武士道 ver.2 巻頭の言 武士道 ver.2にかける思い

英文自体に工夫を加えもっと簡単に読むことができないか、と思い立ち、英文訓読法の雛形(ひながた)を拵(こしら)えたのは今を距る約10年前のことである。

 工夫を加えながらこの武士道を読み進んだ。彼此(かれこれ)、第7章まで進み挫折した。

 しかし、その後も、新々英文解釈研究(山崎貞著 研究社)、老人と海(ヘミングウエイ)、黒猫(エドガー・ア・ランポー)、ローマの休日、英検、大学共通テスト、高校入試のヒアリング問題(北海道)などに取り組み英文訓読法の精錬を計った。

 本書をご覧になると分かるように確かに英文は分かり易いと思っていただけるだろう。しかし、いくら分かりやすくても読む進むにはある程度の根気は必要だろう。武士道は一種の哲学書で英文は難解であるが、内容自体も難しいのである。まずは英文訓読法で英文解釈を理解する。その上でやわらかな暗記で難しい英単語を覚えたり、動詞と前置詞の組み合わせを勉強したりされると良い。より充実した英語の勉強が出来るだろう。

 また、本書電子版(インターネット上に掲載)では、日本語訳の理解にも力を入れた。武士道の日本語訳の本は多数出版されている。しかし、最初に出されたのが桜井歐村先生の訳本である。これは完全な文語体であるが新渡戸稲造先生はこれを見て訳本としては良し、とのお墨付きを与えたという話である。次に出されたのが、矢内原忠雄先生の訳である。これは明治のころ世の中に出てきた新しい文体「言文一致体」というもので、文語文よりも現代の日本語にだいぶ近い。しかし、きっと現代の普通の日本人には読み易いものではない。どちらも旧漢字、旧仮名遣いである。馴染みのない方が多いだろう。私見であるがこの矢内原訳が基盤となり現在の日本語の訳本が編集されているように思われる。実際に矢内原訳を現代日本語の語調で言い換えると普通の日本文となる。

 さて、私は文語文や旧漢字、旧仮名遣いのマスターも大事なことだと思うに至り本書を書いた。本書では読み方の難しい漢字にはなるべくルビを振った。また、常用漢字以外の漢字で今の日本人には馴染みの薄い漢字はその都度漢字の意味を説明した。

 なぜこのようなことにも力を入れたのか。一見英語とはあまり関係ないように見えるだろう。ところがそれが大有りである。これは自分の経験からである。自分は漢検1級の勉強をかなりしていた。その時体験したが不思議と英語力の向上を実感した。漢字やその意味、言葉の意味を調べることは語学力の鍛錬であるから英語力アップにもつながったのであろう。本書でこの二人の訳を読めば文語調の文章になれるというメリットがあり、さらにそれを通して武士道の内容の理解がさらに深化するであろう。まさに一石二鳥、三鳥、四鳥を狙ったわけである。勉強の効率を高めたのである。

 この武士道を読む皆様は大きなる教養を身につけたいと思っているはずである。これを英語で読めば教養と英語力が身に付くはずだ。また、矢内原・櫻井氏の日本語訳も精読して理解に至ればさらに教養がつくというものである。

 本書を読むことで大きな教養力を身につけていただくことができたら、筆者としては幸いである。

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橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。