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全ての源は「借金」

  "Deal the Size! " (規模で取引しろ!)

 外資系企業ではおなじみの「首切り」。10月にアメリカではAI関連を中心に▼15万人も切られたそうだが ↓ 、「損切丸」が英銀に転職して1年目いきなり試練が訪れた。元MS→CSのCEOが就任した途端東京には3人の幹部がやってきて大量の「首切り」。筆者の在籍していたチームは7人のうち5人が切られた。東京トップになる人物がいきなり面と向かって筆者に言い放った言葉がこれ ↑ 。曰く「何兆円お金を融通出来るんだ?!」。縞々のダブルのスーツを着ている様はまるでマフィア(苦笑)。ほどんど脅迫だ

 会議ばかりの邦銀で理屈に合わない仕事だらけだったので、外資に来ればどれほど先進的な事をするのかと半ば期待していたが、やろうとしているのはパワーディール ≓ "力任せ" 。これでは「3比較」=「他行比」「僚店比」「他地域比」ひたすら「規模」拡大を目指す邦銀と変らないではないか…

 バブルの真っ最中に邦銀の支店で仕事した筆者はひたすら「ノルマ」に追われた。大きな変化は「預金」中心だった「ノルマ」に「貸出」が加わったこと。それまでの銀行は "頼まれてお金を貸してやる" スタイルだったので「貸出」「数字」を課してこなかった。だが不動産融資を中心に「他行」が利益を伸ばすと "みんな一緒"ひたすら「借金」を増やさせようと長屋を取り壊して大型ビルを建てる "地上げ" やローンを付けて自社株を買わせるなど「提案型貸出」「数字」に邁進した

 末期には不動産担保さえあれば「お金」の使い道自由の「フリーローン」が登場。パチンコ、競馬、あるいはお姉さんのいるバーで使ってもいいのだから考えてみれば無茶苦茶な話。「借金」を返せる訳がない。それ程「土地神話」が蔓延していた訳でまさに "Deal the Size " 。その後の「崩壊」はみなさんご存じの通り

 全ての源は「借金」

 「ウォール街」を始めとした投資銀行も "Prime Brokerage" (プライムブローカレッジ)なんて格好良いネーミングで事業展開しているが、要はヘッジファンド(HF)に「お金」を貸して売買取引を一杯しても貰おうという魂胆。邦銀の「ノルマ」と本質的には変わりなくその手数料で儲ける算段。リスクはHFに取らせるから自己資本規制も免れ一石二鳥。お陰で銀行破綻のリスクは格段に減ったが、代わりにHFやノンバンクなどのシャードーバンキングで「規模」が「膨張」。リスクの存在が見えにくくなっている

 マーケットで膨張している「借金」の本命は3,000兆円にも達していると推計される「円キャリートレード」だろう。その仕組みはこう ↓

①個人・企業がFX(外国為替証拠金取引)でドル円買い
②買ったドルは米株、米国債、ビットコイン等々ドル建資産に投資
③ショート(資金不足)になった円はFX会社←投資銀行←邦銀で「貸出」
④ドル円の持ち値は「金利差」で日々精算され更新、e.g., 4%≓1日▼1.6銭
(参考)「新NISA」は③④がないだけ

 この取引の鍵は邦銀が「貸出」する「円」「お金」が余っている限り延々と続くが3,000兆円ともなれば邦銀の台所事情はどうだろう。ここまで来ると「円」の「貸出」金利にはプレミアム(上乗せ金利)がつき始め、日銀の「利上げ」がなくとも@0.50%→@0.60~0.70%のようなことが起き始める。1年持てば▼6円も「円高」方向に持ち値が改善するはずが、▼5円、▼4円と「儲け」が減れば "止め時" は近くなる。いわゆるマーケットでの「値上げ」≓「利上げ」「借金」はすればするほど「金利」が高くなる

 Investment Banking(投資銀行)なんていうとお給料は高いしいかにも "凄いこと" をしていそう。HFT(高頻度取引)やAIなどで道具はやたらと高度化したが、その中味は非常に原始的パワーディール ≓ "力任せ" そのものだ。所詮「銀行」なんてそんなもの。法律が絡むので仕事は面倒くさいが「規模」の拡大による薄利多売が基本になっている

 だが「お金」は∞(無限大)ではない

 この発想を政治に利用したのが「XXXミクス」であり「異次元緩和」だ。それを理論的に武装するためのMMT(現代貨幣論)であり世界中で「借金」が5京円近くまで「膨張」全ての元凶は "ディスインフレ" で長く続いた世界的な「低金利」。特に日米欧の3極で「ゼロ金利」ないし「マイナス金利」が同時に起こったインパクトは大きく、日本人も含めみな「タダで借金出来る」と信じ込んでしまった

 これだけ世の中に溢れかえった「お金」の値段が下がる=「インフレ」はある意味当たり前。その副作用として「金利」が上昇し始めている「利上げ」が遅れた「円」が安くなるのも当然「円キャリートレード」がこれほど膨張してしまった。だが「お金」は∞ではない

 「金余り」の指標としてBTCを見てきたが、頭が重く戻りきらない相場を見ると「金余り」は大分解消されつつあるように見える。あとはFRBによる「利下げ」が唯一の "希望" だがその雲行きも怪しい。FRBにしても日銀にしてもこれ以上の「膨張」は好ましくないとの判断もあろう。行き着く先は「インフレ」であり、最悪「スタグフレーション」「ハイパーインフレ」だからだ。筆者は山登りは7合目を超えたと判断しているがさて。「国家」が山を更に高くする可能性≓「積極財政」?もあり注視していきたい

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