見出し画像

音楽生成AI「Mureka.ai」徹底レビュー!

今回は2024年7月にローンチした比較的新しい音楽生成AI「Mureka.ai」に関する詳しい情報をお届けします。

Mureka.aiとは?

sunoやUdioに類似のUI/UX

UIや機能面はだいたいsunoやUdioなどで提供されているものと類似です。
なお無料プランだと2クレジットのみ(2曲、1回の生成で使い切り)ですので、それなりに試してみたい場合は最低限・月額課金$10が必要になります(課金しました)

1. 公式サイトおよび運営者情報

Mureka.aiは、中国の大手テック企業 Kunlun Tech(昆仑万维)によって立ち上げられたAI音楽生成プラットフォームで、同社はブラウザ「Opera」をリリースしている会社としても知られています。
(Opera自体はノルウェーの Opera Software から2016年に売却)
MurekaはKunlun傘下のシンガポール法人 Skywork AI Pte. Ltd. によって運営されています。

2. サービスとしての独自性

Murekaは、sunoやUdio、Riffusionのようにユーザーが入力した歌詞やプロンプトに基づいて、音楽生成可能なAIサービス。
Kunlun TechによればMurekaは自社開発のAI音楽生成LLM(大規模言語モデル)「SkyMusic 2.0」を搭載しており、外部の他社APIに依存せずに稼働。

SkyMusicは「中国初の商用グレードの作曲AIモデル」とされ、中国語、日本語、英語を含む31言語をサポート。
最大6分間・500語以上の歌詞にも対応できるとされ、これは他社のサービスを裏で呼び出すような作りではなく、独自のAI技術に基づいていることを意味します。
2024年に「Sunoへの違法アクセス疑惑」で話題になった「LoudMe」のようなものではなく、オリジナルの音楽生成AIサービスです。

3. 作例

日本語ボーカル曲。歌詞はローマ字ではなく普通に日本語でOKです。漢字もバッチリ解釈してくれます。

こちらはインストゥルメンタル曲。いわゆる「Instrumentalモード」はありませんが、プロンプトで "Instrumental" を指定すれば生成できます。


4. Murekaが提供する主な機能・独自性

多国語の歌詞に対応

日本語の歌詞もおおむねバッチリ歌ってくれます。Riffusionのようにローマ字にする必要はありません。
ときどき微妙にあやしいケースもありますが、未サポートのタグを使うと稀に直後にボーカルが謎言語化するような挙動がある感触。

歌詞の自動生成

曲名をセットすると、それにインスパイアされたであろう英語のLyricsを自動生成する機能あり。曲名を日本語で設定しても生成される歌詞は英語となります。

歌詞や参照音源からの楽曲生成

上位の「PROプラン」に加入すると、ユーザーがお気に入りの既存曲の音源やYouTubeリンクを「参考曲」としてアップロードし、そのスタイルを踏まえた楽曲生成が可能です。
例:「この曲みたいな雰囲気で」といったリクエストに応じて、似たテイストの新曲を作ることが可能。

YouTubeリンクでもOKなのはどうなんでしょう。

AIボーカリストの選択

あらかじめ用意された複数のボーカルスタイル(声質/歌手)から選んで歌わせることができます。
好きな歌声で統一した複数の楽曲を制作できるため、競合サービスでも類似機能はあるものの海外では「Murekaの方が使いやすい」との意見もあります(好みですね)。

AIボーカリストを選択できます。日本人系もあり。

ハミングや鼻歌によるメロディ入力

ユーザーが自分で鼻歌やメロディを録音して入力すると、その旋律アイデアを元に曲を作り上げることができます。
たとえば思いついたサビのメロディを吹き込めば、AIがオケやアレンジを付けて楽曲化してくれます。

タグによる楽曲の構成コントロール

曲のIntro, Verse, Chorus, Outroなどのタグコントロールで曲のセクションごとに生成・延長といった細かな編集が可能で、曲構成のコントロール性が高いとされています。
ただしサポートしているタグは少なめのようで、未サポートのタグを使った場合は直後または以降のボーカルが歌詞通りに歌わないケースがありました。
また、sunoやUdioのようにタグに表現情報

 [Verse 1: Male Powerful, Instruments: Melodic] 

といったものを含めても無視されるようです。

サポートされるタグはシンプル。

曲の延長(Extend)や再生成(Reuse Prompt?)などは上位プランのみ

sunoやUdioでは標準的にサポートされているExtend や Reuse Prompt、ビデオダウンロード、ステム分離などは月額 $24 or $30 の上位プランのみです。

Extendはせめて基本プランでも欲しいところ

マーケットプレイスの統合

Mureka上で作成したAI楽曲は、そのままプラットフォーム上で販売することが可能であるとのこと。ユーザー同士が楽曲を売買できるストアが統合され、クリエイターが自作のAI音源をライセンス販売したり収益化できる仕組みを提供。
AI生成、編集、そして流通(著作権取引)までを一貫して提供する点は、同種サービスの中でも非常にユニークですが、2025年2月上旬時点のUIと基本プランからは販売に関する機能は確認できず。
ただし実現すればAI音楽による収益化の新たな手段となりそうです。

以上のように、Murekaは他社のAPIを利用して機能を提供しているわけではなく、Kunlun Techによる独自開発の技術とプラットフォーム設計によってサービスの差別化を図っています。


5. 利用規約やプライバシーポリシーの透明性

Mureka公式サイトでは、利用者向けに「🔗利用規約(Terms of Service)」や「🔗プライバシーポリシー」が明確に公開されています。
プライバシーポリシーでは、サービス利用時に収集する個人データの内容や利用・保護の方法、利用者の権利について詳しく説明されており、データ取扱いに関する透明性は確保されています。
また、運営会社の社名・住所・連絡先も明記されており、何か問題があった際の問い合わせ先も明確。

利用規約の中では、著作権や知的財産の扱いにも触れられています。第三者の権利を尊重することや、もし侵害があった場合の通知・対処手順(DMCAクレーム手続き)が記載されており、サービス運営側が知的財産権の問題を重要視していることがわかります。
不正なサービスであればこのような規定は整備されていない可能性が高いですが、Murekaは利用規約・ポリシーを整備し公開することで、法令遵守とユーザーへの説明責任を果たそうとしています。

面白いのは「著作権(所有権)証明書のダウンロード」という機能がある点。実際にはユーザーの居住国の著作権法が適用されることになりますが、音楽生成AIのサービス自体がこのような機能を提供するのは初で興味深いですし、将来的に有効に機能するかもしれません。

著作権(所有権)証明書がダウンロードできちゃう



6. ユーザーや専門家の評価・レビュー

一般ユーザーからの評価

ユーザーからの評価を見ると、Murekaは概ね好意的に受け止められています。プロダクト評価サイトのProduct Huntでは、2024年7月のリリース直後に107件のアップボートを集め、ユーザーレビューも比較的高評価を得たようです。

モバイルアプリ版の評価も上々で、Google Playストアでは公開時に星4.5前後の好評価。直感的な操作で初心者でも独自の音楽を簡単に作れる点が支持されており、「自分のレベルに関係なくユニークな音楽を effortless(苦労なく)に作曲できる」と紹介されています。
これはまさにMurekaの掲げる「すべてのクリエイターにインスピレーションを形にする力を与える」というビジョンに沿ったユーザー体験です。

専門家やテック系メディアによる見方

音楽テック系のニュースサイトはMurekaを「AI音楽業界における新たな有力プレイヤー」として紹介しつつも、「既にsunoなどの他社の先行サービスも存在しており、真の革新性はこれから証明されるだろう」と指摘する声もあります。
「KunlunのMelodioやMurekaといった新サービスは興味深い試みだが、本当にゲームチェンジャーとなるか判断するには時期尚早」という見解もあり、アイデアや将来性は評価されながらも、市場インパクトの行方は慎重に見られています。

また、利用者目線の詳細なレビューでは長所だけでなく短所も指摘されています。
たとえば「参考音源から曲を作れる機能」「多言語対応」は革新的だが、「肝心の機能(ボーカル/楽器ごとの個別トラック書き出しや参考音源アップロードなど)が有料プランに厳しく囲い込まれており敷居が高い」などのデメリットが挙げられています。

総合的にはユーザー満足度が高いとされる一方で、機能面での制限がある点は留意が必要です。


競合サービスとの比較

AI音楽生成サービスの競合としては先行組の Suno や Udio などがありますが、Murekaは「歌詞付きの楽曲(ボーカル入り音楽)を生成できるサービス」という点で、SunoやUdioと直接競合するポジションにあります。
実際、Kunlun Tech自身もMurekaを「SunoやUdioに対抗するサービス」と位置づけており、両者は協業関係ではなく競合関係にあります。

技術的基盤

SunoやUdioもそれぞれ独自の生成AIモデルを開発・使用していますが、Murekaも同様に自社の「SkyMusic 2.0」で勝負しており、他社のエンジンは使っていません。
いわば各社オリジナルのAIモデルによる競争になっています。
現時点でMurekaの生成品質は「他社と同等かそれ以上」とするユーザーもおり、特にボーカルのクオリティや楽曲の安定性で高評価を得るケースもあります。
(実際に使ってみて、個人的には音質はUdioが圧勝、sunoには僅差で到達できていない感触です)

機能面

Murekaは参考曲の参照やマーケットプレイスなど独自機能を持っています。SunoやUdioは(法的リスクもあって)よりシンプルにテキスト→音楽生成に特化している印象がありますが、Murekaは外部APIへの提供や、プラットフォーム上での販売など機能の幅が広い点が特徴です。
開発者コミュニティでも「安定した音楽生成APIとしてMureka(の非公式API)が使える」という声があるなど、アクセスしやすい存在になっていることも伺えます。

法的リスクと対応

2024年にSunoやUdioは大手レコード会社から「学習に著作権保護された楽曲データを無断使用した疑い」で訴訟を起こされています。
一方、Mureka(Kunlun Tech)に対する同種の訴訟は現時点で報じられていません。
KunlunはSkyMusic 2.0の訓練データを公表していないため詳細は不明ですが、少なくとも直接の提訴はなく、Murekaは法的トラブルを回避できているようです。
ただしAI音楽生成の権利処理は業界全体の課題であり、Murekaも利用規約で注意喚起を行っています。

競合との位置づけ

Murekaは商用利用も視野に入れたプラットフォームであり、曲の販売やライセンス取得までできる(とされている)点が大きな強み。
AIVAが主にBGMやインスト向け、Soundfulが動画や広告向けトラックメーカーとしての側面を持つのに対し、MurekaやSuno・Udioは歌モノを生成できるという点がユニーク。
そのなかでもMurekaは、生成から収益化までワンストップで提供しており、AI音楽生成プラットフォームの中でも総合力の高いサービスになる可能性を秘めています(2025年2月上旬では、収益化機能はまだ計画中かも)。


7. 他のAIプラットフォーム(Sunoなど)との関連やトラブルの有無

Murekaは競合他社との直接的な資本関係や提携はなく、あくまでKunlun Tech独自のプロダクトとして展開されています。
LoudMeのように他社AIサービス(Sunoなど)のAPIを裏で呼び出して機能を提供しているという事実も確認されていません。
むしろ「Mureka = SunoやUdioに対抗するためKunlunが開発したサービス」という位置づけなので、両者が協業するのではなく競合している形です。

他社とのトラブルという点でも、特段のニュースは報じられていません。
SunoやUdioが巻き込まれた著作権訴訟についても、Mureka自身は今のところ訴えられた事実がなく、Suno側から「Murekaが当社の技術を無断流用している」といったクレームも特には確認できず。

将来的にAI音楽生成全体が著作権問題などで注目される可能性はありますが、少なくとも「他社APIへの無断アクセス」といった信頼性を損なう事案は確認されておらず、Suno等との関係性も競合以上のものではないでしょう。


8. まとめ

「mureka.ai」は独自のAI技術に基づいたサービスであり、好みが合えば課金して使ってみるのはありです。
中国系の大手企業グループによる運営のもと、AI音楽生成から編集・販売までを網羅する独自路線を打ち出しており、利用規約やプライバシーポリシーの開示、知的財産への配慮など運営の透明性も一定レベルで確保されています。

現時点で他のAIプラットフォームや商業音楽レーベルとの間での(訴訟などの)顕著なトラブルも、本記事作成時点では見当たりません。
もちろんAI音楽生成自体が新興分野であるため、著作権問題や市場での受容といった課題は今後も注視が必要でしょう。
特に、

  • SkyMusic 2.0 モデルのトレーニングに使用されたデータが非公開

  • 参考音源としてYouTubeのリンクを使える

という点は、もしかしたら今後権利関係の問題要因となる可能性はあります。

実際に課金して軽く使ってみた感触としては、基本プランでの制約(特にExtendができない点)とsunoやUdioに比べて音質が気になるのと、
これは主観と好みの問題ですが

  • ボーカル曲はsunoのほうがキャッチーなメロディを出してくれることが多い

  • インストゥルメンタルはUdioのほうがプロンプト追従性が高い感触

という点において、特にsunoユーザーであれば課金して使うまでもないかな、というのが今回の総括です。
とりあえず1ヶ月は遊んでみます。

とりあえず使ってみたい方は、こちらの招待リンクから

https://www.mureka.ai?invite_code=IfuMzy

招待コード無しはこちら

https://www.mureka.ai/

いいなと思ったら応援しよう!