「インフレ」は死んではいない ー 「金余り」相場再び
8月消費者物価(CPI、年率)+3.0% 予想 +2.4% 前月 +2.8%
コア(除.生鮮食品)+2.8% 予想 +2.8% 前月 +2.7%
コアコア(除.食品・エネルギー)+2.0% 予想 +1.6% 前月 +1.9%
*生鮮食品を除く食料 +2.9% ー 15カ月ぶりに上昇幅が拡大
*家庭用耐久財 +7.7% ー 4カ月連続で伸びが加速
タイミング良く、というか、政策決定会合当日にCPIが発表になった。概ね横這いないし減速を見込んでいたが、予想に反し反転。 日本の「インフレ」はまだまだ続く ー 「お金」<「人」の時代へ|損切丸 (note.com) でも書いたが、 "コアコア" の反発に見られるようにやはり「人件費」「物流コスト」等の上昇が "コア" になっている。これは「コストプッシュ」などではない。だから「円安」が修正されても上昇基調が続く事になる
”必勝法” なきあと彷徨うマーケット ー ここをどうやって生き延びるか|損切丸 (note.com) で「ドル円」×「日経平均先物」で無理仕掛けをしてきたヘッジファンド(HF)もどうやら止めた模様。「円」担当者は大分「首」になりそうだが、パウエル議長が「ドル」の蛇口を開けた(=「利下げ」)ので「金余り」相場再び。「リフレ」トレードに回帰することで今後の収益に目処がつきそうだ。業界全体としてはほっと一息だろう
気が付けば日経平均も+2,000円近く上がって@38,000円目前。@142円台の「円高」に戻った事を考慮すれば驚くべき反発力だ。これで「日銀暴落」などの恨み言も雲散霧消するだろう。「ドル建日経平均」も@266ドルを超え ↓ 2023年7月に付けた@268ドル(@40,362円×@150.50)に迫る

NYダウは@42,000ドル超え、独DAXは@19,000越え、ビットコイン(BTC)は@63,000ドル台、WTIも@70ドル台に反発と「リフレ」のオンパレード。今更ながら「金余り」の威力は凄まじい

こうなると日銀の「利上げ」を止める要素は無くなってくる
CPIだけで言えば、アメリカを超えて今や先進国でトップ級の伸び率。欧米との違いは物価に見合う十分な「利上げ」をしてこなかったこと。ゆっくりとだが「中立金利」≓@1.0~1.5%に向けて調整していくことになる


「リフレ」への転換を反映して、国債市場では「イールドカーブ」の「スティープニング」=長期金利>短期金利の傾斜化が進む


「金利差」「金利差」と騒ぐが、例えば30年国債金利を見ると政策金利ほど差が無いことに気が付く。日本とドイツではたった0.40%程度
「金利」の3要素:
①物価、e.g., 「インフレ」
②「資金繰り」
③「信用」、e.g., 「デフォルト」(債務不履行)
長期金利が短期金利を上回る「順イールド」はある程度までは健全な経済を表す。銀行などの金融機関にとっては重要な収益源だ。ただ「金利上昇」が②「資金繰り」③「信用」に及んでくると話は別。アルゼンチンやトルコがそうだが「高金利」は "危ないサイン" となってしまう。「スティープニング」はそういうリスクが増す事への "警鐘" を鳴らす
圧倒的な「スティープニング」形状のJGB(日本国債)は将来的な①「インフレ」②「資金繰り」③「信用」リスクの高まりを示唆しており、だから「円安」が進んでいたと考えるのが "正道" 。「金利差相場」なんかではない。これはマーケットからの「利上げ」要請でもあり、「利上げ」開始で「ブルフラット」(金利上昇時のイールドカーブ平坦化)が進んで「円高」に反転するのは金融経済学的にも極めて合理的だ
話してみれば判るがHFは「投機筋」なんてイメージとはかけ離れた理論派が多い。中には まともじゃないⅡ ー 動けば何でも良いのか!?|損切丸 (note.com) 的な輩もいるが、元々はウォール街の投資銀行出身者がほとんど。筆者の元同僚もそうだったが、日銀とかJGBとか聞いてくることがまあ細かくてしつこい(苦笑)。自分の「首」をかけて "独立" したようなものだから、 ”真剣度" はサラリーマントレーダーの比ではない
日銀の金融政策が「正常化」するに伴い、「超円安」などの異常現象は徐々に解消に向かうだろう。それだけ「XXノミクス」「バズーカ」「国債無制限指値オペ」「異次元緩和」等々が異常だったということ。ここからは「立ち技一本勝負」。「金利」についてもやっと正論が吐けるようになって「損切丸」もほっとしている。「投資」も真正面から取り組めるようになる
やはり鍵は「日銀」。本日の政策決定会合後に植田総裁がどういう発言をするのか。世界中が見つめている
