本当のピルとの付き合い方 補講 ~バイアグラとピルの噂は真実か?~
私がピル関連の話題を書いてからずいぶん日が経ったのではあるが、ピル関連の話題が未だに話題になると、医師会が悪いだの男が悪いだの相変わらずの状況ではあるが、それが本当かどうかと言うことについての疑義については、先回までに記述したとおりである。
これだけでも十分に、日本におけるピル関係のおかしさは指摘しきっているのだろう。が、まだこの記事にはちょっと足りないところがある。
それがバイアグラとピルの関係である。ピル関連で良く出てくる話題の一つなのだが、フェミニストの間では半ば公然の事実のように裏で男性からの圧力や手を回したことがあったと言うことを指摘されており、それと同時にピルとバイアグラでなぜ承認に差があるのかという指摘が国内外で取り上げられた。
北村:ぜひ知っておいて欲しいのは、新薬については「申請なきところ承認なし」ということです。医師主導の方法や公知申請といって、既に承認されている薬の適応追加などが行われることがありますが、一般的には製薬企業が開発の意義を感じるかどうかです。バイアグラの場合には、申請から承認まで半年でした。陰では、政治的な判断が働いたといいます。
国内外から大きく批判された。ある女性議員は「厚生省は男性に性の快楽を許しながら、女性にはピルを許さない。避妊できない妻に対して、夫はバイアグラを使うのか」と痛烈に批判した。海外メディアも「男性が支配する社会における女性軽視」「日本は依然、男性による長老支配のまま」と報じた。
対照的なのは、男性対象の勃起薬バイアグラで、半年で認可されている。「なぜバイアグラは半年で認可なのか」という女性議員たちの怒りの声で、ようやくピルも認可となったのだ。これが男女差別でなくて、何であろう。女性は身体や性について無知な方がいいという考えが、根底にあるに違いない。
こういった男女での対応の違いこそ、女性が抑圧されているものであり、男性が優遇されているのだ。
こういったストーリーが展開されるのだが、この話も疑問が多い・・・いや、そもそも疑問にすら本当になるのか?
はっきりと言おう。これも「神話」なのではないかと?
1 バイアグラの早期認可の理由とその考察
(1)早期認可と粗悪品や偽薬の関係性
早期認可の件について早速調査してみたわけであるが、その一つとして先のサイトを見つけたので、早速だがその理由を見てみることとする。
Q:話題のバイアグラが日本でも発売されたそうですが、どうやったら手に入るのですか?
A:バイアグラは男性の勃起不全治療剤として、98年にアメリカで発売され、それと同時に世界中で話題になりました。
日本でも個人輸入で売買され、安易な使用で副作用による死亡者が相次ぎました。事態を重くみた厚生省は、申請から6カ月という異例のスピードで、今年1月に医薬品としての発売を承認しています。
日本民医連のサイトからの情報によると、個人輸入や安易な使用が原因となっている。
なぜ、これらが理由となっているのか?ということについてであるが、ひとつは個人輸入品によって偽物や粗悪品が出回るような話があるからだ。

インターネット流通の40.0%(日本:35.6%、タイ:48.0%)が偽造品でした。偽造品の品質にはばらつきがみられ、医薬品成分の含有量が承認されている用量より多い・少ないだけではなく、全く含有していないもの、他の成分、複数の不純物が含まれるものがありました。
正規品バイアグラ100mgは国内では承認されていないため、個人輸入のサイトで販売されているバイアグラ100mgは偽物の可能性が高いです。近年では個人輸入ED治療薬の5割が偽造品であると言われています。
認可前後にも、こういった話はあったのだが今に至っても偽造品というのはかなり横行しているのが現状である。
近年ではバイアグラのジェネリック薬品が出てきているが、それ以前なら特に高価であるバイアグラというのは偽造するものとしては格好の薬品だった。(ちなみに、医薬品の偽物でバイアグラは最も多いとも言われている。)
もちろん、そんな物が出回ればどうなるかなどということはいうまでもないだろう。実際に偽物の使用によって重篤な有害事象が生じるケースというものも存在している。
また、個人輸入をするということは、正しい利用方法を専門家から指導されるとも限らない。利用方法を間違う確率も上がる可能性があるだろう。
粗悪品や偽物、利用方法が間違っているという健康被害と言うこと懸念するのであれば、早急にその対応をするのはわからない話でもない。
医師が利用状況を管理し、粗悪品でなく正規品を正しく提供できる環境を早急に整えるべきだというのであれば、そもそも認可が早いこと自体不当なのだろうか?という考えもあって良いはずだ。
当時も早急に対応すべきだった事情を鑑みるのなら、必ずしも認可が早いことが不当なものであるという風に言えない。
また、ピルがバイアグラのような事情があったのかといえば、フェミニストからも伺ってはいない。
(2)意図されて、区別されたのかすら不明である。
そもそも、バイアグラの認可において、ピル認可との対称性を念頭に置いていること自体も考えにくいことである。
単にバイアグラはバイアグラで素早く認可すべき事情があったからと言うだけであって、何もそこに男性だからとか女性だからとか考えられていたと言うこと自体、何か確たる証拠はない。
バイアグラの解禁後にフェミニズムがそれをやり玉にしたことや、一応は性に関する医療品であるという共通点があるからこそ、まるで関連性があるかのように映るのだが、当事者が意図したかどうかすらわからないのである。
そのような基本的なところですらも、誰かがエビデンス付きで示したわけではない。
まるで真実かのように伝わっているのだが、その実根拠となる部分は宙ぶらりんなのだ。
何か裏での工作があっただろうというような陰謀めいたものがあっただろうというのが出てくるが、一体どこの誰がどのように忖度なり圧力をかけたのだろう?
我々にはそれすらわからないのだ。
(3)なお、純正品に関してだけみても。
まあ、検討しなくても良いでしょうが、念のため純正品についても少し触れよう。もちろん、純正品であっても副作用の懸念はある。
が、粗悪品や偽物の話題を除外してその部分だけを見たとしても、既に前作で書いたように①男性と女性と比べて、日本におけるリスク回避的な性質に違いがありすぎること、②子宮頸がんワクチンのような反応が他のワクチンでは確認すらされていないこと。
と言ったところを鑑みるに、バイアグラについては副作用懸念はピルのようなケースより反応しないというのは容易に想像がつくわけである。
2 ピルVS権力という神話
いくつかバイアグラとピルとの関係性を調べてみても、碌に関係性や陰謀的な部分の解明に繋がるようなものを探ることは出来なかった。
バイアグラ認可の際に当時の事情についても、フェミニスト側などはちゃんと検証しているのだろうか?いや、これはしてないか、していても無視しているか。そんなところだ。
これほど根拠なく会話を聞いていると、まるでQアノンやロスチャイルドみたいな話を聞いているような感覚だが、こんなものを事実かのように扱われるのはたまらんわけで。
もう一度はっきりと言いますけど、これは
ピルVS男性権力という神話なんです。
事実ベースの検証がされていない代物は、学問と言うよりは、もう神学論争と言った方が良いのではないでしょうか?
マスキュリズムやフェミニズムを調べていますが、これに限らず何件かそういった感じになるものをお見受けするのですが(ねえ、千田有紀先生!!!!!)、事実やデータを元に物事を検証するという基本的な部分をもっと大事にして頂きたいのですがねえ。
他の陰謀論のように与太話で終わるのなら良いのですが、割とそうでもない事実として捉えられてしまうから、本当に困るんですよね。
