国債、株、為替(FX)が連動する "気持ち悪い相場" ー アメリカが仕掛ける「貿易戦争」
「トリプル安」=「ドル安・米株安・米国債安」
原因:「双子の赤字」=財政赤字+貿易赤字(経常赤字)
「米国債安」=ドル金利上昇 →「ドル高」のいわゆる「金利差」相場ばかり見てきた人にはなじみがないかもしれないが、筆者がマーケットに身を投じた1980年代後半のアメリカは「トリプル安」一色。「円安」で苦しむ日本と似た状況だったが「高金利」だった分もっと状況は悪かった
その原因が「双子の赤字」=財政赤字+貿易赤字(経常赤字)であり、大規模な財政支出拡大でその元凶を作ったのが「MAGA」(Make America Great Again)の ”元祖” Rーガン大統領。そう、"Tariff Man" 憧れの人である。独裁者というのは皆「M沢東」とか「Sターリン」とか過去の ”偉人” に憧憬を抱くものらしい。実際には国内経済を滅茶苦茶にして、その後の尻拭いが大変だった。そうそう「XXノミクス」もあった
どうも最近の相場は国債、株、為替(FX)が連動して "気持ち悪い”
いわゆる「金利差」相場 ≓「円キャリートレード」が成り立ったのは「お金」が余りまくっていたから。それがFRB、ECB、そして日銀による「金融引締」で「お金余り」が解消、 ”普通” に戻った事で「リアル・キャッシュフロー」が反映する相場に転換。各市場で「お金」の奪い合いが始まった
「お金」の奪い合いはマーケットだけでなく「借金」まみれの国家間でも起きつつある。「関税」はアメリカが仕掛けた「貿易戦争」であり、見方によっては現代型「世界大戦」とも解釈できる。”俺様の「双子の赤字」を返せ!” 。世界最大の消費地だからこそ取れる戦略でもある
この「戦争」の帰結、一体どうなるのだろう
”TACO” (Trump Always Chickens Out)などとメディアが盛んに揶揄しているがいかにも "怪しい" 。これはマーケットを油断させるために「ウォール街」が仕掛けた「罠」ではないか。特に株価については ”売られても戻ってくる” という楽観論を醸成し「現実」から目を背けるための戦略に映る。筆者には今のプライシングが楽観的すぎて違和感がある
「借金」解消が目的なら「関税」は ”TACO” どころかそのまま実施される可能性が高い。最近は色々と分析が出ているが、輸出側の「値上げ」はそれ程簡単なものではなく、過ぎれば売上が落ちてシェアを失う。一方米国内の「値上がり」も確実なので米消費者も痛みを伴う。結果として米景気は減退する。まあ「増税」されれば「消費」が落ちるのは当たり前だ
いずれにしても* "気持ち悪い相場" の大元は世界の国債市場の2トップ、US Treasury(米国債)とJGB(日本国債)、特に上がり続ける長期金利だ。金利の上昇は「お金」が足りないことを示唆する




* ”気持ち悪い” といえば再び爆騰し始めたビットコイン(BTC)。「キプロス危機」脱出で一役買って名を成したBTCだが、まるで「借金」まみれの「法定通貨」から逃げ出す ”炭鉱のカナリア” のようでもある

そうでなくとも「インフレ」は「お金」をすり減らす。激しい「お金」の奪い合いが起きていることは長期金利の上昇が示唆しているが、そんな中 ”TACO” 理論で必死に支えてきた株、特に米株式市場がどこまで保つか
"リセッション" の影に脅えているからこそ "Tariff Man" は大型減税を打ち、日本でも「消費税」「給付金」、ドイツでは「防衛費増額」に加え法人税減税の議論が持ち上がっている
だがこの局面の難しさは歳出拡大は金利上昇を促し、かえって「お金」をすり減らしてしまうこと=「インフレ」の助長。これは金融政策も然りで、拙速な「利下げ」や不要な「利上げ」延期も同じ結果を招く。状況はかなり煮詰まっている
こうなると「金利」が "均衡点" に達するまで決着は付かない。怖いのはその時点から「お金」の大移動が起きること。日本のバブル崩壊が典型例だが(あの時に@7~8%で5~10年定期なんて作った人が "勝ち" )過去の金融危機はいつもそう。だから米国債とJGBからは目が離せない
人間は本質的に自分に甘い生き物だからいつも易きに流れる。今回の ”TACO” もそうで筆者には楽観が過ぎるように感じられる。実際「関税」の悪影響で日本の求人が減ってお給料が上がらなくなると「現実」に気がつくだろうし、アメリカでも景気が悪くなればいくら「利下げ」しても株は上がらなくなる。マーケットは何度もそういうことを繰り返してきた
いつの時代もポイントは「お金」が今何処にあって何処へ動くのか。その過不足は「金利」が教えてくれる。「トリプル安」が「ドル」に訪れるのか「円」に訪れるのか、それとも両方か。結構際どい局面にさしかかっている
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