第8章 #1 分詞構文の主語は同一。英文法を疎かにしては正確な和訳に達せられない
英文法など必要ない。とにかく会話だ、とかいう乱暴な意見を聞いて驚いたが、今では珍しくはなくなった。まあ、そのレベルでは高めると外国で食堂でご飯を食べたりホテルを予約したり空港で飛行機に乗ったりするには大丈夫になるかもしれない。
しかし、会社を代表して、時に国家を代表して契約を結ぶとか条約を結ぶ、とかで失敗する人になるだろう。もっともその程度の人にはそのような大役は周って来ないだろう。
そのような晴れ舞台で活躍できる人になろうと思ったら、もう少し英文法を大事にしたほうが良い。という思いでこの記事を書いた。詳しくは下の文法解説に続く。
#1 THE sense of honour, implying a vivid consciousness of personal dignity and worth , could not fail to characterise the samurai, born and bred to value the duties and privileges of their profession.

私の訳:名誉の感覚は人格の尊厳 並に価値の明白なる自覚を含む。従って自己の職業に伴う特権と義務を重んずることを生まれながらにして知り、そしてその教育を受けた武士を名誉の感覚というものは必ず特徴づけるものであろう。
矢内原忠雄 訳:名誉の感覚は人格の尊厳 並に価値の明白なる自覚を含む。従つてかの生れながらにして自己の身分に伴ふ特権と義務を重んずるを知り、且つその教育を受けたる武士を、特色付けずしては描かなかった。
櫻井鴎村 訳:名譽の念には、人の威嚴價値に關する明白なる自覺の存するが故に、此 念は彼の生れながらにして、己が門地に伴ふ義務と權限とを重んずることを知り、且 又た此れが敎養を受けたる武士の特質たらずんばあらず。



文法解説
THE sense of honour, implying a vivid consciousness of personal dignity and worth
この部分は分詞構文で、節に直すと、As the sense of honour implyed a vivid consciousness of personal dignity and worth
could not fail to characterise the samurai, born and bred to value the duties and privileges of their profession
この後半の「主節」の部分であるが、これは文の構造上、主語は、The sense of honour とならざるを得ない。矢内原氏の訳を見ると I (新渡戸稲造)が主語になる様に思えるが、あくまでも主語は The sense of honour である。別に矢内原氏が間違ったわけではない。彼は知った上でこのように訳したのである。意訳である。
我々はこのようなことを知った上で訳をしなくてはいけない。意味がただ通ればいいや、ではダメ。
主語が The sense of honour であることを強く意識して私は訳してみた。「私の訳」である。






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