「インフレ」は「お金」を磨り減らす
8月米新築住宅販売戸数 80万戸 予想 69万戸 前月 66.4万戸 ← 65.2万戸
アメリカ人というのは心底「お金」が大嫌い。彼らにとって「お金」は "貯めるモノ" ではなく "借りるモノ" 。ちょっと金利が下がれば即座に「借金」して株とか不動産を買う。長年染みついた「インフレ」体質は簡単には変らない。程度の差はあれイギリス人や欧州人も同様
「インフレ」は「お金」を磨り減らす
考えてみれば判るが、例えば3,000万円だった住宅が5年間で5,000万円に「値上がり」すれば、i.e., 年率+13.3%の上昇、@4%で「貯金」なんかしたら大損。むしろ@7%で借りて「投資」した方が得だ。長年デフレで苦しんだ日本人、特に「ゼロ金利」で育った40代までの世代には理解しがたいかもしれないが、これが「インフレ」。日本もそうなりつつある
世界中で約5京円もの「大借金」を抱えて極端な「金余り」だと「損切丸」では繰り返し書いてきたが、「コロナ危機」以降の5年間で株も不動産もそして生活物資もサービス料も "爆上がり" 。大量の「お金」を消費してきた。約5京円もの「大借金」も5年前の基準なら大幅に "減っている" 。これが「インフレ税」=「お金」の実質価値は凄い勢いで減価。「預金大国」日本が苦しいのは当然の帰結でもある
さて問題はここからどうか
磨り減った「お金」は「お金持ち」を中心に株や不動産に振り替えられてきた。だから色んな指標が「割高」を示すのは当たり前。ここで重要になるのが「金利」である
中国国債金利の急騰は何を意味するのか|損切丸 で少し触れたが、中国10年国債金利の上昇が止まらず遂に@1.9%を超えた。日本より早く@2%に達しそうな勢いだが「デフレ」と言われる大国の金利上昇は「戦争」支援で「お金」が足りなくなってきている事を示唆する。景気が悪いから税収も伸びず「資金繰り」に支障を来している可能性が高い。当の「戦争」当事国でも長期金利は上昇傾向にあり、つい先日「増税」を発表したばかり。懐事情はかなり厳しい。この2国に寄りかかっているBRICSも似たような状況

何を言いたいかというと、ジャブジャブに余っていたはずの「お金」は「インフレ」で磨り減って足りなくなってきた可能性が出て来た。だから「金利」は上昇する。こうなると一転「お金」は取り合いになり、最初は安定資金の確保のため長期金利が上昇するが、本当に「資金繰り」に行き詰まったら最後は短期金利が急騰したりする
そういう世界的状況の中、「利下げ」を開始したアメリカも今後は慎重にならざるを得ず、米国債も耐えきれずに下落に転じている。確実視されていた年内あと2回×▼0.25%「利下げ」も雲行きが怪しく、 "Tariff Man" 退任後の「利上げ」まで見えてきた。この状況でリセッション(景気後退)が起きれば「スタグフレーション」である



「中立金利」にさえ届いていない日本は何をか言わんや。あっという間に@150円一歩手前まで「円安」に持って行かれた。世界中で「お金」の取り合い ≓「金利」上昇になって来ている中、 "金利を上げるなんてアホ" なんて言っている場合ではなかろう。 "競争" に取り残され「円」は磨り減る


企業や個人でもそうだが、「資金繰り」に詰まれば保有資産を取り崩して対応することになる。そういう時は必要度の低い資産、言い換えればリスクが高く「危ないモノ」から処分するのが定石で、マーケットでまず暗号資産が売られているのは合点がいく。主要なものではその次が株、あるいはコモディティ(商品市場)、そして現物資産である不動産などに波及する。「通貨」だと 「ドル」と「円」、どっちが弱いの?|損切丸 も気になる

その程度を示すのが「金利」であり、長期国債を中心に既に動き出している。元金利トレーダーの習性で半年先、1年先をみてコメントしているのでタイムラグが出るのはご容赦を(そういう意味では今日、明日の相場には役に立たないかもしれない)
今の「円安」復活に嫌~な思いを抱いている日本人は筆者だけではあるまい。総裁選もいいが呑気に政策論争なんてしている場合ではない。まずは「利上げ」に踏み切らないとこの熾烈な "競争" には到底打ち勝てない。おそらく日銀も同じ感覚を共有しているはず
とはいえいつも邪魔するのは「政治」。中央銀行が "政府の子会社" だと認識しているアメリカも日本も「低金利」が大好き。「戦争」で "巨額の公共事業" を行っている独裁国家然りだが、こちらは「資金繰り」に火が付き「利下げ」なんて言っている余裕は無い。「政治」が市場からのメッセージを無視して間違った政策を発動する事が過去の「金融危機」を生んできた。「金利」がいつも "炭鉱のアナリア" の役目を果たしてきたが、金融政策が「政治」に屈するようだと "歴史は繰り返す" 。既に白い煙は上がっている
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