あなたからの手紙
久しぶり……
元気だと風の噂が入ってきます。
もう何年過ぎたでしょう…。
結構こたえましたが
こちらはこちらで何とか
踏みとどまっています。
どういう風の吹きまわし……
空色の封筒なんかよこして…。
開けずに返送することも可能です。
あなたが そうしたように…。
開けて読むべきでしょうか。
また元の木阿弥になるだけ…。
そう呟くわたしに
迷ったら進めと遠くからの声。
その反対側から
見なかった事にしてやり過ごせ…
頑なに諌める声も聞こえてきます。
読んで返事しない手もあります。
一読してどうするか決めればいい…
行き先は後回しで構わない…
そんな気にもなります。
でも最初から
開けるつもりでいる自分もいます。
時間は無駄に過ぎゆくだけ…。
屋根の鳥が囁くと
自動センサーが働いて
手水が口を切ります。
揺れるみなもに
空色の手紙は正体を隠します。
見失った便りに
呆然と立ち尽くすわたし。
どうやら
思いきって
わだかまった柄杓を
手に取るしかないようです。
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