見出し画像

武士道 第15章 #21 農夫は茅屋に爐火を圍んで義経と辨慶、また勇ましき曾我兄弟の物語を繰返して倦まず

#21  The peasants around the open fire in their huts never tire of repeating the achievements of Yoshitsuné and his faithful retainer Benkéi, or of the two brave Soga brothers;


私の訳:
 小屋の囲炉裏(いろり)の周りに集まる百姓たちは、義経と忠実な家来の弁慶の武勇伝、あるいは勇敢な曾我兄弟の物語を語り継ぐことに飽きることがない。

はくおく  はくをく【白屋】  茅で屋根をふいた家。そまつな家。



歴史・文学背景

  • Yoshitsuné and his faithful retainer Benkéi
    (源義経と忠実な家臣・弁慶):『義経記』などで有名。

  • The two brave Soga brothers
    (勇敢な曽我兄弟):曽我物語、仇討ちの物語。 

この一節は、日本の武士道精神が単に支配階級だけでなく、農民の間でも物語として愛され、文化の根幹にあったことを示しています。

曽我物語

私も小学2年生の時にこれを読んだがよく分からなかったな。あまり明るい話ではないな、というのは分かったが・・・
 改めて解説を読もう

『曽我物語』は、父を殺された曽我十郎・五郎兄弟が、18年間の苦難の末、鎌倉幕府の有力御家人・工藤祐経を討つ物語です。富士の巻狩りで仇討ちを果たした兄弟の物語は、赤穂義士伝·伊賀の水月と並ぶ「日本三大仇討ち」の代表作として、能や歌舞伎の題材にもなりました。

【あらすじ】
仇討ちの始まり

伊豆の豪族·工藤祐経(くどうすけつね)は、所領争いで恨みを持っていた伊藤祐親(いとうすけちか)を襲撃しようとして誤って兄の河津三郎祐泰(かわづのさぶろうすけやす)を射殺します。

幼少期の苦難
残された兄·十郎(一万)と弟·五郎(箱王)は、父を殺した工藤を敵と憎み、成長後に仇を討つことを誓います。母の再婚により、兄弟は曾我祐信(そがのすけのぶ)の養子となり、曾我姓を名乗ることになります。

チャンスを待つ18年
兄は鎌倉や諸国で修業し、弟は箱根権現で僧になる修行をしながら機をうかがいます。工藤祐経は源頼朝の信頼厚い重臣にのし上がっていました。

富士の巻狩りで本懐
1193年(建久4年)5月、頼朝が富士の裾野で催した大規模な巻狩りに、工藤祐経も同行。兄弟は激しい嵐の夜、ついに工藤の宿所に討ち入り、父の敵を討ち果たしました。

最期
兄·十郎は御所に駆けつけた仁田忠常らによって討ち死にし、弟·五郎は捕縛されたのち、頼朝の面前で処刑されました。 

兄弟は命をかけて敵を討ったことで、仇討ちの模範として語り継がれています。




いいなと思ったら応援しよう!

橋本 このたびはご評価をいただきありがとございます。また、チップまで下さるとは私にとって大変な喜びです。さらに英文訓読の役を進め、アップさせていきたいと思います。