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「悪魔」は静かに忍び寄る。- インフレ編。

 またまたビットコインBTC)が暴れているらしい。再度@$20,000をトライしてあと100ドル(@$19,923)というところまでいったものの、そこからまた▼1,800ドルも叩き落とされてしまった。

ビットコイン(1日)

 「BTCは金(Gold)を代替するインフレヘッジ資産になりうるか?」

 投資銀行業界で大分騒がしいようだが*どうも怪しい。素人を騒ぎに巻き込んで大儲けしたいだけなのではないか?(笑)。そもそもこんなに値動きが激しくては ”ヘッジ資産”とは呼べない。 素人なら夜も眠れまい。

 これまた話題が復活している「リブラ」。1月にも発行との報もあるが、なぜか「ディエム」(Diem、ラテン語で「日(day)」の意味)に名前を変えるらしい。ウォレットも「Caribra」から「Novi」へ。フェイスブックの臭いを消したい、とのことだが、いかにも見た目やデザインに拘る業界らしい。次期財務長官のイエレン氏は「リブラ嫌い」とも言われ、FRB時代も随分バチバチやっていた。今後の展開が注目される。

 古い話で恐縮だが、今のBTCを見ているとITバブル時の「光通信」↓( e.g. 高値@241,000円から@3,760円まで下落)を思い出す。

光通信

 今回は「悪魔」=「インフレ」と見立てたわけだが、「インフレ」こそ本当の「悪魔」かもしれないアメリカの経済制裁下にあるイランでは、通貨リアルの下落と「コロナ危機」による物流の遮断で食料品の値段が「4倍」に高騰しているそうだ。@100円のおにぎりが突然@400円になるわけだから、考えるだに恐ろしい。

 それでは「インフレ」を「資金繰り」の側面から捉えるとどうなるのか。

 @11/30の「日銀バランスシート」最新版 ↓ 

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 今のところ危惧された「コロナ危機」対応の「預金取崩し」は起きておらず、むしろ「特別貸出(111.1兆円)」が増えて手元資金を積み増している状態。ただし「政府預金(66兆円)」分は政府が市場から「再調達」しており、必ずしも万全とは言えない。

 仮にここで日本に「インフレ」が起きるとどうなるか。

 **物価上昇に伴って支出が増え、通貨の下落が伴えば円をドル等の外貨に換える動きが活発化し、現金(日銀券)預金(当座預金)が急激に減る。日銀は負債が減った分の「資金繰り」穴埋めを迫られるが「政府預金」=短期国債を増やすにしても売現先オペ(資金吸収)を実行するにしても、短期金利には上昇圧力がかかる

 **この現象が急激に起きたのがベネズエラであり、トルコアルゼンチンである。市場が開かれてはいないが、レバノンイラン北朝鮮でも同様の事態が起きている。

 一番手っ取り早いのは保有国債を売ること。しかしこれはより直接的に長期金利を含む国債金利の急騰を招く。だが、短期資金の吸収を増やしていっても何れ短期金利の上昇は長期金利に波及する。ちなみに筆者なら国債売却を選ぶ短期金利の上昇を我慢して追い込まれてから対応するのでは余計に金利の上昇を招くからだ。

 これが「資金繰り」と「インフレ」の連関性で、いかに「金利上昇」に波及するか、ご理解頂けたと思う。これは危機時だけではなく、「コロナ後」に大量にばらまかれた「お金」を人々が使い始めた時も同じ現象が起きる10年国債がたったの@0.02%なんて水準は早晩維持できなくなるだろう。

 前稿で「中国金利」が世界の「未来予想図」と書いたが、むしろ異常なのは日米欧の金利水準であって「中国」の方がまともなのかもしれない

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 ちょっと専門的な話になるが、米国市場では「インフレ連動債(TIPS)」↓が発達しており、よくインフレ見通しを語る時に材料視される。10年TIPSのチャートを見ると、実はトレンドが2019年に大きく反転している。

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 (解説)通常国債などの債券では元金=@100.00が満期に償還されるが、TIPSではインフレ率に応じて償還元金が増額される。価格が@110.52ということは満期に@110.52>@100.00償還されることを意味し、金利に直すと@▼1.052%となる。インフレ見通しが強まれば強まるほど価格は上昇し、グラフのような金利表示では金利がどんどんマイナスになる仕組みだ。

 つまり「コロナ危機」とは関係なく、2018年末に市場は「インフレ」に大転換していることになる。株式市場や金、BTC(??)などはこれを内包して動いていると考えれば現在の動きも理解しやすい。

 米国経済に密接にリンクしている日本がこの流れから外れているとは思えない。10月CPI「GOTOトラベルで旅行代金が▼30数%下がったから」と@▼0.40%に引下げたのには ”怒り” さえ感じたが、***生活実感から考えて日本も最早「物価の下がっている国」ではない。

 ***ここ数年、消費税に医療・介護費の自己負担引き上げ、更に「FIT(太陽光固定価格買取)終了」や原発コストを実質利用者に転嫁する電気・ガス料金の値上げ等が相次ぎ ”生活費” 負担は増える一方税金も様々な「控除」が続々廃止され実質増税。負担の増した企業による「ステルス値上げ」が横行するなど消費者には2重の負担になっており”体感物価” は@+1%を超えよう日本国債はとんでもない「マイナス金利」と言う事になる。

 「静かに忍び寄る」はまさに今回の「インフレ」+「資金繰り」にピッタリくる表現。特に「資金繰り」は徐々に悪くなる類いなので、元・担当者としてはヒタヒタと迫り来る足音が聞こえる感じだ。JGB ↓ こんなチャートとも呼べないような状態をどこまで維持できるやら...。

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 銀行、証券、トレーダーにエコノミストまで巻き込んでの「忖度相場」なのだろうが、いくら「和の国」でも限界はある。


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