犬が代
皆さんは犬を知っているでしょうか。
犬とは手触りがよく、おまけにとってもあたたかい生き物です。
そして犬は人よりも高等です。
無礼は許されません。
たった一つの捧げ物で、人の願いを叶えてくれるのです。
本当に凄いですよね。
掌におやつを乗せる。
畏まり、二礼。
パン、パン。
お犬様こっちを向いてください。
強く念じます。
焦りは禁物。呼吸を整えてください。
お犬様は、穏やかな人にやって来るのだから。
そして、唱えます。
「どうかお手をお貸しください」
ここからはお犬様次第。
お手が差し出されれば願いは叶いますし、出されなければ叶いません。
それだけです。
洗礼された思考。流石お犬様。
人間もっとぐちゃぐちゃです。
お犬様は神聖な生物ですからね。
その結果を人ごときが罵ってはいけません。
お犬様が、悲しみながら去ってしまいます。
それに罵ると、後日部屋がぐちゃぐちゃになっていたり、靴下が不自然にちぎれていたり。
最悪の場合二度とお犬様が、お手!を貸してくれません。
これがいわゆる天罰、です。
お犬様はとても繊細です。
人の悲しみに寄り添ってくれます。
時には、涙びしょびしょの人面に、自分の体を差し出してくださいます。
汚れた涙も受け入れてくださるのです。
お犬様は何でも知っています。
人よりも賢く、人が見えない景色を見ています。
お犬様。お犬様。
私達はどうすればいいでしょうか。
いつか答えは見つかるでしょうか。
人間は答えを見つけられるでしょうか。
お犬様を信仰しなさい。
お犬様、お犬様、こっちを向いてください。
そう、お犬様は笑ってくれるんだ。
やっぱり。
お犬様だけが、全てを知っている。
