「ディープリセッション」か「スタグフレーション」か。
3月ISM製造業総合景況指数 46.3 予想 47.5 前月 47.7
・新規受注 44.3
・雇用指数 46.9 ー 3カ月連続での低下、2020年7月以来の低水準
50を割ると "不況入り" と判断される米ISM指数。2020年初の「コロナ危機」を除けばリーマンショック直後の2009年以来となる低水準だ。米国債市場が「利下げ」期待に走るのもわからなくはない。特に今回は焦点となっている「雇用」の部分の減速が明らかになっている。

一時5/3FOMCでの+0.25%「利上げ」を織込みに行ったマーケットだが、PCE指数の低下(2月年率+4.6%)と合わせ当面様子見に変化 ↓

株式市場にも「変化」が見て取れる。NYダウやS&Pは金利低下を好感して上昇を続けているが、これまで金利に敏感に反応してきたナスダックが反落。「リセッション」リスクを考えればドンドン買いと言うわけにもいくまい。独DAXも同様。順調に上昇しているようにも映るが、実はまだ2021年終値を回復できていない、e.g., ナスダック ▼22.1%。

OPECの追加減産で@80ドルまで急伸しているWTI(NY原油先物)だが、皮肉にもこの事が景気減速に拍車をかけるかもしれない。まあこの辺りは欧米 vs OPECの「お金の戦争」の側面もあり、際どいせめぎ合いが続く。
もう一つ見逃せないのが クレジットクランチ(Credit Crunch、信用収縮)の影。|損切丸|note。3/29の週も▼660億ドル ≓▼9兆円もの「お金」が銀行から引き出されており "余震" は続いている。融資の引上げが景況感を悪化させている感は否めない。あとはこれをFRBがどう判断するか。
同様の結果は、実は日銀短観にも見て取れる、e.g. 3月大企業製造業+1 ← 前回+7。タイミング的に米銀破綻、クレディスイス救済合併による心理的萎縮が想定され、今後の動向も注視される。中味を見るとエネルギー産業の業績悪化が顕著でこの点は突如減産を発表したOPECと同様。ただ、クレジットクランチについては一時現象に終わる可能性もあるため注意が必要だ。
印象的なのが、4月に入って米国債の動きと離反するように金利が上がり始めたJGB(日本国債)。やはり黒田総裁が去った影響は大きい。こちらは短観が悪化したとか景気が減速したとかを論じる以前に、現状の金利水準、緩和政策が異常なことが問題。「正常化」はタイミングの問題だが、毎日日銀と話している銀行がその "空気” は掴んでいるはず。先物が絡む10年よりも銀行勢の主戦場である5年JGB動きが鍵を握る。


「ディープリセッション」か「スタグフレーション」か。
問題は「リセッション」入りしても「インフレ」が収まるかどうか。4/7の米雇用統計が "決戦" の場になりそうだ:
4/7 3月米雇用統計 失業率 予想@3.5% 前月@3.6%
非農業部門雇用者数(NFP) 予想 +24万人 前月 +31.1万人
時間当り賃金(年率) 予想 +4.5% 前月 +4.6%
ちなみにNFPは+20万人を下回らなければ弱いとはいえない。マーケットやFRBが希望する結果になるかどうか。今回はベビーブーマーの引退、e.g., ▼4,000万人@アメリカ、という「人口動態」による「人手不足」が根底にあるため、下手をすれば「スタグフレーション」という最悪のシナリオもあり得る。逆にこの状況で物価が下がるとなるとそれはそれで問題。かなり深刻な景気後退=「ディープリセッション」となる。
こういう状況を受けて投資家、トレーダーにはかなり "気迷い" が見て取れる。NYダウやナスダックが代表だが、激しい上下動を繰り返すドル円も然り。*買うのか売るのか、しっかり腰が定まっていない。
*値動きが "変" なのはビットコイン(BTC)。2023年は主要市場ではトップの上昇率だが、筆者の印象では少数のトレーダーが動かしている。実際取扱量のデータでみても小口投資家の撤退が鮮明になっており、市場の流動性は大幅に低下。業界としては投資家を呼び戻すために上昇相場を演出しているのだろうが、如何せん取扱会社が突然破綻するなど「信頼」に欠ける。そう簡単に「夢の資産」復活とはならないだろう。
いずれにしろこの4~5月相場が2023年、もっといえば今後数年の市場動向を占う意味で大事になる。おそらく後で「あの時がそうだった」と振り返ることになるだろう。不安定な市場に囚われすぎないようにしたい。「真実はいつも1つ!」(苦笑)。 "FACT"(事実)が大事である。
