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The Ground Above/Beth Orton

TITLE: #TheGroundAbove
ARTIST: #BethOrton
RELEASE: 2026/06/26

REVIEW
アーティストの紹介
ベス・オートンは1970年ノーフォーク生まれ、ノリッジを起点にロンドン地下シーンで頭角を現した英国のシンガー・ソングライターである。ウィリアム・オービット、ケミカル・ブラザーズらとの共演を経て、フォークとエレクトロニカを結ぶ〈フォークトロニカ〉を確立。『Trailer Park』『Central Reservation』『Daybreaker』で国際的評価を得た。1999年作ではBRIT Awardも受け、その後は音響と歌の距離を探り続けてきた。
アルバムの評論
『The Ground Above』は、『Trailer Park』から30年の節目に届いた4年ぶりのアルバムである。前作『Weather Alive』で開いた自己プロデュースの扉をさらに押し進めた。声は近く、音場は遠い。都市的なビートの記憶が、呼吸の遅い光として沈む第一印象だ。

本作の骨格はフォークの書法だが、表面を決めるのはジャズの揺らぎとアンビエントの余白である。トム・スキナーのドラムは拍を誇示せず、湿った脈として背後を押す。ニック・ハキムらの気配は和声に煙を混ぜる。曲順は後半へ進むほど歌そのものを露出させる。電子音は飾りではなく、沈黙の厚みを測る装置だ。

“Waiting”を軸に聴くと、このアルバムの時間感覚が見えてくる。待つことは停止ではなく、失ったものとまだ来ないものを同じ部屋に置く行為だ。キャロル・キングを思わせる丸いメロディは、声のかすれで過去形へ傾く。鍵盤とリズムは踏み込みすぎず、歌の行間に体温だけを残す。

ベス・オートンの歩みは、フォークとクラブの折衷ではなかった。傷ついた声がどの器を選ぶか、その変遷だったのだ。本作はその答えを、大きな音ではなく深い余白で示す。『Central Reservation』の内省や『Sugaring Season』の裸の歌に惹かれた人へ届く作品である。

TRACKLISTS

  1. The Ground Above

  2. Before I Knew

  3. Cigarette Curls

  4. Waiting

  5. Celestial Light

  6. I'll Miss You

  7. Love You Right

  8. Otherside

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