奇妙な相場
①国債市場の強烈なスティープニング ≓「先々金利」の高止まり
e.g., 10-30年 米国債@4.83%、JGB@3.87%
②下がらない株価
③供給過剰 and/or 需要不足による原油価格の低迷
④暴騰する金価格 vs 頭の重いビットコイン(BTC)等の暗号資産
⑤止まらない「円キャリートレード」

20年以上「金利」専門にトレードして今もマーケットを追いかけているがこんな奇妙な相場は見た事が無い。景気がいいのか悪いのか、あるいは物価が上昇基調にあるのか上げ止まっているのか、さっぱりわからない
原油価格の低迷を見れば実需が落ち込んでいると解釈するのが普通だが、かといって景気低迷で株が売られるわけでもない。では「インフレ」なのかというと確かに「金」(Gold)は@4,000ドルを超えて急騰しているが、一方BTCは冴えないまま
「お金」は一体どう動いているのだろう
1つはっきりしているのは巨額の「お金」がマーケットをフラフラ彷徨った状態が続いているという事。FRBとECBによる「QT」(量的引締)を含む「金融引締」で数百兆円もの「お金」が市場から引揚げられ世界的に「金利」は上昇、その水準は「中立金利」を若干上回る水準に達し「インフレ」はある程度抑制された。だが景気悪化+株価下落に耐えきれなくなった欧米が「利下げ」に政策転換。また「お金」の蛇口を開け始めた
欧米に遅れること2年強、やはり「過剰流動性」の総本山は日本 ー 「結果」を得るには一度「苦況」を乗り越えなければならない|損切丸 がようやく「金融引締」に乗り出し「金余り相場」には終焉の兆しも見えていた。「円キャリートレード」により欧米市場に流れていた「お金」は数百兆円に上ると推計され、その世界的影響は甚大。市場の暴落を避けたい日銀は慎重の上にも慎重な「利上げ」を重ねようやく「ゼロ金利解除」→「中立金利」≓@1.5~2.0%への道筋が見えてきた
ところがここで日米で「政変」が起きた
アメリカでは "Tariff Man" が2度目の大統領に復帰。「FRBは米政府の子会社」と言わんばかりに大幅「利下げ」を要求。対外的な高率「関税」と合わせ防衛費を上回る▼200兆円近い巨額「利払い」を何とかしようとしている
「日銀は政府の子会社」の元祖・日本では「XXXミクス」の後継者と目される初の女性首相が誕生。曰く「利上げするなんてアホ」。「中立金利」への道を阻もうとしている。ドル円の大きな金利差を享受したい「円キャリートレード」愛好家には願ってもない垂涎のチャンス。「余ったお金」が欧米に流れる仕組みが継続され「円安」が止まらない
筆者には今のマーケットは景気が良いとか悪いとか、「インフレ」とか「スタグフレーション」などどうでもよく、ひたすら "今上がっている代物" に「余ったお金」を突っ込んでいるようにしか見えない。だからこんな「奇妙な相場」になる。おまけに米政府閉鎖が長引きCPIや雇用統計が発表されないので皆「現在位置」がわからなくなり「金利」による市場調整機能も失われている(政治圧力で "正しい数値" が発表されるかどうかも疑わしい)
米国債も何とか "正気" を保とうとしているが、こうなると「利下げ」期待を盾に「金利」収入を図るしか手立てが無くなる。ズルズル金利が下がっているのはそのため。もっとも聞こえてくるアメリカの消費の現場の話を総合すると、思った以上に景気実態は悪化しているのかもしれない


もっとも「金利」さえ下がればいい "Tariff Man" にとって現状はむしろ好都合。そういう意味では政府閉鎖も悪くないと考えている節もある
もっと問題が大きいのは日経平均が急騰して「インフレ」サインが点灯している日本。欧米に倣えばとりあえず「金利の中立化」を目指すべきだが、あろう事か「金融緩和」を維持し更に「減税」「財政出動」=「お金」のバラマキに乗り出す構え。株価は上がるかもしれないが「円キャリートレード」≓「円安」は止まらない。トルコやアルゼンチンが辿った道筋でもある

ここで新政府が「円安」「インフレ」に苦しむ生活民の声を聞いて「現実」に立ち返る事ができるかどうか、マーケットは試しに来るだろう。日銀による「利上げ」がその試金石になる


ただ「相場は必ずあるべき値に最後は回帰する」
タイムスパン(設定期間)のずれはあるものの、行き過ぎた相場には必ず反動が来る。まして今のように "余り金を突っ込むだけの相場" なら尚更。もっともそれは合理的な政策運営が大前提。「インフレには利下げ」という奇妙な論理で中銀総裁の首を切り「利下げ」を強行したトルコに「ハイパーインフレ」という強烈まマーケットのお返しがあった事も記憶に新しい
「奇妙な相場」が続けば続く程リスクのマグマは蓄積される。悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 は一向に収まらないどころか心配が増す一方である
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