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FRBの「正念場」。- "見通し" 通りアメリカの人手不足は解消に向かうのか?

 続・「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? - 今回のパウエル発言は "とても大事" 。|損切丸|note からの繋がりとして。

 11月米雇用統計:
 失業率 @3.7% 予想 @3.6% 前月 @3.7%
 非農業部門雇用者数 26.3万人 予想 20万人 前月 26.1万人 ← 28.4万人
 時間当り賃金(前年比)+5.1% 予想 +4.9% 前月 +4.7%
 労働参加率 @62.1% 前月 @62.2% 前月 @62.2%
 週平均労働時間 34.4時間 予想 34.5時間 前月 34.5時間

 パウエル議長の講演直後で注目された米雇用統計マーケットは複雑な反応を見せた。特に米国債とFXのドルはまるでジェットコースター

 非農業部門雇用者数もそうだが、議長が改善の兆しが見えていると指摘していた「労働参加率」は逆に若干低下し4カ月ぶりの低水準。25歳から54歳までは3カ月連続で低下し、女性の低下が目立った。週平均労働時間も6月以降で初めて減少FRBの "見通し" と違っている。やはり▼4百万人もの「人手不足」を埋めるのはかなり大変

 金融政策の影響が大きい2年米国債の動きが顕著で、パウエル発言後に@4.2%台まで急上昇(金利は急低下)し、その流れを受けて雇用統計発表前には@4.2%割れまで突っかけたが、予想より強い指標内容で急反落@4.3%台半ばまで戻した。

 ここまでは想定内だったが、そこから訳のわからない展開になる。少しずつ買い戻しが入った後怒濤のショートカバー。結局2年米国債は@4.28%、10年は@3.49%と@3.5%割れ「利上げ」到達点も@5%から@4.75%、2023年後半から「利下げ」転換に戻っている

 一時@133円台半ばまで「円高」に振れていたドル円も+2円ジャンプの後▼1円急落米国債同様、 "巻き込まれ事故" に合ったトレーダーも多かったのではないか。NYダウやナスダックはどうしてよいか判らず戸惑っているようも見える(決算前なので積極的には売ってこない)。

 これは「損切丸」同様、金利マーケットに真剣に関わった人には経験があるかもしれないが、あれだけ明確にFRB議長が ”宣言” した後で「シナリオ変更」はしにくい。極端に言えば、 "見通し" が正しかろうが間違っていようが政策金利を決めるのは中央銀行だ、ということ。*ここを見誤ると金利市場では大火傷を負う。その辺は「多数決」主体のFXや株とは全然違う

 例えばCPIが@+85.53%にも達しているトルコ。いくら「利上げ」が正しい判断だとしても中銀が「利下げ」すればそれまで。特に2年以内の短期ゾーンで「売り」=「金利上昇」を仕掛けたトレーダーは目も当てられない。筆者もそうだったが、経験のない若いトレーダーほどこの "罠” にはまりがち。「トルコ中銀は間違っている!」と吠えても無意味政策金利はトレーダーが決めるわけでは無いからだ。嫌な思いを一杯して段々謙虚になり「運が良かっただけ」と感謝するようになる(宗教では無い。笑)。

 まあFRBとパウエル議長については、筆者同様今回のスピーチで見直した向きも多かろうから、とりあえず一度は「信用」してみようとはなる。積極的に米国債を売る市場参加者が減る中で今回のような怒濤のショートカバーが起るのは、それだけ「売り」=「金利上昇」に傾いていた証拠でもある。これはFXにおける「ドル買い」も同様で、こういう時は " Trend is Friend " (流れを味方に付けよ)。「理屈」に固執するのは危険だ。

 その反面、心の2割ぐらい「不安」を抱えているのも事実。何しろ2021年に「インフレは一時的」と言い張って "失敗" した前科がある。ここはまさにFRBの「正念場」今回 "失敗" すれば「信用」はズタズタになりマーケットはFRBの言う事を聞かなくなるだろう。結果、 「ドル安・株安・債券安」のトリプル安に相場は転換するのか。- 鍵を握るのはアメリカの「需要」の強さ。|損切丸|note は現実の懸念となる。

 もっとも「正念場」なのは2023年に総裁交代がある日銀も一緒。こちらは既に「円安」という形で「信用」喪失が現れており現状は楽観できない。

 「11月のCPIが+4%台になる」などと予防線を張っているようだが、現総裁は「来年にはCPIは+2%台に落ち付く」と喧伝しているだけに「不安」はアメリカより強い「GOTO」方式でまた「補助金 → CPI低下」のマジックを使うようだが、それももうマーケットに見透かされている。何より**「インフレ」による生活苦に喘ぐ消費者が許容しないだろう

 **年金に関する資料  が出ていたのでここで付記しておく。国民年金が一人平均月額6万5千円というから、まさに ”雀の涙” 。これでは到底生活できない。2019年には@48.4%だった「総所得100%が年金の世帯」は2021年に@24.9%に激減。それだけ65歳以上の人が働かなければいけなくなっている年金生活では月▼18,000円(年間▼22万円)程度不足という試算が出ているが、実際にはもっとかかりそう。筆者の実家でも車の運転を止めた後のタクシー代とかこわれた家具の修理、買換など想定外の支出が相次ぐ。その負担を負う若年家計が大変なのは明らかであり「生活が苦しい」割合は子供を持つ世帯@25.4% > 高齢者世帯@21.3%”XXXに殺される” などと愚痴りたくなるのは当然だろう。

 おっと、ここで忘れてはいけないのは「金利は中銀が決める」の鉄則トルコ同様、どれだけCPIが上がっても日銀が金融緩和といったら金利市場はそれに従うだけ。ただ今回の「円安」同様、FXや株式市場はそれを許容してはくれまい。待っているのは "スタグフレーション" 地獄である。

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