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武士道 第14章 #24 キリスト者ペルペチュア、コルネリアとは何者か

#24  Is not a caution like this worthy of the Christian Perpetua or the Vestal Cornelia?
 短い文章であるが、ペルペチュア、コルネリアという二人の殉教女性について知らないと理解できないだろう。読めば理解できる。これで教養がついた。良いことではないか。知れば、人間的に強くなった、と言えるだろう。

私の訳:キリスト者ペルペチュアあるいは聖童貞(ヴェスタル)コルネリアに比すべき用心深さではないか。


翻訳のポイント

  • Caution: 文脈によりますが、ここでは「慎み深さ」「自制心」「貞潔さ」といった、道徳的な用心深さを指している可能性が高いです。

  • Worthy of...: 「~にふさわしい」「~に値する」「~に匹敵する」という意味です。

  • Perpetua (ペルペトゥア): 3世紀初頭に殉教したキリスト教の聖女。信仰を貫いた強固な意志の象徴です。

  • Vestal Cornelia (ヴェスタの巫女コルネリア): ローマ神話の聖火を守る「ヴェスタの巫女」の最高位にいた人物。巫女には厳格な純潔(貞潔)が求められました。


聖ペルペトゥア とは・・・
3世紀初頭、北アフリカのカルタゴで殉教した聖ペルペトゥア(Vivia Perpetua)は、キリスト教初期の最も有名な女性聖人の一人です。 
 彼女の生涯と殉教については、本人が獄中で綴った日記を含む『ペルペトゥアとフェリキタスの殉教録』によって詳細に今日まで伝えられています。 

1. 出自と背景

  • 身分: カルタゴの裕福な貴族の娘で、高い教育を受けていました。

  • 家族: 逮捕当時22歳で、まだ乳飲み子の息子がいる若い母親でした。父親は熱心な異教徒でしたが、彼女は母や兄弟の影響でキリスト教に惹かれ、洗礼を準備する「求道者」となりました。 

2. 信仰ゆえの葛藤と逮捕 

  • 棄教の拒絶: 皇帝セプティミウス・セウェルスの迫害下で逮捕された際、父から「家族のために信仰を捨てろ」と涙ながらに説得されました。しかし彼女は水瓶を指し、「この器を水瓶以外の名で呼べないように、私もクリスチャン以外の名で自分を呼ぶことはできません」と答えて拒絶しました。

  • 獄中の日記: 彼女は暗く不衛生な牢獄での苦しみや、幼い息子への想い、そして励ましとなる数々の「幻(ヴィジョン)」を日記に記しました。これは古代の女性による希少な執筆記録として、歴史的にも極めて重要です。 

3. 殉教の様子(紀元203年)

  • 闘技場での最期: 奴隷の聖フェリチタス(彼女も獄中で出産したばかりの母親でした)らと共に、闘技場で猛獣の刑に処されました。傷を負いながらも気高く振る舞い、最後は剣で処刑されましたが、震える若い刑吏の手を自らの喉元へ導いてとどめを刺させたという逸話が残っています。 

4. 崇敬と象徴

  • 記念日3月7日(カトリック教会の祝日)。

  • 守護聖人: その経歴から、母親妊婦未亡人の守護聖人とされています。

「黄金(または青銅)のはしご」の幻
獄中で聖ペルペトゥアが見た「黄金(または青銅)のはしご」の幻は、彼女が自らの殉教を確信し、それを受け入れる決意を象徴する極めて重要なエピソードです。
『ペルペトゥアとフェリキタスの殉教録』に記されたその内容は、次のような象徴に満ちています。

1. 幻の内容

  • 危険なはしご: 天まで届くほど高いはしごがありましたが、非常に狭く、一人ずつしか登れませんでした。

  • 埋め込まれた武器: はしごの両側には、剣、槍、鉤(かぎ)、短剣などの鋭い武器がびっしりと取り付けられていました。脇見をしたり注意を怠ったりすると、体が引き裂かれるという恐ろしいものでした。

  • 足元の巨大な竜: はしごのふもとには巨大な竜(または蛇)が横たわり、登ろうとする人々を威嚇し、引きずり降ろそうと待ち構えていました。 

2. 恐怖への勝利

  • 先を行く師: 彼女たちの指導者であったサトゥルスが先に登り切り、上から「ペルペトゥア、君を待っているよ。竜に噛まれないように気をつけなさい」と呼びかけました。

  • 竜を足蹴にする: 彼女が「主イエス・キリストの名において、竜は私を害しません」と宣言すると、竜は恐れるように頭をもたげました。彼女はその竜の頭を「最初の一歩」として踏みつけ、はしごを登り始めました。 

3. 到達した先(天国の光景)

  • はしごを登り切ると、そこには広大な庭園が広がっていました。

  • 中央には羊飼いの姿をした白い髪の背の高い男性が座っており、数えきれないほどの白衣を着た人々が彼を囲んでいました。

  • 羊飼いは彼女を歓迎し、手からチーズのような乳の塊を与えました。彼女がそれを食べると、周囲の人々が「アーメン」と唱え、その音で彼女は目を覚ましました。 

4. 幻の意味
この幻から覚めたとき、彼女は「私たちはもはやこの世に何の希望も持たず、殉教することになるのだ」と悟りました。はしごの両側の武器は殉教の苦しみを、竜は悪魔の誘惑を、 land して頂上の庭園は死後の安らぎを象徴しています。 

この日記は、彼女が処刑される直前まで綴られており、キリスト教初期の女性による極めて稀な一次史料として今日まで大切に語り継がれています。

コルネリア(Cornelia)とは・・
コルネリア(Cornelia、1世紀後半 - 91年)は、古代ローマのヴェスタの巫女(ヴェスタリス)の最高位である「マキシマ・ヴェスタリス(最大ヴェスタの巫女、Virgo Vestalis Maxima)」です。 

ドミティアヌス皇帝の治世下で、貞操の誓いを破ったとして告発され、生き埋めの刑に処されたことで知られています。 

生涯と処刑

  • 立場: ヴェスタの巫女の最高責任者(Maximal Vestal)を務めていた。

  • 告発: ドミティアヌス皇帝により、貞操の誓いを破った(不義を働いた)として罪に問われた。これに対してコルネリアは自らの無実を強く主張した。

  • 処刑: 91年頃、ドミティアヌスは彼女を生き埋め(墓の中に閉じ込める)の刑に処した。

  • 背景: この処刑は、ドミティアヌスが自身の厳しい道徳的統治を誇示し、元老院の権威を縮小させるために行った政治的なパフォーマンスだったと分析されている。 

ヴェスタの巫女としての背景

  • 役割: ローマの女神ヴェスタの竈(炉)の火を絶やさないよう守る神聖な職務。

  • 戒律: 30年間の処女の維持が義務付けられ、破った場合は「血を流してはならない」という規則から、生きたまま埋められる刑に処された。

  • 特権: 非常に高い尊敬を受け、自らの財産を管理する権利や、父親の支配(パトリア・ポテスタス)からの解放など、当時のローマ女性としては異例の自由を持っていた。 

コルネリアの処刑は、当時のローマにおけるドミティアヌスの独裁的な姿勢と、ヴェスタの処女の神聖さが政治的に利用された事例として歴史に記録されています。



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橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。