきたものです。

そういう意味では、法学部等の文系の大学入試科目に社会(日本史・世界史・地理等)があるというのは、社会科学を学ぶ基礎として、有用なのかもしれません。

最初に、今回の記事執筆にあたって参考にした参考文献を紹介しておきます。

「ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか 民主主義が死ぬ日」(亜紀書房)(著者 ベンジャミン・カーター・ヘット、訳者 寺西のぶ子)
これは、ドイツ史が専門のハーバードで歴史学博士号を取得した著者の翻訳本です。

「隣人ヒトラー あるユダヤ人少年の回想」(岩波書店)(著者 エドガー・フォイヒトヴァンガー、訳者 平野暁人)
これは、少年時代にヒトラーの家の向かいに住んでいたユダヤ人歴史家による回想録です。

「ヒトラー暗殺計画と抵抗運動」(講談社選書メチエ)(著者 山下公子)
著者はドイツ文学者で、現在は、早稲田大学教授のようです(執筆時は、富山国際大学助教授)。

「一冊でわかるドイツ史」(河出書房新社)(著者 関眞興)
著者は、元駿台予備校世界史講師。ライトですが、わかりやすい本です。

さて、参考文献を紹介したところで、歴史嫌いの人は苦手であろう年表を少し確認してみます。
あー、暗記しなくてよいですよ。流れを押さえるためです( ・ω・)

1914年 サラエボ事件、第一次世界大戦始まる。
1918年 ドイツ革命
1919年 ヴェルサイユ条約、ワイマール共和国(ドイツ国)成立
1919年 ドイツ労働者党が結成される。
1923年 ミュンヘン一揆
1931年 日本、満州事変を起こす。
1932年 総選挙でナチス第一党に躍進。
1933年 ヒトラーが首相に就任、ドイツ国際連盟脱退。
1934年 ヒトラーが総統に就任。
1936年 ドイツがヴェルサイユ条約を破棄。ベルリンオリンピック。
1937年 日本、日中戦争を始める。
1938年 ドイツがオーストリアを併合。
1939年 独ソ不可侵条約。第二次世界大戦が始まる。
1940年 ドイツがパリを占領。日独伊三国軍事同盟が成立。
1941年 独ソ開戦(日本はアメリカと太平洋戦争開戦)
1944年 ノルマンディー上陸作戦
1945年 ドイツ無条件降伏(日本ではアメリカにより原爆投下。太平洋戦争敗戦。)

世界史的には、上記のような流れになります。
日本も同時期に軍部の独裁のもと国家総動員がされ、アメリカと戦争して、広島と長崎に原爆落とされています。

さて、もう少し詳しく見てみましょう。

ヒトラーがドイツの首相に就任した当時、ドイツの大統領は、軍人出身のヒンデンブルグという人でした。
第一次世界体制に負け、ヴェルサイユ条約により多額の賠償金を支払う義務を負わされたドイツでは、経済も政治もとても混とんとした状況にありました。
ヒンデンブルグは、ワイマール憲法48条に定められた非常事態の大統領を頻発します。

やがて、ヴェルサイユ条約による賠償金への不満を訴えかけたヒトラー率いるナチスが1932年の総選挙で第一党となります。

1933年2月27日から28日にかけての深夜。
ドイツの首都ベルリンでドイツ帝国議事堂の建物(国会議事堂)で火災が起こります。
ヒトラーを首班とするドイツ政府は、この火災を、共産党による放火事件であると発表し、2月28日の閣議で、「人民と国家防衛のための」政令案を緊急手続きで可決します。
そして、その政令案を、ヒンデンブルグ大統領に署名させます。

この政令は、前文で、「憲法48条第2項に基づき、国家を危うくする共産主義者の暴力行為に対する防衛のため、以下を定める」と述べて、この大統領緊急令(緊急事態条項に基づく緊急令)により、ワイマール憲法の保障した人権保障規定は棚上げされ、「個人の自由、言論、出版の自由、結社、集会の自由の制限、郵便、電報、電話の秘密の侵襲、家宅捜索や押収、個人財産の制限の命令が、従来の法に定められた限度を越える場合もあり得る」とされることになりました。
また、ドイツは歴史的経緯からそれまで邦(日本でいうなら地方自治体)の独立性が強かったのですが、この緊急令は、「ある邦において、公共の安全と秩序の回復に必要な措置が取られない場合には、中央政府がその限りにおいて、邦の最高機関の権限を代行し得る」とすることで、中央政府に邦(地方)の政策に介入するフリーハンドを与えるものでもありました。

この緊急令を用いて(正確には緊急令発令制定手続中から)ヒトラーは、ナチスに反対する共産党員の逮捕、迫害を開始します。
その指揮を執っていたのは、プロイセン内務省総監兼国務大臣のゲーリングでした。
ゲーリングは、共産党選出の国会議員および共産党幹部の逮捕命令を出すとともに、プロイセン邦内のすべての共産党事務所、連絡所の閉鎖を命じ、全共産党機関紙の無制限の発行停止と社会民主党の出版機関に対する十四日官の活動停止令を発令します。このあまりにも素早い対応が、国会議事堂炎上事件の裏にゲーリングあり(ナチスが火をつけた)という噂を生みます。

ヒトラーのナチス政権による弾圧は、共産党のみにとどまりません。
政権に反対すると思しきもの・・・
社会民主党員、リベラル派、平和主義者、知識人やジャーナリスト、芸術家、人権活動家および関連する報道機関が次々に弾圧されていきます。
3月5日の総選挙の投票日までに、69名もの政治的殺人の犠牲者も出ています。

ナチスは、そのような弾圧を正当化するために巧みな情報操作を行います。その情報操作を行っていたのはゲッペルスです。
ゲッペルスは、ヒトラーが新たに設けた国民啓蒙宣伝省の大臣となり、民衆の心を捉える「覚えやすいスローガン」を繰り返し宣伝し、ナチスのプロパガンダの皮肉と偽りは、信奉者たちが非合理性を熱く崇拝したおかげで、大きな後押しを受けます。合理的な啓蒙思想的な基準が軽視され、事実上の革命が起きたような状態となります。

ヒトラーのナチスは、共産党を壊滅させ、社会民主党を選挙活動困難の状態に追い込んだ上で、国民の恐怖心を煽り、同時にドイツ一丸となって政府の指導のもと難局にあたろうと愛国心を鼓舞する派手な選挙戦を展開します。

しかし、それほどの手段を選ばぬ不公正な選挙戦を行ったにもかかわらず、ヒトラー率いるナチスは、3月5日の総選挙の結果、単独での過半数を取ることはできませんでした。連立する他の党と合わせて、なんとか過半数の議席を確保します。

そして、緊急令発令中の国会で、ヒトラー政権は、すべての権力をナチスに与えるという内容の「全権委任法」を提出します。


投票では、社会民主党の議員以外のすべての党が、賛成に票を投じました。ハイル(万歳)が熱狂的に叫ばれ、ナチスの親衛隊が野党議員たちの後ろに立っている状態での投票。
それまで14年にわたってワイマール共和国の拠り所であった中央党、歴史あるリベラルな2党は、ナチスの成功と威嚇の前に、主義主張を放棄してしまいました・・・

全権委任法の本当の意味は、国会がヒトラーに4年間の立法権を与えた点ではなく、ヒトラーが大統領に依存せずに使える権限を手に入れたことにあります。
もはやヒトラーの権力を抑制できるものは無くなりました。
ワイマール憲法により作られたワイマール憲法体制は、その48条2項の大統領緊急令を利用した全権委任法の成立により、葬り去られます。
ドイツで民主主義が死んだ瞬間でした。

その後のヒトラー率いるナチスドイツは、ポーランド侵攻に始まり、イタリア、そして、日本とともに、第二次世界大戦を引き起こすことになります。ホロコーストでのユダヤ人の虐殺も行いました。

大統領緊急令についてのワイマール憲法48条2項の規定。
それ以上に、独裁者アドルフ・ヒトラーを生み出した原因は、無知と熱狂によりヒトラーを支持してしまった民衆それをうまく利用したゲッペルスらのプロパガンダ戦略だったのかも知れません。


最後に一つだけ、日本国憲法の条文をあげておきます。
自由民主党の憲法改正草案の中では、理由は不明ですが、削除されている条文です。

【日本国憲法第97条】
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第3部 自由民主党の緊急事態条項案とその問題点について

さて、みなさんは、ここまで緊急事態条項つまり、国家緊急権とは何かについて、そして、国家緊急権(緊急事態条項)が民主主義を破壊した実例であるヒトラー政権によるドイツの例を見てきました。

ここまで、読んでくださった方で、緊急事態条項を憲法に加える憲法改正をすることになんの問題も無いと考える人は、さすがにいないのではないかと思います。
(ごめんなさい。もし、いたら、かなり「センス無い」です。)

緊急事態条項は、現在の政権与党である自由民主党が憲法改正の4項目に挙げているものの一つです。

このうち、自衛隊明記の憲法改正については、埼玉弁護士会は反対の総会決議を挙げています。

また教育環境の充実は、憲法をいじらなくても法律でいくらでも整備できるもので、憲法改正をしなければならない必要性はまったくありません。

さらに、参議院の合区解消は、たしかに憲法改正の必要が出てくる問題ですが、投票価値の平等との関係で、慎重な議論が必要な問題と言えます。

さて、では、本題である緊急事態条項について、考えてみましょう。
自由民主党は、「災害への対応」を全面に出して、緊急事態条項の必要性を主張しています。
ただ、災害への対応という面では、

災害対策基本法制定:昭和36年11月15日法律第223号
最終改正:令和4年6月17日号外法律第68号

109条等の緊急措置の条文が法律ですでに整備されています。

それ以上に、災害対応のために緊急事態条項創設の憲法改正を行う必要がある具体的な立法事実についての説明は、現在のところ、なんらされていません。
むしろ、災害の被災地現場からすれば、安全な東京の首相官邸にいる内閣総理大臣なんかに権限集中しても、ジャマなだけで、役に立ちませんね( ・ω・)

さて、では、自由民主党が本当に作りたい緊急事態条項の内容を見てみましょう。
おなじみの自由民主党憲法改正草案です( ・ω・)

【自民党憲法改正草案98条(緊急事態の宣言)】
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承諾を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第2項及び前項後段の国会の承認については、第60条第2項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。

【自民党憲法改正草案99条(緊急事態の宣言の効果)】
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第14条、第18条、第19条、第21条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

さて、自由民主党憲法改正草案の緊急事態条項にあたる98条、99条を引用しました。
この条文が、どれだけ危険なものであるかを解説してみたいと思います( ・ω・)

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